Skyrim⑫ ドーンガード (30話)

Skyrim・ドワーフの爆裂冷気ボルトをカルセルモのところに持っていく(*・ω・)つ○

マルカルスのカルセルモからドワーフの爆裂冷気ボルトを分けて欲しいと再三依頼を受けていたRio。
謎の書物翻訳のお礼を兼ねてドゥーマーの権威の元を訪ねてみることにしたのでした



本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

ネタバレ・妄想・創作満載となっておりますので、「そういうのは苦手です」とおっしゃる方はスルーお願いいたします。
今回は特にクエスト箇所がほんの少しで残りはすべて創作となっておりますので、創作などはNGとおっしゃる方はオールスルーしてやってください。



レイクビュー邸を訪れたRioはルシアとソフィの元気な姿に安堵し、エリクとラッヤに吸血鬼の脅威が去ったことを伝えました。
もうレイクビュー邸に篭っているのは飽きちゃったわと唇を尖らせるルシアの頭を撫でながら、じゃあどこかいっしょに旅してみましょうかとRioが誘います。
ソフィはどこに行きたいんだと問いかけるヴィルカスに、はにかんだ笑みを見せながら少女はホワイトランに行ってみたいと告げます。
「ホワイトランは俺も行きたいよ リディアにも会いたいしエオルンド・グレイ・メーンに武器を造ってもらった礼も言いたい」
ホワイトランにはいい思い出なんてないのにと。
反対意見を口にしかけたルシアはエリクのうれしそうに賛同を示す声を聞くや否や、じゃあ私もホワイトランに行ってみようかな・・・とつぶやきました。
そうと決まれば早速明日出立だと。
荷物をまとめ、地図を皆で囲みながら旅行の計画を練るRio、ヴィルカス、エリク、ルシア、ソフィなのです。
その様子をもう一人の執政ラッヤと吟遊詩人のルウェリン・ザ・ナイチンゲールが笑いながら傍観しています。
随分にぎやかだなと荷物を運んできた御者のガンジャールが戸口から顔を出すと、明日はパパとママとエリクといっしょに旅行なのと、はしゃぐルシアとソフィが駆け寄り荷の運び入れを手伝い始めます。
明日は皆を乗せてホワイトランに向かえばいいんだなと陽気に応えるガンジャールの背後から配達人が顔を覗かせ、手紙を預かっていると遠慮がちに口を挟みました。


ドーンガードミニクエスト『ドワーフの爆裂冷気ボルトをカルセルモのところに持っていく』

「せっかく皆で旅行ができると思ったのに残念(´・ω・`)」
「だがその手紙で催促状は3通目なんだろう?」
マルカルスに向かう荷馬車の中で。
うなずきながらRioはカルセルモから寄せられた手紙3通をヴィルカスへと差し出します。
文面には、いつになったら爆裂冷気ボルトをわしに届けてくれるんだ、このままではこの老いぼれは先にエセリウスに逝くことになってしまうぞ・・・などと脅迫めいた内容が記されています。
業を煮やした老人の逆鱗に触れる前に、Rioとヴィルカスは急遽マルカルスに立ち寄りドワーフのボルトを配達することにしたのでした。
落胆するソフィのしょんぼりとした様子を思い出し。
「パパと旅行だってあんなに喜んでいたのに ソフィが可哀そうでなんだか胸が痛い(´;ω;`)」
両膝を抱えてRioはため息をつきながら揺れる荷馬車の床に視線を落としました。
うなだれる相棒の頭に手を置いたヴィルカスは、配達が終わり次第ホワイトランに急行しようと声をかけます。
(そういえばルシアはそれほど落ち込んではいなかったようだけど。ううん、むしろ楽しそうだった。なぜだろう?)
ぼんやりとそんなことを考えながらRioは荷からドワーフのボルトを取り出し、その造りをじっと見つめました。

甥のアイカンターが客人だと耳打ちしても考え事に夢中なのか、カルセルモは一点を凝視したまま生返事を寄越すだけです。
「仕事があるのだが 何なんだ?」
「御所望のドワーフのボルトを届けに来たのだけど|ω・)つ○」
つまんだボルトをRioがカルセルモの目の前で振って見せた途端、カルセルモは興味津々という風情でボルトに飛びつきました。
「すばらしい 実にすばらしい これがあればドゥーマーの職人技と魔法の共鳴についての研究が完結するのだ」
ぜひとも譲ってもらいたい、相場の二倍の金を出そうと熱心に交渉を試みるカルセルモに、Rioはすんなり取引承諾の旨を伝えます。
合意してもらえてよかったと髭を撫でつけ、一心にボルトを様々な角度から見入るカルセルモの元を離れるとRioは一路ホワイトランを目指したのでした。

※Rioはすでに話術スキルがカンストレベル100でしたので説得交渉はしておりませんが、話術スキルを上げたい方はカルセルモ相手に値段交渉を続けるのも手かもしれません。ちなみにドワーフの爆裂冷気ボルトは2倍の値で6ゴールド、説得に成功すると2.5倍の値段となり8ゴールドで買い取っていただけます。

薄曇の午後のホワイトラン平野地区。
その商店街ではフラリア・グレイ・メーンが金銀細工のアクセサリィを勧める声やカルロッタ・ヴァレンシアの新鮮な野菜や果物を売る声が響き渡ります。
カルロッタは夫を亡くした未亡人ながら娘ミラを女手ひとつで育てる気丈かつ美しい女性で、ホワイトランの至る所に彼女の信奉者はあふれ、バナード・メアの吟遊詩人ミカエルも彼女を狙う一人という噂でした。
イソルダと楽しげに語り合うオルフィナ・グレイ・メーンをやや離れた位置から眺めるジョン・バトル・ボーンの姿も見受けられます。
オルフィナとジョンは恋人同士でありながらもお互いの家柄が犬猿の仲のグレイ・メーン家とバトル・ボーン家ということもあり、忍び逢うことしかできない哀しい境遇にあります。
ゆえに表立って交際を宣言することなどはできず、このようにジョンはいつも遠くから彼女の姿を見守り物思いに耽っているようです。
片時も離れることなく傍でおしゃべりを続けるルシアとアルカディアの大釜に後で寄ってもらえるかなぁとつぶやくソフィ。
その交互にエリクはうなずいて見せました。
「エリク!? エリクじゃない! いつホワイトランに?」
バルグルーフ首長の命により今日はドラゴンズリーチへの出仕が決まっていて同行できないというリディアに代わり、ルシアとソフィの護衛兼保護者を買って出ていたエリクを呼び止める声がします。
聞き覚えのあるその声にエリクが振り返ると。
やや遠巻きに負けん気の強そうな瞳の少女が手を振っています。
「やあブレイス 元気にしてたか?」
内戦でホワイトランが戦渦に曝された折、ブレイスの危機を救ったのがエリクでした。
それ以来ブレイスとその家族は皆エリクを恩人と敬い、ロリクステッド出身のいわゆる他所者であるエリクを身内ともみなし親しく付き合っているのです。
息を切らして駆け寄ったブレイスの両手がエリクの右腕に絡みつきます。
「ねぇエリク 今夜泊まるところないんでしょ? 家にいらっしゃいよ パパもママもエリクなら大歓迎よ おいしいご馳走も作ってあげる」
ブレイスの強引で馴れ馴れしい態度にムッとした表情を見せながらルシアが横から口を挟みます。
「ちょっと手を離しなさいよ エリクはブリーズホームに泊まるんだから」
「あら どこかにいなくなったと思ったらまた戻って来たの みなしごさん?」
ふふんと鼻を鳴らしながらいじわるく睨めつけるブレイスに負けじとルシアも睨み返します。
「みなしごなんかじゃないわ! あなたこそまだラーズをいじめて鬱憤晴らしなんかしてるんでしょ いつまでたっても子供っぽいんだもの」
やめましょう・・・と。
姉妹の暴走を嗜めるソフィがルシアの腕を引っ張ります。
けれども時既に遅く。
エリクを間に挟んだルシアとブレイスの確執は単なる子供の喧嘩をはるかに凌駕し始めていました。
「何よ孤児の分際で ルシアなんて乞食のブレナインと仲良くしてるのがお似合いよ」
「ひどいこと言わないで! ブレナインはやさしい人よ!」
おいおい二人共やめろよと間に立ち仲裁にかかるエリクを押し退け突き飛ばし。
ルシアとブレイスはお互いの鼻息がかかる辺りにまで詰め寄ります。
「そうね こんな生意気な子なんて放っておいて早く行きましょう」
ブレイスがエリクの片腕を引っ張るとその間に強引に割り込んだルシアが阻止に走ります。
やがて遂にルシアは声を張り上げてしまいました。
「あたしとエリクなんていっしょに暮らしてるんだから!」
ルシアのエリクと同棲している発言に驚愕し、ブレイスはわなわなと震え出しました。
するとそれまで和やかに交わされていた商店街の会話がぴたりと止み。
市場に居りなす人々から、まるで犯罪者を見るような冷たい視線がエリクに浴びせかけられました。
「ちょっと待て! いっしょに暮らしてるって誤解だ! いや確かに今は一つ屋根の下で暮らしているようなものだけど 違う そうじゃなくて・・・」
しどろもどろなエリクの様子を肯定と勘違いしたブレイスは命の恩人の頬に往復ビンタを喰らわせました。
熱を帯びる頬に手を当てながら待ってくれとエリクがブレイスの手を掴むと。
ブレイスはエリクなんて大嫌いと喚きながら体当たりして突き飛ばします。
普段からラーズ相手に鍛え上げられた体当たりは少女のものにしては強烈で。
果物籠に足を取られ、虐殺者の二つ名を持つ者ですら体勢を大きく崩しよろめいてしまいました。
思わず支えを求めて伸ばしたエリクの手が何かやわらかく弾力のある膨らみに触れます。
なんとか地に倒れ伏さずに済んだと安堵のため息を吐くエリクの目の前で、頬を朱に染めるオルフィナが小刻みに震え拳を握り締めていました。
改めて今の状況を見直したエリクは自身の手がオルフィナ・グレイ・メーンの胸を掴んでいることに気づき。
「いや・・・ごめん これは違う 違うんだ」
青くなりながら手を引っ込めます。
その瞬間、オルフィナの拳と、つかつかとエリクの傍らに走り寄ってきたジョン・バトル・ボーンの鉄拳が同時に虐殺者の頬に顎に炸裂しました。
ほとんど無抵抗のまま防御体勢も取らず殴られ放題となってしまったエリクは仰け反り。
今度は何の支えもなしに仰向けに倒れます。
倒れただけならまだしも、倒れた場所がこれまた悪く。
ちょうど店を閉めて娘といっしょに家路に就こうかと帰り仕度を整えていたカルロッタ・ヴァレンシアのスカートの中を堪能できてしまう位置に上半身が滑り込んでしまったのです。
真っ赤になりながら起き上がろうとエリクがもがけばもがくほど、カルロッタのロングスカートは頭に絡まり。
美しい未亡人も悲鳴を上げながら助けを求めます。
ようやくスカートから抜け出したエリクの視界には泣き出しそうなルシアとソフィの姿が映り。
「お前はスカイリムとその民に対して罪を犯した」
衛兵らに剣や斧を突きつけられて。
エリクは身動きの取れない状態となってしまいました。
騒ぎを聞きつけジョルバスクルを飛び出して来た同胞団メンバーの中央で凛然と佇む狩猟の女神アエラが驚きの声を上げます。
「エリク!?」
ホワイトランの街中で騒ぎを起こしている色魔がいると聞いて駆けつけてみれば、まさかそれがエリクだったとは。
ルシアとソフィのことは任せるわと傍らに寄り添うリアに指示を出すと、アエラは衛兵らに首を腕を鷲掴みにされ牢獄に引き立てられて行くエリクを追うのでした。

「少女を誘惑しただって!? 馬鹿な! だからそれは誤解なんだよ!」
赤く腫れ上がった頬をさすりながらエリクが叫びます。
ルシアという少女と同棲しているのではなく、レイクビューにある館の執政として彼女の別荘に寝泊まりしているだけだと。
「女性に痴漢を働いたって!? 冗談じゃない! あれは事故だ 事故!」
事情聴取する衛兵にエリクは必死の形相で申し開きを続けます。
そこに現れた狩猟の女神アエラとリディアの説得により、厳重注意と少々の罰金でエリクは何とか釈放となりました。
ルシアとソフィはジョルバスクルで一旦預かっているとアエラが告げると、痛々しいまでにずたぼろになったエリクは赤く腫れた頬を押さえながら駆け出して行きます。
ふらふらともつれた足でエリクがジョルバスクルに踏み込むと、夕刻に暴れていた色魔はお前かと同胞団員が取り囲みます。
「やめてぇっ! エリクは何も悪いことしてないのよ!」
あわや再び制裁を受けそうになったエリクの前に、同胞団メンバーの人垣をかきわけ飛び出したルシアが両手を広げ立ちはだかります。
やめてよぉ・・・と。
ポロポロと涙を零すルシアを目にした同胞団員らはようやく振り上げた拳を収めました。
もういいから泣くなよとルシアを宥め。
同じくしょんぼりとうなだれるソフィの頭を撫でて。
とにかく二人が無事でよかったと安堵のため息を吐くと共にエリクはそのままジョルバスクルの床に突っ伏してしまいました。

押収されていたエリクの装備や荷物を衛兵から貰い受け、遅れてジョルバスクルに入場を果たしたアエラとリディアがエリクは無罪であり勘違いによって牢に連れて行かれただけだと同胞団員らに説明を加えます。
更に翌々日マルカルスでの依頼を終えホワイトランにて合流を果たしたRioやヴィルカスからの弁明、本人からの釈明もあり、商店街での一件のほとぼりは冷めたかのように思われました。
しかし虐殺者ならぬ少女キラー、女漁り、誘惑者などなど。
何やら不名誉な二つ名ばかりが増えてしまったエリクなのです。


以上、ドーンガードミニクエスト『ドワーフの爆裂冷気ボルトをカルセルモのところに持っていく』&サイドストーリー『エリクの受難な一日』(クエストタイトルではないのでタイトルには冠しておりません)終幕となります。

えと・・・エリク、本当にご愁傷さまです。←お前が言うなって声が聞こえた気も?
ごめんね|ω・)))) ゴメンネ ゴメンネ←本当に悪いと思っているのか!?
エリクの恨み言が聞こえた気もするけど。
エリクなら許してくれる・・・あれれ?丑の刻参りの音がするような((((;´・ω・`)))

こちらのストーリーはSkyrim⑪を書いている辺りから考えておりました。
ただ、あまりにも脱線してしまいそうで、番外編とするか、もうひとつのスカイリムの物語的なポジションにしようか。
あるいは短いクエストの合間にでもこっそり入れてみようかなどなど考えておりました。
結局、今回このような形で描かせたいただきました。
エリクのエピソードは描き易いので、また機会がありましたらどこかでアップさせていただきます。
「もうやめてあげて エリクのHPは0よ!」という声が聞こえたような・・・空耳よね(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)

一月ほど前、5回分ほどの傭兵代支払い500Gで雇い直しを経てようやくエリクがレイクビュー邸の執政になってくれました。
執政になってくれる条件はもしかすると傭兵として雇った回数かもしれません。
雇い直した時のセリフが今まで聞いたことがなかった「先導してくれ」だったのも気になります。
トリガーが一体何なのかが未だに不明ですが、可能性として、①いっしょに請け負ったクエスト数が一定以上になった場合、②終了させたクエスト数が一定以上になった場合、③①&②の複合型、④雇った回数または支払った傭兵雇用代トータル金額、⑤その他・・・などなど様々な要因が考えられます。
またエリクをレイクビュー邸などHearthfireのハウスに連れて行き運良く執政になってもらっても、なぜかすぐに執政の仕事に取り掛かかってはくれません。
執政の仕事内容一覧すら表示されないのです。
この場合は一旦別のフォロワーを雇い直してからもう一度エリクが執政をこなす館に戻ってみてください。
するとすっかり執政になりきっているエリクが見られます。←仕方なく妥協したとも言ふ
でも話しかけるとうれしそ~に「冒険に出ようか?」と誘ってきます(〃▽〃;) エリク ボウケン ダイスキナノネ

次回Skyrimは『ロリクステッドの住人達』をお送りする予定ですが、その前に2週間ほど艦隊これくしょんの春イベント攻略について記していこうかと思っております。
その後、あくまで予定は未定ですがSkyrim⑬といたしまして吟遊詩人クエスト他マルカルス・リフテン・ショール・ストーン・ダークウォーター・クロッシング・ウィンドヘルム(全16話予定)をアップしようかと思っております。
ネタバレ・妄想・創作が相変わらず多々含まれるとは思いますが、「それでもOK(*・ω・)」とおっしゃる方々のお越しを心よりお待ちしております。

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Skyrim・古代ファルメルの書物をウラッグ・グロ・シューブに届ける(*・ω・)

星霜の書(竜)を保管してもらおうとウィンターホールド大学を訪れたRio。
アルケイナエウム内にて。
珍しい書物にひとかたならぬ興味を示す司書ウラッグ・グロ・シューブから忘れられた谷で見つけた謎の書物の翻訳についての提案を受けます。



本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

随所にネタバレ・妄想・創作などなどを多々含みますので、クエストの流れのみ知りたい方はカラー部分のみご覧いただけますようお願い申し上げます。
また、NPC及びPC間における会話や行動には創作&アレンジが施されておりますので、ゲーム内の台詞や動きとは異なりますことをどうぞ御了承おきくださいませ。



ヴォルキハル城からドーンガード砦に向かうその前に、Rioはセラーナを伴いソウル・ケルンに足を運びヴァレリカにハルコンの滅亡を伝えました。
安堵のため息をひとつつき。
仕度を整えた後タムリエルに戻ることを彼女は約束してくれました。
心からの謝辞をヴァレリカはRioに捧げ、それから穏やかな眼差しを娘セラーナに注いだのでした。

ドーンガード砦への凱旋の途中でソリチュードに立ち寄り、吸血鬼討伐の報告をジョディスに伝えます。
一晩をプラウドスパイヤー邸で過ごしたRioとセラーナはその足でドーンガード砦へと向かいました。
多大なる貢献を我々に果たしてくれたと賞賛の言葉を添えながらも、イスランはRioの背後に佇むセラーナに、父親の件では気の毒な結末になったと彼にしては珍しく沈んだ歯切れの悪い言葉を重ねました。
それはこれまで吸血鬼すべてを悪と信じて止まなかったイスランにしては最大限譲歩した同志と認めた者への労いの言葉だったのです。
「行く宛がないのなら いやお前達が望むのならいつまでもこの砦を使うといい もちろんセラーナもだ 吸血鬼とはいえ志はドーンガードの他の者に変わらぬ思いだと自ら証明して見せたのだからな 皆も同様の意見のようだ」
デュラックがちらりとこちらを見てうなずき、アグミルが親しげに片手を掲げ手を振っています。
ソリーヌがセラーナの肩に手をかけ、剣を磨いてあげるわとやさしく声をかけます。
セラーナはほんの少し戸惑ったような表情を見せて。
じゃあこれを・・・と。
今となっては父ハルコンの形見となってしまった剣を差し出しました。
「どれどれ ふうむ強化も終わってるみたいだな」
ソリーヌの横で剣を見つめていたガンマーが口を挟みます。
「ええ Rioがわたくしのために昨日打ち直してくださったのですわ ただ磨いている時間までは取れなくて刃は曇ったままなのですが」
「じゃあ俺が磨いておいてやろう こいつはソリーヌにはまだ荷が勝つ代物だ」
ソリーヌの手からセラーナの剣をひょいと奪い取ったトロールのトレーナーは朗らかに言い放ち、そのまま鍛冶場へ足を運んで行きました。
ムッとした様子でガンマーを追うソリーヌはおもむろに止まり、振り替えると、Rioとセラーナに向かってユーモアたっぷりな表情で肩をすくめて見せました。
皆の歓待を受けるRioとセラーナの後方から視力を失った聖蚕の僧侶デキソン・エヴィカスが近づいて来ます。
その気配に気づいたRioは彼の手を取り、ただいまと老人の耳元に囁きました。
無事に戻ってくれてうれしいよとデキソンは穏やかな調子で綴ると、見えないはずのセラーナの方へと向き直り諭すように訴えます。
「想像できるかい? 太陽のない世界なんて そうなったら吸血鬼も人間もみんな終わりだよ」
返事の代わりに紅い瞳に憐憫の情を浮かべつつセラーナもデキソンに寄り添いました。
ハルコンは力を欲するあまり己の計画がもたらす結果の全体像を見失ったと語るデキソンに、星霜の書が常に導いてくれたと。
前に進む力を与えてくれたとRioは告げます。
星霜の書が我々を裏切るなどとは一瞬たりとも思ったことはないと老人は笑い、使命を終えた書をどうするつもりか教えてもらってもよいかと問いかけます。
「君さえよければそれら星霜の書を帝都の本来あるべき場所 白金の塔に返却するため譲ってもらいたいのだが」
聖蚕の僧侶としての願いを綴るデキソンにRioは、
「あなたなら・・・いえ聖蚕の僧侶達なら星霜の書を大切に扱ってくれると信じているわ」
と応え、取り出した星霜の書(血)(力)の2冊を手渡しました。
星霜の書(竜)だけはスカイリムのアルケイナエウムに寄贈したいのだけれどと断りを入れるRioに、もちろんそれは構わないと双眸を黒い布で覆うデキソンも深くうなずいて見せました。
ちょっとした冒険だったろう?
「ちょっとどころか大冒険だったわ(*・ω・)」
デキソンの語りかけを思い出し。
独り言を口にするRioに小首をかしげるセラーナなのです。
何でもないと笑顔で応えて。
Rioはすっかり馴染んでしまったドーンガード砦のベッドに勢いよくダイブしました。

ひさしぶりにたっぷり休養を取ったRioとセラーナは謎の書物4冊を手にドーンガード砦を出立しました。
その本をどうなさいますのと指を差すセラーナに、
「ファルメル語だとしたらマルカルスのカルセルモが権威なんだけど翻訳請け負ってくれるかなぁ(´・ω・`)」
などと返答しつつ、Rioは謎の書物を抱きしめたまま晴れ渡った空を見上げます。
「そんなに反りくり返って余所見をしていると転びますわよ」
「だってこんなにいい天気なんてスカイリムでは珍しいんだもの(〃▽〃)」
マルカルスならリフテンから馬車に乗れば一日足らずなんだけど、実は他に寄りたいところがあるのだと。
相変わらず空を見上げたままのRioがそう口にした途端、思いがけず何かにぶつかってしまいました。
バサバサと音を立てて謎の書物が腕から滑り落ち。
「痛っ こんな道の真ん中に障害物を置いておくなんて危な・・・い・・・」
見開いたRioの目の前には懐かしくて夢にまで見た人物の姿がありました。
「人を障害物扱いするな ちゃんと前を見て歩かないからこうなる」
転びそうになるRioを支えた腕は温かく力強く。
「ヴィルカス・・・」
おかえりなさいと微笑んで。
ほんの少しだけ瞳を潤ませるRioは逢いたくてたまらなかったパートナーの腕に飛び込んだのでした。


ドーンガードミニクエスト『古代ファルメルの書物をウラッグ・グロ・シューブに届ける』

「寄りたい場所ってここでしたの?」
以前訪れた際、取り乱してしまった記憶が甦るセラーナがアルケイナエウムの扉を前に尻込みします。
竜の星霜の書を手に入れる際、アルケイナエウムの司書ウラッグに世話になったことがあるのだと説明を加えるヴィルカスが扉を開け入出を促すと、美貌の吸血鬼はおずおずと厳かな空間へ歩を進めました。
アークメイジだろうとなかろうと本に関しては自分の管轄で口出しはさせないと受付テーブルで仁王立ちするウラッグに。
星霜の書に興味はあるかと問いかけるRioなのです。
「これは傑作だ エンシルにそそのかされでもしたのか?」
星霜の書は思慮深く知識欲旺盛なオークの司書の感情をいたく刺激したものらしく。
巻物となっている装丁をウラッグは食い入るように見つめます。
「興味がないなら他に持っていくつもりなんだけど|ω・) タイマイハタイテ カッテクレルヒト イソウダシネ」
「待ってくれ 本気なのか!?」
他に持っていくなどとんでもないと前のめりになるウラッグを見つめて。
Rioは笑いを堪えきれず吹き出してしまいます。
とにかくこのような貴重な書はこちらで責任を持って預からせてもらおうと半ば強引に星霜の書(竜)をRioの手から奪い取ると、代わりに2000セプティム金貨をアークメイジへと押し付けました。
自ら奪っておきながら、
「光栄な事だ このような代物を大学が所有できるなんて名誉以外の何物でもない」
いかめしく言い放つウラッグの様子にRioはまたもや吹き出してしまいます。
決まり悪そうに年若いアークメイジを睨みつけるアルケイナエウムの司書はRioの荷からはみ出ている書物に目を留めました。
謎の書物の一冊をアークメイジの荷物から引っ張り出すと、これはどうしたのだとウラッグは詰め寄ります。
「とある洞窟探検時に見つけたものなんだけど解読できないの(´・ω・`)」
Rioの返答に、目にするのは随分ひさしぶりだと数ページを繰りながらウラッグは感嘆のつぶやきをもらしました。
「ファルメルの原語で書かれた珍しい一品だ」
アルケイナエウムの司書の見立てにうなずくと、この書物を翻訳してもらえそうな人物に心当たりはあるかとRioは問い返します。
するとウラッグはあると答え、このようなファルメル語の本を持ってきてくれれば一冊につき1000ゴールドで買い取ろうと交渉を持ちかけます。
その上、翻訳が終わり製本が完了した暁には翻訳された本を一冊ずつ贈呈しようという約束も交わしてくれたのでした。
後日、アルケイナエウムの司書から貰い受けることになる謎の書物は“裏切られし者”“ミルティル・アンゴスの日記”“フェア・アガーウェンの日記”“空に触れる”と題された四冊で、Rioはこれらの文献からファルメルがノルドに敗北し落ち延びた先でどのような境遇を辿ったかの詳細を知ることになるのです。

