Skyrim⑬ 吟遊詩人大学クエスト他(23話)

Skyrim・炎の塩鉱石を10個バリマンドのところへ持っていく&草の根分けても⑥(〃▽〃)

リフテンの鍛冶屋、灼熱の戦鎚の主バリマンド。
スカイリム一と名高いスカイフォージの炉に劣らぬほどの武器や防具を作成したい。
己の夢実現のため日夜試行錯誤を繰り返す彼がRioに望んだ品物は炎の塩鉱石でした。



本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

ネタバレ・妄想・創作が含まれますので、苦手な方はスルーお願いいたします。
PC&NPC間の会話にはゲーム内で実際に使用されている会話も含まれますが、創作が多めとなっております。
忠実な台詞を知りたいとおっしゃる方は直接ゲームをプレイしてご自身でお確かめくださいませ。
また今回は創作部分過多となっておりますので「創作は苦手(´・ω・`)」とおっしゃる方はカラー部分のみご覧いただきますようお願い申し上げます。



盗賊ギルドサブクエスト『草の根分けても⑥』

24個バレンジアの石が揃った今、それらを収めるバレンジアの王冠さえ手に入れば盗賊ギルドはパラゴンという昇華された宝冠の力により多大なる恩恵を受けることができるはずである。
そんなヴェックスの言葉を頼りにトルバルドの洞窟を突き進むRioとアシスは王冠をこの洞窟に持ち込んだに違いないダンマーのかすれた日記を手に入れ、尚も進んで行きます。
(また亡霊がΣ(・ω・´)!?)
青白く輝く亡霊が手招きしつつ二人を自らの死骸の傍に導きました。
白骨化した遺体の手元には破れた日記が握られています。
「白いエルフがトンネルの暗い隅からこっちを見つめているのを見た・・・ってスノーエルフのことかしら(゚ー゚*?)」
ファルメルは元々スノーエルフであり雪のような肌をしていたと。
Rioはかつてダークフォール洞窟で出会ったスノーエルフの生き残りだと言う騎士司祭ギレボルを思い出しました。
もしそうならバレンジアの王冠が運び込まれた頃のファルメルはまだ白い肌をしていたということなのだろうか。
「白いエルフが幻覚なのか真実なのかはわからないが 我が同胞たるダンマーが仲間を逃がすために一部ここに閉じ込められたことは確かなようだ」
Rioが手にする破れた日記にアシスも目を通し、白骨化した同郷の仲間の死を悼み、死者の魂が彼らの信奉する神の御許に導かれんことを祈ります。
細い通路の先に地下水が飛沫を上げる最奥と思しき広間に到達しました。
何本ものドゥーマーの意匠が施された柱が建ち並び、天井には仄かに黄みを帯びた明かりを灯すシャンデリアが備え付けられていました。
「油断するな」
盾の兄の忠告にうなずくとRioは一歩一歩慎重に進み出ます。
足元でカラリと音をたてて崩れる人骨近くにはファルメルの矢やファルメルの武器、そしてそれらに交じるエルフの武器などがうち捨てられ、この広間でダンマーとファルメルとの壮絶な死闘が繰り広げられたことを物語っていました。
中央付近に黄金に輝く珍しい意匠の王冠を見つけてRioが歩み寄った途端、3体の青白い亡霊が姿を現し武器を振りかざしました。
「愚かな定命の者め 死者から隠れられると思うのか?」
「死をお前にくれてやる」
ダンマーの亡霊らしき者達は口々に呪いの言葉を唱え襲い掛かってきます。
すぐさまゴールドール・ブラックブレイドを抜き去ったアシスがRioを庇い援護に加わりました。
「アシス あなたと故郷を同じくする同胞達の霊よ いいの?」
Rioの問いかけに惑うことなくアシスも返答を返します。
「私の故郷はジョルバスクルであり 同胞団の仲間が今の家族だと そう教えてくれたのはあんたじゃないか 導き手よ!」
血は繋がらなくとも、種族は違えども、我々は同胞団という絆で結ばれた兄弟姉妹。
亡霊の攻撃を盾で弾き返すと共に繰り出されるアシスのカウンターアタックが敵の肋骨部分を粉砕せしめ。
しなやかな四肢のバネを利かせたRioの大剣が青白い亡霊の肩より入り斜め下に振り下ろされます。
「ううっ! 死者を殺そうとは愚かな!」
断末魔の叫びを上げ1体、また1体と青白く揺らめく影は崩れ去り、広間には再び静寂が訪れました。
「今度こそ安らかに眠れ同胞達よ」
もうこんな薄暗い場所に魂を縛り付けておく必要はないんだとアシスは囁き、黄金に輝く王冠を瓦礫の山より拾い上げました。

※ダークフォール洞窟のスノーエルフである騎士司祭ギレボルにつきましてはSkyrim⑫ドーンガード『空に触れる①』をご覧くださいませ。

「これがアシスの取り分よ(〃▽〃)つ○」
「い・・・一万セプティム金貨だと!?」
リフテンの酒場ビー・アンド・バルブにて。
大冒険を終えた盾の兄妹は互いを労い祝杯を交わします。
かなり奮発したんだけどまだ不足なのかと問うRioに、
「不足なわけないだろう こんな大金持ったこともないぞ! だが本当にもらっちまっていいのか? 後で返せなんて言わないでくれよ」
震え声で金貨の詰まった袋を凝視するアシスなのです。
もちろん全部アシスのものよと太鼓判を押し、盾の兄が助けてくれなければ旅の途中で野たれ死んでいたかもしれないとRioは素直な気持ちを告げます。
するとアシスも手にしたジョッキをテーブルに置き、礼を言うのはこっちの方だ、俺はこの旅でさまざまなことを学んだと。
神妙な顔つきでつぶやきました。
その夜をハニーサイドで過ごしたRioとアシスは翌日は昼過ぎまでたっぷり寝過ごしてからの出立となりました。
せしめた酒と土産物、そして手渡された宝石を両手に抱え、ご満悦な執政イオナに留守を託し、再度旅立ちの準備に取り掛かるRioを眺めながら上機嫌な様子でアシスが問いかけます。
「次はどこに行くんだ?」
導き手との冒険が楽しくて仕方がないという風情のアシスに、ややためらいがちにRioはジョルバスクルに戻るつもりだと応えます。
「そうか そうだよな ヴィルカスの方の仕事もさすがに片付いている頃だろうし」
落胆を隠しきれないアシスはうつむき加減にうなずきます。
「でも その前に・・・」
リフテンでの最後の仕事が残っている。
そう告げるとRioは炎の塩鉱石をつまみ上げ晴れやかな笑みを浮かべました。