※以前訪れた際取り乱してしまった記憶・・・のアルケイナエウムに対するセラーナの反応はSkyrim⑫『預言者』後編をご覧くださいませ。また、“裏切られし者”“ミルティル・アンゴスの日記”“フェア・アガーウェンの日記”“空に触れる”はSkyrim⑫『空に触れる①~④』の冒頭に抜粋してありますが、全文を読んでみたい方はゲーム内で手に入れていただくかSkyrim Libraryさんの方で検索してみてくださいませ。

雪深いウィンターホールドに別れを告げたRioとセラーナそしてヴィルカスの3人はやはり白銀の世界に静かに居を構えるヘリヤーケン・ホールを訪れました。
ようやく手に入れた自由な時間をイリアやグレゴール、吟遊詩人のオリエラらと蜂蜜酒やアルトワインを傾けて過ごそうとの目論見です。
イリアが即席で用意してくれた蜂蜜酒とエイダールチーズ、スパイス入りの牛肉にリーキとおろしリンゴを加えたソースなどで空腹を満たした後は、巡回の仕事が残っているからとグレゴールが早々に暇を告げ去ってしまいました。
お疲れでしょうから今夜はゆっくりお休みくださいませと、3人の身体を気遣うイリアもいそいそとホールを退出してゆきます。
ホールに残ったオリエラが優しい音色のフルートを奏でると、暖炉の前の揺り椅子にもたれかかるRioはうとうととまどろみ始めました。
床に落ちたショールを眠りに就く相棒の肩にかけてやるとヴィルカスは酔い覚ましにベランダにでも出ようかと立ち上がります。
「本を選ぶのを手伝ってもらえませんこと?」
セラーナに乞われ。
右手の書庫へと赴いたヴィルカスは彼女の気に入りそうな本の選別にかかります。
説明を加えながら2階の書庫から階下に向かおうとするヴィルカスをそっと引き止めて。
セラーナは秘めていた自らの思いをたどたどしい口調で綴ります。
「お慕いしておりますの あなたを」
おそらくディムホロウ墓地で出会った時からずっと惹かれていたと。
刹那、ヴィルカスは驚いたように美貌の吸血鬼を見つめるとひとつため息を吐き。
ゆっくりと首を横に振ります。
「マーラの誓いに背くことはできないとおっしゃいますの?」
マーラの誓いはリフテンの司祭には悪いが形式だけのものだと返答するヴィルカスにセラーナはそれではと、すがりつきます。
「では・・・ではわたくしにも望みはありますの?」
「マーラにかけての誓いではなく俺の信ずるイスミール ドラゴンボーンであるあいつ自身にかけた誓いだ 背くことはない」
乱暴ではないまでもヴィルカスの両腕で引き剥がされ、はっきりと拒絶を言い渡されます。
ではRioがドラゴンボーンとしての能力を持っていなければ、いえイスミールでなければ、あなたはわたくしと共に歩む人生を考えてくださったのでしょうか。
一縷の望みを賭けたセラーナの紅い双眸が切なげに瞬きます。

翌朝目を覚ましたRioは居間で寝入ってしまったはずなのに寝室のベッドにいる事に気づき、目をこすりつつ辺りを見回しました。
サイドテーブルには片肘を付き、手紙の文面に視線を落とすヴィルカスの姿がありました。
「おはようヴィルカス その手紙は(゚ー゚*?) ハヤオキ ナノネ」
沈黙のまま立ち上がると相棒の掌に手紙を託し、ヴィルカスは寝室を後にしてゆきます。
親愛なる友、Rioそしてヴィルカス
わたくしはしばらく一人旅を楽しんでみます。
人恋しくなるようなことがあればドーンガード砦に立ち寄るかもしれません。
あなた方と過ごした冒険の日々は、わたくしの長い人生の中で一番光輝いた時間だったように思われます。
「セラーナ・・・!?」
手紙を握り締めて。
ヘリヤーケン・ホールの各部屋に駆け込んでみたものの、そこに紅い瞳の友の姿はなく。
ただかすかに甘い残り香だけが漂っていたのでした。

ドーンスターの街道沿いから馬車を呼び止めたセラーナは目深に被ったフードで顔を隠しながら南へ・・・と一言だけ告げて。
そそくさと荷台に乗り込みました。
南ってどの町に行きたいんだいと慌てて聞き返す御者に、どこへでもとセラーナは小さく応えます。
仕方ないという風情で肩を上下させた御者は馬に鞭を当てました。
Rioがドラゴンボーンとしての能力を持たない者であったなら、自分にもあなたと共に歩むチャンスがあったのだろうか。
自身の問いに対するヴィルカスの返事を思い出し、荷馬車に揺られるセラーナはうつむきます。
あいつがたとえ皆の望むようなイスミールでなかったとしても俺の気持ちは変わらないだろう。
あいつは英雄出現を願う民にとってのイスミールではなく俺にとってのイスミールだからだ。
あいつの喜怒哀楽の声音が、表情が、仕草が、俺を一喜一憂させる。
「わたくしはあなたの心を震わすこの世でただひとりのイスミールにはなれなかったのですね」
ルビー色の瞳から涙が零れ落ち。
セラーナのもらす嗚咽は荷馬車のたてる車輪の音に掻き消されてゆきました。


以上でドーンガードミニクエスト『古代ファルメルの書物をウラッグ・グロ・シューブに届ける』終了となります。

前回がドーンガードのクエスト上のまたはBethesdaさんの提供してくださった物語の顛末だとした場合、今回は小桜のストーリーの顛末ということになります。
セラーナファンの方にとってはアンハッピーな展開で申し訳ありません。
セラーナはプレイヤーさまのものということで溜飲を下げてやってくださいませ。

ドーンガードシリーズ完結編となる30話は番外編っぽい形で大脱線する予定であります。
次回Skyrimはドーンガードミニクエスト『ドワーフの爆裂冷気ボルトをカルセルモのところに持っていく』をお送りいたします。
ネタバレ・妄想・創作なんでもござれと言うつわものな皆様のお越しを心よりお待ちしております。

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Skyrim・同類の判断:後編(`・ω・´)

長きに渡る吸血鬼との戦いに決着をつけるべくヴォルキハル城を訪れたRio。
暁を護りしドーンガードに勝利をもたらし、吸血鬼による太陽の専制を阻止できるのか。
セラーナに新たな道標を示すためにも敗北の許されない戦いが始まる。



本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

ネタバレ・妄想・創作過多となっておりますので、苦手な方はスルーお願いいたします。
クエストの流れはほぼ忠実に辿っているつもりですが、PC&NPC間の会話は7割方創作やアレンジや小桜の勝手な解釈となっております。
また、クエストに関係のない部分でのストーリーも創作をかなり含んでおりますので、本来のSkyrimとしてのストーリーやNPC間の会話を知りたい方は先にゲームをプレイすることを強くお勧めします。



レイクビュー邸を経由し、ルシアやソフィが吸血鬼の脅威に曝されてはいないことを確かめるとRioとセラーナは一路スカイリム北西の果て、ヴォルキハル城に向かいました。
ロリクステッドへの道すがら行商人が吸血鬼に襲われたと話しているのを耳にし立ち止まると、どうやら彼らは駆けつけた同胞団に助けられ九死に一生を得たということでした。
「そういえばヴィルカスから連絡はありまして?」
セラーナの問いに首を横に振りながらRioはつぶやきました。
「こちらの状況を知られていない分 かえってよかったのかもしれない」
それはどういう意味なのかと首をかしげるセラーナに。
ヴォルキハル城に最終決戦を仕掛けるとヴィルカスが知った場合どういう動きを取ろうとするのか。
考えてもみてとRioは困ったように微笑んで切り返します。
「彼の性格から考えましても 何を置いても駆けつけようとなさるでしょうね」
恐らく同胞団は今、通常の任務に加え殺到する吸血鬼の討伐の依頼と夜間のホワイトランにおける巡回に忙殺されている。
できる限り早く戻ると約束しながら今尚ヴィルカスの帰還が許されない状況から察しても、吸血鬼らによる被害は現在もまだ深刻ということで。
お互い相手の状況を知らないでいた方が最善を尽くせることもあるものだと。
一時瞼を伏せ、それから面を上げてRioは進行方向を見据えました。


ドーンガードメインクエスト第11章『同類の判断』後編

ヴォルキハル城を臨む海岸線に降り立ったイスランをはじめとするドーンガードの面々は皆一様に緊張を漲らせ決戦の火蓋が切って落とされるのを今や遅しと待ち構えていました。
「アーケイはこの戦いが勝利に終わると言っている たぶんな」
海岸に辿り着いたRioの姿を瞳に捉えるやフロレンティウスが相変わらずの言い回しで二人をドーンガードの輪に迎え入れてくれます。
「今こそ終わらせる時よ」
イスランの元へと進み往くRioにソリーヌ・シュラルドが励ましとも取れる声をかけ、正念場だとデュラックも唸ります。
「奴らを根絶やしにして初めてこの件は片付いたと言えるんだ 行くぞ!」
Rioが自身に並ぶのを待ってイスランは皆に突撃の合図を送りました。

ヴォルキハル城に続く重厚な石橋に攻め入ると、それを待っていたかのように4人の吸血鬼とガーゴイル・センチネル、そしてデスハウンドらが迎え撃って出ます。
「愚か者めらがっ!」
口々に罵りライフドレインを連発する吸血鬼らの居りなす渦中に果敢に飛び込んだRioは幾たびも生命の危険に晒されました。
気を失いかけるRioの腕を掴みイスランが後退するよう警鐘を鳴らします。
そして自身の後方へと庇うようにRioを押し退けました。
「お下がりになって!」
セラーナはいち早く倒れたデスハウンドを死霊術で従えアイススパイクを連射しつつ襲い掛かる吸血鬼らの足止めを図ります。
イスランの対角線上からアーリエルの弓を使いモッドナと呼ばれる女吸血鬼を仕留め、Rioはこのチームのリーダーと思しき従徒長ラルガルとセラーナが名指しした男に標的を定めました。
(硬い・・・(`・ω・´;))
大剣を揮えどもなかなか落ちることのないリーダー格の男にまたしても体力を削がれ、Rioは悔しげに唇を噛みしめました。
「ひとりで何でもできると思わないで 仲間を頼るのは恥ずかしいことじゃないのよ」
「ああ ソリーヌの言う通りだ 俺のトロールを盾に使え!」
スタルフとナマスールという名の吸血鬼らの攻撃を退けて滑り込んで来たソリーヌとガンマーがラルガルの背後を突きます。
「おのれぇっ!」
振り返りライフドレインの矛先を変えるラルガルの鬼気迫る形相にたじろぐソリーヌが後は任せたからとガンマーの後ろに隠れてしまいます。
「うおっ そりゃないぜ ソリーヌ」
その間にもハルコン側の吸血鬼ナマスールとスタルフが次々と倒され、ドーンガード全員の攻撃を浴びて従徒長ラルガルも絶命を遂げました。
「首謀者を探し出して殺すのよ!」
高らかに味方を鼓舞するソリーヌの背後から、危なくなったら俺がどうせ盾役にされるんだろうと苦笑いを見せるガンマーが続きます。
「雑魚はアーケイと俺が引き受ける お前はリーダーを探せ!」
ゲートを抜ける瞬間、フロレンティウスがそうRioに告げました。
ヴォルキハル城に入場するとホールは血生臭い戦いが繰り広げられていました。
刃と刃の激突音が鳴り響き、ライフドレインを四方八方から浴びて膝を付くガンマーの姿が視界を過ります。
「ガンマー下がって!」
ガンマーの危機を察知して。
バルコニーのソリーヌと助太刀に入るRioが同時に叫びました。
慌てて敵とガンマーの間に立ちはだかると、Rioは群がる敵に“揺ぎ無き力”を発しました。
吹き飛ばされる敵を歪む視界に映しながら、すまないと苦痛に喘ぐガンマーが声を絞り出します。
ちらりとガンマーに視線を移してうなずくと、Rioはグレートソードを振り上げ手近な敵の殲滅に努めました。
揺ぎ無き力を浴びた吸血鬼フーラ・ブラッドマウスの反撃を間一髪で退け、麻痺の付呪効果で薙ぎ倒すと、元同胞団の女戦士にして今やハルコンの忠実なる使徒ヘストラもろとも刺し貫きます。
階上の入り口近くのバルコニーに立つソリーヌが自慢のクロスボウで援護射撃を行う中、復帰を果たしたガンマーがヘストラ及びフーラに引導を渡してゆきます。
バルコニー左手に向かおうと中央の階段を上がったRioは吸血鬼フェラン・サドリの遺体の先にセラーンと吸血鬼オースユルフの一騎討ちのシーンに行き当たりました。
セラーンに加勢しハルコンの片腕であるオースユルフを討ち倒すと、そのまま左手バルコニーへ向かいます。
左手バルコニーではセラーナとハルコンの側近ヴィンガルモが死闘を繰り広げていました。
ヴィンガルモに斬りかかるとセラーナへの攻撃が止み、ターゲットが変更されたようでした。
それは好都合とRioはカウンターを繰り出し連撃を開始します。
セラーナのライフドレインからの流れるようなチェインライトニングを浴びてヴィンガルモも断末魔の叫びを上げ床に崩折れました。
バルコニーから裏手を回って階段を下りて行くと、ちょうどイスランと吸血鬼ロンシルの闘いが開始されたところに出くわします。
さすがはドーンガードの指導者。
イスランの攻撃力はすさまじく敵に回したくはないという力量で、瞬く間にロンシルを駆逐し終えます。
再びホールに駆け戻ると右手小部屋前にはサロニア・カエリアという名の吸血鬼が床に突っ伏し、その横ではデュラックがクロスボウを掲げ、一匹残らず倒せと凄みのある怒号を響かせています。
彼が仁王立ちする先の小部屋を覗くとブラッドストーンの聖杯なるものが部屋の中央に設置されていました。
「これは何かしら(゚ー゚*?)」
作動させようと試みるRioの背後からセラーナがそれは吸血鬼にとっての聖杯、吸血鬼の力を増幅させるためのものだと説明を加えます。
「つまり吸血鬼でない者にとっては無用の長物ってことね」
「そういうことになりますかしら あなたが吸血鬼となりブラッドストーンの聖杯の力を手にしてみたいとおっしゃるのなら協力は惜しみませんわ」
冗談めいたセリフを挟むセラーナに、不老不死にはなりたくないかなと笑い、Rioは美貌の吸血鬼の誘いをすげなく断わってしまいます。
そうですわね・・・と。
「あなたならきっとそうおっしゃると思っておりましたわ」
寂しそうにつぶやくセラーナは紅い瞳に決意を漲らせて。
ハルコンは恐らくこの奥にいるはずだとRioを先導してゆきます。
オースユルフの倒れる踊り場を抜け、格子に覆われた扉の前に立つと、セラーナは垂れ下がる鎖に手をかけました。
ガラガラという音と共に格子は解かれ大聖堂への道が現れます。

大聖堂の中央には古代の吸血鬼に姿を変えたハルコン卿が佇んでいました。
「愛しいセラーナよ 今でもペットを連れ歩くのを好むのか」
父ハルコンの侮蔑を含んだ問いかけに、わたくしたちがここに来た理由はおわかりでしょうとセラーナは冷たく問い返します。
もちろんわかっていると返答するハルコンは苦々しげにRioを睨めつけました。
「失望したぞセラーナ 私がお前に与えたものすべてを捨て去ったというのか その何の価値もない定命の者のために」
「わたくしのために与えたもの? コールドハーバーの娘という忌まわしい称号と不老不死とは名ばかりの数千年に及ぶ監獄のような生活を指していらっしゃるのかしら?」
お父様は一度としてわたくしやお母様の為を思って何かをしてくださったことなどない。
あやふやな予言を妄信して家族と一族を自身の野望のため使い捨ての道具のように扱っただけだと。
セラーナは吐き捨てるように思いをほとばしらせます。
それから震える声音で言い放ちました。
「もうたくさんですわ 家族の絆もこれまで 彼女には Rioには指一本触れさせませんわ」
「なるほど 母親であるヴァレリカ同様強情で小賢しい屁理屈ばかりを並べ立てる 実によく似てきたものだ 娘にこのような口を叩かせているのはお前のようだな」
ハルコンはRioに向き直ると憎々しげに恨み言を唱え始めました。
「父親としてセラーナを愛したことなどないくせに」
Rioはハルコンの憎悪の視線を受け止め、痛烈な一言と共に跳ね返します。
愛し方の違いだとハルコンは言ってのけ、我が一族の繁栄のため娘には礎となってもらう必要があり、それは下等な定命の者などには到底わかり得ぬ大望なのだと嘯きます。
「ハルコン そしてお前の前に傅く吸血鬼どもは皆 この世を蝕む呪いそのものよ!」
Rioの言葉にピクリと頬を動かし、ハルコンは怒りの形相も顕わに食ってかかります。
「ふん 誇り高き吸血鬼ハンターというわけか 私を倒したらどうするのだ? 次はヴァレリカか? セラーナか?」
「セラーナを・・・大切な仲間を傷つけたりはしない!」
「仲間だと? 片腹痛い」
妻も娘も自らの野望の道具として扱ってきた男はさも可笑しいというように長く低い笑い声を響かせました。
「ならば我が娘はもういない 自らの人生に卑しい定命の者を迎え入れた瞬間にセラーナという娘は消え去ったのだ」
鉤爪を振り上げ今まさに振り下ろそうとするハルコンを見上げRioもアーリエルの弓を構えて叫びます。
「ハルコン お前の御託は聞き飽きたわ!」
振り下ろした鉤爪を避けられ、ハルコンはチッと舌打ちを鳴らしました。
「そうだな 私も虫けらのような定命の輩と私を裏切った娘などと話をしているのも疲れてきたところだ 今すぐアーリエルの弓を引き渡せ 二度目はないぞ」
絶対にお前にだけはアーリエルの弓を渡しはしないと言うが早いかRioは構えた弓から太陽の矢を射放ちました。
ハルコンの唸り声と共にセラーナの小さな悲鳴も聞こえ、はっとしてRioは振り返ります。
「太陽神の矢の威力はあなたにも効いてしまうの? セラーナ(`・ω・´;)?」
「構いませんわ わたくしのことなど気になさらず 父を ハルコンを葬り去ってしまって!」
矢を黒檀に戻し狙いを定めようとするも、吸血鬼の王に変身したハルコンは大聖堂を上に下に縦横無尽に飛び回り、瞬く間に姿を眩ましてしまいます。
(どこに消えた!?)
大聖堂の柱に軌道をそがれ、ハルコンの召喚物に行く手を阻まれ、業を煮やしたRioはホールの中央に飛び出しました。
するとそれを待っていたかのように蝙蝠から吸血鬼の王に姿を変えたハルコンが強烈なライフドレインをRioに向かって浴びせかけます。
失神するかと思われるほどの倦怠感が身体を襲い、みるみる体力を削られてゆく中で、Rioは気力で体勢を整えアーリエルの弓を引き絞るとハルコン目がけて渾身の矢を射放ちました。
ハルコンのくぐもった呻き声と激しいRioの息遣いが交錯し、交戦は何度も引き分けに持ち込まれました。
分が悪くなると瞬間移動でその場を離れ、撹乱してはライフドレインにて体力を回復してゆく吸血鬼の王ハルコンに翻弄され続けるRioは次第に冷静さを失い、矢の命中率も下がってゆきます。
「太陽の矢を使うのです わたくしには構わず!」
「いやよ! セラーナを傷つけるとわかっていて使うことはできないわ」
何かある。
きっとこの状況を打破する何かがあるはず。
ライフドレインによって奪われた体力をポーションで補いながらRioは試行錯誤を巡らせます。
その間にも吸血鬼の王によって召喚されたスケルトンらがホール内をひしめき、
対するハルコンはライフドレインですぐに体力を補填し、間髪入れず何匹ものスケルトンを呼び出してきます。
(召喚には召喚を(`・ω・´;)!)
「いでよ ドレモラ!」
セラーナに群がるスケルトン達をドレモラが注意を奪い盾役となってくれればと念じて召喚を終えたRioは回復魔法を唱えた後、グレートソードを持ち直してハルコンに斬りかかります。
もうどれほどの時を戦い続けたのか。
生命を削ぎ痛めつけても、あと少しのところで姿を晦まし回復してしまう吸血鬼の王。
流れる血を振り払うとRioはサングインのバラから3度目のドレモラの召喚を果たしました。
そして既に感覚さえ麻痺しだした右手のグレートソードを振り上げ、これが最後とばかりにハルコンへとラッシュを行います。
「定命の者の分際でこしゃくな!」
またもや蝙蝠に姿を変えたハルコンは中央の祭壇に上ると体力回復の所作に入りました。
当たれ!
すかさずアーリエルの弓を引き絞ったRioは吸血鬼の王の眉間目がけて黒檀の矢を叩き込みます。
刹那、紅い砂塵が舞い。
断末魔の声さえ立てぬままハルコンは緋色の灰となってその場に崩折れました。
ハルコンの消滅にすら気づかぬままRioは朦朧とした意識の中で第二の矢、第三の矢と緋色の灰に向かい次々と撃ち込んでゆきます。
「もうやめて 終わりましたのよRio 父は・・・吸血鬼の王は死に絶えましたわ」
セラーナの声と身体を揺さぶる白い手によって戦いの幕が下りたことを知ったRioは静かに構えたアーリエルの弓を下ろしました。

「これで終わりですのね」
「終わりじゃなくて始まりよセラーナ あなたの新しい人生の」
もう父親を怯えて暮らすこともなく、母ヴァレリカもソウル・ケルンに隠れ住む必要はなくなったのだと。
Rioは美貌の吸血鬼にそう告げます。
お父様はとっくの昔に死んだものと今は思っている、思うようにしているとセラーナはつぶやき、そのまま独りで大聖堂を立ち去ろうとします。
「これからどうするつもり?」
どうしたらいいのかしら・・・
ドーンガード砦以外に行く宛もないですしと答え、セラーナはゆっくりと大聖堂を見渡しました。
「ドーンガードのメンバーに追い出されるまでの話ですけれど」
仲間を追い出したりしないよと笑うRioを振り返り、美貌の吸血鬼はふっと笑みを返しました。
ドーンガードの皆は尊敬できる戦士達で、今は味方に吸血鬼がいる利点もわかってくださるでしょうと肩を小さく上下するセラーナの白い腕を取って。
「またいっしょに冒険できるとしたら?」
Rioは真剣な面持ちでルビー色の瞳を持つかけがえのない友人に問いかけます。
眩しい太陽は嫌いだったのですけれど。
いつの間にか空を見上げるのが好きになっておりましたのよ。
あなたの瞳を思わせる晴れ渡った青い空を・・・



以上でドーンガードメインクエスト第11章『同類の判断』後編終幕となります。

例によって例のごとく、第10章『空に触れる』終了から第11章『同類の判断』まではバニラにおいてはフォロワーのチェンジが一切無効となっておりました。
なんとなく予感はしたのですが、ドーンガードシリーズで一番困ったのはこのフォロワーの強制固定と複数人のフォロワーを同時に持てないというシステムでした。
プレイ中はそれほど困らないのですが、いざ物語を書くという段階になるとフォロワー一人だけではどうしても単調になってしまうのが難点ではあります。

DLCドーンガードですが、ドーンガードの一員として吸血鬼を討ち倒す側とは別に吸血鬼サイドでメインクエストを終わらせるルートもあるようです。
こちらは試したことがないので一度ぜひ試してみたいルートなのですが、今回チョイ役&死体役で出演のスタルフ、サロニア・カエリア、モッドナ、従徒長ラルガル、ナマスール、フーラ・ブラッドマウス、ヘストラ、オースユルフ、ヴィンガルモ、フェラン・サドリ、ロンシルなどなどの性格付けに大変興味があります。

TESシリーズは各NPCに生い立ちやそれに伴う信念や立場や思惑が会話などでこまやかに示されているのも特徴なのですが、それらがあまりにも臨場感を伴っていたり種族のこだわりや思いを反映していたりと完成度も高いため、ゲームであることをしばしば忘れて没頭してしまいます。
動画やpixiv、ブログや各サイトなどで独自のストーリーが描かれたり二次創作が盛んに行われるのはこのような世界観と人物像が人々の気持ちを触発するからではないでしょうか?
映像的に美しいというのは確かにひとつの魅力ではあるとは思うのですが、国産のゲームなどでも見た目ばかりにこだわるのではなく個々の歴史や生い立ちや生き様において魅力的な人物やリアルの利益度外視の圧倒される世界観の構築に、ぜひぜひもっと力を注いでいただきたいかな~と個人的には思ったりします。

さて次回Skyrimはドーンガードミニクエスト『古代ファルメルの書物をウラッグ・グロ・シューブに届ける』をお送りする予定です。
ドーンガードシリーズとしては全30話の内の29話目、ラス前なのですが、30話目が個人的なお遊び脱線回になる予定ですので、実質的なドーンガードの終幕は次回29話目となります。
残る2話でネタバレは言うに及ばず、妄想・創作が加速する予定ですが、「ここまで来たんだからお付き合いしてあげる(*・ω・)つ」とおっしゃる心優しい皆様のお越しをお待ちしております。

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Skyrim・同類の判断:前編(-ω-;)

アーリエルの弓を携え帰還したRioとセラーナを迎えたイスラン。
時は満ち、すべての準備は整った。
ドーンガードのリーダーたるイスランはヴォルキハル城への襲撃を宣誓します。
吸血鬼らとの果てしない抗争に決着をつけるべくRioもまたドーンガード砦を後にするのでした。



本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

ネタバレ・妄想・創作満載となっておりますので苦手な方はスルーお願いいたします。
クエストの流れはゲームにできる限り即していくよう心がけておりますが、人物の動きや会話はアレンジを加えての創作となっておりますので、苦手な方はやはりスルーしていただきますよう重ねてお願い申し上げます。



最奥聖域にしばらく留まるというギレボルに別れを告げて。
ダークフォール洞窟に向かい始めたRioをセラーナが引き止めます。
「まだ心残りがあるのではないかしら?」
振り返るRioの荷からパラゴンの入った袋を取り出し、セラーナは本音を聞かせてくれるようRioの正面に佇みます。
この忘れられた谷を出てしまえば次に訪れるのはいつになることか。
それならいっそのこと今、すべての探索を終えておきましょうと。
パラゴンの入った袋をRioの手に握らせながら美貌の吸血鬼はRioの本心を代弁しました。
「裏切られし者ファルメル達が彼らの同胞スノーエルフを襲ったのではないことは判明しましたが かつての仇敵ノルドを含むスカイリムの者らに仇なさないとは限らないですものね」
ファルメルの反撃を憂うRioの気持ちを汲んでのセラーナの申し出でした。
「この谷の実態をすべて確認しておきたいのではありませんこと?」
「セラーナがそれでいいのなら でもその分帰りが遅くなってしまうけどいいの?」
「もちろんよろしくてよ ギレボルが願ったような裏切られし者と交流ができるような関係は一朝一夕には築けませんもの それよりも万が一にも彼らがスカイリムの人々を襲おうなどと考えぬよう できる限りの調査を行い自衛の準備は整えておくべきですわ なにより・・・」
一呼吸おいてセラーナはふっとやわらかな笑みを浮かべます。
「アーリエルの弓はすでに手元にあるのですもの ほんのわずかな道草くらいは時の神にして太陽神アカトシュ いえアーリエルもドーンガードの仲間も見逃してくださいますわ」
吸血鬼らとの戦いに早急に決着をつけたいという思いとファルメルの調査を頓挫したままこの地を去るべきではないというふたつの気持ちの狭間で揺れ動いていたRioは、精一杯譲歩したセラーナの誘いに乗ってみることにしたのでした。

向かうはずだったダークフォール洞窟へのコースを取り止め、パラゴン・プラットホームに目的地を定めると、Rioは意思の祠へのゲートを潜ります。
再びパラゴン・プラットホームに辿り着くと装置にRioはアメジスト・パラゴンを嵌め込みました。
すると辿り着いた先はダークフォール洞窟の一角のようで。
宝箱の中の数本の薬を浚いRioはプラットホームに戻るべくゲートを潜り直しました。
「特にファルメルや吸血鬼の情報に繋がるものはありませんでしたわね」
セラーナの言葉にうなずくとRioは次にエメラルドのパラゴンをつまみ上げました。
エメラルド・パラゴンが創り出したゲートの先には舞い散る雪に巨大な水飛沫を上げる忘れられた谷の滝がありました。
「随分高台のようですわね」
太陽を避けてフードを目深に被り直しながらセラーナがつぶやきます。
位置の確認のため滝を下ってゆくと、帝国軍の弓の傍らに宝箱と謎の書物を発見です。
その傍らには雷撃の付呪を伴うエルフの剣も落ちていました。
「この場所に迷い込んだ帝国兵とスノーエルフの戦でもあったのでしょうか? それとも帝国軍の武器を掠め取ったファルメルがここまで逃げ延びて絶命したのかもしれませんわね」
どちらにしても骨となってしまえばスノーエルフもファルメルも、そしてタムリエルに住み為す他のどんな種族であれ大差はない。
むしろそのような有様になって始めて見た目や人種による違いがいかに些細な違いであるかを思い知らされるのかもしれない。
宝箱に白骨化した手を掛け横たわる元の面影など微塵も残ってはいない遺骨を眺めながらRioはふとそんな思いにとらわれたのでした。
滝まで引き返し、ゲートを抜けプラットホームに舞い戻ったRioはダイヤモンド・パラゴンを装置に嵌め込みました。
ゲートを抜けた先の絶壁から下を見下ろすとファルメルの集落が細く長く広がり。
見覚えのあるその風景に、この場所が氷河のクレバスであることを悟るRioなのです。
目も眩むような絶壁の端に置かれた宝箱の中身を引き上げるとRioは再びゲートを潜りプラットホームへと戻ってゆきます。
「残るはルビーだけですわね」
そういえば・・・
ルビー・パラゴンから降りしきる雪へ視線を移して。
セラーナは目を細めてつぶやきます。
「わたくしの瞳がまるでルビーのようだとヴィルカスは言ってくださいましたわ」
それはガンマーの依頼を受け、ドラゴンブリッジで単独の任務を遂行してウィンドヘルムに戻った折のことだろうと。
切ない記憶に苛まれRioはうつむきました。
夕闇の迫る波止場。
降りしきる雪の中で見つめ合っていたセラーナとヴィルカス。
その情景を振り払うようにRioは頭を振り瞳を固く閉ざしました。
「夕陽を溶かしたような色だと それから彼はまた海を見つめてしまいましたの あいつの瞳は晴れた空のようだと どこまでも澄み切った青空のようだって」
ぼんやりと頭を上げたRioに向き直るとセラーナは目の前に立つ恋敵の前髪をそっとかき上げ。
「本当にそう あなたの瞳は良質なサファイアのよう どこまでも青い空色」
わずかに眉をひそめ嫉妬のはらんだ眼差しをRioに注ぐと、セラーナはぷいとそっぽを向いて言い放ちました。
「さあ 最後のパラゴンの導くその先を調べてみましょう」

※ここで手に入れた謎の書物第2巻をもちまして1~4巻すべての謎の書物がそろったことになります。ウィンドヘルムの波止場の件はまったくの創作箇所ですが、気になられた方はSkyrim⑫の『かくれんぼ』をご覧くださいませ。

ゲートを抜けるとそこは一面雪に覆われた森の中でした。
吹雪の中、左手に続く一本道を下って行くと、荒れ果てた遺跡の残骸が横たわる場所に出ました。
「ここには何もないのかしら?」
セラーナがつぶやいた途端、雪原の奥から唸り声と刃鳴が聞こえてきました。
交戦の音を頼りに深く積もる雪を踏みしだいて行くとフロスト・トロールとの戦闘を今まさに終えたばかりのファルメル・ウォーモンガーに出くわしました。
未だ体力が完全に回復しきっていないウォーモンガーは臆することなくRioとセラーナに挑みかかってきます。
セラーナとの間に立ちはだかったRioがウォーモンガーの進路を妨害し、抜き去ったグレートソードで敵の攻撃を跳ね除けます。
雪の舞う白銀の世界に激突音が鳴り響き、お互いの血に濡れたRioとウォーモンガーが肩で荒く息を整えました。
再度ウォーモンガーの懐に飛び込んだRioはまるで揺るぎ無き力を浴びせかけられたかのように吹き飛ばされ、雪原に仰向けに倒れ込みます。
(何が起こったの?)
間一髪で追撃を回避し立ち上がったRioはウォーモンガーの左手に携えられた白金の盾に目を留めました。
(吹き飛ばされる瞬間、あの盾が輝きを放ったような?)
ギレボルやヴィルスールの装備にしつらえが似ていると感じつつ。
付呪の補填を済ませた大剣を揮い麻痺を発動させると、Rioはウォーモンガーの胸部に止めの一撃を加えます。
雪に足をとられつつ近寄るセラーナにRioはウォーモンガーが携えていた盾を差し出しました。
「これは?」
「アーリエルの加護を受けた盾みたい(*・ω・)つ○」
攻撃を受けるたびにパワーが蓄積され一定のパワーが溜まると“揺るぎ無き力”に似た効果、つまり戦う相手を遠方へ吹き飛ばす効果を発揮するものだとRioは解説します。
すると美貌の吸血鬼は自分には必要ないものだと首を横に振りました。
「それほど何度も攻撃を受けるなどという状況は甲冑に身を包んでいないわたくしにはあってはならないことですのよ それはあなたも重々おわかりのはずでしょう?」
アーリエルの盾をそっと押し返して。
たとえ右手に武器を握ろうとも左手はいつも魔法詠唱のために空けておきたいのだとセラーナは付け加えます。
確かにセラーナの魔法は自身の盾となる存在を生成する死霊召喚に敵の足を止めるアイススパイク、体力回復と同時に敵の体力を削ぎ落とすライフドレインに加えてやはり複数の敵にダメージを与えるチェインライトニング。
攻防共に優れ盾を翳す暇など皆無に思われます。
それではこの稀有な能力を有する盾をどうしようかと首を捻るRioにセラーナは意味深な笑みを浮かべ、悩める同志に助言を与えました。
「このような力を欲する仲間をわたくしたちは存じているのではございません?」
「あ・・・アグミル(○´゚ω゚`)!?」


ドーンガードメインクエスト『同類の判断』前編

ドーンガード砦の門を潜ったRioとセラーナを真っ先に出迎えてくれたのはガンマーとセラーンでした。
イスランからアーリエルの弓の探索に向かっているとの報告を聞いたときは驚いたぞと口々に無事の帰還を誉めそやします。
「まあ正直なところ吸血鬼の女に何ができると思っていたのは確かだ すまなかった」
セラーンは自らの偏見を恥じるように頭を掻き、それからセラーナに向き直るとすまなかったと真摯に詫びを入れます。
気にしてなどおりませんわと返事を返すセラーナにも今までにない打ち解けた表情が見て取れました。
和やかな笑みを浮かべ、うなずくガンマー。
そんな彼に音もなく忍び寄ったソリーヌ・シュラルドが突然彼の背後からひょいと顔を出し、Rioとセラーナがダークフォール洞窟に向かっている間、心配したガンマーのトロール調教がおざなりになり過ぎて皆ひどい目に遭ったと。
出迎えの挨拶に代わる苦情をドゥーマーの研究家はぶちまけます。
「おいおい そいつをばらすのはなしだぜ!」
慌てたガンマーがソリーヌの口を塞ごうと鬼ごっこが繰り広げられました。
そこへクロスボウ談義を交えながらイスランとデュラック、そしてアグミルがホールに現れました。Rioとセラーナの帰還に気づいたアグミルは嬉々として二人に駆け寄ります。
「こうして五体満足な状態で突っ立ってるってことは洞窟の探索は上手くいったんだよな?」
ダークフォール洞窟まで荷物持ちと護衛を申し出てくれた同期の仲間は笑顔で問いかけます。
もちろん大成功よと答え、Rioはお土産だとアーリエルの盾をアグミルに向かって差し出しました。
こんな立派な盾を俺にくれるのかと驚くアグミルに、セラーナの提案だとRioは付け加えます。
一瞬放心したかのような顔つきを見せたアグミルは次の瞬間、歓喜にあふれる奇声を発し、美貌の吸血鬼に抱きつきました。
ほんのり頬を染めて動揺を見せるセラーナに寄せた視線をイスランに移し。
Rioは背中のアーリエルの弓を両手に持ち替えると、ドーンガードのリーダーに差し出しました。
「アーリエルの弓か」
イスランの言葉にうなずいてみせるRioなのです。
「神話の時代アーリエルがロルカーンと戦う時使用したと言われる弓だ 話には聞いていたが これほど美しいものだとは思わなかった」
太陽の力を借りて威力を発揮するこの弓は当たった者を炎に包む効果がある。
特にアンデッドに対する効果は覿面だと。
騎士司祭ギレボルが話してくれた解説そのままにRioは説いてゆきます。
「先の報告で吸血鬼の血が絶大な力を与えると聞いていたが?」
声を顰めながら時折視線をセラーナへ送るイスランにRioはぴしゃりと言い放ちました。
「吸血鬼の血を吸った矢は太陽を覆い隠し 貫いた者には腐敗をもたらす」
知恵があるならそのような愚かしい効果を望まないはずだと嗜めるRioに、お前が正しい、まったくその通りだと、イスランが降参だと言わんばかりに両手を掲げます。
「時は満ちた ハルコンを滅ぼさねばなるまい だがセラーナは本当に自分の一族や家族に剣を向けることができるのか?」
「ご心配には及びませんわ」
凛とした声音が響き、Rioとイスランを前に美貌の吸血鬼が淀みなく歩を進めてゆきます。
もはやハルコンを父親だとは思っていない。
セラーナは煌く紅い双眸をイスランに注ぎました。
正しい判断をしてくれたようだと吸血鬼の同志に言葉を返して。
イスランはホール中央に進み出るや声を張り上げました。
「皆 ホールに集まってくれ!」
我々はアーリエルの弓を手に入れた。
神は我々を選んだのだと。
ダークフォール洞窟探索の成功を告げた後、ドーンガードの指導者は吸血鬼達を一網打尽とするためヴォルキハル城に討って出ると宣言しました。
「ハルコンと奴の不浄な予言を終わらせる時が来たのだ! これは我々の戦いだ、そして我々の使命だ!」
そう綴るイスランに呼応して集結したドーンガードメンバーも口々に雄叫びを上げます。
「化け物どもを殺せ!」
「ドーンガードに勝利を!」
湧き立つ面々に大きくうなずいて見せたイスランは演説のために掲げた斧を納め、一晩ゆっくり休んだらヴォルキハル城の外で落ち合おうとRioに言い残し、一足先に現地へと旅立ったのでした。

簡易に設えられた湯船で身体の汚れを落とし、砦で出撃に備えるRioは荷造りをする手を止め、セラーナに語りかけました。
「本当にこれでいいの セラーナ?」
父ハルコンに攻撃をしかけることについての問いなら今更答える必要もありませんでしょうと。
美貌の吸血鬼は荷をまとめる手を動かしたまま殊更冷静な風を装い返事を返します。
「でも・・・」
最奥聖域で知り得た最高司祭ヴィルスールの予言偽造の真相を明かせば、ハルコンも自分が嵌められていたことに気づき悔い改めるかもしれない。
そうRioは提案します。
「甘いですわね 本当にあなたはおめでたい方ですわ」
結局感情を抑えきれなくなったセラーナがRioの言葉を遮ります。
他人の助言を聞き入れるほど柔軟な思考が父ハルコンにあれば、母ヴァレリカが憎しみの感情に芯まで蝕まれることもありませんでしたのに。
嫌がるわたくしをコールドハーバーの娘に仕立て上げる前に疑問を抱き踏みとどまってくださったことでしょうに。
そう胸の内を吐露して美貌の吸血鬼は立ち上がりました。
「わたくしの父は理屈を超えた存在ですのよ」
イスに座るRioを上から見据える形で佇むと、自らにも言い聞かせるようにゆっくりとセラーナは一語一語を綴ってゆきます。
「これは今ここで終わらせるべきですわ」
心の準備ができているのなら構わないと。
これ以上、大切な同志のつらい心情に口を挟むつもりはないと、うつむくRioなのです。
「肉親を殺す準備なんていつまで待っていただいてもできませんわ」
今しがた強く決意を述べた朱い唇がかすかに震えて、やがてルビー色の瞳から一滴の涙が零れ落ちました。
ハルコンはもう父親ではない。
そう思い込むことで精一杯なのだと小さく呻くと、セラーナはベッドに潜り込み声を押し殺して泣いたのでした。


以上でドーンガードメインクエスト第11章『同類の判断』前編の終了となります。

セラーナとの会話は多彩であり多様であり、下手な問いや受け答えを選んでしまうとドーンガードのメインクエスト終了後のとある大切なクエストが実行不能となってしまう為、プレイ中はセリフ確認後にリロードしてセリフを聞いていない状態まで戻すという作業を繰り返しました。
もちろんセラーナの心の内をすべてスルーなどということはしたくはないのですが、大切なクエストが履行不可能となるのだけは避けたいと思いつつ、対応にはそれなりに気を遣いました。
しかもそのクエストが実行不能になる原因やトリガー発言がはっきりとはわかっていないようで、この辺りもセラーナの心情を確かめるのに臆病になってしまう原因となりました。
その分想像だけは捗るのですが(´・ω・`;A)

ドーンガードはストーリー構成もドラマティックであり、ストーリーの評価も高い作品ではあるのですが、何よりセラーナ嬢の生い立ちや心情が鮮烈で魅力的であるのが特徴ではないでしょうか。
ダブルヒロインにしてみたものの、セラーナとRio、どちらもそれぞれの個性に食われることなく、またどちらかがどちらかを引き立てるだけの存在にはなって欲しくはないという思いだけは根底にありました。
これは男性キャラに対しても常に感じていることです。
かといってヒーロー&ヒロインが他の名脇役に霞んで冴えないというのも本末転倒ですし。
あーでもないこうでもないと悩み惑いながらの進行となりました。
何とか仕上がってくれることを祈りつつラスト3話を進めていきたいと思います。

次回Skyrimはドーンガードメインクエスト第11章『同類の判断』後編をお送りいたします。
ネタバレ・妄想・創作が慢性化している状態ですが「うんうん 知ってるOK(*・ω・)b」とおっしゃる皆様のお越しを心よりお待ちしております。

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Skyrim・空に触れる④Σ(・ω・´)

その昔、信心深いスノーエルフの多くは、礼拝堂を抜け、最奥聖域へ向かう旅をすることを誓った。
彼らが心に抱いていた至高の願いとは、自らの神であるアーリエルと一体化することだった。
大半の者は大して進まぬうちに挫折し、ただ引き返してきたという。
誰の物語であろうと、締めくくりは不気味なほど似通っている。
巡礼者たちは皆天に昇り、光に包まれ、安心と満足の表情を浮かべていたという。

謎の書物第4巻パルミオン・サンドール著“空に触れる”より抜粋
ファルメル語からの翻訳:マルカルスのカルセルモ



本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

ネタバレ・妄想・創作などを多々含みますので苦手な方はスルーしてやってくださいませ。
PC&NPC間の会話はまったくの創作オンリーではありませんが7割方創作となっておりますので、正確なゲーム内会話をお望みの方はゲームを先にプレイしていただけますようお願い申し上げます。



ドーンガードメインクエスト第10章『空に触れる④』

「きっとあれがそうですわ あんな建物見たことがありませんもの まるで聖堂のような造りですわね」
輝きの祠で水瓶に水を浸すとRioは北西へと繋がる道を行き、前方にそびえる建物を見上げました。
セラーナの声も緊張からか、それともアーリエルの弓に手が届きそうという歓びからなのか、わずかに震えを帯びています。
ファルメルの棲家で見かけたような手すりもない簡易の石橋とは異なる端正で立派な手すりが施された石橋を踏みしめ、Rioは一歩また一歩と荘厳な建物に近づいて行きました。
それはまさに聖域の名に相応しい堂々とした建造物でした。
中庭に入ると司祭をアーリエルに見立てて造られた巨大な彫像が中央に据えられ、その前には青白色の氷の聖火が灯されていました。
彫像の左右対象に優雅なカーブを描く階段があり。
上り切ったポーチ中央には最後の水瓶が訪れる巡礼者らを待ち構えていました。
空の水瓶に光・物見・学び・意志・輝きの5つの祠から汲み上げた水を注ぐと扉の前の床が薄緑色に発光を始め最奥聖域に至る扉の鍵が解かれてゆきます。

最奥聖域の内部にはひんやりとした空気が漂い生ける者の気配すら感じられません。
「最奥聖域にある水瓶にそれまで携えてきた水を注げば最高司祭のヴィルスールが現れるということだったけど彼はどこにいるのかしら(゚ー゚*?)」
おそらくは生きたまま氷の彫像へと変えられたに違いないファルメルの姿を凝視するRioに、セラーナが忠告を綴ります。
「ギレボルの話だとヴィルスールには巡礼者を正しく導く判断力も司祭としての記憶も持ち得ない可能性が高いとのこと 最悪の結末も覚悟しておかなければなりませんわ」
多数の氷漬けにされたファルメルやシャウラスが取り囲むホール中央には、他の祠で見たものと同じアーリエルの紋章の施された祠が置かれ、触れた者に弓の威力を増加させるという能力を与えているようでした。
「ソウル・ケルンは不気味な場所だと思っておりましたけれど 同胞同士が互いを滅ぼし合った残骸が氷彫となって残るこちらの光景も勝るとも劣らないほど凄惨なものですわね」
スノーエルフらの信じてやまないアーリエルはこのような悲惨な結末をどのような気持ちで眺めていたのか。
セラーナの感想をRioは沈黙のまま静かに聞き入りました。
ふと視線を巡らし。
氷彫となったファルメルが所持するブリザードの巻物にRioが手を伸ばした瞬間、氷の彫像であったはずのファルメルが突如息を吹き返しました。
「まさかここの氷彫は実はすべて生きてるんじゃ(○´゚ω゚`)!?」
Rioとセラーナに逃げ撃ちしながら壁際の仲間の氷彫の元に駆け寄った元氷彫のファルメルは氷漬けの仲間に生命を吹き込んでゆきます。
2体に増えたファルメルに更に氷の呪縛を解かれたシャウラスも加わり。
静寂を保っていたホールは瞬く間に騒然と湧き立ち始めました。
大剣を水平に薙ぎ、敵3体の注意をRioが惹き付けている間に、セラーナがチェインライトニングを繰り出しファルメルらを一掃します。
氷漬けとなったファルメルに雷撃の魔法は殊更効果的なようで。
息を吹き返しつつある元氷彫のファルメルとシャウラスにセラーナの電撃が炸裂し、その生命を打ち砕いてゆきます。
ファルメルらとの乱闘がきっかけとなり、Rioは入り口から向かって左右正面にある扉とは別に、ホール左手、小さな祭壇先に通路が隠されていることに気づきました。
わざわざ氷彫のファルメルによって祭壇が覆い隠されていたことから考えてもこの隠し通路が本道に違いないと踏んで。
Rioとセラーナは互いに合図を送ると前進を開始します。
通路の先から聞こえてくる重い足音を耳にするや、敵が氷の巨人であることを察知して、Rioは矢を番えます。
そして隠密体勢から扉の隙間を利用して第一、第二の矢を続けさまに巨人へと射掛けました。
あっさりと崩折れる氷の巨人の懐からルビー・パラゴンを取り上げると、Rioは他のパラゴンの収められている袋に5つ目のパラゴンを加えました。
「5つの祠に5つの宝石 これでおそらくはすべてのパラゴンが揃いましたわね」
セラーナの言葉に肯首してRioは部屋の奥に設置された祭壇に設置された装置を作動させました。
しかしこちらが本道に違いないとの思惑は外れ、祭壇の先には数本の薬と宝箱に幾つかの戦利品が納められているだけで、行き止まりの様相を呈しています。
「まあパラゴンも5つ揃ったし(〃▽〃) エヘヘ」
暢気に口笛を吹きながらホールに戻ってゆくRioの傍らで、セラーナも苦笑をもらしました。
「あなたとの冒険はきっといつもこんな風にハプニングやサプライズに満ち溢れているのでしょうね」
それは褒め言葉として受け取っておくわねといたずらっ子のような表情でウィンクするRioに、セラーナもそのつもりで申し上げておりましてよと澄まして応えます。