リフテンクエスト『炎の塩鉱石をバリマンドのところへ持っていく』

「バリマンド様が剣で奇跡を起こすところを見ないか?」
と。
いつもなら自信満々に語りかけてきてくれるはずの気さくなリフテンの鍛冶師バリマンドの姿が見当たりません。
キョロキョロ辺りを見回すRioにバリマンドの一番弟子、火の使い手アスヨルンが主を訪ねて来たのかいと声をかけます。
頼まれ物が手に入ったので寄ってみたのだと応えるRioに、それならミストヴェイル砦に行ってみるといいと、炉の温度調節をするアスヨルンは助言を与えます。
「珍しい光景が見られるかもしれないよ」
意味深な言葉を投げかける火の使い手にRioは小首をかしげました。

ミストヴェイル砦に到着したRioはアスヨルンの言っていた珍しい光景がなんであるかを知ることになりました。
メイビン・ブラック・ブライアが賓客として招いたシロディールからの貿易商の婦人に自ら鎚打って鍛え上げた数々の斧や剣の切れ味を披露し、その使い方や特性を講釈するバリマンドなのですが、いつになく緊張し何やら声もうわずっているのです。
「ほう リフテンはシロディールとの国境も近いせいか都会的で華やかな要人もよく訪れるようだな あんな美人相手となりゃ鍛冶屋の親父が気後れするのも無理はない」
ホール入り口の壁にもたれかかり率直な感想をもらすアシスに同意とばかり相槌を打つRioなのです。
父親がハイロックの貴族らしく貿易商を営みながらも立ち居振る舞いにはどこか気品の漂うルージュ・ブロア。
それがメイビンが招待した要人の名前でした。
バリマンドの差し出す細身の剣を手に取ったルージュはちらりと入り口付近に佇むRioに視線を向け、メイビンに耳打ちしました。
「何をそんなところでこそこそしているのです お前はこのリフテンの従士なのですよ もっと威厳を持ち堂々とはできないのですか? 盗賊でもあるまいし」
(盗賊だし(`・ω・´;) メイビンモ シッテルクセニ)
こそこそしていたつもりはないものの扉付近に立ち尽くしたまま傍観していたのは事実で。
ホワイトランのみならずリフテンの従士まで兼ねていたのかと言いたげにこちらを見遣るアシスに目配せすると、Rioは中央に進み出ました。
ようやく自身の面目が保たれたと居ずまいを正し、ルージュに向き直るメイビンが、この者に何か用ですかとRioへ放った口調とは打って変わった穏やかな調子で問いかけます。
「あなたがこの街の従士なの? ドラゴンボーンだとは人々の噂でうかがっておりましたけれど まさか小柄な若い女性だとは思っておりませんでしたわ」
それから優雅な物腰でおもむろに立ち上がるとルージュは先刻バリマンドより献上された細身の剣を一振りし、
「ではドラゴンボーンよ 私と一太刀交えてみませんか?」
穏やかな、けれども拒絶は許さないという張りのある声音でRioを戦いの場に誘います。
「戯言を・・・」
引きつった笑みを浮かべ場を収めようとするメイビンに戯言などではありませんとルージュはぴしゃりと言い放ちました。
「バリマンドという鍛冶師が本当に腕の立つ職人であるのかどうか 彼の作り上げた武器を振るう以上に明確な答えなどありませんもの そうでしょう?」
「しかし そのようなドレスではまともに戦うことなどできますまい それとも我が従士にわざと手を抜くことを強要し勝ちを譲れと暗にほのめかしておいでなのでしょうか」
どうにかして戦いをなかったことにしようと躍起になるメイビンの思惑をぶち破るようにルージュはその場でドレスを脱ぎ捨てました。
唖然と佇むRioやメイビンの目にはもちろんのこと。
思わず視線を逸らす振りをしながらもチラ見する執政、側近、護衛に当たる衛兵ら男性陣の視界には美しい身体の曲線に合わせた皮製の軽装備に身を包む女戦士の姿が映ります。
「そのような物をドレスの下に着込んでおられたのですか?」
側近のややがっかりした問いかけに、いついかなるときも商人は己の荷や金銀を狙うならず者と刃を交える覚悟が必要なのよと微笑みます。
それからRioに向き直ると美しき貿易商婦人はいざ勝負とばかり剣を構えます。
固唾を呑む群集が見守る中、Rioも観念したようにうなずくと、バリマンドが試作品として持ち込んだ一振りのダガーをテーブル上より選び取り、防御体勢を取ります。
ルージュの振り上げた細身の剣より発される剣光が煌き、鋭い一閃がRioの左頬を掠め通りました。
Rioのダガーはそれを防ぎ切れなかったように人々の目には映りました。
「残念だわ ドラゴンボーンは声の達人というだけで武術に秀でた人物というわけではなかったのですね」
がっかりしつつも容赦のない二太刀目を繰り出そうと身構えたルージュは次の瞬間恥じらいの籠もる悲鳴を上げました。
きれいに水平に斬り込みを入れられたルージュの胸元の皮鎧が無残に剥がれ落ち、美しき貿易商婦人は大衆の面前で肌も露わな肢体をさらけ出す羽目に陥ったのです。
真っ赤になり胸元を隠すので精一杯のルージュの右手から細身の剣が滑り落ち、床で弾け低い金属音を響かせます。
予期せぬ事態にあわてふためく側近達を押し退けて。
武器を包んであった布地をひっぺがしたバリマンドがルージュに駆け寄り、彼女の肩から素肌を覆うようにして布地を被せます。
そして、やり過ぎだとRioに対し怒号を浴びせかけました。
ごめんなさいと謝るRioへ。
未だ紅潮する面を上げてルージュはぼそりとつぶやきます。
「最初からこれが目的だったのね 着衣を適度に斬り付けて私の方から降参するよう仕向けた あなたは端から剣を交える気などなかった」
そうだと答えてよいものかどうかRioは返答に困ります。
「それでもバリマンドの武器がどれほど優れているのかを大衆にも私自身にも知らしめたかった だからあなたは自分の携え持つ武器ではなくバリマンドが鍛えたダガーを私との対戦に選んだ」
仰せの通りと素直に認めるRioを悔しげな眼差しで一瞥して。
けれどもその直後ルージュは険しい表情を緩め小さなため息をつきました。
「あなたの目論見はすべて成功ですわ 正直私は疑っておりましたの バリマンドの作り出す武器が本当に優れているのかどうか 交易商品としてふさわしい品質かどうかを」
布地から覗く白い腕をRioの左頬に差し伸べて傷口を指先でなぞった後、鎧の剥がれた自らの胸元へと指先を移しながらルージュは囁くように告げました。
「掠めただけであなたの頬に一筋の緋色の傷痕を残す切れ味 皮鎧を見事分断しておきながら私の肌には傷ひとつ残さない妙技」
もちろんドラゴンボーンの武器の扱いがすばらしいということもあるのでしょうけれどと前置きを入れ、ルージュは尚も滔々と武器の評価を綴ります。
「これら繊細な切れ味は武器の作りが精密かつ人の手に馴染みやすいなどの心遣いが為されていなければ到底到達できる域ではありません」
「それではブラック・ブライア蜂蜜酒醸造所に加えリフテンの鍛冶屋、灼熱の戦鎚ともブロア交易商会は契約を結んでくださると?」
抜け目のないメイビンの確認の言葉に、ルージュ・ブロアは華やかな笑みを湛えうなずいてみせました。