ホールに戻り入り口から正面にある左右の扉を抜けるとその先はどちらも繋がっているようで。
途中、息を吹き返した氷漬けのファルメルやシャウラスを斬り捨てて、二人は崩落し瓦解した道を辿ります。
飛び降りるより他なさそうな段差を持つ通路に飛び込み。
更に続く細い通路の先に、氷彫のファルメルらに傅かれ玉座に座る者の姿が見えてきました。
「ここに来ればアーリエルの弓が手に入ると本気で思ったのか?」
気だるそうに髪を掻きあげ、玉座にだらしなく身体を預けつつそう綴るスノーエルフの容貌はどこか騎士司祭ギレボルに重なり、彼が最高司祭ヴィルスールであろうと確信するRioなのです。
「あの男がヴィルスールですの? おかしいですわね・・・」
(おかしい?)
セラーナの口ぶりに振り返ろうとするRioを遮ってヴィルスールは尚も声を張り上げました。
「お前は巡礼者としての仕事を終え 魅力的な人物を連れてきてくれた」
(魅力的な人物ってセラーナのこと? じゃあこれは罠!?)
セラーナを庇うように左腕を広げたRioは右手で大剣の柄を握りました。
「わたくしを待っていたとおっしゃるの?」
射るようなヴィルスールの眼差しを受け、セラーナは後ずさります。
そうだとヴィルスールはうなずき。
ゆえに巡礼者の方は用済みだと低い笑い声を響かせます。
ヴィルスールの笑い声が引き金となり、周りに侍る氷彫のファルメルとシャウラスが息を吹き返し、Rioとセラーナに攻め寄せます。
「彼は・・・ヴィルスールは同族ですわ」
「同族って吸血鬼なのΣ(・ω・´)!?」
セラーナの答えを聞くより先に多数のシャウラスに群がられ、みるみる体力が削がれてゆきます。
今はこいつらを倒すのが先決だと意を決したRioはシャウト“勇気の呼び声”を発しソブンガルデの英雄ハコンを召喚しました。
加えてサングインのバラを掲げオブリビオンからドレモラの召喚を果たします。
召喚の力を借りて敵の殲滅を図るRioに薄笑いを浮かべて。
ヴィルスールは意地悪く言い放ちます。
「いい覚悟だ だが死ぬのが少し遅くなるだけだ」
呪術師を含むファルメルの第二陣の軍勢が押し寄せ、それと共に壁面も天井も崩れ落ちてきます。
負けじとRioはもう一度ドレモラとラスマンの召喚を試みました。
天井から剥がれ落ちる落盤を避け、体力もスタミナも枯れ果てようかという頃、ようやくファルメルらの殲滅に成功しました。
「やめろ! 何世紀もかけた計画を台無しにする気か!?」
歯軋りをし立ち上がるヴィルスールに向かいセラーナが叫び声を上げます。
「降伏して弓を渡しなさいな!」
「さっさと死ね!」
セラーナの声音に被さるようなヴィルスールの捨て台詞が大きな崩落を招き、Rioは意識を失いました。
ヴィルカス・・・あたし失敗しちゃったのかな?
ソブンガルデに、いいえまだウェアウルフの血を宿したままだからハーシーングラウンドに行くのかな。
いやだ。
まだ遣り残したことがあるのに・・・
名前を呼ばれたような気がして。
温かい手が頬に触れたような気がして。
目を開けると、そこには立ち昇る黒煙の中で心配そうにこちらを見つめるルビー色の双眸がありました。
「しっかりなさって」
「セ・・・ラーナ?」
瞬きを見せるRioの様子に安堵のため息を吐き。
Rioの頬に寄せた手を血を流す額の傷に滑らせ優しくさすりながら告げます。
「だいじょうぶ きっとやり遂げられますわ」
「ヴィルスール・・・奴はどこに・・・?」
問いながらふらふらと立ち上がるRioを支えるようにして手を貸し、セラーナはバルコニーへ視線を飛ばしました。
(バルコニーね(`・ω・´;)!)
治癒魔法を唱え額に流れる血を拭い去ると、Rioはグレートソードを鞘から滑らせバルコニーに向かって駆け出しました。

バルコニーの中央で身をかがめ右肩を押さえるヴィルスールの姿を捉えるや、Rioとセラーナは走り寄ります。
「観念なさいなヴィルスール さあ弓をこちらに」
差し出されたセラーナの手を振り払い、ヴィルスールは尚も吼え猛ります。
「何様のつもりだ 私はアーリエルの最高司祭 この耳は神の耳 この目は神の目 この力は神の力なのだ!」
「裏切られし者達に堕落させられるまではですわよね その悲しいお話ならあなたの兄弟ギレボルから伺いましてよ」
憎々しげな眼差しをRioとセラーナ交互へ送り、ヴィルスールは再び低い笑い声を響かせます。
「ギレボルもその同胞も流されやすい愚か者ばかりだ この目を見ろ セラーナ 私は何者だ?」
そう問われる以前に何もかもわかっていたというように。
目を細めるとセラーナはヴィルスールが何者であるかを言ってのけます。
「あなたは吸血鬼ですわね」
「さよう 弟子だった新人に感染させられたその瞬間からアーリエルに見放されたのだ どんな犠牲を払ってでも復讐を果たすと誓ったのだよ」
「愚かな方 復讐を望むとおっしゃるの? 神に対して?」
アーリエルに見放されたから復讐を思いついたなどと。
その代償に幾百、幾千もの同胞の血を流したというのかとセラーナは冷たい口調で問い詰めます。
しかし一向に動じることもなく。
悔恨さえ見せることもないままヴィルスールは愚かな同族など裏切られし者共々滅んだとて何の問題もないと睨めつけます。
「アーリエルは手の届かぬ存在だが その力はこの世界に届いている 必要なものは吸血鬼の血液とアーリエルの弓だけだ」
吸血鬼の血とアーリエルの弓。
なぜ父親が熱狂し心酔した予言を、星霜の書を読み解いた者だけが知り得ることのできる予言をこの最高司祭が知り得ているのか。
まさか・・・
「まさかあなたでしたの? あの予言を創り出したのは!?」
セラーナの顔はみるみる蒼褪め、その声は怒りに震え始めました。
「予言を完成させる最後の要素 純粋なる吸血鬼の血液 コールドハーバーの娘の血液だ たいした予言だったろう? 目論見通りお前が現れた」
突如、最高司祭の胸倉を白い陶器を思わせる両手が掴み、涙の溢れる紅い瞳を見開いたセラーナが激しい叱責を重ねます。
「あなたは待っておりましたのね 予言を流布しずっと待ち焦がれた 父ハルコンのように騙された誰かがモラグ・バルに生贄を捧げ 純血の吸血鬼を生み出し そしてコールドハーバーの娘となった者が愚かにもこの場所へ足を踏み入れることを」
わなわなと震える朱い唇を噛みしめるとセラーナは搾り出すように言い放ちます。
「でもおあいにくさま この血は一滴たりともあなたのような卑劣な輩には渡しませんことよ!」
最高司祭に掴みかかった手を振りほどくとセラーナは渾身のチェインライトニングをヴィルスールに浴びせかけました。
「あなたの身勝手な野望のお蔭で父は母や娘をモラグ・バルの生贄に捧げましたのよ!」
人を愛することも知らぬままコールドハーバーで陵辱を受け、父や母が望むのならと耐えねばならなかった気持ちなんてわかるはずがない。
数千年を生きてきて本当に幸せだと思った時なんてありませんでしたわ。
予言の為に父は鬼畜と成り果て、母はご自分の選んだ伴侶を永遠に憎悪し続ける。
「そんな家族とは名ばかりの冷たい絆しか・・・わたくしには残されておりませんでしたのに・・・」
ルビー色の瞳からこぼれる涙が頬を伝いライフドレインを唱える唇から嗚咽が洩れ。
詠唱を中断したセラーナにヴィルスールの僕である氷の精霊が襲い掛かります。
振り上げたグレートソードをヴィルスールに振り下ろすとRioは天を仰いでシャウトを発します。
「Hun Kaal Zoor! ソブンガルデより来たりて我らを助けたまえ!」
またもやソブンガルデより現世に降り立った英雄ハコンが氷の精霊の攻撃からセラーナを救い護衛に回ります。
スタミナがなくなろうとも右に左に大剣を揮い続け。
付呪された麻痺効果が尽きようとも尚、ヴィルスールを斬りつけ刺し貫き。
気がつくとスノーエルフの皮を被った化け物の屍が血飛沫を浴びるRioの足元に転がっていました。
そのまま泣き崩れるセラーナを抱きしめてRioもまた一筋涙をこぼしました。

最高司祭を失った最奥聖域の祠には昔のように司教らが行き来できるゲートが出現し、騎士司祭ギレボルも姿を現しました。
為すべきことが為されたのだなとギレボルは穏やかな面差しで語りかけ、Rioを感謝の篭る眼差しで見つめました。
「この祠が再建されたという事はヴィルスールは死に 裏切られし者に操られることもなくなったわけだ」
ヴィルスールは裏切られし者らに操られていたわけではなく、逆に吸血鬼と化したヴィルスールに裏切られし者らが操られていたのだと。
事の顛末をRioは静かに綴ってゆきます。
ギレボルは悲痛な表情を見せながらもほっと小さく息を吐くと、内心ではかつての同胞である裏切られし者が我々に仇為したわけではなかったと知ってうれしく、また安堵しているとつぶやきました。
それは裏切られし者達がいつの日か再びアーリエルを信じるようになり、スノーエルフとしての誇りを思い出してくれるかもしれないからであり。
その思いはスノーエルフとして唯ひとり残されたギレボルの心に希望の光となって留まり、生きる活力に繋がったのです。
お前には感謝していると。
これだけの手柄を立てられた勇者は他にいないだろうと最大級の賞賛を添えて。
アーリエルの弓について知りたいときや消耗品となるアーリエルの弓専用の太陽の矢が欲しいときはいつでも声をかけてくれと、ギレボルは穏やかにその語りを結びました。
そして騎士司祭が道を開けたその先にほのかな輝きを放つアーリエルの弓が出現しました。
「思っていたよりもキラキラしておりませんのね」
そうつぶやくセラーナの手に弓を委ね。
「けれど すこぶる美しい弓ですわ」
弓ごともう一度セラーナを抱きしめるとRioは万感の思いを込めて囁きました。
いっしょに帰ろうセラーナ。
あなたの仲間が待つドーンガード砦へ。
忘れられた谷の青空は忘れられない思い出と新たな絆を数千年を生き永らえた美貌の吸血鬼に与えてくれたのでした。



以上でドーンガードメインクエスト第10章『空に触れる④』終幕となります。

『空に触れる』ってこんな展開だったのですね。
一度こなしているはずなのに字幕がなかったことと冒険が長過ぎて終盤の記憶があやふやだったことなどから、細部どころか大切な大局すらよくわかっておりませんでした。
プレイしながらも驚きの連続で、言葉のひとつひとつを吟味してようやくそれぞれのNPCの思いが伝わってきました。
セラーナがなぜあれほど憤ったのか。
そしてアーリエルの弓を手に入れた主人公にかける「けれど すこぶる美しい弓ですわ」という言葉から伝わる切ない思い。
この時の言い回しは声優さんがセラーナにぴったりということもありますが心に響きます。
ギレボルの言葉や感情の移り変わりと最後の感謝の言葉が発せられた状況などなど。
「今更何言ってるんだ!?」
と叱られちゃいそうですが、字幕なしで寝不足のままぼ~っとプレイしていると、大切な言葉を聞き逃し良い物語も猫に小判状態になってしまうのだと知りました。
すばらしいゲームはしっかり睡眠をとって、じっくりセリフなども味わいたいものだと痛感しております。

次回Skyrimはドーンガードメインクエスト『同類の判断』前編をお送りいたします。
ネタバレ・妄想・創作など多々含まれることと思いますが、「わかってるからOK(`・ω・´)」とおっしゃる皆様のお越しを心よりお待ちしております。

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Skyrim・空に触れる③(`・ω・´)

10個目のクルニール、3番目の印
潜伏生活に追い込まれてから、もう何年もの月日が経ったような気がする。
多くの同胞と離れ離れになった。
私たちは各々別々の道を進まざるを得ず、移動も夜に限られていた。

10個目のクルニール、7番目の印
未だに時折眠りの中で、谷で遊ぶ若き者たちの笑い声を聞くことがある。
スノーエルフの地ではあまりにも当たり前に存在していた幸せなひとときの色あせた残像が、ふと目の前をよぎることもある。

10個目のクルニール、10番目の印
女たちや子供たちの涙には飽き飽きだ。
今希望を失えば、生き延びることはできないだろう。
未来について話し合うことなしに、希望を持つことなどできない。

10個目のクルニール、18番目の印
自分たちが再びスノーエルフとして、自由にこの世界で生きることができないのは分かっている。
私たちは永遠に、なんらかの形で身を隠しながら生きてゆくことになるだろう。
ここには私たちの友となり、脅威が去った時には手を貸してくれようという人々がいる。

謎の書物第3巻“フェア・アガーウェンの日記”より抜粋
ファルメル語からの翻訳:マルカルスのカルセルモ



本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

随所にネタバレ・妄想・創作などが含まれると思いますので、苦手な方はスルーお願いいたします。
また、PC&NPC間の会話はほとんどが創作となっておりますので、何卒御了承おきくださいませ。



ドーンガードメインクエスト第10章『空に触れる③』

手を貸してくれたお礼にとRioはもう一度ダーネヴィールを召喚します。
午後の陽だまりの中を自在に滑空し歓喜のシャウトを打ち鳴らすソウル・ケルンの仲間にシャウトでしばしの別れを告げた後、Rioは湖面中央に位置する巨大な岩へと向かったのでした。
岩の中央に記された言葉の力が身体に吸収されるのを感じてRioは瞼を閉じました。
“Lah=マジカ”、生命力低下シャウトの第二段階の言葉のようです。
「ディムホロウ墓地で見かけたワードストーンとかいう岩場と同じようなものですの?」
セラーナの問いにうなずきながらRioはここの力はディムホロウで得た力の第二段階に至るものだと説明を入れます。
「ドラゴンボーンとは本当にすごい能力の持ち主なのですわね」
ダーネヴィールを見上げ、そして湖の探索にと先行するRioの後姿へと視線を落としながら美貌の吸血鬼はつぶやきました。
「こんなにすばらしい力をお持ちなら あなたの取り巻きの内のたった一人をわたくしに譲ってくださっても構いませんでしょうに」
屈託のない笑顔で振り返るRioを恨めしそうに見つめて。
セラーナはそのルビーのように燃える紅い瞳に嫉妬の色を滲ませました。

結局湖周辺には収穫はなく、一旦意思の祠まで戻り石橋上から見かけたファルメルに占領されたと思しきもう一つの石橋を探索してみようと提案するRioなのです。
特に異論はございませんわとそっけなく綴るセラーナの様子に多少の違和感を感じつつも、元々はヴォルキハル城の姫君。
きっと旅の疲れが出てご機嫌斜めなのだろうと安易に納得してしまうRioなのでした。
しかしファルメルの集落探索は思いのほか困難を極め、ファルメル勢力下にある目的の石橋に繋がる道を見い出せないまま二人は何度も足場の悪い河岸を行き来する羽目に陥りました。
流れの速い川を渡り岩陰に身を潜めて辺りを窺うRioは左手の断崖上に交差するファルメルの意匠が施された吊り橋を確認して、その規模の大きさに驚嘆します。
(想像していたよりも大きな集落なのかもしれない(`・ω・´;))
とはいえ踏み出さなければ先へは進めません。
陽の落ちた頃合を見計らって侵攻の再開に踏み切りました。
川から陸地に上がってすぐの集落にファルメルの姿はなく、そのまま九十九折の道を辿ります。
頂上付近のファルメル・ウォーモンガーを不意打ちで倒したものの先に通じる道が見当たらず、またもや撤退かと肩を落とすRioをセラーナが引き止めます。
「少し戻った所に石橋がありましてよ」
はっと顔を上げるRioに手招きしながらセラーナが誘導します。
「陽が陰って参りましたので気づくことができましたわ 吸血鬼の夜目も捨てたものじゃありませんでしょう?」
美貌の吸血鬼の言葉に感謝と賛同を示しつつRioも足を速めます。
ファルメルとファルメル・スクルカーの2体を撃ち抜いて、今にも落ちそうな心細い吊り橋を渡りきると左手にやや幅広の石橋が姿を現しました。
「これで繋がったかな(〃▽〃;)?」
「そうだとよろしいのですが」
セラーナの息もわずかに上がっているようです。
石橋を渡ると右手山際に洞窟が見えてきました。
しかし左手にさらに道が続いていることに気づいて、Rioは先に外周の探索に向かいます。
「どなたですの 姿を見せなさい!」
セラーナの声に弾かれるように見回すと上方の吊り橋から2体のファルメルが遠隔攻撃を行っている姿を見咎めました。
セラーナのチェインライトニングに合わせて右の1体を沈めると続けさまに左の1体へと目標を転じます。
けれども分が悪いと見てとったのかウォーモンガーと思しきファルメルは高台に姿を消してしまいました。
「追いかけてみる(`・ω・´)」
「逃がしませんことよ」
左山岳沿いの雪の積もった細いスロープを登って行く途中で右脇に逸れる雪原地を発見して、Rioはふと足を止めました。
(門まで取り付けてあるようだけど、何のための場所なのかしら(゚ー゚*?))
謎の書物や珍しい宝飾品でもあれば持ち帰ろうと足を踏み入れてみたところ、目ぼしい宝箱の類はなく。
ステルス体勢のまま進んで行くと何人かのファルメルの遺体とシャウラスの屍に遭遇しました。
(ここは遺体置き場?それとも埋葬場所なのかしら(-ω-;)?)
「Rio 後ろですわ!」
首を捻り考え込むRioの遥か後方にて。
残敵処理を終えてようやく追いついたセラーナが悲鳴に似た警鐘を鳴らします。
振り返るRioの瞳に近づきつつある氷の巨人が映り。
高く翳された巨人の鋭い爪がRioを切り裂こうと下降の勢いを増したまさにその時、セラーナのチェインライトニングが巨人の身体を貫通しました。
雷に撃たれ仰け反って硬直する巨人に鞘を滑らせたRioのグレートソードが水平に喰い込み、力任せに振りぬいた後、返す刃で袈裟懸けに巨人の四肢を断斬してゆきます。
もんどり打って倒れる氷の巨人が巻き込んだ雪が白い煙となって舞い上がり、立ち昇る粉雪の煙幕の先で紅い瞳の吸血鬼が震える肩を抑え息を整える姿が見て取れました。
すれ違いざま、ありがとうとセラーナの耳元に告げてRioは更に上方を目指します。
砦の最高峰らしき拠点から西方の岩棚に続く吊り橋上のファルメルを射落とし、そこから幾つもの吊り橋を通過します。
右手と直進の分岐点を右手に回り込み辿り着いたテントの中にファルメル語らしき書物を見つけて、Rioは荷物にそれを加えました。
分岐点に戻り次は直進の道を選びます。
石橋の遥か下は目も眩むような高さで滝から滑り落ちた水流が渓谷を左から右に過ってゆきます。
山際の右手に繋がる山道はなく、細道はひたすら南方へと続いているようでした。
(さっき見かけた北東の洞窟を探索したかったけど(´・ω・`))
ひとまずRioは南へ指針を取り、縦横に渡し置かれる長い石橋を下りて行くことにしました。
すると、またもやファルメル・ウォーモンガーとファルメル・スクルカーの襲撃です。
「真夜中まで見張りを交代でつけるなんて 徹底した監視ぶりですわね」
それほどまでにこの隠れ里にファルメルが執着する理由がなんなのか。
やはりできる限り取りこぼしのないよう調査する必要があると確信するRioなのです。
氷河のクレバスを前に交代で休息を取り、その後、先刻発見した洞窟に向かおうと提案するRioに、
「一刻も早くアーリエルの弓を見つけて戻りましょうと申し上げたいところですけれど・・・」
前置きを入れるセラーナが確かにこれほどの数のファルメルを見過ごしにはできないかもしれませんわねと、同意をもって応えます。
かつてのスノーエルフ、今は凶暴な盲目の化物と成り果てたファルメルが吸血鬼の脅威に揺れるスカイリムに襲撃を試みれば看過できない事態になることは火を見るより明らかで。
討伐を兼ねて谷を棲みかとするファルメルの動向や規模も把握しておきたいという結論に達したのでした。
氷河のクレバスを抜けた辺りで焚き火を起こし暖を取ります。
光の祠付近で仕留め十分に火を通した鹿肉に簡易で暖めたスノーベリーのソースをかけ、焦げた部分を取り除いたじゃがいもと非常食用として持ち寄ったニンジン、トマト、スローターフィッシュの卵のスープで飢えを満たすと、Rioとセラーナは交代で眠りに就き明日の出立に備えました。

※ファルメル語らしき謎の書物はゲーム内では第3巻に分類されております。

翌朝、一旦氷河のクレバスを離れ、後にシャープスロープがその名であると明かされる洞窟に向かって出発します。
既に昨日の探索で洞窟入り口に至る道程を把握していた二人は目的地へと急ぎます。
シャープスロープ洞窟内部は薄暗く、松明を灯したい衝動にかられながらもRioはステルスを維持し歩を進めます。
近づくと発光を閉ざす化石染みた植物の前を横切りながら細い螺旋状の通路に出ると、対角上に見張りらしきファルメルを見咎めてRioは矢を解き放ちました。
敵が音もなく突っ伏していく様を見届けてからRioは後ろを振り返り、後続するセラーナに合図を送ると足場の悪い通路を下って行きます。
巡回中のファルメル・ウォーモンガーとすれ違った瞬間、Rioもセラーナも凍りついたように動きを止め。
盲目のファルメルらが不審者に気づかぬのをよいことに通過するその背後に不意討ちを喰らわせます。
目の見えない気の毒な種族に酷い仕打ちをなさいますのねと、苦笑をもらすセラーナに。
では代わりにこちらが殺られてあげた方がよかったかなぁと、いたずらっ子のように切り返すRioなのです。
壁に自生する光るキノコの明かりを頼りに長いスロープを下った先にシャウラス2体とファルメル・ウォーモンガーを視認して、まずはウォーモンガーにRioが先制を仕掛けました。
それが見事に外れるや無傷の敵は一斉に反撃へと転じました。
「肝心なところで失敗なさいますのね」
「あたしと冒険するなら これが仕様よ(`・ω・´;) アキサセナイ テンカイデショ?」
ヴィルカスの研ぎ澄まされた機敏で無駄のない動きと少々のことでは動じない精神力はあなたと冒険を共にしてきた賜物ですのね・・・と。
チェインライトニングからライフドレインを繰り出す美貌の吸血鬼が戦闘の合間につぶやきます。
反論しようと余所見しかけるRioにウォーモンガーはお任せいたしますわとセラーナが跳び退き、強引にターゲットのスイッチを図ります。
任せてとばかりにグレートソードでウォーモンガーの身体を刺し貫くと、Rioは血塗られた大剣を振り払いセラーナに明るい笑みをこぼしました。
あどけないかと思えば大胆不敵で。
目が覚めるほどの腕前を見せるかと思えば肝心なところで抜けていて。
図太いのかと思えばどこか脆くて弱々しい。
それが計算ではなく自然に顕れる辺りが癪に障ると。
「その奇妙な魅力に惹かれ誰もが翻弄される 憎らしい方ですわね あなたはとても」
セラーナは憧憬の篭る眼差しでRioを見つめ、そう囁きました。
結局、この洞窟においてもファルメルもしくはアーリエルの弓に関する文献または重要なアイテムを見つけることは叶わず。
シャープスロープ洞窟を後にしたRioとセラーナは一路氷のクレバスへ取って返します。
ファルメルの残党兵との戦いをいなし氷河のクレバスに到着したのは正午過ぎてからでした。
氷河の裂け目は思いのほか大きく、その狭間を二人は慎重に辿ります。
遥か前方にトロールとファルメル2体を視認して、Rioは続けさまに3体を射止め、淀みなく前進を果たします。
「哀れなものですわ わたくしたちを殺そうとした相手かもしれませんけれども」
崩れ落ちそうな吊り橋から対面のスロープをうろつくファルメル2体を仕留めて尚先行するRioの背後でセラーナがぽつりとつぶやきました。
「その哀れなものに成り下がらない為にも あたし達はここで敗北を喫するわけにはいかないのよ」
ノルドの歴史は戦いの歴史でもあり侵略の歴史でもある。
北方から凍える海を渡りタムリエルに上陸したノルド達はスノーエルフを含むエルフ族にも獣人にも、そして吸血鬼達にも屈することは許されないのだとRioは強い意志を示します。
敗北はすなわちスカイリムからの撤退を意味し、スカイリムからの撤退は故郷を失うことに等しい。
アルトマーの故郷サマーセットのように種族を受け入れるべき土地を持たないノルドは、スカイリムを明け渡すことは決してできないのだと。
自分自身に言い聞かせるようにRioは語ります。
ノルド発祥の地ともされるアトモーラ大陸。
スカイリムの遥か北に位置する彼の地には最早生物は存在しないというのが周知の事実。
たとえ今は勝者としてスカイリムに君臨しようとも、ひとたび失脚すれば行き場を失い過酷な運命に曝されるのはノルドもスノーエルフも同じである。
種族を挙げての戦いの敗北がどれほど惨めなものか。
裏切られし者ファルメルの重なる遺体を見下ろし。
それだけは阻止しなければとRioは固く唇を噛みしめるのでした。

吊り橋の先の氷のトンネルを抜けるとロープを張った罠が見えてきます。
トラップの解除を終え進んで行くと断崖絶壁の縁に辛うじて一人が通り抜けられるような細い通路に辿り着きました。
「ファルメルは橋を造るよりも罠をこしらえる方が得意だったようですわね」
ほとんど橋の渡されていない落ちれば即死は免れない断崖をそろそろと隠密で通り抜けるRioはセラーナの発言に思わず吹き出してしまいます。
「調理機器の扱いも不慣れなノルド女性がファルメルを笑いものにしてはいけませんわ」
囁く美貌の吸血鬼に反論する術もなく。
Rioはぷぅと頬を膨らませました。
人ひとりしか通り抜けのできない断崖絶壁の通路での戦闘は極力隠密からの不意撃ちで早急に方をつけようと。
視界に入る敵をRioは射程ギリギリから弓で狙い撃ちしてゆきます。
参戦することも叶わず背後で手に汗を握っているに違いないセラーナを安心させる為、Rioは戦闘後は必ずちらりと振り向いてセラーナに目配せするのでした。
分岐を左に折れ、見張りと思しきファルメル・ウォーモンガーら2体を射殺すると二人は周辺の探索に乗り出しました。
目ぼしいものが何もないことを確認し、お互いに首を横に振るやそれを合図に今度は右の分岐へと歩を進めます。
音もなく忍び寄るRioがファルメルを両断する間にセラーナが周辺の宝物庫やテント内を検め、しかし、一向に事態を急展開に導く書物にもアイテムにも在りつけぬまま、ただ時間だけが無情に過ぎ去り。
「今日で3日目 そろそろ最後の祠に向かうべきではないかしら?」
焦りを帯びたセラーナのつぶやきに、ファルメルがなぜこの場に執着するのか、どれほどの集落を為し反乱の兆しがあるのかなどを調査しないまま探索を放り出して祠に向かうのは危険だとRioが警告を発します。
「それはもちろんわかっておりますわ でもわたくしたちの目的はアーリエルの弓 ファルメルの生態調査ではありませんことよ」
それはそうなのだけど・・・と。
やはり納得がいかないのか決断を下せぬまま押し黙ってしまうRioに。
柔軟そうに見えて頑固なのは父君か母君譲りなのかしら、それともアーリービアード所縁の特徴なのかとセラーナがクスリと笑います。
きっとあたし自身の特徴よとつられて頬を緩めるRioにセラーナがもう一度進言します。
「あなたがお決めになればいいわ でも目的だけは忘れないで わたくしたちにもそれほど長い猶予は残されていないのですから」
人手が足りないまま吉報を心待ちにしているに違いないドーンガードの仲間達。
度重なる吸血鬼来襲に夜を徹して奔走する同胞団。
そして昼夜を問わず巡回の手を緩めることのできない疲弊した衛兵の面々。
それらを思い出し、Rioは自らの執着を今は優先すべきではないと悟り、頭を上げます。
「出口に向かうわ そして今度こそ最後の祠を見つけ最奥聖域を目指してみせる」
決意を口にしたもののマップを眺め経路を確かめる限り、このクレバスを越えなければ祠の位置さえ判断もつかず。
焦燥感に苛まれながらもRioとセラーナは前進を続けます。
ロープトラップを抜けた次の地点では、螺旋状に下方へと続く道と出口に向かうのかどうかもわからない上方に続く道の二つに一つの選択に迫られました。
どちらに行くべきかというRioの問いに上の方が出口ではないかと答えるセラーナです。
それならばと上方に指針を定める二人の行く手にファルメル・スクルカー、ファルメル・ウォーモンガーが立ちはだかります。
集中力を欠いた戦いが危機を招き、強打をまともに喰らったRioはとうとう膝をついてしまいました。
「薬を・・・! 早く薬をお飲みになって!」
アイススパイクで敵の動きを封じながら悲痛な叫び声をセラーナが上げるのを朦朧とした意識の中で聞きながらRioは懐の回復薬に手を伸ばしました。
けれども振り絞った力で取り出した回復薬をウォーモンガーに弾き飛ばされ。
死を覚悟したRioの脳裏にヴィルカスの声が響き渡りました。
立ち位置を考えろ。
(立ち・・・位置?)
お前はドラゴンボーンだ、シャウトを自在に使いこなせ!
(ああ そうだドラゴンボーンにはシャウトっていう必殺技があったよね・・・)
ここが足場の悪い断崖絶壁の戦いであることを思い出し。
勝利を確信して振りかぶるファルメル・ウォーモンガーに向かってRioは叫びました。
「Fus Ro Dah!」
振り上げた武器を手にウォーモンガーは後方へと勢いよく吹き飛ばされ険しい崖を滑落してゆきます。
「本当にもう・・・おしまいかと思いましたわ よかった・・・」
傍らに跪いてうっすらと涙を浮かべる紅い瞳の大切な仲間に大丈夫とつぶやいて、Rioは気力を振り絞り立ち上がります。
治癒魔法を唱えるとすぐに矢を番え、進行方向で異変を感じ蠢くファルメル2体を射抜きました。
それから振り返り、崖下の歩道から帰還を遂げつつあるウォーモンガーに狙いを定めると、好機は二度と与えないとばかりに引導を渡します。
ようやくクレバスを抜け出したと思った途端、周囲に広がるファルメルの集落にRioとセラーナは愕然としました。
「どうも面倒なことになったようですわね」
「ピンチはチャンスの前兆よ 二人で協力して無事乗り切りましょう」
Rioの語りかけにほのかに微笑んで。
セラーナも再度戦闘態勢を整えます。

ひとまず進行方向を右と定めて、後方からのバックアタックを防ぐべく左の掃討にかかります。
鳴子の罠を矢で解除しつつ進んで行くとスロープ上に扉が設置されていることに気づきました。
(広い雪原にこの扉。なんだかイヤな予感がする(`・ω・´;))
先刻、氷の巨人に対峙した場所に酷似していると辺りを見回した刹那、降りしきる雪の彼方に巨人の影を発見です。
「あれは先ほどの巨人!?」
「同種族ね きっと|ω・)」
セラーナにそう答えながらRioは矢を番えると氷の巨人の眉間目がけて鏃を解き放ちます。
わずかに倒しきるには威力が足りなかったかと第二の矢を番えて。
弓手を構え、大きく撃ち貫きます。
氷の巨人が携えていたのはダイヤモンドのパラゴンで、これで最初に入手したサファイア以降アメジスト、エメラルド、ダイヤモンドと4つのパラゴンを手に入れたことになります。
「5つの祠に4つの宝石 バランスが悪いですわね」
「そうね もうひとつどこかにパラゴンが存在するのかも(〃▽〃)」
ダイヤモンド・パラゴンを荷に仕舞い込むと二人はクレバスを出た箇所まで戻り、予定通り右手へと移動を再開しました。
進行方向にも2つのロープトラップが敷かれ、ファルメルが罠好きであることをここでも思い知らされて。
Rioとセラーナは小さな忍び笑いをもらします。
すると不審者の気配を感じたのか2体のファルメルがこちらに向かって走り寄ってきます。
慌てて矢を番えるRioの眼前でロープトラップに引っかかったファルメルがよろめき。
(えっ(○´゚ω゚`)!?)
そこにセラーナの渾身のチェインライトニングが炸裂します。
「セラーナ容赦ないのね|ω・) カワイソス」
雪原に突っ伏し屍を晒す哀れなファルメルを目を丸くして見つめるRioのつぶやきに。
「今のはわたくしのせいではありませんわ ファルメルが勝手につまづいたのですのよ」
冷気でうっすらとバラ色に染まる頬を更に紅潮させ、白い息を吐きながらセラーナが弁解を始めます。
「うんうん セラーナは悪くないよ(〃▽〃) ファルメルガ カッテニ ヒッカカッタンダヨネ」
笑いを堪えながら震える手で射放つRioの矢がもう一体のファルメルを貫通する直前で、またも自らが仕掛けた罠に飛び込んで盲目の裏切られし者は自爆してしまいました。
唖然とするRioとセラーナは不謹慎ながらも二人同時に小刻みに肩を揺らし、自発的に解除された罠の残骸を踏み越えてゆきます。
少し進んだ先で上層部に集落があるのを認めるとセラーナの了承を得ながらRioは探索を開始します。
行く手を阻むウォーモンガー、グルームルーカーなどを倒し、通過の過程で調査を進めると、突き当たりの家屋にファルメル語らしき謎の書物を発見です。

※氷河のクレバスを抜けた先のファルメルの集落最奥家屋で見つけた謎の書物はゲーム内では第4巻となり、残る謎の書物は第2巻のみとなります。

「これで3冊目 解読できた暁には何か有効な情報が手に入るといいのだけど(`・ω・´;)」
「なんにせよ 無事戻ることが先決ですわね」
そうねとうなずくRioの肩越しから下方を指差して、あれが出口ではないかしらとセラーナが助言を綴ります。
光るキノコの明かりを頼りに曲がりくねる坑道をロープトラップを凌ぎシャウラスを叩き伏せて通り抜け、尚も進んで行くと、やがて淡い光がかすかに洩れいずる場所に到着しました。
見覚えのある青白く揺れるその姿はアーリエルの精霊のそれであり。
Rioは5つ目の祠の護り手目指して駆け出しました。
ここは輝きの祠だと告げるエデルボルと名乗る司教の導きを受け、最後の祠の水差しに水瓶を浸して。
Rioはとうとう最奥聖域へ臨む権利を獲得したのでした。



以上でドーンガードメインクエスト第10章『空に触れる③』終了となります。

地下での潜伏生活を送ることになったスノーエルフは従来の暦を陽時計や月時計などで確かめながらの毎日を送れなくなってしまったため、クルニールという代替品に刻み付けた印を頼りに今日が一体何日なのかを確認していたように思われます。
元々太陽や月を眺め他種族同様の暦を利用していたに違いないスノーエルフが復興を思いどのような気持ちで暗い穴倉生活を送っていたのか。
それを思うと気の毒で涙を誘われます。
スカイリムにおいて覇者となったノルドですが、スノーエルフの末路は必ずしも他人事ではありません。
帝国は足元からぐらつき、内戦で領土は荒れ果て、帝国と反乱軍の不和をほくそ笑んで傍観するサルモール達がひしめく第4紀のスカイリム。
次回作が再度タムリエル大陸侵略に乗り出したアカヴィルのタン・モーやカ・ボツーンなどによってタムリエルが占領を受けるというシナリオでないとも限りません(あくまでも小桜の妄想ですが・・・)。
かつての救世主レマン・シロディール、アルマクレシア、アンダーキングはおらず、占領され奴隷の身となりタムリエルの民は実験用生物や奴隷として扱われているかもしれません。
もちろんそこでTES6主人公がかつての英霊の力を伴っての登場というのも意外性のある展開なので個人的には大歓迎なのですが・・・
とにもかくにもスノーエルフの盛衰は明日は我が身。
諸行無常、盛者必衰はリアル世界のみならずTESの世界でも同様かと思われます。

次回Skyrimはドーンガードメインクエスト第10章『空に触れる④』をお送りいたします。
ネタバレ・妄想・創作が恒例となっておりますが、「わかってるからOK(*・ω・)b」とおっしゃる皆様のお越しを心よりお待ちしております。

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Skyrim・空に触れる②(〃´・ω・`)ゞ

星霜の月4日
昔はいつも、父のように戦で戦うことを夢見ていた。
父やその他数多くの人々が殺された今、老いし者たちは、このまま戦い続けるには残された戦士の数が少なすぎると言い張っている。
私たちは協力と保護を求めて逃げることになった。

星霜の月8日
偉大なる雪の王子が戦死したという知らせが届いた。
ありがたき太陽が顔を出すまで、私たちは身を寄せ合ったまま、常に最悪の事態を恐れながら長い夜を過ごすのだ。
アーリエルが導いてくださいますように。

星霜の月13日
夜の闇の中で、老いし者たちが地下とそこに暮らすドゥーマーの秘密について、声を潜めて語り合っているのが聞こえてきた。
ドゥーマーなら、私たちが死んだ仲間の敵を討ち、自分たちの土地を取り戻すために力を貸してくれそうな気がする。

謎の書物第2巻“ミルティル・アンゴスの日記”より抜粋
ファルメル語からの翻訳:マルカルスのカルセルモ



本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

恒例となってしまっていて申し訳ありませんが、ネタバレ・妄想・創作が席巻しておりますので、「そういうのは困ります」とおっしゃる方はスルーしてやってください。
またPC&NPC間の会話のほとんどが創作となっており、ゲーム内のストーリーに平行してオリジナルのストーリーが混ざり合っておりますので、「そういうのも苦手です」とおっしゃる方は完全スルーしてやってくださいませ。



祠のゲートを抜けた先はやけに明るい荒地でした。
太陽でも照っているのかと見上げたRioの視界に空は映らず。
眩さが周辺の岩と苔に寄るものであることに驚きを新たにします。
そこから続く道筋は一本で、Rioとセラーナは細く長く蛇行する通路を辿り始めました。
そして上り坂の細いスロープを抜けると、そこには切り立った渓谷に連なる山々に囲まれた山里とも仙境ともつかぬ大地が広がります。
「信じられませんわ まるで別世界のよう」
薄曇りの風雅な光景を前に美貌の吸血鬼は歩みを止め魅入られたように佇んだ後、本懐を思い出してRioに向き直りました。
「さあまいりましょう アーリエルの弓はこの谷のどこかにあるはずですわ」


ドーンガードメインクエスト第10章『空に触れる②』

そそり立つ岩壁を右に見つつ、途中襲い掛かってきたサーベルキャットをいなし進んで行くと、突き当たりは行き止まりで下りる術は残されていません。
けれども下方には道のように踏み拉かれた跡が残されているようで。
「このまま飛び降りてもいい|ω・)?」
崖下を見遣りながら今にも飛び降りんばかりのRioなのです。
「どうせわたくしが止めても無駄なのでしょう?」
そうセラーナがため息混じりに返答するかしないかの内に、Rioは岩から岩へと跳躍しては着地を繰り返すダイブを始めました。
諦めの入り混じった表情を浮かべ、仕方なく後に続こうとしたセラーナの紅い瞳に数体の獣らしき影が過ります。
「敵ですわ! お気をつけになって!」
地表に着地を果たしたRioはセラーナの警鐘を聞き取るや素早く辺りを窺います。
するとセラーナの放つチェインライトニングの先にサーベルキャットを捉え、大剣を抜き放つや躍りかかりました。
(まだ誰かいるΣ(・ω・´)!?)
射掛けられる矢羽に気づいたRioは仕留めたサーベルキャットはそのままに、反転、矢の軌道の確認に努めます。
すると進行方向にファルメルを確認して。
しなやかな所作で間を詰めると抜き身の大剣を閃かせました。
崩折れるファルメルの他に追撃者がいないことを確かめた後、断崖を滑り下りるセラーナと合流を果たすRioなのです。

右手に道なき道を進んで行くと洞窟に行き当たります。
入り口付近に設置されたシャウラスの飼育場を蠢く幼虫を2体仕留め進んで行くと、その先にもシャウラス・ハンターと別の幼虫に遭遇します。
セラーナの放つ破壊魔法とRioのグレートソードで事なきを得、厄介な毒が完治するのを待って再び進軍を開始します。
次の引き鎖はどうやら通過した岩戸を開け閉めするためのものらしく、逃げ道確保のためにも開けたまま放置します。
結局奥は行き止まりとなっているらしく、不気味な亀と虫の姿を合わせ持つかのようなシャルバグの発掘地点の確認を最後にRioとセラーナは撤退を余儀なくされたのでした。

洞窟を抜け出し右の岩壁沿いに進んで行くと2つ目の祠を発見です。
その場所は物見の祠と呼ばれているらしく、かつてはスノーエルフの司教のひとりでもあったアスリングという人物が精霊となり導いてくれるようです。
光の祠で出会ったシダニス司教同様、彼もまたうつし身の者ではないものの穏やかな口調と物腰で語りかけてきました。
物見の祠の司教はこの場所が“忘れられた谷”と呼ばれていることを告げ、最奥聖域への旅の無事を祈ると共に次なる祠へと続くゲートを開放してくれました。
「生き残ったスノーエルフはギレボルとヴィルスールだけだというのに もう訪れる巡礼者がいるわけでもありませんのに あの方々はこれからもずっと祠を護り続けていくのかしら」
ふと祠を振り返るセラーナに、それが信仰というものなのかもしれないとRioもぽつりつぶやきます。

※物見の祠のゲートをうっかり潜ってしまいますとダークフォール洞窟のシダニス司教の光の祠に逆戻りしてしまいますのでご注意を。

物見の祠から南南西に歩いて行くとほとんど原型をとどめない石のアーチと石段の形跡の残る遺跡が見えてきました。
石のアーチを抜け、雪山で待ち伏せするフロストバイト・スパイダーをいなしてゆくと、
広い湖面に滝が幾筋もの飛沫を上げて流れ落ちる絶景に出くわしました。
「こんな光景が見たかったのですわ」
すっかり夜の帳が下りた湖面には星とオーロラの明かりが照り輝き、冴え冴えとした冷気も忘れるほどに、Rioとセラーナは思わず湖面の際に佇んで神秘的な光景に見蕩れるのでした。
湖際を左手に進んで行くとまたもや祠に出くわしました。
「学びの祠にようこそ アーリエルの祝福は汝と共にある 最奥聖域の深淵なる英知にまた一歩近づいたのだ その身がアーリエルの力で満たされん事を」
セレグリアスと名乗る司教が他の司教ら同様の祝辞を厳かに綴ります。
そして光と物見の祠と同じ問答と儀式を経て、Rioは3つ目の祠内部で水差しに水を浸し先を急ぎます。
そのまま右手の絶壁沿いに歩いて行くと湖面から更に下へと流れ落ちる巨大な滝に行き当たりました。
「用心なさって もしあなたがあそこに落ちたら どこにつながっているにせよ わたくしが引っ張り上げることになりますのよ」
「でも そこにいかにも落ちてごらんっていう滝があればトレジャーハンターとしては探検しないわけにはいかないでしょ|ω・)? オチタサキニ アーリエルノユミガ アルカモシレナイシ」
「自分が何をおっしゃっているかわかってらっしゃるの? それにあなたはトレジャーハンターではなくて吸血鬼ハンターではありませんの・・・ってもうっ!」
吸い込まれるように滝壷目がけて落ちてゆくRioの次第に小さくなる後ろ姿を目で追いながら美貌の吸血鬼は怒りで頬をほのかに紅潮させ、信じられませんわと愚痴をこぼしつつもその後に続くのでした。
滝壷から近くの陸地に上がるずぶ濡れのRioの背後に紅い瞳に怒りを滲ませたセラーナが追いすがります。
「わたくし申し上げましたわよね だから滝の向こうには行かないでと 少しは耳を貸す気になりまして?」
そんなセラーナに静かにと声を顰めて警鐘を鳴らすRioなのです。
「ファルメルがいる|ω・)」
薄暗い岩間のその先に蠢くファルメルの陰影に気づいて。
セラーナもはっとした表情で唇を手で覆いました。
引き絞った矢羽を続けさまに撃ち放つと反撃の間も与えないままRioはファルメルを物言わぬ肉塊へと変えてゆきます。
近場の敵の殲滅は終わったとRioに告げられて、ステルスを保ったまま身を強張らせるセラーナもようやく緊張の糸を解きました。
ファルメルの遺体とその周辺にアーリエルの弓に繋がる手掛かりがまったく見られないのを確認してRioは対岸へと移動します。
流れの速い地下水を横切り、再び陸地に上がったRioは背後のセラーナに語るとはなしに囁きました。
「祖先のノルドが戦に勝って一度は絶滅寸前にまで追いやったスノーエルフと協力し合ってるなんて 不思議なめぐり合わせよね(*・ω・)」
するとやはりノルドの血を引くセラーナも自身の感想をもらします。
「アーリエルの弓が吸血鬼らに渡ろうとも吸血鬼ハンター達の手に委ねられようとも スノーエルフもファルメルも気にしないと思いますわ」
確かに地下に塒を持ち一大勢力を築きつつあるファルメルと、もはや種族としては風前の灯にあるスノーエルフ。
彼らにとって地上における定命の者と吸血鬼の争いなど別世界の出来事であり、どちらが覇権を握ろうとどちらが滅亡しかけようと、関心を寄せるほどのものではないのかもしれません。
裏切られし者達の手に堕ちたかつての最高司祭ヴィルスールをスノーエルフの神聖なる聖域の外に追い出しさえできれば、精霊となった者を含むスノーエルフらはきっと喜んでアーリエルの弓を譲ってくれるはずだと美貌の吸血鬼は持論を綴ります。
対面にもファルメルの棲家らしきテントが点在していますが、なぜか屠られたファルメルの遺体が討ち捨てられています。
同士討ちでもしたのかと訝しげに思いつつも結局アーリエルの弓に関わりのありそうな文献のひとつも見い出せぬままRioとセラーナはその地を後にしたのでした。

散々滝に翻弄され流され辿り着いた先は光の祠へと続く洞窟でした。
すっかりずぶ濡れとなったRioとセラーナは焚き火を囲み休息を取りがてら持ち寄った食事にありつきます。
整然と見場良く並べられたセラーナの料理の包みを覗き込みながらRioが味見を申し出ます。
うれしそうにチキンのトマトソースがけを頬張るRioに並んで座るセラーナは隣の包みの中にある炭のような物体をつまみあげて小首をかしげます。
「これは一体なんですの?」
てっきり焚き火に焼べる炭を持参したものと思い込んで質問したセラーナですが、それが茹でたじゃがいもだと告げられて唖然とした表情を浮かべました。
「これは焦げた跡ですわね?」
「うん 焦がしちゃった(〃▽〃;) アハハ」
「しかも皮付きのままですわよね?」
真のノルドは皮付きのじゃがいもにかぶりつくものよと悪びれもせず答えるRioを呆れた眼差しで見つめながら。
まず茹でてこんなに焦がすこと自体ありえないとセラーナも切り返します。
その間にも次から次へとセラーナの料理に手をつけるRioを呆然と見届けて。
セラーナは最後にぼそりと言い放ちました。
「ぜんぶしっかりヴィルカスに報告させていただきますわ」
その言葉に喉を詰まらせ、ごほごほと咳き込むRioは頬を染めて言い返します。
「こんな場所に配達人は来ないわよ|ω・〃)ノ イイツケンボー セラーナ」
すると、誰が今配達を依頼すると言いましたかと冷たい口調でセラーナも反撃します。
「たっぷり書き溜めて 地上に出てからまとめて配達人に託すつもりですのよ」
美貌の吸血鬼に言い負かされて。
Rioは涙目になりながら、うぅ・・・と口ごもりました。

光の祠から物見の祠を経て今度は忘れられた谷の北東の調査に向かおうと、湖の畔を前に右側の山際伝いに進みます。
ふと右の山際斜面に目をやると、宝箱にもたれかかった白骨遺体の傍に書物が一冊放り出されているのに気づきました。
「読めない(○´゚ω゚`)」
謎の書物のページを繰りながらRioは眉を顰めます。
後ろから覗き込むセラーナもわからない言語だと首を横に振ってみせました。
「エンシルかカルセルモ もしくはアルケイナエウムのウラッグ・グロ・シューブならわかるかもしれない」
ところどころ見覚えのある単語や韻などの調子からおそらくこれはファルメル語ではないかと目星をつけるRioなのです。
山際から右手に斜面を登って行くと滝を挟んだ対面に祠に似た遺跡を発見して、Rioは再び降下を提案します。
反対しても決行するのなら最初から提案などなさらないでと諦め口調なセラーナを先導しつつ安全そうな足場を探りながらRioは降下を果たしてゆきます。
ギリリギリリ・・・
何か異質な音が下層より響き。
この音はなんだろうとRioは動きを止め岩の縁から下を覗きこみました。
巨大な体躯が視界に映り、それが氷の彫像のごとき凍てついた巨人であることを認識するとRioは血相を変えました。
上方からゆっくりと降りてくるセラーナに慌てて身振り手振りで迂回して降下するよう合図を送ります。
流れ落ちる滝を右手に見て。
その縁ギリギリの地点に落下を遂げるとすかさず臨戦態勢を整え、ステルスを維持しつつRioは岩陰に揺れる氷の巨人目がけて矢を射掛けます。
鋼鉄の矢では威力が足りないことは薄々予測していたとばかりに、第二の矢を矢筒から取り出すと流れる所作で引き絞り解き放ちました。
セラーナの着地と同時に氷の巨人も雪塵の中に崩折れ。
その遺体からRioはサファイア色の宝石にしては大きな逸品を手にします。
(何に使うものかしら(-ω-;)?)
用途はわからないもののとりあえずもらっておこうとRioは荷の中に無造作にサファイアのパラゴンを放り込みました。
そして対面の遺跡を指差してRioはセラーナに行ってみようと促します。
けれども辿り着いてみるとそこは祠とは異なり、何やらソケットを持つ装置だけが残された建物の残骸でした。
「祠ではなさそうね(´・ω・`)」
当てが外れたとばかりに踵を返すRioの腕に手をかけてセラーナが呼び止めます。
「お待ちになって このソケット なにやらソウル・ケルンを思い出しません?」
(ソウル・ケルンのソケット(゚ー゚*?))
「あっ・・・宝石を嵌め込むと作動したあの格子に覆われた魔法陣の台座!?」
セラーナの助言によって甦った記憶から何を試みるべきかを理解したRioは早速荷から取り出したサファイア・パラゴンをソケットに嵌め込みました。
すると青く透明なオーロラのようなゲートが遺跡に現れ、二人を導きます。
青いオーロラのゲートを抜けて辿り着いた先は宝物が蓄えられた一角で、通路などは一切なく、氷の重みに耐えかね倒壊寸前となった建造物のようでした。
「ここはどこかな(-ω-;)?」
「扉や通路の類は見当たりませんが建物の一部で宝物庫という風情ですわね」
一通り探索を終えたRioとセラーナはそれ以上の収穫を得ることもなく再び元の遺跡へ続く青いオーロラのアーチを潜ったのでした。