これ以降まったく女っ気のなかった鍛冶屋バリマンドの店先に二・三ヶ月に一度、美しい貿易商人が立ち寄るようになりました。
二人仲良く肩を並べて。
夕暮れ時のリフテンで語らう姿が何度も目撃されたとか。
それから数ヶ月後のある日。
「すっかり忘れていたけど これ炎の塩鉱石(〃▽〃)つ○ オクレチャッテ ゴメンネ」
渡しそびれていた依頼品を届けにリフテンに立ち寄ったRioをバリマンドは大層喜んで出迎えてくれました。
それもそのはず、久しぶりに顔を出した灼熱の戦鎚にはミストヴェイル砦で渡り合ったあの勇ましくも聡明で美しい貿易商人ルージュ・ブロアが訪問中で、しかも彼女の胸元にはマーラのアミュレットが陽の光を浴びてキラキラと輝いていたのでした。


以上で『炎の塩鉱石を10個バリマンドのところへ持っていく』&『草の根分けても⑥』終幕となります。

バレンジアの王冠を手に入れてのトルバルドの洞窟、最奥地帯のトルバルド・クロッシングからの帰り道、もうひとりダンマーの亡霊を見かけたのですが、彼は他の青白い亡霊達と異なり消えることなくいつまでも親しげに両手を振ってくれていました。
バレンジアの王冠を手に入れた後はこのように消滅することなく親しげに手を振ってくれるエモーションが設定されているのか、たまたま彼だけがそのような設定なのかはわかりません。
けれども、アシスの「今度こそ安らかに眠れ同胞達よ」のセリフはまるっきり創作なのですが、なんだかこちらの気持ちが伝わったかのような展開でリアルで少し涙ぐんでしまいました。
この部分はストーリー内ではカットされていますが心に響いたということで記してみました。
あとがき風味で報告まで。

ちなみに24個のバレンジアの石とバレンジアの王冠を探す長大な冒険『草の根分けても』の報酬は“プロウラーの利益”という効果で(残念ながら効果一覧には表示されません)、盗賊ギルド員としてダンジョンや窃盗などで宝石を手にする場合、最大4倍ほどまで入手宝石数が膨れ上がるというお得なパッシブスキルです。
ロールプレイをする場合ほとんど盗賊またはトレジャーハンターまたは商人職を選んでしまう小桜には小踊り必須の垂涎の的スキルであります($ω$)←エッ? メガ モノガタッテルッテ?

バリマンドの恋人であり架空の人物であるルージュ・ブロアの命名はご訪問いただいたRougeさんのお名前から取らせていただきました。
「ばかも~ん!勝手に名前使うな!」
など苦情などありましたら、お手数ですがコメント欄に「名前使用ダメ絶対!」と一言書き込みお願い申し上げます。
急いで別名にて対応させていただきます(´・ω・`;A)

次回からはしばらく予定は未定で。
DLCのドラゴンボーンを予定してはいるのですが、準備が整った地点でアップするかどうするか決めたいと思っております。
このような五里霧中な有様ですが、それでもいいよとおっしゃる皆様のお越しを心よりお待ちしております。

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Skyrim・草の根分けても⑤サンダーストーン渓谷編(*・ω・)

・・・レッドマウンテンが噴火するもう1つの夢。
燃え上がる巨大な岩が空から落ちて来て、人々が逃げ惑う・・・
ヴァーデンフェルだけでなく、モロウウィンドのすべてが岩に襲われた。
仕事はなく、食糧は灰の下では育たない。
我々はスカイリムを得ようとするだろう・・・

“かすれた日記”より抜粋



本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

ネタバレ・妄想・創作満載となっておりますので苦手な方はスルーお願いいたします。
クエストの流れは概ねゲーム内での進行に即しておりますが、PC&NPCの関係及び台詞など創作過多となっておりますのでご注意くださいませ。
カラー外部分は創作となっておりますので、苦手な方は飛ばして読んでいただけますなら幸です。