※ここでRioとセラーナの発見した解読できない謎の書物はゲーム内では謎の書物第1巻とされております。谷の北東山際から氷の巨人へ降下しつつ迫るシーンではさすがに高度が高過ぎてセラーナに“揺ぎ無き力”で落ちてもらうのはためらわれましたので、実際はRioが先行で降下し、セラーナはゲーム内AIに従い迂回して合流するコースをとっております。また、宝石を嵌め込むと作動した・・・の件はSkyrim⑫『聖人のいら立ち前編&死の超越②』『聖人のいら立ち後編&死の超越④』『タムリエルでダーネヴィールを呼び寄せる&死の超越⑤』に記した本来の名前は“リーパーの巣”と呼ばれる場所を指しています。サファイア・パラゴンをソケットに嵌め込んで向かった先は実はゲーム内では“最奥聖域”と表示されているのですが、Rioとセラーナがそれに気づくはずもありませんので、何かの建物の一角という説明になっております。

「今の位置はパラゴン・プラットホームとでも名づけておきますわ」
サファイアのパラゴンがあったということは宝石は他にも多数種類があり、他の宝石にちなんだパラゴンが存在していてもおかしくないというのがセラーナの言い分です。
「そうね じゃあ地図に記しておくわね(*・ω・)つ カキカキ」
セラーナの案に共感を示すRioも広げたスカイリムの地図裏面に忘れられた谷についての書き込みを入れてゆきます。
端が破れ薬品か何かが付着した手でベタベタと触られた跡の残る地図を見咎めて。
なぜこんなに汚れているのかとセラーナが訝しがります。
ちょっといろいろあって・・・と。
言葉を濁すRioは慌てて地図を後ろ手に隠し、乾いた笑みでごまかしました。

※Rioの地図が破れていたり薬剤の付いた指紋だらけな理由を知りたい方はSkyrim⑫『新たな命令』をご覧くださいませ。

パラゴン・プラットホームを立ち去り右手山伝いに歩いて行くと、滝を挟んだ対面下方域に氷の巨人を発見です。
「もしかするとあの巨人もパラゴンを持っているかも|ω・)」
「可能性は高そうですわね」
すぐさま隠密を開始したRioは高台から狙い撃ちに相応しい場所を吟味します。
張り出した岩棚から滝壷を見下ろせる位置に陣取ると、弓を取り出し狙い撃ちにかかります。
先刻倒した氷の巨人同様、二本の矢羽で獲物を仕留めると、Rioは喜び勇んで下方へ続く道なき道を滑り下り駆け出しました。
想像通りこちらの氷の巨人もアメジストのパラゴンを所持しているようで、このことからもほぼ間違いなくパラゴンは宝石の名にちなんで複数存在することが証明されたのでした。
アメジスト・パラゴンを入手後、もう一度山の中腹に戻った二人は右手山伝いに進んで行きます。
前方を見はるかすと、対面の高度が同じ山間に3つ目の祠らしき建物を視認しました。
晴天の昼間でなければ見落としてしまったかもしれない光景に、光の祠付近で夜はセラーナと交代で休憩を取った甲斐があったとRioは喜びます。
太陽の光は苦手なのですけれどと肩をすくめて見せるセラーナの表情もどこか柔和で。
足取り軽く。
無邪気な笑顔で振り返るRioはセラーナの手を取り先導して行きます。
蛇行する山道を抜けると石橋を発見です。
石橋の右手奥にも同様の橋を認めてRioは立ち止まりました。
奥の橋にはファルメルの生息地で見かけた垣根のようなものが見受けられますわねとのセラーナの発言にうなずきながら。
恐らく右手奥の橋にも向かわなければならないだろうと奇妙な予感を覚えつつもRioは目の前にある石橋を渡り始めました。
ふと見上げると空には綿雲が流れ、遥か上空には鳥が翼を広げたゆたい。
あまりにのどかな光景に、思わずここを訪れた目的を見失いそうになり。
Rioは軽く頭を振りました。
ニリロールと名乗る司教の精霊に対面すると、ここが意思の祠であることを告げられ、水差しに水を汲むよう勧められました。
「アーリエルの光の盾がその身を護らんことを」
ニリロール司教の励ましを胸に青空と白い雲を背景にそびえ建つ4つ目の祠を後にするRioなのです。
ここまでは特に障害もなく順調ですわねと綴るセラーナに笑顔で同意を示すと、澄み渡る空と風光明媚な湖畔を前にRioはひとつ大きな深呼吸をしました。
それから反時計回りで湖畔沿いに凍てついた湖を眺めつつぐるりと巡って行きます。
湖畔中央に何やら巨大な岩ともモニュメントともつかぬ建造物を見つけ、Rioはそちらに向かって歩き出しました。
「氷に亀裂がありますわ 割れたりしなければよいのですけれど」
薄氷に気をとられ歩き出したその瞬間、湖面の氷を裂いて二匹のドラゴンが飛翔しました。
一匹がシャウトでヴォスラールムと名乗り、もう一匹がナースラールムと称します。
二体は問答無用でRioとセラーナに攻撃を加えました。
蒼白の面で破壊魔法を唱えるセラーナの声音に震えが奔り。
Rioのこめかみからも冷や汗が流れます。
(ドラゴン2体だなんて・・・どうしよう!?)
「これでは死霊召喚も使えませんわ」
召喚魔法・・・!
「ここは一応タムリエルよね(`・ω・´;) ソラハアンナニ キレーダシ」
この非常事態に何を言ってらっしゃるのと叫ぶセラーナがヴォスラールムの炎に巻かれ悲鳴を上げます。
「Dur Neh Viir! 来たれダーネヴィール!」
Rioの叫びに呼応してソウル・ケルンに棲み為すドラゴン、ダーネヴィールが現れました。
「あの監獄から解き放たれるたびに力が戻って来るのがわかる ソウル・ティアリングの2つ目の一語“Vaaz=涙”を聞くがいい 敵の魂をその生ける器から引き裂き・・・そなた 我の話を聞いておるのか!?」
居ずまいを正すダーネヴィールが約束のシャウト、ソウル・ティアリングの2つ目の一語を授けようと厳かに言い放つのを待たず、Rioはダーネヴィールの鼻先を掠め2匹のドラゴンの間に躍り出ます。
二つの炎が頭上から交錯して雪原と己の脇腹を焦がすのを感じて。
ダーネヴィールはうんざりとした様子でつぶやきました。
「ふぅむ またしても闘いの渦中に我を呼び出したのか」
文句を言いながらも翼をはためかせ飛び立ったダーネヴィールはボーンマンら黒骸骨兵部隊を召喚せしめ、2匹のドラゴンらと互角に渡り合い始めます。
青い空に3体のドラゴンが激突し凌ぎを削る様は壮大で。
翼ある者に憧れの眼差しを注ぎながらも、Rioは引き絞った矢を天に放ち本格的な参戦を果たします。
岩陰から反撃の機会を覗っていたセラーナもダーネヴィールの登場と共に岩場を抜け出しチェインライトニングで援護射撃に転じます。
長い戦いの末、降り立ったヴォスラールムをボーンマンとセラーナの魔法詠唱が絶命に追い込みました。
ヴォスラールムの死に冷静な判断を失ったナースラールムもすぐさま地上へと舞い降ります。
刹那、ダーネヴィールの生命力低下シャウトの洗礼を受け瀕死状態に陥り、待ち伏せていたRioの大剣に斬り裂かれ、ナースラールムも兄弟の後を追うように白骨化してゆきます。
肩で息をするRioとセラーナはお互いの無事を確認すると、二人同時にへなへなとその場に座り込みました。
人心地ついたところでRioはダーネヴィールの安否を気遣い空を見上げ辺りを見渡しました。
黒骸骨兵部隊は既に消し炭となって滅してしまったらしく、ダーネヴィールの姿も見当たりません。
(まさか先刻の闘いに巻き込まれて命を落としたとかないわよね(´;ω;`)!?)
矢も盾も溜まらず、おもむろに立ち上がるとRioは再びダーネヴィール召喚のシャウトを発しました。
すると登場した途端、ダーネヴィールは右や左に首を振り、果てはせわしなく頭上を見上げます。
「よかった生きてたんだ ダーネヴィール(´;ω;`) ヨカッタ ヨカッタ」
「ふむ 今回は闘いの最中ではなさそうだな ところで我に死は与えられぬと申しておいたであろう 忘れたのか?」
「でもそれはソウル・ケルンにあればだよね? ソウル・ケルンを離れれば力は衰えて身も滅ぶって言ってたから・・・だから心配で・・・(´;ω;`)」
どのような反応をしてよいのか。
沈黙のままダーネヴィールは小さな同族をじっと見つめました。
「そなたはタムリエルに我を呼び出してくれるという約束を守ってくれた 今度は我の番だ」
高ぶったRioの気持ちが落ち着くのを待って、ダーネヴィールはそう告げるとソウル・ティアリングの最後の一語“Zol=ゾンビ”をRioに授けました。
「魂が死した肉体に幽閉された時に生じる不死のことだ 戦況に応じて上手く使うがよい どれ 帰還が近づいている」
青空を見上げるダーネヴィールにRioは自由に空を舞う時間を作ってあげられなくてごめんねとつぶやきます。
また呼び出してくれればよいと応えるとダーネヴィールは暗黒の世界へと還ってゆくのでした。
たとえこの身は暗黒の世界を漂おうとも光の世界に誘ってくれる小さな仲間がいる。
ダーネヴィールは生まれてから今に至るまで感じたことのない温もりが体内に宿るのを感じ、ソウル・ケルンの上空で一際大きく歓びの声を響かせました。



以上でドーンガードメインクエスト第10章『空に触れる②』終了となります。

せめてタムリエルの青空を制限時間いっぱいまで自由に飛んでもらおうと召喚したら、氷の精霊に絡まれたRioを助けるために律儀に下りてきて“Gaan Lah Haas!”と生命力低下の第三段階までシャウトって、狭い場所でいっしょに戦ってくれるダーネヴィール。
とっても頼もしいドラゴンです(〃▽〃)つ

序章の“ミルティル・アンゴスの日記”などに登場する雪の王子はおそらくスノーエルフの王子ではないかと思われます。
個人的にはこの雪の王子という単語を見つけたら、スノーエルフの王子と脳内変換しております。


実はRioのキャラで忘れられた谷のパラゴン系と書物4冊は集めておりません。
というわけでパラゴンで行ける場所や書物を集めた後のクエストについてはよくわかっておりません。
わかっていないので今後の展開がとても楽しみだったりします。

さて次回Skyrimはドーンガードメインクエスト第10章『空に触れる③』をお送りする予定です。
ネタバレ・妄想・創作が投下され誘爆が不安視される中、「爆撃も弾も全部避けてみせるじぇい(`・ω・´)」とおっしゃる怖いもの知らずな勇者さまのお越しを心よりお待ちしております。

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Skyrim・空に触れる①(○´゚ω゚`)

そして雪の王子が地に落ちし時、氷のエルフは天と地に分かたれぬ。
今や打ち負かされ、自由なき身、知恵の全ても瞬く間に損なわれた。
かつてその肌をなでし涼しき風は、今や炎の焼けつく熱さに代わりぬ。
かつてその奥底にありし誇りは、その名と共に忘れ去られぬ。
氷と霜の故郷より引き離され、恐ろしき闇夜に捨て去られぬ。
恐れの中で生きる内に、その瞳と心は曇り行きぬ。
奴隷として鎖をかけられ、かつての光は暗闇に変わりぬ。
頼るものなく、裏切られ、迷妄の深みに沈みゆく。

謎の書物第1巻イングウェ・エメロス著“裏切られし者”より抜粋
ファルメル語からの翻訳:マルカルスのカルセルモ



本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

ネタバレ・妄想・創作が恒例となっておりますが苦手とおっしゃる方はスルーお願いいたします。
物語の流れはゲーム内の流れにおおよそ従ってはおりますが、PC&NPCの関係や会話は創作過多となっておりますので、ゲーム本来の流れや正確な会話が知りたいとおっしゃる方はゲームをプレイした後、再びお越しいただけますなら幸です。



ドーンガードメインクエスト第10章『空に触れる①』

ドラゴン・ブリッジの遥か西、ノースウォッチ砦の遥か南のハイロックとの国境沿いにダークフォール洞窟はありました。
吸血鬼の脅威に怯える各都市の状況を鑑み、またセラーナ自身の負担も考えた上で宿屋への宿泊は極力避け、レイクビュー邸とウィンドスタッド邸を休息ポイントに定めて行動に移します。
吸血鬼の動向視察を兼ねてという名目で洞窟まで荷物持ち兼ボディガードとして付き添ってくれたアグミルとも別れ、再びセラーナと二人だけの探索が開始されます。
仲間と別れるのは少し心細いですわねとつぶやくセラーナに微笑み返して。
「さあ アーリエルの弓が発見されるのを待っているわ」
そう綴るとRioは凛とした面を上げるでした。

※付き添ってくれたアグミルと別れ・・・の件は太古の湿地同様ダークフォール洞窟もマップのゾーン切り替えが行われた途端、セラーナ以外のフォロワーが強制解除されてしまう為このような展開となっております。

細く蛇行した通路を抜けた辺りより小さな滝が清らかなせせらぎを伴って流れ。
天然の吹き抜けとなった岩間から陽光が差し込んでいます。
フロストバイトスパイダーを倒し進んで行くと突き当たりは行き止まりとなっていました。
手すりもない吊り橋を覗き込むと下方は流れの速い渓谷のようで。
「飛び降りてみましょう(*・ω・)つ」
セラーナにそう声をかけるとRioは渓流に身を任せました。
他に選択肢はなさそうだと判断したセラーナも後に続きます。
ずぶ濡れのまま川下の浅瀬を辿るRioは光るキノコを視界の端に捕らえ、ファルメルが現れるかもしれないと注意を促します。
しかし現れたのはフロストバイトスパイダーの群で、たちまち討伐を終えると二人は何事もなかったように歩き出しました。
「通路が二手に分かれてる とりあえず左から調査してみるわね(*・ω・)つ」
Rioの言葉にうなずくセラーナの影が岩肌に映り揺れ動きます。
薄暗い坑道のような通路の要所要所に松明が灯されている光景を不思議に思いながらも進んで行くと、ブレトン種の女性の遺体と下準備の整ったキャンプ地に行き当たりました。
「この方達はどうしてここでキャンプを張ろうなどと思ったのかしら」
落ち着かない様子で辺りを覗うセラーナにRioはブレトンの遺体が握っていた走り書きを手渡します。
「トロール!? トロールにやられたとおっしゃいますの?」
その可能性が高そうだと返事を返しつつ大剣の柄に手を伸ばして。
Rioはステルス体勢のまま身構えました。
左の坑道は巡り巡って先ほどの通路と繋がっているらしく、右の通路を選んで探索を再開します。
前方にロープを張った罠を見つけるとRioはセラーナを軽く押し留め、トラップ解除のためロープに向かって矢を射放ちました。
鏃がロープを断ち切るや上部から複数の岩が崩落し、落ちた岩石の間を擦り抜けると、またも暗く長いトンネルが続きます。
緊張を伴う徘徊の末、どこに続くとも知れない洞窟はようやく開けた水辺へと繋がりました。
「ここはなんだか様子が変ですわ」
セラーナも不穏な空気を感じているのか落ち着きなく辺りを見渡します。
薄暗い岩の狭間から対面を過る獣の影を捉えて。
Rioは引き絞った矢を射放ちました。
「トロールだわ(`・ω・´;)」
「ではやはりこの洞窟はトロールの棲家だったのですわね」
安堵とも落胆ともつかない吐息をつくセラーナの傍らで、Rioが左手のとある一点を見つめ動きを止めました。
「どうなさいましたの?」
「誰かいる|ω・´)」
「まさかお父様達がもうここを嗅ぎ付けて!?」
動揺を見せるセラーナを片手で制して。
Rioはゆっくりと隠密を保ったまま前進してゆきます。
エルフ・・・?
それにしてはなんて色素の薄い見慣れないいでたちの男なのだろう。
視線の先で一心に祈りを捧げる男はアルトマーともボズマーとも異なるようで。
ダンマー特有の灰色の肌を持つでもなく。
しかしながらエルフ特有の長い耳を確認して、Rioは慎重な足取りで接近を続けました。
「吸血鬼でもありませんわね もっと何か異なる力を感じますわ」
不可思議な気配を嗅ぎ取ってなのか。
セラーナの紅い瞳も前方に佇むアルビノのような肌を持つ男の姿に釘付けとなっているようです。
「近くへ来い 恐れることはない」
礼拝を行っていた男は、突如、Rioとセラーナの方へ向き直ると穏やかな声音で話しかけてきました。
男の澄んだ瞳に邪心はなく。
敵意らしきものも感じられません。
その様子にすぐさま隠密の体勢を崩すとRioは背筋を伸ばし大剣の柄から手を解きました。
歩み寄るRioとセラーナを前に、色素の薄い男は自分は騎士司祭ギレボルだと名乗りました。
騎士司祭という称号は初めて耳にすると感想をもらしつつ、Rioとセラーナも自らの名を名乗り、好奇に煌く瞳を風変わりな装備の男へと注ぎます。
「アーリエルの大礼拝堂へようこそ」
ギレボルは穏やかな声音で、ここはそういう場所なのだと告げました。
この暗い人気のない洞窟がアーリエルの聖堂なのかと不思議そうに首をかしげるRioに。
「アーリエル アルコシュ アカトシュ 呼び名は様々だがすべて同じ スノーエルフの守護神アーリエルを祀る礼拝堂なのだよ」
とギレボルは静かな笑みを湛え答えます。
けれども礼拝堂と言う割には屋根の付いた神殿もなく、辛うじて残っているのは太陽らしき標を象った台座。
使い古された燭台。
崩れ落ち荒れ果てた石柱が数本ばかり。
元は精緻な建造物の一部と思しき残骸だけが残るこの場所のどこが礼拝堂なのだろうかと辺りを見回すRioの背後から、セラーナは興味をかき立てられて仕方がないという風情で身を乗り出しました。
「スノーエルフですって? ファルメルではありませんの?」
セラーナの言葉に、はっとした顔を上げて。
Rioはもう一度ギレボルをまじまじと見つめ直しました。
うっかり聞き流してしまってはいたものの騎士司祭という称号に透き通るほどに白い肌。
もしや彼はファルメルの元々の種族、絶滅してしまったといわれていたスノーエルフの生き残りなのかと。
Rioは目を見張ります。
Rioとセラーナの凝視を穏やかな眼差しで受け止めて。
ギレボルはファルメルではなくスノーエルフと呼んで欲しいと憂いを帯びた表情で訴えました。
「ファルメルという名は我々スノーエルフにとっては良い意味合いではないのだ お前達がファルメルと呼ぶ邪悪な生き物を我々は裏切られし者と呼んでいる」
ノルド種らしい小柄ながらもしなやかで壮健な身体と容姿を有するRioを見つめながらギレボルはスノーエルフの歴史をかいつまんで語り始めました。
「我々スノーエルフはかつてスカイリムの一部を支配する豊かで高貴な種族だった」
けれども同様にスカイリムを祖先の土地だと主張するノルドとの争いに敗れたスノーエルフは地上を去り、生活の基盤を地下へと移していった。
淡々と語るギレボルの言葉にRioは無言で耳を傾けます。
スノーエルフのある派閥はドワーフとの間に不安定な協定を結んだ。
「ドワーフ達は意外にも共存と協力を求める我々の希望を聞き届け 彼らの文明に我々を招き入れた しかしそれは偽りの盟約だった」
ドワーフ達はスノーエルフらを匿う代償として種族の目から光を奪った。
キノコ毒がもたらす影響を調べるため、俗に言う人体実験をスノーエルフの身体を用いて行ったのだ。
もちろんすべてのスノーエルフがこの恐ろしくも奇妙な協定に同意したわけではない。
「だがドワーフは賢く強大だった 歯向かう者は殺されたり追放されたり 考えを捻じ曲げさせられ 結局は要求に従わされた」
悲しみを滲ませるギレボルの瞳に映るノルドという自身の存在にいたたまれなさを感じて。
Rioはそっと瞼を伏せました。
「ノルドは勝者となってスカイリムに君臨した だが我々との抗争に敗北を喫していたならば今頃どうなっていただろうか 盲目となり矮小で卑屈な姿に変貌を遂げ 陽の差さない地下を這い回り 裏切られし者と呼ばれていたのはお前達ノルドだったかもしれないのだ」
それから肉薄の頬を緩め、高ぶった感情を鎮めると、ギレボルはお前達の目的はアーリエルの弓なのだろうとふいに話題の転換を諮ります。
そうだと素直に応えるRioと紅い双眸で両者の会話を見守るセラーナとを交互に見比べながらギレボルは一時品定めをするかのように間を置きました。
それからやおら覚悟を決めたのか、アーリエルの弓を入手できるよう協力する代わりにひとつ手を貸してもらえないかと切り出しました。
押し黙るRioの反応を肯定と受け止めて。
ギレボルは落ち着いた声音で物騒な要求を突きつけました。
「兄弟である最高司祭ヴィルスールを殺してほしい」
話が見えないとRioは率直に答え。
なぜ兄弟を殺す必要があるのかを問いただします。
するとギレボルは兄弟ヴィルスールはもはやかつての兄弟ではなくなった、絆は失われてしまったのだと嘆き出しました。
礼拝堂に攻め入ったかつての同胞、ファルメルと呼ばれる圧倒的多数の裏切られし者によって礼拝堂は制圧され多くのスノーエルフが死に絶えた。
奴らは最終的に最奥聖域に攻め込むとヴィルスールの精神さえ破壊してしまったのだという。
兄弟ヴィルスールは生きてはいるが以前の彼ではない。
何者かに変えられてしまったのだとギレボルは苦悩に顔を歪めながら訴えます。
「最奥聖域に侵入を試みようと考えたこともあった しかしアーリエルの騎士司祭として祠の守護を放り出すわけにはいかなかった」
「でも ここに祠なんてないような(´・ω・`)?」
悔しげに唇をわななかせるギレボルにRioは初めてこの場所を訪れて以来ずっと不思議に思っていた疑問をぶつけました。
「祠が見えない? ああ そうだな 今見せてやろう」
拍子抜けのするRioの発言に熱くなりすぎた自分を省みつつ。
ギレボルは辺りに邪悪な者の気配がないかを確かめた後、水面に浮かぶ小さな太陽の標に向かって呪文を唱え始めました。
ギレボルの魔法が掌より放たれた瞬間、標は尖塔の突端に輝くシンボルと化し、水中からは神秘的で厳かな祠が現れました。
「これが幻のスノーエルフの魔法ですのね すごいですわ」
思わずセラーナも感嘆のため息をもらします。
「かつて礼拝堂が機能していた頃 この祠は瞑想を行ったり移動を行うために使われていた 祠の聖職者達は皆 入信者達にアーリエルの真言を教える役割を担っていたのだ」
「移動のために使われていた(゚ー゚*?)」
瞑想はわかるが移動とは一体どのようにして・・・と建物内部を覗き込むRioに。
まあ待ちたまえとギレボルはRioを制します。
「真ん中にある水盤は何を意味しているのかしら?」
独り言のようにつぶやくセラーナの言葉にも反応を見せて。
ギレボルはお前達の疑問の答えがここにあると、祠の中へ二人を誘いました。
そして中央にある水瓶でこの水差しに水を浸せば次の祠に瞬時に向かうことができるのだと語ります。
信じられないと目を丸くするRioに、私の言葉が嘘か真かは後ほど試してみるといいとギレボルは仄かな笑みを浮かべました。