予定を数日伸ばしてのロリクステッドでの滞在の間、Rioはレルディスとエニスの畑を耕すのを手伝い穏やかな日々を過ごしました。
それとなくRioの様子を観察していたアシスも、朝となく昼となく導き手の周りに出没するエリクに、
「もう大丈夫だからお前も親父さんの手伝いに集中しろ」
などと小言を唱えます。
「弁当を持って来たついでだよ それとも何か 俺がうろついてちゃ困るようなことでもあるのか まさかあんたまでRioに手を出そうってんじゃないだろうな!?」
開いた口が塞がらないと呆れ果て、憤るアシスは自分より遥かに年若く遥かに長身のエリクを見上げ食ってかかります。
「いいかよく聞け! 誰もがお前のように不埒な心根を抱いて上官に仕えているわけじゃないんだ 我々は同胞団の盾の兄妹 兄が妹を心配して何が悪い!?」
これ以上愚弄するなら受けて立つぞとアシスも愛剣の柄に手をかけ脅しをかけます。
ひとしきり睨み合った後、悪かったと素直に謝るエリクなのです。
「いつまでもこんなガキみたいなアプローチを続ける気はないんだ だけど・・・」
「まあ お前の気持ちもわからないではない」
以前ジョルバスクルで見かけたRioを追うエリクの眼差しは熱く、今もあの時と寸分違わない切なそうな目をしている。
報われない恋でもいいからこの男のように誰かに狂おしいほど恋焦がれてみたいものだ。
故郷ヴァーデンフェルを出てもう100年いや200年ほども経ってしまったか。
エルフ種の100年は人類種の10年に値すると言われるが、モロウウィンドの港を発ったのがつい昨日のようだ。
愛だの恋だのに費やす時間も余裕もなかったとアシスは過去を振り返ります。
慈しむべき血を分けた兄弟姉妹はなく。
父親はアシスが生まれて数年後に他界したと母親から聞かされていた。
その母親もレッドマウンテンの火山灰が原因となり体を壊したまま亡き父同様アズラの御許、月影へと旅立ってしまった。
ブラックマーシュから攻め込んできたアルゴニアンに追い立てられるようにして北上したものの、持ち出す家財も家柄も名声もなく。
大病を患ったこともない丈夫な身体だけが取り得の天涯孤独なダンマーは港を点々とし人足として数十年を過ごした。
生活費に当てればいくらも残らないなけなしの貯金をはたいてスカイリムに渡ろうと思った。
スカイリムのイーストマーチ地方には新天地を求め多くの避難民が流入していると聞いていた。
同郷の者がたくさんいれば寂しくもないだろう。
もしかすると同じダンマーのよしみで割のいい働き口などを紹介してもらえるかもしれない。
そんな甘い考えが幻想であることをアシスは知ることになる。
まずモロウウィンドからスカイリムに渡航するに当たり通常の3倍以上もの高額な船賃を要求された。
しかも同じ種族であるダークエルフの船長や船員ぐるみに騙されたのだ。
悔し涙に暮れるアシスをウィンドヘルムで待ち受けていたものはノルドの他種族に対する執拗な差別だった。
どんなに身を粉にして働こうと誠実に尽くそうと灰色鼠と蔑まれ、同じ労働に携わるノルド達に賃金も待遇も並ぶことはなかった。
常に低い賃金で朝から晩までこきつかわれ、それでいて与えられる寝床は凍えるように冷たくみすぼらしいものだった。
隙間風に身を切られるような思いで日々を過ごした。
何の楽しみも心の拠り所もなかった。
やっていられるかとウィンドヘルムを飛び出し、西へ西へとひた走った。
途中山賊同士の諍いでもあったのか、血糊のこびりついた剣に破れた皮の盾を拾った。
皮脂や血液、泥に塗れた装備を散乱する死体から引き剥がし着込んだ。
これなら戦士に見えないこともないだろうと得意げに闊歩しているところにサーベルキャットが現れた。
獰猛な牙を剥き鋭利な爪が皮鎧を突き破り横っ腹をかすめていく。
恐ろしい。
ここで死ぬのか!?
腰を抜かし、最早これまでと瞼を閉じたところを同胞団の戦士らに助けられた。
へたり込み震えながらも知らず知らずの内に腰に差した剣を構えていたらしく。
笑われはしたが度胸はあるじゃないかと盾の兄弟姉妹と呼び合う連中に称えられた。
「それなら俺の恋路の協力者になってはくれないか?」
エリクの声にアシスは我に返り。
無言でノルドの青年に視線を注ぎました。
そして再びレルディスに倣い畑仕事に夢中になるRioを眺めながらアシスはつぶやきます。
「お前の気持ちもわからないではない だが私には護るべき実の兄弟姉妹も頼るべき父母ももういないんだ 同じダンマーの仲間にも裏切られた 帰る故郷さえ灰の中だ 今この手に残っているのは同胞団の結束とその名誉ある一員であるという誇りだけなのさ」
だから同胞団の仲間達だけは失いたくない。
中でも自身に眠る力を引き出すのに尽力し、常に対等であろうとしてくれた導き手であるRioには深い恩があり、恋人に対する想いなどとは異なった思慕の情を感じる。
同様にRioが想いを寄せる盾の兄弟でもあるヴィルカスを裏切るような真似だけは絶対にできない。
アシスは穏やかながらも強い口調でそう綴るのでした。

※以前ジョルバスクルで見かけたRioを追うエリクの眼差しうんぬんの件はSkyrim⑬『フィンのリュートを見つける』の創作パートとなります。


盗賊ギルドサブクエスト『草の根分けても⑤』サンダーストーン渓谷編

「もう気分は落ち着いたのか?」
サンダーストーン渓谷に向かう道すがらアシスがRioに問いかけます。
コクリとうなずくRioは解決策は見つからないけれど、殺戮の衝動に駆られるきっかけはわかってきたと返答します。
「可能性はいくつかあるんだけど(´・ω・`)」
凄惨な現場もしくはそれを想像させる場所及び人物に触れた場合。
「それと もうひとつ」
「もうひとつ?」
追従するアシスが鸚鵡返しに訊ねます。
言い淀んだ後、覚悟を決めたようにRioは一語一語はっきりとその名を口にしました。
「デイドラに誘導されること」
「デイドラだと? アカトシュとキナレスの加護を受けたドラゴンボーンであるお前がデイドラに心を支配されるというのか?」
支配などされたくない。
けれどデイドラ達は言葉巧みに弱味をついて心の内に潜り込んで来る。
ナミラ、ボエシア、ヴァーミルナ、モラグ・バル、メエルーンズ・デイゴンそしてハルメアス・モラ。
「エリクを刺してしまった時のように意識が途切れていることがほとんどだけど ちゃんと意識を保っていられることもあるわ」
たとえ自ら手を下さなかったとしても従者が、もしくは協力者が結果的に殺人を犯せばそれはデイドラの意思に従った自分に非があるのだとRioは懺悔を綴り、その頬にはいつしか涙が伝っているのでした。
「原因がわかったのなら対処はそれほど困難ではない」
はっと顔を上げ瞳を見開くRioの涙を手の甲で拭い取ってやりながらアシスは持論を展開します。
「近づかなければいいのだ」
えっ・・・と首をかしげるRioにもう一度はっきりとアシスは告げます。
「原因となるものに近づかないようにすればいい 簡単なことだ それともうひとつ導き手が気づいているのかはわからないが」
万が一、闇に精神を乗っ取られた場合、手っ取り早い回復法がいくつかあると盾の兄はニヤリと意味深な笑みを浮かべました。

ロリクステッドとファルクリースのちょうど中間地点にサンダーストーン渓谷はありました。
洞窟のような入り口付近でステルス状態を保つRioはまだ耳鳴りがして二の腕も痛いと頬を膨らませます。
「心を支配された場合の速やかな回復法なのだ 手荒いのは我慢してくれ 昨晩エリクといろいろ話し合って編み出したかなり効果的な対策だぞ」
むんずと両の腕を掴まれ前触れもなく耳元で名前を怒鳴られたRioは小動物のようにピタリと動きを止め、その場に立ち尽くしたのでした。
「この方法は良心的なものだぞ エリクなどはショック療法でいいのなら導き手の意識がないのをいいことに抱きしめてキスの雨を降らせて・・・いやこれ以上はやめておこう とにかくあいつの邪な対処法よりは幾分マシなはずだ」
随分エリクと意気投合したものねと唇を尖らせながら。
弓に矢を番え洞窟前に佇む死霊術師にRioは狙いを定めます。
ひゅっと風切り音が鳴り術師は声を発する暇も与えられず崩折れました。
渓谷入り口にはもうひとり死霊術師が見張りに着いていたようで、その手前にはご丁寧にもロープトラップまで設置されています。
焚き火に当たる死霊術師の背に矢羽を突き立てた後、ロープトラップにも鏃を食らわせ、転がり迫る落石を退けてRioとアシスは前進を続けました。
細く入り組んだ通路を巡回するスケルトン2体を仕留めると、倒れたスケルトンが加圧式トラップのトリガーとなり火炎に見舞われます。
間一髪で業火に焼かれる難を逃れたRioは鳴子を避け、他に罠がないかどうかを確かめつつ慎重に歩を移して行きます。
(話し声が聞こえる)
女と思しき声の主の居場所を突き止めようと身を乗り出したRioは眼前にまたもや加圧式トラップが仕掛けられていることに気づきました。
罠が多すぎる。
道も細く逃げ場もほとんどない。
「厄介な渓谷ね(´・ω・`;)」
天井に吊り下げられた火炎壷にちらりと目を奔らせたRioは引き絞った矢をようやく姿を見せた女魔術師に撃ち込みました。
話し相手の絶叫が引き金となり、浮き足立つ残党にこちらの位置を悟られる前に口を封じてしまおうと。
Rioが第二の矢を番えたところでアシスが前面に躍り出ます。
炎の罠やファイアボルトを仕掛けてくる大火炎術師二人に追いすがり、火傷を負いながらも集中攻撃でなんとか撃破せしめて。
戦闘が終わってから加圧式トラップがトゲの扉発動に連動していたと気づいたRioは盾の兄がうっかり踏み抜かなくてよかったと、ほっと胸をなでおろしました。
粗末な木製の階段を上り、蟻の巣のように巡らされた通路を行く二人を火炎放射のトラップが襲います。
その先には魔術師らしきローブ姿の敵が揺れ動き。
サイレントロールで前進を果たすや、まずは火炎放射装置の魂石を抜き取りました。
体勢を整えつつRioは未だこちらに気づく様子のない魔術師目がけて一の矢を放ちます。
しかし不意に踵を返す魔術師の予想外の動きに阻まれ、矢羽は敵の肩先をかすめ先制攻撃は不発に終わりました。
(しまった!)
不審者の攻撃を察知したローブの男は身をかがめ迎撃体制を取ります。
「ここは任せろ!」
そう短く告げるとアシスはエクスプロージョンの杖を掲げローブの男が佇む周辺を火の海へと変えてゆきます。
「ちょ・・・アシスいつの間にそんなものを(○´゚ω゚`)!?」
「荷物がいっぱいだから持っててくれと導き手が手渡してきた物じゃないか 同胞団ではいつも物理攻撃ばかりだったが魔法も悪くはないな」
盾の兄は手に持つ杖をしげしげと眺めながら同胞団メンバーにあるまじき発言を口にします。
(そういえば以前ヴィルカスに魔法の杖を渡した時もこんな風に使っては楽しんでたっけ。同胞団への入団試験のときはあれほど魔法は使うなって怒鳴ってたのに)
思い出し笑いをするRioを振り返りつつ、笑ったり泣いたり導き手は表情に富んで、いっしょにいて飽きないなと。
アシスもつられて複雑な笑みを浮かべました。

奥の寝室と錬金術室を兼ねた部屋のコンジュラーを不意討ちで仕留め、更に地下水の滴る細い坑道を辿って行くと燭台の掲げられた鉄の扉を発見です。
扉を開くとその先には魔導師らしいローブの人物が佇んでいます。
引き絞った矢で先制攻撃を与え、まずは1人撃破完了です。
そのまま隠密体勢でホール中央に進み出たRioを突如紅蓮の炎が覆い尽くしました。
思わず苦痛から悲鳴を上げるRioを魔法陣外へ押しやり、アシスがクロスボウを手に火炎術師に追いすがります。
おのずと術師の攻撃対象はアシスへと移りゆき。
その間に回復を遂げたRioは大剣を抜き放ち術師の召喚した炎の精霊を断斬します。
アシスの動きに合わせ距離を取ってはエクスプロージョンを唱える火炎術師。
物陰に隠れては魔法を唱える術師に翻弄される盾の兄を助けようと祭壇へ至る対面の階段をRioは駆け上がります。
前方からの攻撃を避けるので手一杯な術師の背後を狙い、Rioはグレートソードを振り下ろしました。
「やはり盾の兄弟姉妹は二人一組で動くのが鉄則だな」
満足そうに相好を崩すアシスに、そうねと微笑み返し。
Rioは祭壇奥のワード・ウォールに歩み寄りました。
身体に漲る力はファイアブレスの第3段階目太陽を表す“Shul”であり、炎尽くしのこの渓谷に相応しいドラゴン語だと。
高い天井を見上げるドラゴンボーンは焼き尽くすイメージを心の内に抱きつつそう思うのでした。
ワード・ウォールの前に置かれた台座には生贄らしきレッドガードとウッドエルフの遺体が転がり、その狭間には血塗られたバレンジアの石が煌きを放っています。
この者達が各々の信じた神の許に旅立てますように。
Rioは目をつぶると黙祷を捧げ、それからそっと石を取り上げました。

「これで24個のバレンジアの石がそろったはず ってあら1個足りない?」
「ほら最後のひとつはこいつだろう」
アシスがランヴェイグのファーストで確保しておいた石を差し出します。
「そう・・・あの時もうあたし意識を失っていたんだ」
無意識のままダガーを振るいエリクを傷つけてしまったことを思い出して。
Rioはしょんぼりと肩を落とします。
「気にするな 幸い犠牲者は不届き者のエリク唯一人だ しかも次にまた導き手が正気を失ったら迷わず連れて来てくれ 独自のショック療法で解決してみせるなどとふざけたことをほざいてたぞ」
それは天誅を喰らわせないといけないわねと。
まるで目の前にエリクがいるとでもいうように握り締めた拳でパンチを繰り出し、それからありがとうとつぶやきつつRioは肩の力を抜きました。