祠の仕組みはこうでした。
入信者達は礼拝堂で真言を得た後、儀式の一環として次の目的地である別の祠へ向かわされる。
重たい水差しを携え祠を巡る内に感覚は研ぎ澄まされ心は澄み渡ってゆく。
それがこの儀式の目的でもあったとギレボルは綴ります。
完全に悟りを開いた入信者は最後に水差しを持ったまま最奥聖域へと向かい、最奥聖域にある水瓶にそれまで携えて来た水を注ぐ。
水が注がれると最高司祭が現れ、彼と直々に面会ができてようやく儀式は終わりを遂げる。
「だが最高司祭である我が兄弟ヴィルスールにはもはや司祭としての記憶も入信者を正しく導く判断力もないことだろう」
「だからあなたの兄弟を殺せと? 用済みとなった身内の恥は切り捨てたいとおっしゃるの?」
吸血鬼の一族から仇敵として迫害を受ける身となったセラーナにとって、裏切られし者によって精神を崩壊させられたとはいえ実の兄弟に対するギレボルの仕打ちは納得のいかないものがあり。
ギレボルに父ハルコンの面影を重ねて、自然、口調もとげとげしくなってしまうのでした。
「結局のところ最奥聖域に入らなければアーリエルの弓は手に入れられない つまり最奥聖域に弓は眠っているということですのね」
早急に話を切り上げてしまおうと必要最低限の質問を綴るセラーナに、ギレボルも言い訳染みた口調で補足を加えます。
「最奥聖域に行きたいのなら入信者達の辿る同じ道をお前達も辿り 我が兄弟ヴィルスールを滅するより他ないのだ」
ダークフォール洞窟には我が祠以外に5つの祠が点在し、そのすべてを訪れ水瓶の水を汲み終えなければ最奥聖域に到達できないとギレボルは告げ、ひとつの水差しをRioへと差し出しました。
祠にはもはや現し身はないが裏切られし者に殺されるまで祠を守っていた司教の魂が精霊となって蘇り導いてくれるはずだと言葉を添え、
「入信者同様お前達が祠から水瓶の水を汲み出すことを許してくれるだろう」
そう約束してくれたのでした。
水瓶の水を水差しに浸そうとして手を止め、ほかにもスノーエルフの仲間はいるのかとRioは最後の質問をギレボルへと投げかけました。

青紫の煙の漂うゲート抜け、うねる細道を行くセラーナはスノーエルフ種というものが思いのほか穏やかで信仰心篤いものであったことに驚いたと感想を述べました。
生き残ったスノーエルフはギレボルと彼の兄弟ヴィルスールだけだと知った時、セラーナはギレボルに放った冷たい言葉の数々を後悔していました。
「たった二人きりになってしまった種族 その上兄弟なのに その一人をもう一人が手にかけてくれと依頼しなければならないなんて辛くないはずがありませんものね わたくしは自分の身の上に彼らを重ねて つい酷いことを申し上げてしまいましたわ」
100人足らずの盲目の受難を逃れた元来のスノーエルフ。
彼らがこのダークフォール洞窟周辺で暮らしていたところをファルメルと呼ばれるかつての同胞、裏切られし者達が押し寄せ殺戮と略奪の限りを尽くした。
残ったのは自分とその兄弟のヴィルスールだけ。
スノーエルフに滅亡をもたらしたのは他ならぬ我々の同胞達であったのだと。
最後に語ったギレボルのやるせない悲しげな眼差しを思い出しつつ。
Rioとセラーナは騎士司祭が道を示してくれた5つの祠の探索に乗り出すのでした。

傍を通り抜けると発光を閉ざす奇妙な岩の花のような植物が自生する小道を行くと、突如シャウラスハンターの幼虫が孵化し襲い掛かってきました。
慌てて迎撃体勢を整え斬り捨てます。
ギレボルの話からもシャウラスの幼虫が孵化している状態からもファルメルとの遭遇はほぼ間違いなく、アンブッシュに備えてRioは暗い道中に目を凝らしました。
そんな予想を裏切ることなく水溜りに舞い降りたファルメル・スクルカーが剣を振り上げ斬りかかってきます。
「どこから来ましたの!?」
驚いたセラーナも反射的にチェインライトニングを乱発します。
味方からの誤爆を避けつつサイドステップで狭い水路をセラーナの対面に位置するよう移動したRioは抜き去ったグレートソードで敵の身体を刺し貫いてスクルカーの息の根を止めます。
それから数歩も行かない内に、前方に更に2体のファルメルを視認して不意討ちを仕掛けました。
シャウラスにファルメルらを討伐しつつ曲がりくねった細い通路を進んで行くと、ファルメルの棲家らしき開けた場所に到達です。
幼虫の孵化に備えて蛹を破壊した後、隠密からの遠隔攻撃でファルメルと既に孵化を終えたシャウラスの幼虫らに攻撃を仕掛けます。
セラーナも負けじとRioが仕留め損ねた敵の一掃に努めます。
隠密から必殺の一撃を狙うRioとは対照的に倒した敵を死霊術で召喚せしめ随時戦力として投入していくセラーナ。
その戦法は当初はお互いに相容れないと感じてはいたものの現在ではすっかり連携も取れ、Rioの狙う標的が複数で手に負えないと察した時点でセラーナが召喚を試みるなどの工夫が為されていました。
それはいつしか独りの為の戦法ではなく仲間を意識した闘い方へと洗練昇華されていたのです。
流れる滝を右に見て一歩を踏み出しかけた刹那、一体のファルメルがRioとセラーナの間を割って通り過ぎようとしました。
ファルメルら裏切られし者達は目が見えない。
わかってはいてもこの状況に冷や汗は流れ。
音もなく現れたファルメルに驚愕の色を隠せないながらも、Rioもセラーナもまるで示し合わせたかのように身じろぎさえせず沈黙を保ち続けます。
そっと懐からダガーを取り出したRioは振り向きざまに隠密からのバックスタブをファルメルに喰らわせ止めを刺しました。
冷たい地に横たわるファルメルを見つめ、ほっと胸をなでおろしたRioはセラーナと向き合い二人同時にクスリと笑い声を立てました。
そのまま進んで行くとファルメルの小さな集落のような場所に出ます。
見張りと思しきファルメルを矢で射殺すと中央の宝箱に向かいます。
不用意にRioが宝箱に手を伸ばした瞬間、鉤爪のトラップが発動して二人は共に傷を負う羽目に陥りました。
「セラーナごめんねヾ(・ω・`;)ノ」
「よろしくてよと言いたいところですけれど お気をつけになって」
セラーナの傷が癒えるのを待ってRioはもう一度前進を試みました。
ぐるりと蛇行する通路の途中でファルメル・ウォーモンガーとスクルカーをいなし、更に行くとシャウラスの飼育場とそれらを監視するファルメルの一群に出会いました。
彼らはここで新たに組織立った生活を営んでいるようで。
監視をするファルメルとグルームルーカーをRioの弓と大剣、セラーナの破壊魔法とドレインライフが確実に沈めてゆきます。
手摺のない橋を渡ると道は二手に分かれ、右の通路側にはロープトラップが敷かれていました。
遠隔攻撃で罠の解除に成功して振り返ったRioはファルメルの近接武器が今まさにセラーナに向かって振り下ろされようとしている光景を目撃し、咄嗟に鞘から滑らせたグレートソードを敵に向かって突き立てました。
Rioの張り詰めた表情と動きから視界に映らなくとも敵が近くにいると判断したセラーナも剣の柄に手をかけごくりと喉を鳴らします。
「油断も隙もありませんわね」
肉塊と成り下がったファルメルを前に美貌の吸血鬼はため息をつき、セラーナの無事を確認したRioも警戒を緩めて笑顔をこぼしました。
それから二人は左の通路へと指針を取ります。
鳴子の罠をかわしつつ進んで行くとまたしても別のトラップにぶつかりました。
「引き鎖と罠ですわね 用心なさって 向こう側にあるのが何にせよ ファルメルが持ち出されたくなかったものでしょうから」
セラーナの警告にうなずいて。
鎖に手を伸ばそうと一歩を踏み出した途端、Rioは足元の遺骸に足をとられてしまいました。
白骨化した死体の指先にある黄ばんだメモに気づいて取り上げると、そこには罠を逆に利用できないかと記されていました。
とりあえず手前の鎖を引くと封じられた岩戸が開かれ、眼前にサーベルキャットが現れました。
反射的に番えた矢をRioが射放つと呆気ないほど簡単にサーベルキャットは岩場に崩折れました。
「罠を利用する必要はなさそう・・・かな(○´゚ω゚`)?」
「見掛け倒しでしょうか?」
岩戸を抜けた先には巨大な水母のような発光植物と桃色の珊瑚のような苔が渓谷を埋め尽くし。
これまでの闇に彩られた洞窟とは異なる幻想的な様相を呈していました。
「こんな光景が見られるなんて思ってもおりませんでしたわ」
セラーナもこの幻想的な眺めに心奪われているのか、ゆるかやかなスロープを造る岩棚を歩きながら思わず感嘆のため息をもらします。

せせらぎの心地よさに酔いしれながら鹿の群れる石橋を渡ってゆくと、遥か彼方にエメラルドグリーンの発光に映し出された祠と思しき建造物が見えてきました。
祠の前には既にこの世の者とは思われない精霊が漂い、来訪者の訪れを待ちかねていたようです。
「ようこそ ここは光の祠だ」
シダニスと名乗る元スノーエルフの精霊は水差しを手にしたRioに向き直り厳かに問いかけます。
「アーリエルの真言を受ける光栄に浴し その水差しを悟りの水で満たされるか?」
うなずくRioの眼前に祠の全景が姿を現しました。
「最奥聖域へ導く光が汝と共にあるように アーリエルの光が行く手を照らさん事を」
水瓶に水差しを浸すとRioは目の前の青紫色にたなびく煙に身を投じるのでした。



以上でドーンガードメインクエスト第10章『空に触れる①』終幕となります。

先人の湿地もダークフォール洞窟も設定の都合上なのか、セラーナ以外のフォロワーは入り口でフォローが解除され、一様に「用があれば来てくれ」のようなセリフの後、退場して行ってしまいます。
ドーンガードシリーズで一番困った点がフォロワー問題でした。
「用があったから連れてきたのよぉ・゚・(ノД`;)・゚・ ロケチニハイッテカラ カエラナイデ」
な目に何度も遭わされ、その度に出来上がっていたはずのシナリオが破かれ、ストーリーが二転三転しております。
というわけで、もしかするとこれまでの物語につじつまの合わない部分があるかもしれません。
基本的にはバニラのままのゲームの流れに沿うこと及びゲームでのハプニングを重視して物語を進めることに専念しておりますが、突発的にフォロワーが解除されてしまうとその尻拭いが大変だったり、逆にもっともらしい言い訳に頭を悩ませたり。
路線修正もまた楽しみのひとつだったりもするのですが、今のペースでのアップを続けるとなると、やはり焦ります|ω・)ドキドキ
まるっきりの二次創作にしてしまえば本来起こり得なかったフォロワーとの組み合わせや出来事なども気兼ねなく大胆に書き連ねることもできるとは思うのですが、オリジナルストーリーを作るとなると今のような筆の進みは到底望めません。
またクエストタイトル流用ではなくオリジナルタイトルを毎回考えるのは大変かと思われます。
スカイリムのほとんどすべてのクエスト物語を書き終えた後、まだ書き足りないという気持ちがあれば、何かオリジナル作品を記してみたいような気もするのですが・・・恐らく机上の空論で終わることでしょう。

スノーエルフの信仰はアーリエルのみに留まらずトリニマック、シラベイン、イェフレ、フィナスタールなどにまで及んでいたようです。
アリエール以外の神々については実は小桜自身よくわかっていないのですが、また機会を見て調べてみたいと思います。

次回Skyrimはドーンガードメインクエスト第10章『空に触れる②』をお送りいたします。
基本は辿った道筋をそのままに描いていくつもりですが、ネタバレ・妄想・創作は相変わらず多々含まれると思います。
多少の脱線には動じない強靭な精神をお持ちの来訪者様のお越しを心よりお待ちしております。

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Skyrim・救出②&失われた遺物③|ω・)

同胞団のンジャダ・ストーンアームが吸血鬼らに捕らえられた。
彼女はヴァルトヘイム・タワーに閉じ込められているという。
ダークフォール洞窟へ向かう予定を急遽変更しRioは救出に向かいます。



本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

随所にネタバレ・妄想・創作を多々含みますので、クエストの流れのみ知りたい方はカラー部分のみをご覧いただけますなら幸です。
NPCとPC間における会話や行動には創作&アレンジが施されておりますので、「ゲーム内での正確なやり取りが知りたいなぁ」とおっしゃる方はゲームをプレイした後、再びお越しいただけますなら幸です。



ドーンガードサブクエスト『救出②』

「ンジャダが吸血鬼らに攫われた・・・Σ(・ω・´;)!?」
ドーンガード砦に舞い戻ったRioとセラーナ。
二人を待ち受けていたものはンジャダ・ストーンアームが吸血鬼らに捕らえられたという悲報でした。
フロレンティウスの緊急の呼び出しがまさかそのような内容とは思いも寄らず、Rioは愕然と立ち尽くします。
蒼褪めるRioの傍らに立つセラーナが地図に標を付けると、必需品を手早くまとめ出立を促します。
「場所はヴァルトヘイム・タワーということですわ すぐにまいりましょう」
できる限り早く戻ると言ってドーンガード砦を去ったヴィルカスが未だ砦に帰還できないことからも。
リアがアエラ達の身を案じ涙ながらに語っていた同胞団の過酷な現況から察しても、このような事態が起こり得ることは容易に想像できたはずなのに。
「本当にあたしは導き手失格よね 同胞団の皆が大変なときに傍にいてあげられない・・・」
「今は嘆いている時ではありませんわ」
逆境時においてのセラーナの叱咤激励は心強く。
やおら荷物をまとめ立ち上がるとRioは出口へと急ぎます。

ヴァルトヘイム・タワーはウィンドヘルムとホワイトランの間にある山岳の要衝地点で山賊の住処としても名高い不名誉な関所ともいうべき場所のひとつでした。
つい先日もドゥーマーの武器であるクロスボウの図面を隠し持っているとの情報を受け、襲撃をかけたばかりでもあります。
「まさか山賊の巣窟に吸血鬼がはびこるなんて・・・ンジャダが無事だといいんだけど(´;ω;`)」
「なんだかヴァルトヘイムの様子がおかしいですわ」
攻撃前に敵情視察を行おうと前線を固めたRioとセラーナは、遠目にも山賊らが浮き足立っているのに気づき訝しげに眉を顰めます。
どういうことなのかと身を乗り出した二人の目に、遠景ながら見覚えのある懐かしい姿が映りました。
「ヴィルカス!?」
同時に声をそろえてその名を発したRioとセラーナはお互いに顔を見合わせ。
それから小さくうなずくと隠れた岩陰から躍り出ました。
群がる複数の山賊達の背後からバックアタックをかけるRioとセラーナを危うく巻き込みそうになり。
慌ててグレートソードを引いたヴィルカスは驚きの眼を見開いた後、ニヤリと笑みを浮かべ叫びました。
「気をつけろよ同士!」
継いで、手前の建物にンジャダはいないとのパートナーの忠告に従い、Rioは大剣を構え細く長い石橋を駆け抜けます。
四方八方から降りかかる矢を跳ね除け、かわし、対面の塔から殺到する吸血鬼や山賊らと対峙を果たすRioは勢いをつけ吸血鬼にラッシュを喰らわせました。
落ちれば即死はまぬがれない断崖絶壁の細い石橋の上で交わされる刃は火花を散らし、敵も味方も容赦なくその生命を削り取ってゆきます。
そのような過酷な戦況下にあってもRioは冷静に立ち位置を見据え、セラーナの破壊魔法の軌道を確保すべく立ち回り、大胆にそして正確に敵を斬り刻んで見せたのでした。
「もう俺が教えてやれることは何もなさそうだ」
残党処理を済ませ駆けつけたヴィルカスのどこか寂しげで、それでいて満足そうなつぶやきを背後に聞きながら。
セラーナは正面で最後に残った山賊長に止めを刺しにかかるRioの勇姿をぼんやりと見つめていました。
ンジャダの救出を果たしたRioがパートナーに駆け寄る様を、そしてそれをこの上もなく優しい笑みで迎えるヴィルカスの姿を見ていたくはないと。
美貌の吸血鬼は固く瞼を閉ざしました。
何千年も生き永らえてどうしても手に入れられなかったものを、なぜ生を受けて20年足らずのあの子はいとも容易く手に入れられるのだろう。
暁は空ばかりか持て余すセラーナの心をも焦がすように紅く地平を染め上げてゆくのでした。



ドーンガードサブクエスト『失われた遺物③』

仲間の救出を終えたヴィルカスはまた同胞団の拠点ジョルバスクルに帰ってしまったのかと。
何気なさを装い問うセラーナに、Rioはコクリとうなずきます。
ドーンガード砦にて。
イスランにヴォルキハル城と先人の湿地で得た情報を伝え終えたRioとセラーナはダークフォール洞窟に向かう前準備に取り掛かりました。
二人にあてがわれた二階の一間で荷造りに追われるRioにセラーナは向き直り訊ねます。
「寂しくはありませんの? たとえばヴィルカスにもっといっしょにいてほしいとか そういう感情はございませんの?」
セラーナの問いかけに少し小首をかしげて。
寂しくないといえば嘘になるけどと。
Rioはほのかに頬を染めながら応えます。
「同胞団は家族みたいなもので 特にヴィルカスにとっては幼い頃から過ごした大切な場所だから・・・」
「だから自分より同胞団を選ぶのが当然だとおっしゃるの? それでもわたくしなら傍にいてほしいと懇願してしまいますわ あなたは実はそれほど彼を愛していないということなのかしら?」
熱を帯びたセラーナの紅い瞳に責められているようで。
Rioは返答に困り口ごもりました。
そこへアグミルが開いた扉から顔を覗かせました。
「ちょっといいかい?」
Rioとセラーナはすぐに居ずまいを正し、突然の来訪者を部屋の中ほどへと迎え入れます。
来客はアグミルだけではなく、そのすぐ後ろからフロレンティウスもずかずかと踏み込んで来ました。
アグミルの話はこうでした。
最近は練習の成果が顕れてきたのか遠隔用武器であるクロスボウの扱いにも自信がついてきた。
けれども近接武器の扱いがどうも上達しない。
それどころか扱い慣れしてしまったクロスボウに頼りきり、ついつい近接戦闘を避けてしまいがちである。
「親父譲りの斧があるんだけど どうもやっぱりこう狩猟用に毛の生えた程度の斧じゃ不満があるっていうか」
「アーケイも言っている 良い武器は良い戦士を育てる」
「クロスボウのお蔭で遠隔武器の腕は上がったはずなんだ 近接武器も良い物で練習を繰り返せば 来るべき吸血鬼達との決戦にも役に立てると思うんけどな」
「うむ 馬子にも衣装 どこか異国の諺らしいが つまらぬ者でも立派な武器を手にすれば見栄えがよくなるという 形から入ることも大切だとはアーケイも認めていることなのだ その上ルーンの斧にかけられた魔法は邪悪な者を倒すごとに力を増すという優れものだ どうだ見た目だけでなく威力もすごいだろう?」
「あの ちょっと黙っててもらえますか?」
フロレンティウスの茶々にアグミルがムッとした表情でツッコミを入れます。
このまま放っておくとアグミル&フロレンティウス劇場になってしまいそうな雰囲気を察知してRioが間に割って入りました。
「えと・・・つまりアグミルはもっと性能のいい近接武器が欲しいってこと|ω・)?」
「そう! そうなんだよ」
あれこれ言い繕った挙句アグミルは本題に移りました。
「どうやらモヴァルスの隠れ家に吸血鬼ハンターに最適の片手斧が眠っているらしくて そいつをどうしても手に入れておきたいんだ」
熱弁するアグミルの傍らで、腕組みをするフロレンティウスがルーンの斧の在り処を提示したのはアーケイと私だと神託を告げるかのように堂々と胸を張り厳かに言い放ちます。
「俺はどの神がなんと言おうとどうでもいいんだけど」
「どうでもいいとは無礼千万な!?」
「神託はありがたかったよ 恩にきるよ それはともかくそのルーンの斧とやらで吸血鬼と遣り合ってみたいんだ」
あんた達ならどんな困難も乗り切るだろうとイスランも言っていた。
まだまだ足手纏いだろうけれど俺も同行して手伝うからと。
Rioとセラーナの前で両手を合わせ懇願のポーズをとるアグミルです。
ドーンガード入団を共に決意した同期とも言えるアグミル。
そんな彼の頼みを無碍に断わるわけにもゆかず。
傍らで沈黙のままこの寸劇を見守るセラーナへ視線を送ると、意を決したのか。
Rioはルーンの斧探索の件を引き受けました。
出発は明朝一番でと。
約束を取り付けるや小躍りしながらアグミルは部屋を飛び出して行きます。
フロレンティウスも去り際、敵は吸血鬼共だがお前達なら楽勝だろう、光と共に行けと芝居がかった台詞を残し低い笑い声を響かせます。
再び二人きりとなった頃合を見計らって。
本当に寄り道や回り道がお好きなのですわねと皮肉めいた言葉を綴るセラーナに。
寄り道や回り道が一番の近道になることもあるかもしれないから。
そうつぶやいて。
連日連戦の疲れからくる猛烈な眠気に襲われたRioはベッドに潜り込むと、すぐさま寝息をたて始めました。

荷馬車に揺られほぼ丸一日を経過した翌朝早くにRio、セラーナ、そしてアグミルはモヴァルスの隠れ家に到着しました。
隠れ家はモーサルの北東すぐの辺りにあり、この場所の名はかつてモーサルで生じた吸血鬼騒動の黒幕が由来だとRioは注釈を加えます。
中に入ると、獲物が来たとばかりに腹をすかせたフロストバイトスパイダー2匹が3者を出迎えました。
「吸血鬼がいるって聞いていたのに蜘蛛とは肩透かしだよな まあ手慣らしにはちょうどいいか」
アグミルのクロスボウとセラーナのチェインライトニングが同時に唸りを上げ、フロストバイトスパイダーは瞬く間にその動きを止めました。
細い通路を抜けた先の小部屋で吸血鬼の使徒一人を沈め、岐路を左に行くと吸血鬼らが捕らえた獲物を蓄えておくための貯蔵庫とも言うべきおぞましい部屋に辿り着きます。
今まさに死体に齧りつこうとしていた吸血鬼の使徒を薙ぎ倒すとRioはそれら忌まわしい光景から目を背けました。
掘られた穴にはレッドガードやノルドの遺体が投げ込まれ、荷車やテーブルには衣服に混じって血に濡れた人骨が散乱しています。
アグミルの顔面からも血の気が失せ。
「くそっ! 吸血鬼の奴らめ! 許すものか!」
吐き捨てるように怨嗟の言葉を唱えます。
途中の吸血鬼の使徒をもう二人ほど不意討ちで仕留め、最奥の小部屋に入って行くと、いかにも貴重品を入れて置くにふさわしい大きな宝箱を見つけました。
中には予想通りルーンの斧が仕舞われており、他にも軍資金に成り得そうな付呪の施された武器や防具などが無造作に放り込まれていました。
「こいつはすごいや!」
荷物持ちは任せてくれとうれしそうに武器や防具を担ぎ上げるアグミルは突如横合いから現れたミストウォーカーの攻撃を受け、裂傷に顔を歪め、仰け反りました。
「ち・・・ちくしょう こいつはなんなんだ!?」
セラーナのチェインライトニングが炸裂し、鞘を払うRioのグレートソードが一閃、二閃とミストウォーカーの身体を切り裂くや、たちまち吸血鬼は絶叫を上げ地に伏しました。
後方の使徒は既にセラーナが始末をつけ死霊召喚を果たしたのか従順につき従っています。
出番がないどころかやっぱり俺はお荷物か・・・と悔しそうに呻くアグミルに、Rioは今回の経験を生かせば次はもっと上手く立ち回れるようになると励まします。
「あたしなんて最初は・・・今もあまり変わらないけど 的を外して敵によく集られたのよ(`・ω・´) エッヘン」
そこは威張るところじゃないだろうとアグミルも思わず吹き出し、笑うと傷に響くからと受けた傷をさすります。
アグミルに治癒魔法を唱えつつ、たまに足を滑らせてセラーナも階段落っこちたりするのよねと同意を求めて後方を振り返るRioに。
「そんな無様な真似 ほとんどいたしませんことよ」
すぐに否定してみせるセラーナもうっすらと顔を赤らめてぷいっとそっぽを向きます。
落ち着いて、へまなんかしそうもないのにとアグミルも意外そうな顔つきでセラーナを見つめ。
「まあ失敗なんてお互いさまだよな Rioやセラーナがピンチの時は俺が助けてやるよ」
そう言ってアグミルはRioとセラーナの肩に手を回すともう一度朗らかな笑い声を響かせました。

※かつてモーサルで生じた吸血鬼騒動はSkyrim②『埋葬』をご覧ください。先住の吸血鬼モヴァルスは既に討伐済みですが、空き家となった隠れ家にはまた別の吸血鬼が巣食っていたようです。

「なんだか馴れ馴れしい方でしたわね」
強化したルーンの斧をアグミルに手渡し、フロレンティウス・バエニウスに顛末を伝えた後、二階の私室でごろりと横になるRioに小さな声でセラーナはつぶやきました。
「ん? アグミル(゚ー゚*?)」
ベッドに腰掛ける美貌の吸血鬼は是とも否とも応えず、やや紅潮した顔に気難しげな表情を漂わせます。
寝転がった体勢から半身をもたげたRioはにっこり微笑んで。
おもむろにセラーナに頬を寄せて囁きました。
仲間ってそういうものでしょ?