ラグド・フラゴンを訪れたRioは一仕事終えエールをあおるヴェックスを前に24個のバレンジアの石を並べます。
「信じられないな! 24個すべて見つけ出したのは そう この200年であんたが初めてに違いないよ」
曇りない輝きを誇る宝石のひとつひとつを手に取りながらヴェックスは感嘆のため息をつきました。
「石は揃いじゃなきゃと言った時にひとつ言い忘れたことがある いや正直あんたがここまでがんばるとは思わなくてさ」
実はバレンジアの石を元の王冠に嵌め直さなければ本当の完成品にはならない。
完成品となれば盗賊ギルドに多大な繁栄をもたらすのだとヴェックスは説明を付け加えます。
「つまり王冠も探して来いってことね|ω・)?」
うちのギルドマスターは察しが良くて助かるとヴェックスは皮肉めいた笑みをもらしました。
「ところでさっきバレンジアの王冠が完成すればギルドに繁栄をもたらすって言ってたけど それって富のこと(゚ー゚*?)」
ふふんと鼻で笑うヴェックスは傍らのイスを指し示し、Rioの前になみなみと注がれたジョッキを置いて一杯飲むよう勧めます。
「富とは少し違うんだ あの王冠は“パラゴン”と呼ばれる代物でギルド全員の盗みに恩恵をもたらすと言われている 少なくともあたしはそう聞かされてる」
このギルドにはもう何百年もの間パラゴンがなかったのだとヴェックスにしては珍しく感慨深そうに綴ります。
王冠は今でも存在してるのかと問うRioにヴェックスも即座にあると答えます。
「信頼できる筋によると王冠はトルバルドの洞窟の奥にあるらしい 昔モロウウィンドから来たダンマーのキャラバンが落としていったんだと そいつを回収できればうちらの手にパラゴンが戻ってその恩恵にあずかれるってわけさ」
「それでギルド総出で情報を流してくれたのね(´・ω・`)」
Rioの言葉に仲間を助けるという純粋な目的ではなかったのねという含みを感じ取り、ヴェックスはRioの肩に手を回し軽い頭突きを喰らわせます。
「すべて打算ってわけでもないさ わかるだろう? スカイリム最高のギルドでいるにはパラゴンを手に入れるしかないんだ パラゴンがない限り結局ただのコソ泥の集まりでしかないんだよ」
パラゴンがない限りただのコソ泥集団でいるしかない・・・
星空を見上げRioはヴェックスの言葉を復唱しました。

「それで次は王冠探しか?」
ビー・アンド・バルブにて。
クリフレーサー片手にキーラバの作ったオードブルを楽しむアシスが問いかけます。
コクリとうなずくRioは、もう少し付き合ってもらってもいいかなとアシスに訊ねます。
「もちろんOKだ」
報酬ははずんでくれよなどと冗談も交えて盾の兄は上機嫌な様子で喉を勇者のための一杯で潤しました。

翌朝二人が向かった先はリフテン北に位置するトルバルドの洞窟でした。
うっすらと霧がかる人里離れた山間の洞窟にバレンジア女王の王冠が眠っている。
バレンジアを女王に導いたのはタロスことタイバー・セプティムであり、今またその王冠をタロスの血を受け継ぐ者が求め流離う。
巡り合わせとは奇異なものと。
洞窟を前にRioはしばし感慨に耽りました。
そんな一時を急かすでもなく理由を問うでもなく、ただ沈黙のまま見守ってくれるアシスに感謝の気持ちを込めつつ、Rioは行きましょうと合図を送りました。

洞窟の前方には焚き火にいくつものベッドロール、簡易のテーブルに羽根ペンにジョッキ、食料や飲み物を詰めた樽などが散乱しています。
(何かがいる?)
隠密を保ちキャンプ地跡を調査するRioはカシャリという金属音を聞きつけ振り返りました。
音の鳴った方向に足音を忍ばせ進んで行くとベアトラップの仕掛けにぶち当たります。
(ベアトラップ さっきの金属音はこれだったようね(*・ω・)つ)
そして岩陰から前方を覗きこんだRioの瞳にフロスト・トロールの影が飛び込んで来ました。
反射的に弓を引き絞り獰猛な白い獣を一撃で葬り去ると、何かに導かれるようにRioは再び歩き始めました。
前方には先ほど見かけたベアトラップと同様のトラップが敷かれ、鳴子の罠までもが行く手を阻みます。
トロール以外にも何者かが潜んでいる可能性は濃厚なようで。
Rioは2つの罠を解除すると音も立てず、けれども速やかに歩を移して行きます。
突如視界を横切ったフロスト・トロールに正面衝突しかけて、慌てて番えた矢を解き放ちます。
トロールの爪が鼻先を掠めたところで辛くも勝利を得たRioは早鐘を打つ鼓動が収まるまで立ち尽くしました。
「通路が入り組んでいて視界が通りにくい(´・ω・`;) シンゾウ バクバク」
「ああ 危険を感じたらこっちに任せていいからな 遠慮せず後退しろ」
盾の兄の頼もしい言葉にRioもうなずき返します。
3体目のフロスト・トロールを葬った後、光るきのこが群生しているのを目にしたRioは不吉な予感に襲われました。
光るキノコが生息する場所には視力を失ったかつてのスノーエルフ、ファルメル達が住み為している可能性が高い。
この予感が外れてくれることを願いながらRioは金属製の扉を開け放ちました。
ドゥーマーの意匠を施した小部屋の正面には宝箱が設置され。
胡散臭さを感じつつもRioは宝箱の蓋に手をかけます。
するとカラカラとトラップの発動する音が洞窟内に反響し毒矢が四方八方から放たれます。
斜め後方に飛び退いたRioに獲物を逃がしてなるものかと3体のファルメルが襲いかかりました。
盾の妹の窮地を黙って見過ごすはずもなく、アシスが左手より躍りかかる2体のファルメルを身体と盾でブロックし迎撃に転じます。
弓を射掛けるファルメル・スクルカーをひとまず放置して、Rioはアシスに群がる2体のファルメル討伐の援護に回りました。
盾の兄の翻すゴールドール・ブラックブレイドがファルメルの肩に振り下ろされ、呼応するかのごとく盾の妹のグレートソードが敵を薙ぎ払います。
二つの閃光が縦横に火花を散らすたびにグルームルーカーが、ウォーモンガーが次々と絶命を遂げてゆきました。
残るは遠隔攻撃を続けるスクルカーです。
クロスボウに切り替えたアシスの肩や腹をファルメルの矢が貫き、盾の兄は苦痛の声をもらします
大剣を振り上げ地を蹴り上げるとRioはスクルカーの脳天を断斬せしめました。
一刀両断されたファルメル・スクルカーの遺体を一瞥し、アシスは大袈裟に身震いしてみせました。
「盾の妹を怒らせたらこのような目に遭わされるのだな」
「強い女は嫌い|ω・)?」
治癒の魔法で盾の兄の傷口を癒し、ホライトランで暮らすオルフィナ・グレイ・メーンの口調を真似てクスクスと笑うRioに。
「以前は苦手だった たおやかで控えめな女が好みだった」
そう応えて一呼吸置いたアシスは顎を撫でつけ斜め上方を見上げながらぼそりと補足します。
「だが強い女も悪くない」
とはいえ妹に助けられてばかりの兄では不甲斐なさすぎるからとひとりごち、照れを隠すように盾の兄は先行を始めました。
光るキノコは雷撃耐性や破壊上昇及び体力上昇の薬を作る材料として優秀なのだと小声で解説を入れつつ、岩場に点在するそれらを摘み取りRioは荷に加えてゆきます。
なるほとどうなずくアシスは、今着ている装備を造る時にも光るキノコを大量に使用したのだと語る盾の妹の言葉に、装備作成に体力や破壊上昇が必要なのかと問い返します。
光るキノコにはもうひとつすばらしい効果があり、それが鍛冶の力を高める働きがあるとの説明を受けて、アシスは興味深そうに赤い瞳を細めました。
体力や筋力は体格差からノルドやオークに叶わないものの、エルフ種は魔法や身体能力を高める錬金術への関心は深く魔法に対する偏見も少ない為、知識の吸収も極めて良好という特徴が伺えます。
例に洩れず、アシスもまた劣る身体能力を薬や付呪でカバーできないものかと。
柔軟な考えがその心の内に芽生えていたのでした。
シャウラスの育成場と思しき囲いを覗いた途端、惨たらしい人間の肉片や骨片が視界に飛び込み、Rioは思わず顔を背けました。
自分が代わりに育成場は調べておくので錬金術台の回りに王冠がないか調べておいてくれと盾の兄は申し出ます。
この一角に目的のバレンジアの王冠がないことを確かめるとRioとアシスは更に奥に向かって歩き出しました。
急に立ち止まったRioの緊張した顔つきから前方に敵がいることを察知してアシスもクロスボウを構えます。
(敵は2体、いえ3体|ω・´)?)
既に引き絞られたRioの弓から最初の矢が射放たれます。
第一の矢は命中したものの一撃で倒れる気配のない屈強さから相手が重装備を纏ったファルメルであると悟り、Rioは続けさまに第二の矢を放ちました。
けれども第二の矢は重症を負ったに違いない先のファルメルにではなく、敵の襲撃に気づき一早くこちらへ突進を企てたグルームルーカーに向かって射掛けられました。
身軽さが取り得のグルームルーカーはその一撃で地に伏し、結果的に装備の脆弱さが仇となったことは明白でした。
一撃で屠れる敵であり、かつ接近速度に長ける輩から倒すべきだと判断できるのは一朝一夕でできることではない。
経験のなせる業だとアシスは心の内で導き手の戦い方に評価を下します。
続いて第3の矢で半死半生の重装ファルメル、おそらくはウォーモンガーであろう輩を射殺したRioはもう一体愚鈍な動きを見せる他のウォーモンガーに狙いを定めました。
「いいぞ 3体目のファルメルも虫の息となった あと一撃で終わりだな」
観戦モードとなったアシスが思わず熱狂した囁きをもらします。
そこで再び加勢に現れた4体目のファルメルが視界を過るとRioはうろたえることなく軽装備のファルメルに照準を移してゆきます。
淀みない所作でこれも一撃で葬り去り、第6の鏃を重症を負い辺りをうろつく最後のウォーモンガーの後頭部へと撃ち込みました。
結局4体いたファルメルは侵入者に指一本触れることすら許されず。
自らの屍を積み重ねたに過ぎません。
洗練されたRioの戦いっぷりに盾の兄は圧倒され、賞賛の声を上げました。
狩猟の女神アエラも惚れ込む導き手の弓の腕は伊達ではなかったのだと。
改めて思い知らされたアシスは憧憬の滲む眼差しで出来の良い妹の背中を眺めました。
「ところでなぜ突っ立っている?」
敵を一掃し部屋を散策していたRioが立ち止まりきょろきょろと辺りを見回し逡巡するのに気づいたアシスが問いかけます。
「どこから来たのかわからなくなっちゃって 進むべき道はどっちだったかなぁって・・・(〃´・ω・`)ゞ」
「そうか では先導しよう」
このどこか抜けてる部分も導き手の魅力なのだろうと。
盾の兄は肩を震わせ笑いをこらえるのでした。

更に奥へ進むとファルメルの集落らしき地に辿り着きました。
(集落のようにテントが点在しているのにファルメルもシャウラスもいない(`・ω・´)?)
何かがおかしい。
けれども立ち止まるわけにはいかないと。
隠密体勢でテント内部をひとつひとつ確認しつつ進むRioはファルメルが設置した通気溝前を通過します。
ちらりと横目で通気溝内を覗き込むも敵の気配はなく。
杞憂だったのかと2つ目の通気溝に差し掛かった途端、ファルメル・ウォーモンガーが降り立ちました。
慌ててグレートソードを抜きウォーモンガーに一撃を喰らわせるも致命傷には至らず。
反撃からのラッシュを受けたRioは体力の1/3を失うこととなりました。
額から流れる血が頬を伝い顎から滴るのを感じ、Rioは後退を試みます。
ところが背後を守るアシスもまた窮地に立たされていました。
1つ目の通気溝からもファルメル・グルームルーカーが舞い降り退路を断つかのごとく立ち塞がっていたのです。
グルームルーカーに対峙し、後ろのファルメルは任せろと短く告げ、盾を構えるアシスは漂う血のにおいに不吉な気配を感じて振り返りました。
視界に重症を負う導き手の姿を捉えて。
盾の兄は血走った目を見開き、盾の妹の腕を鷲掴むと段差がダメージに至らないことを確認し、無理矢理右手の一角へと退避させました。
ひどい裂傷に意識が霞んでいく中、Rioの眼前に2体のファルメルに挟まれ集中攻撃を受けるアシスの姿が映し出されます。
「アシス!」
回復薬の蓋を開けるのももどかしく喉に流し込むと、Rioは再び大剣を振り上げウォーモンガーの背後から斬りかかりました。
挟撃を盾でかわしてはゴールドール・ブラックブレイドを振るうアシスに怯え硬直し涙を流していたギャロウズ・ロックでの面影は微塵も感じられず。
流れる血も切り裂かれる痛みもものともせず、仲間を信じて歯を食いしばり、仁王立ちを続けます。
数々の冒険により盾の兄の精神も技も鍛え抜かれていたのだとRioも確信しました。
劣勢でも負ける気がしない。
同胞団の盾の兄弟姉妹に敗北など似合わない。
渾身の一撃を袈裟懸けに振り下ろしたRioのグレートソードの刃に血に塗れつつも不敵に笑う盾の兄の姿が映り。
二人の間でウォーモンガーが沈み込むや、間髪入れず残るグルームルーカーへと躍りかかります。
2体のファルメルの遺体に途中参戦を果たしたフロストバイト・スパイダーを積み上げると、半死半生の盾の兄妹はぼろぼろの身体を投げ出し、肩で息をしつつ、けれども明るい笑い声を響かせ合いました。