以上でドーンガードサブクエスト『救出②』&『失われた遺物③』終了となります。

ヴァルトヘイム・タワーであたかもヴィルカスと偶然合流という感じでストーリーは進んでおりますが、そのような都合の良い展開がゲームであるわけもなく。
はい、こちらは演出が加えられております。
実際には先にRio、セラーナ、ヴィルカスの3人パーティを組んでロケを行っております。
同様にRio、セラーナ、アグミルの3人パーティも前回のような裏技でバニラでも結成可能ですので、興味がある方はお試しあれ。
また、同胞団員のンジャダ・ストーンアームが攫われたという部分はやらせでもクエストの破棄&再受諾の繰り返しでも創作でもありません。
たまたま絶妙なタイミングでクエストが発生いたしましたので、これ幸いとストーリーに組み込ませていただきました。
アーケイの声を聞く男フロレンティウスのなせる業です!


それにしてもフロレンティウスはドヴァーキン顔負けの顔の広さだな~と思います。
『救出』クエストはこれで2回目なのですが(『残響を追って』において少しだけ触れ、詳しいエピソードはカットしてしまったロンリー・ゲイル船長が攫われた件はカウントしておりません)ウィンドヘルムのヒレヴィ・クルーエル・シー、同胞団のンジャダ・ストーンアームと地域も宗教などの接点もなさそうな二人と友達関係というのも驚かされました。
『救出』のスタートの第一声がフロレンティウスの「友達がさらわれた!」はいつも吹き出してしまいます。
セリフが唐突過ぎるのと、どこでそのような友情を育んだのか。
エピソードがまったく添えられてないなどなど。
人間関係とクエストにまつわる物語にも丁寧な作り込みを感じられるTESシリーズにおいて少々違和感の残るクエストではありました。
もしかすると友達とはドヴァーキンの友達という意味かもしれませんが、それにしてもなぜドヴァーキンが攫われた人々と顔見知り=友達であるとわかるのか。
アーケイの声を聞く男フロレンティウス恐るべしです。

これでドーンガードサブクエストは『首長の正義』『けだものを狩るには』以外は一応一巡は網羅いたしました。
残るクエストは『空に触れる』で向かうダークフォール洞窟の先で発生するクエストとドーンガードとはほとんどかけ離れたクエスト『忘却の彼方』となります。
『首長の正義』&『けだものを狩るには』はドーンガードメインクエスト終了時点までに発生しない場合、恐らくこれより後アップする機会はなくなるかと思います。
『空に触れる』は次回以降数回に渡って、『忘却の彼方』は大変思い出深いクエストで後日、時をあらためまして(DLCのドラゴンボーンの更に後にアップ予定なのですが)別枠で何回かに分けてアップしていきたいと思っております。
余談ですがセラーナはドーンガードのヒロインとして非常に魅力的な女性ですが、『忘却の彼方』のこの世の者ではないヒロインのカトリアもとても印象的な女性で、個人的にはどちらも甲乙つけがたい味のあるキャラクターだと思っております。

次回Skyrimはドーンガードメインクエスト第10章『空に触れる①』を予定しております。
ネタバレ・妄想・創作など含まれるとは思いますが、「なんでもOK(*・ω・)b」とおっしゃる皆様のお越しを心よりお待ちしております。

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Skyrim・目に見えぬ予見(*・ω・)

先人の湿地で聖蚕を集めることができれば星霜の書を読み解くことができるかもしれない。
解読に失敗すればデキソン同様失明するか、もしくは発狂してしまう可能性もある。
星霜の書が読み手を選ぶ。
その選ばれし読み手が自分であることを信じて細い光明にすがる決心をするRioなのです。



本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

クエストの流れはほぼゲーム内ストーリー通りとなっておりますが、ネタバレ・妄想・創作等が随所に盛り込まれておりますので、御了承の上読み進めていただけますなら幸です。
またPC&NPC間の会話は実際に使用されている会話に創作が多々アレンジされておりますので、正確なゲーム内での会話を知りたいとおっしゃる方は実際にプレイし、ご自身でお確かめいただけますようお願い申し上げます。



ガンマーから頼まれていた吸血鬼退治を終え、休息を兼ねて矢の補給を行おうとファルクリースに立ち寄ったRioとリアは北街道から血相を変えて走り込んで来る町の者らしき男とぶつかりそうになりました。
どうしたのかと尋ねたところ、吸血鬼に巡回中の衛兵が一人やられたと。
こっちは命からがら逃げて来たんだと上ずった声で男は答えます。
リアと顔を見合わせたRioは男に安全な場所で待っているよう注意を与え、北街道に向かって駆け出しました。
真夜中の街道は不気味な靄がかかり、降りしきる霙混じりの雨が視界を曇らせます。
「Rio・・・いえ 導き手 左手の草叢に稲妻のような光が見えました もしかしたら!?」
リアの叫びに呼応して北北西に注意を向けた刹那、Rioの眼前に血に塗れ足を引きずる衛兵が現れました。
そして次の瞬間、手負いの獲物となった衛兵を捕らえようと3つの影が藪から飛び出しました。
闇に耀く紅い瞳。
冷気の中でもはっきりとわかる咽るような血と死肉の臭い。
吸血鬼!?
衛兵はRioとリアの足元に這い蹲り助けてくれと叫び声を上げました。
倒れ込む衛兵と交差するように前方に踏み出したRioは追いすがる吸血鬼らに向かって抜いた大剣を水平に閃かせます。
(厄介ね。ナイトロード・ヴァンパイアにミストウォーカーもいる)
使用する魔法の類や身に付けた装備品などから決して侮れない高位の吸血鬼らだと判断したRioはリアに警鐘を鳴らします。
「一人ずつ集中して倒しましょう かなり危険な吸血鬼よ(`・ω・´;)!」
「わかりました!」
咄嗟に選んだひとりにRioが斬りかかるとリアもそれに倣うよう剣を対象に振り下ろしました。
しかし吸血鬼らの戦闘技術はそれぞれに卓越したもので。
なかなかにしぶとく。
3人の吸血鬼はそれぞれ変幻自在に位置を変え、仲間の一人が危機的状況に陥れば残る二人が援護に回るという連携技により盾の姉妹らを苛みます。
敵の猛攻撃に膝をつくリアを庇い、突出したRioに吸血鬼らはこの時を待っていたとばかりに一斉にライフドレインを浴びせかけます。
痛い・・・だるくて苦しい・・・
耐え切れず。
リアを藪に隠すよう押し遣り。
サイレントロールで身をかわしたRioは朦朧とした意識の中で迫り来る多数の足音に気づきました。
殺到したのはファルクリースの衛兵達で、先ほど助けを求めて街道に転がり込んだ仲間の救援に駆けつけたというところでした。
「助かりました・・・ね」
肩で息を吐くリアに弱々しくうなずきながら。
蒼褪めた額に脂汗を滲ませ、鉛のような重さの身体を地に刺した大剣に預けるRioなのです。
衛兵が助けに来てくれなければやられていた。
あらためて日に日に凶悪になってゆく吸血鬼とその数の多さにRioは小刻みに震えるのでした。


ドーンガードメインクエスト第9章『目に見えぬ予見』

翌朝ファルクリースの宿屋デッドマンズ・ドリンクを出発したRioとリアは一路ファルクリースの東南東にあるという先人の湿地へ向かいます。
先人の湿地入り口で待っていたに違いないセラーナはリアの存在に気づくと、それとわかるほどはっきりと不快を顕わにしました。
「もう一度申し上げなくてはならないのでしょうか わたくしは同行者は不要だとお伝えしておいたはずなのですが」
死霊術を使いこなすセラーナにしてみれば、仲間が一人増える頼もしさよりも召喚の徒と随行者との衝突の方が煩わしく。
自分のスタイルを熟知しある程度容認してくれる者、すなわちRio及びヴィルカス以外の他の誰とも共闘したくはない。
そう考えているようでした。
吸血鬼として長い年月を一族らと共に暮らしてきたセラーナは容易に孤独に陥りやすく、人見知りも激しく。
けれども昨夜の吸血鬼達によるファルクリース襲撃を思い出してみても、一人より二人、二人より三人の方が安全であり心強いことは確かで。
何より人手が足りないところを狙われて星霜の書を奪われてしまっては本末転倒。
元も子もないとRioはリアの同行について再度説得を試みます。
しかし再三に渡るRioの試みも虚しく、セラーナが首を縦に振る気配はありません。
膠着するRioとセラーナの確執を見かねたリアが二人の間に割って入り、自ら同行の辞退を申し出ました。
それはセラーナに拒否された腹いせというわけではなく、今の自分では二人の足手まといになる可能性が高いと判断したからだとリアは同行を断念する理由も添えます。
それに、実はホワイトランをあまり長く離れていたくはないのだと、リアは秘めた思いを吐露しました。
ヴィルカスに口止めされていたのだけれどと前置きし、リアは現在のホワイトランにおける実情を話し始めました。
ほぼ毎晩のように吸血鬼らの波状攻撃に曝されているホワイトラン。
対抗できる人員も限られている中、同胞団員も交代で夜を徹して警備に加わり街の防衛に借り出される始末。
「アエラは何も言わないけれどひどく疲れきってて 通常の同胞団員としての仕事にも支障をきたす有様で ヴィルカスからは導き手が心配するから言うなって口止めされていたんだけど でも・・・私・・・」
スカイフォージに集う同胞の戦士として仲間の許に戻り手を尽くしたいという気持ちはもちろんのこと、リアの一番の気がかりは狩猟の女神アエラについてでした。
「アエラはいつもどんなにつらくても弱味を見せないんです 困難が予想される状況でも独りで抱え込もうとするから だから傍にいて少しでも力になりたいんです!」
ヴィルカスの代わりに導き手の盾の姉妹を努めてみせると約束して来たのにごめんなさいとうつむくリアの肩にRioはそっと手を載せて。
「ジョルバスクルに戻りあなたの為すべきことを為しなさい」
これは導き手としての命令だと。
かすかな微笑みを湛えて一途な盾の姉妹を送り出しました。

Rioとセラーナの間に静寂の時が訪れ、やがてその静けさに耐えきれなくなった吸血鬼が端正な唇を開きます。
「お仲間を追い返してしまったことをまだ怒っていらっしゃいますの?」
居心地が悪いと言わんばかりに拗ねた表情でそっぽを向くセラーナに。
黙っている理由はそうじゃないとRioは首を横に振ります。
それからほっと小さなため息をつきながら切り出しました。
「父親に真っ向から刃向かうことがセラーナ あなたを苦しめることになるんじゃないかと思って」
パイン・フォレストの先人の湿地を前にRioは傍らの紅い瞳の吸血鬼に語りかけます。
そうであれば今からでも遅くはない。
セラーナはドーンガード砦に戻り、朗報を待つ方がよいのではないかと。
「いつかはこうなると思っておりましたもの それがいつになるかはわかりかねましたけれど」
だからそのような配慮は無用と言いたいのか。
セラーナはそのたおやかな物腰からは想像もできないほどの頑なさで帰還を拒みます。
もしもハルコン卿の命を奪うようなことになれば、実の娘であるセラーナは耐えられないのではないかと言葉尻を濁すRioに向き直ると。
美貌の吸血鬼は紅い瞳に強い意思を滾らせて反論に出ます。
「もし? 仮定ではなくこれは必然でしたのよ ヴォルキハル城を去りドーンガード砦を訪れた時からわたくしには覚悟ができておりましたわ そうでなければ吸血鬼ハンターがひしめくあのように恐ろしい場所に単独で赴くなんて到底できませんでしたでしょうね」
「では父親に躊躇なく刃を向けられると?」
「・・・ええ」
そうだと応えながらもセラーナの声音はやはり父親への断ち難い愛惜の念がこみ上げてくるのか、かすかに震えを帯びています。
「あなたには何もかも見通されていそうでなかなか上手く嘘が言えませんわ 予言と共にその根源を断つ あれはもう父ではない そう思うことで安心したかったのかもしれません でも・・・いえ 行きましょう この話はいつでもできましてよ」
セラーナ自身いつかは父親と相対し彼を討ち破らなければならないと感じていました。
反面、その日を、その瞬間を迎えることを先延ばしにしたいという気持ちがいつも自らの行動に抑制をかけることもわかっていました。
だから背中を押ししてくれる人物の傍にいたかった。
むしろ代わりに古の吸血鬼である父を討伐してくれる誰かがいてくれれば。
吸血鬼ハンターを名乗る輩を扇動し、Rioが手を汚してくれれば。
そうしてくれることで父親殺しの罪の呵責から逃れることができる。
心の安寧を保つことができると考えたのか。
「違う・・・違うの!」
まるで目の前に現れたヴィルカスの幻影にそう問い詰められたかのような錯覚を受けて。
セラーナは激しく頭を振り、息を乱しました。
「セラーナ?」
心配そうに差し出されたRioの手を振り払い。
「だいじょうぶ なんでもありませんの もう平気ですわ」
震えを抑えようと組んだ両腕で固くセラーナは自身の肩を鷲掴むのでした。

先人の湿地に一歩を踏み出すと粉雪を巻き込んで白い風塵が足元を流れてゆきます。
肌を刺す冷気に満たされたこのような場所に蚕などが生息するのだろうか。
不吉な疑問を振り払うべくRioは隠密体勢を取り進み始めました。
後続するセラーナが辺りを見渡し。
なんの変哲もなさそうですけれど・・・と。
所在なげにつぶやく声が聞こえてきます。
「もしこれが無駄骨に終わるようでしたら 戻ってからお友達のデキソンとゆっくり話をつけなければなりませんわね」
真面目に怒っているのか冗談で言っているのか。
どちらとも取れないセラーナの言い回しに思わずRioはクスリと笑みをこぼしました。
垂れ苔を避けながら古木の橋を渡り蛇行する細道を抜けると、開けたその場所には紛うことなく蚕が何匹も飛び交う様が見受けられました。
滝の作り出す清らかな水飛沫と初夏を思わせる新緑の岩場の狭間を、上に下にと飛び回る蚕は幻想的で。
聖蚕と呼ばれるにふさわしい光景だと。
しばし佇んだままうっとりとRioは見蕩れてしまいました。
「ご覧になって 何世紀というもの誰一人訪れなかった場所ですわよ」
セラーナもまた感慨深そうに辺りに視線を奔らせた後、感嘆のため息を漏らします。
スカイリムに二つとない美しい場所だと声を震わせ、絶景に劣らぬ明媚なルビー色の双眸を輝かせました。
きっとスカイリムのあちこちにこんな森があるのに、皆何を探すべきなのかわかってすらいないのでしょうねと興奮した様子で紅い瞳の吸血鬼は感動の言葉を綴ります。
確かにそうかもしれないとうなずきながらRioは水辺に足を浸しました。
地下から噴出する水は温かく間欠泉であることが覗われます。
Rioに並んで手を浸すセラーナもほっと顔をほころばせました。
よく見ると温泉の湧く数箇所に蚕が群れ集っています。
ぼんやりと辺りを眺めながら岩場中央のモニュメントに手を触れたRioは、そこに奇妙な形をしたドローナイフが置かれていることに気づきました。
思わずナイフを手に取ったRioの傍らにセラーナが歩み寄ります。
「ナイフが手に入りましたのね お次はカンティクルの木を探し当てる番ですわ」
カンティクルの木から丁寧に樹皮をはがすことによって聖蚕が集まってくるというデキソンの説明を思い出し。
Rioもぐるりと辺りを見回します。
するとまるで手招きするように薄紅色の花をつけた木が枝を揺らしRioを誘いました。
「この木かな(゚ー゚*?) ナンダカ サソワレテル キガスル」
「星霜の書は読み手を選ぶものだと聖蚕の僧侶はおっしゃってましたから あなたがそう感じるのならそうに違いありませんわ」
惹き込まれるように薄紅の花を宿す木に近づくとRioはドローナイフでやさしくゆっくりと木の樹皮をはがしてゆきます。
首尾よく蚕が樹皮の香りに篭絡されてくれればよろしいのですけれど・・・と囁くセラーナの声に導かれて何匹かの蚕がRioの周囲に集まり始めました。
「ご覧になって すっかりあなたを気に入ったみたいですわ」
思わず微笑むセラーナの脇をすり抜け、ひらひらと蚕が舞い踊ります。
「それに わたくしが幻を見ているのでもない限り あなた・・・発光しておりますわよ」
「鱗粉がついたのかな(゚ー゚*?) キラキラ?」
樹皮を片手に右に左に軽やかに飛び跳ねるRioを眺めながらセラーナもクスクスと笑い声を響かせました。
「ふふっ Rioがカンティクルの木の皮を持っているから蚕達はあなたの虜になってしまったかのよう」
もっと集めても大丈夫そうと促すセラーナの言葉にうなずき、Rioは更に行動範囲を広げてゆきます。
蚕を寄せ集めるにつれて輝きの増すRioを眩しそうに眺め、セラーナは目をしばたたかせました。
ひとしきり湿地を巡り集めきれるだけの蚕を集めるとドローナイフの置かれてあったモニュメント前に戻り、Rioは緊張した面持ちで星霜の書(血)を取り出しました。
(もしここにヴィルカスがいたら、バカな真似はやめろって・・・きっとものすごい剣幕で星霜の書の解読を邪魔するんだろうな)
書を前に物想いに耽るRioを見つめるセラーナの瞳に不安が揺らぎ。
それでもここを克服しなければ先には進めないと。
意を決し大きく息を吸い込むと。
Rioは星霜の書を紐解きました。
眩い白い光が視界に広がり。
稲妻のごとき亀裂が縦横に奔り、視界をスカイリムと思しき地図が埋め尽くしました。
地図の左端で紅い標が灯ります。
この場所に何が・・・?
見えない。
いいえ見える。
必ずもう一度。
乳白色の霧が視界を覆い、早鐘を打つような鼓動と共にやがて美しい湿地の風景と心配そうに覗き込むセラーナの姿が瞳に映りました。
(よかった。ちゃんと見える)
「大丈夫ですの? あなたの身に何かあったのかと思ってしまいましたわ 雪みたいに真っ白になったんですのよ」
うろたえるセラーナに大丈夫だと告げるとRioはゆっくりと辺りを見渡します。
風景に歪みも色彩の欠損もなく記憶も確かなようで。
Rioは長い安堵のため息をつきました。
「星霜の書 このくだらない書を信じたことなどございませんわ」
こんなものに関わるとろくな目に遭わない。
デキソンがいい例だと激しい口調で星霜の書を罵るセラーナの言葉にヴィルカスの叱咤が重なったような気がして。
Rioは思わず笑みをこぼしました。
「笑い事では済まされませんわよ わたくしがどれほど心配したか・・・」
真剣な眼差しで怒りを顕わにするセラーナを不意に抱き寄せてRioはありがとうと囁きました。

アーリエルの弓の在り処がわかったと告げるRioを少し紅潮した顔でセラーナは見つめ返します。
おもむろに地図を広げるRioの指先がとある地点を指し示しました。
「ダークフォール洞窟 ここですの?」
うなずくRioの自信に満ちた様子にセラーナも紅い瞳を煌かせると。
「となれば もうほとんど終わりですわね このバカげた予言にようやくピリオドを打てるのかしら」
希望的観測ともとれる言葉を発しました。
父に見つかる前にそこへ行かなければ。
そうセラーナがつぶやいた途端、二人に向かって放たれたファイア・ボールが炸裂しました。
「危ないΣ(・ω・´)!」
巨大な火の玉を危機一髪で避けたRioとセラーナは臨戦態勢へと移ります。
「ヴォルキハル城の吸血鬼ですわ!」
グレートソードを抜き放ち。
接近する吸血鬼相手に斬りかかるものの、次々と召喚される吸血鬼の使徒ら相手では埒が明きません。
Rioのスタミナも大剣に付呪された力も体力さえ浪費され、悪戯に消費されてゆきます。
(こいつらのマスターを倒さないと(`・ω・´;))
徒党を組んで挑み来る吸血鬼を薙ぎ払い跳躍して。
無理矢理、敵の群れなす中心に飛び込んだRioはローブを纏った一際禍々しい吸血鬼を視界に捉え斬りかかりました。
(この吸血鬼見覚えがあるわ。ヴォルキハル城にいた奴らの一人ね|ω・´;))
残り少ない麻痺効果の発動を頼りに大剣を振り下ろすRioの体力は見る間に削り取られ。
やむを得ず戦線離脱を図りながら治癒魔法を唱えます。
斜め前方では死霊召喚に成功したセラーナが防衛気味の戦いから攻勢に転じたようでした。
懐に忍ばせたポーションの残量を確認し、大魂石に囚われた魂をグレートソードに注ぎ込むやRioも反撃を開始します。
執拗な吸血鬼の使徒の戦鎚を両手武器の防御で受け流し、そのまま速攻で吸血鬼ヴォルキハルに躍りかかります。
右に左に袈裟懸けで斬り付け。
麻痺の発動と共に連撃を加え。
Rioはようやく吸血鬼のマスターらしき男の息の根を止めることに成功しました。
しかしその時点で体力も著しい低下を見せ、連闘は困難という有様に後ろに跳び退き、すかさず治癒魔法を唱えます。
召喚魔法とライフドレインを巧みに操るセラーナは終始危なげなく戦い続けているようで。
劣勢な戦闘に身を置くRioはいよいよ自身の戦術の見直しを検討する時期にあると悟るのでした。
最後にガーゴイル・ブルートを刺し貫いたRioは再び回復魔法で傷を癒しつつ辺りへ視線を巡らせます。
「もう敵は残っておりませんわ」
サーチの働きも兼ねる召喚の使徒に敵対する動きが見られないことを確認して。
セラーナも戦闘姿勢を崩してゆきます。
遠隔攻撃がメインの物量戦における召喚魔法の重要性を思い知ったとRioが告げると、美貌の吸血鬼もうれしそうにバラ色の頬を蒸気させて、
「やっとおわかりになっていただけましたのね」
と誇らしげに応えます。
各地で吸血鬼の小規模な波状攻撃を受けている今、味方の生命を守りかつ少人数で対抗する手段のひとつとして、召喚魔法は見直されるべきではないかと考えを改めるRioなのです。

レイクビュー邸に立ち寄りルシアとソフィの無事を確かめるとRioはほとんど休息らしい休息も摂らずドーンガード砦へ取って返しました。
道すがらセラーナはアーリエルの弓がなぜ太陽に関わりを持つのか。
読書で得た知識をRioに授けます。
「アーリエルはエルフの神の一人で彼ら神々はエセリウスにいるのですが こちらはご存知でしょう?」
うなずくRioにセラーナはアーリエルとは太陽神とも呼ばれ太陽と深く関わりを持つ神であることを説きます。
「おそらくアーリエルの弓の力は太陽自身から得ていると思われますのよ もしくは太陽になんらかの影響を及ぼす可能性が考えられます」
けれど具体的にどのような効果を及ぼすのか、または太陽に関わるどのような力を秘めているのかまではわからないと首を横に振ります。
一体どのような効果を持つ弓なのか。
眠るアーリエルの弓を手にすればすべての謎が明らかとなるはず。
吸血鬼とドーンガード及び各都市の攻防が熾烈を極める中、泥沼の闘いに決着をつけるべく次なる目的地ダークフォールへと思いを馳せるRioなのでした。


以上でドーンガード第9章『目に見えぬ予見』終了となります。

実はヴィルカスであれば先人の湿地に入る直前まではセラーナを含む3人パーティ結成は可能だったのです。
バニラでコンソールを使用しない場合、先人の湿地などセラーナが動かず立ち尽くしてくれているシーンを狙ってヴィルカスを彼女の隣に立たせ、①ヴィルカスのフォロワーを解く②すぐまたフォロワーになるようヴィルカスに声をかける③「時間を無駄にするのはよそう」のセリフ途中でEscで会話を解除後すぐに横のセラーナにフォロワーとなるよう指示④セラーナがフォロワーになった時点で同時にヴィルカスのフォロワー化も完了となります。
また、リアとセラーナとの3人パーティも試してみたのですが、フォロワー了承時のセリフが短い所為なのかリアの場合は3人パーティが組めませんでした。
セリフが短いまたは早口だとセラーナへのフォロワー化トリガーがどうしてもリアのフォロワー化の後に生じてしまい、「どなたか連れていらっしゃらるようですわね 別れてから声をかけてください」とフォロワー化失敗のセリフになってしまうようです。
これほど苦労して3人パーティにしても先人の湿地に入った途端、セラーナ以外のメンバーは強制解除されてしまいます。
バニラではどうしてもセラーナ嬢と二人でラブラブ攻略しなければならないようプログラムされているようです。

次回はドーンガードサブクエスト『救出②』&ドーンガードサブクエスト『失われた遺物③』をお送りいたします。
ネタバレ・妄想・創作などが随所に見られると思われますが、「うん 知ってる(*・ω・)」とおっしゃる寛大な皆様のお越しを心よりお待ちしております。

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