トルバルド溝と呼ばれる細い通路を辿って行くと、またもやウォーモンガーやグルームルーカーの猛攻撃を受け、後方に下がっては1匹ずつおびき出しての死闘が繰り広げられます。
途中乱戦に持ち込まれ、Rioの放った矢がアシスに誤爆するという予期せぬ危機に直面するも、なんとか急場を凌いだ二人は体勢を立て直し前進を続けます。
光るキノコと所々に灯された篝火を頼りに水路を下って行くと、ファルメル、フロストバイト・スパイダー、スキーヴァーの強襲に遭い、思わずアシスの口から、
「こんな細い通路に何匹いっしょに暮らしているんだ!?」
という愚痴が飛び出します。
緊張を要する戦いが続く中、盾の兄妹共に激しい疲労に苛まれ命中にも武器の切れにも衰えが見られるようになってきました。
連続して襲い来る敵の最後の一体の攻撃を辛くも凌ぎきった後、大剣を持つ両腕をだらりと下げ呼吸を乱すRioはふらりと岩壁にもたれかかりました。
「少し休んでいこう このままじゃ共倒れだ」
アシスの提案にコクリとうなずくとRioはその場に座り込みました。
この盾の兄妹の最大の欠点はスタミナだなとアシスが冷静な分析を加えながら飲み水と携帯食料として持参した干し肉やベイクドポテトを差し出します。
傷は治癒魔法の類で塞がるが失ったエネルギー及び流した血液による衰弱は免れ得ない。
全快とはいかないがせめて飲食物から英気を養おうとの盾の兄の心配りでした。
陽も差さない暗い洞窟にあっても仲間が傍にいるということは心強いもので。
シロディールにモロウウィンド。
それぞれに故郷を離れ奇しくもスカイリムで出会った盾の兄と妹は不思議な絆を紡ぐ機会を与えてくれた同胞団に感謝するのでした。
やがてどちらからともなく立ち上がると視線で合図を交わし、隠密体勢を取りながら再び前へと歩を移して行きます。
シャウラスの育成場にてシャウラス・ハンターらの殲滅を果たし、加勢に来たファルメル・ウォーモンガーを仕留めて、盾の兄妹は前進を続けます。
休憩を挟んだのがよかったのか、命中にも技の切れにも乱れはほとんど見られず、終始戦いは優勢で確実な勝利を収めました。
更に通気溝から現れた2体のファルメル・グルームルーカーらを弓の不意討ちに仕留め、Rioはひたすらエメラルド色に薄靄のかかる道を進みます。
水飛沫によって視界のほとんどを閉ざされた通路に蠢くファルメル・ウォーモンガーらしき姿を捉え、まずは一矢撃ち込みます。
(外れたみたいね。残念(`・ω・´;))
しかしそれは敵をおびき出すための囮の一矢で、鏃の当たる音に惹かれて現れた影に向かいRioは第二の矢を解き放ちます。
ウォーモンガーなら一撃では仕留め切れないと。
既に番えてあった第三の矢で突進する標的目がけて追い撃ちをかけます。
「狩猟の女神の腕前にも感心させられるが導き手の腕も凄いものだな」
「そんな風に手放しで褒めてくれるのはアシスだけかも(〃´・ω・`)」
頬を染めながら金属製の橋を越え細い通路を抜けようとしたところで、Rioは前方に青白い亡霊を見とがめました。
慌てて矢を射掛けるも瞬時に青白い幻影は消え。
亡霊の消えた辺りに忍び寄ったRioは白骨死体と一冊のかすれた日記を発見しました。
背後から覗き込むアシスが日記に目を通し終えるや、震える手で拳を握り唇を噛み締めうなだれました。
レッドマウンテンの噴火。
巨大な岩が降り注ぎ逃げ惑う人々。
降りしきる火山灰。
肺を壊し激しく咳き込みながら死んでいった母親。
故郷を捨てスカイリムに夢を繋いだダンマー達。
「ダンマーはそうやって追いたてられるように故郷モロウウィンドを見限り スカイリムに辿り着いた」
おそらくこの日記を遺したのはバレンジアの王冠をここに持ち込んだダンマーのキャラバンであろう。
「だが我々は歓迎はされなかった 灰色鼠と陰口を叩かれ忌み嫌われた ここで死んだ同胞達もさすらい流れ辿り着き そして寂しく逝ったに違いない」
「あなたはもう独りじゃないわアシス」
Rioは自らの手の平で盾の兄の涙をそっと拭いました。
同胞団は種族は違えど、故郷は異なれど、共に戦い苦楽を分け合う兄弟姉妹。
「あたしにとってホワイトランが故郷となったように あなたにとってもジョルバスクルが帰るべき故郷なのよ」
Rioの言葉にいつしか冷たいアシスの涙は温もりを伴い。
そしてとめどなく流れたのでした。
ひとしきりその場でうつむいていた盾の兄はおもむろに面を上げると、傍らで心配そうに見守るRioにつぶやきました。
「もう大丈夫だ 行こう」
かすかな笑みさえ浮かべるアシスにRioも微笑みを返し、凛とした表情を上げて一歩を踏み出します。
バレンジアの王冠は必ず手に入る。
だって盾の兄弟姉妹の手にかかって成し遂げられなかったことはないもの。
そうでしょう?
振り返るRioにアシスも力強くうなずきながら輝きを取り戻した赤い瞳に希望の明かりを灯らせるのでした。



以上で盗賊ギルドサブクエスト『草の根分けても⑤』サンダーストーン渓谷編終了となります。

作中のアシスの経歴などはすべて創作です。
アシスについてわかっていることは、モロウウィンドに近いイーストマーチには近づきたくないということと、同胞団に最初に訪れたどこの馬の骨とも知れないドヴァーキンに対して終始変わらぬ対応をするという点です。
同胞団のメンバーの中でも新人というほどではなく、けれども実力的にはトーバーやンジャダ・ストーンアームに劣るという役どころでしょうか。
同胞団の新人、下っ端の頃であろうとサークルメンバーであろうと、導き手であろうとなかろうと、また種族が何であろうとアシスは誰に対しても比較的区別も差別もなく接しているように感じました。
それはもしかするとアシスが見た目以上に長い年月をタムリエルで過ごしてきたからではないかとも思われました。
そしてそれなりの苦労を経てきたからではないかとも感じられました。
また、モロウウィンドに近い地域を嫌悪している様子などから見ても故郷に良い思い出がないことなどが伺えます。
これらを総合してオリジナルでメイキング・アシスしてみました。
皆様の感じたアシス像とは異なる点があるかもしれませんが、どうかご容赦くださいませ。

次回Skyrimは『草の根分けても⑥』&『炎の塩鉱石を10個バリマンドのところへ持っていく』をお送りいたします。
ネタバレ・妄想・創作など多々含まれると思いますが諦観してくださる皆様のお越しを心おりお待ちしております。

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Skyrim・草の根分けても④ランヴェイグのファースト編(´;ω;`)

第四紀200年星霜の月4日
こんな単純な罠にかかる獲物の多さにいつも驚くばかりだ。
30センチから1メートルほど水を入れてみたが解決にはならなかった。
それどころか、そのせいで事態は悪化してしまったかもしれない。
罠に落ちた奴が骨折したんだ!
彼は浮かび上がろうとしたが結局溺れてしまった。
もし水がなければ、彼を始末するその時まで頭をおかしくしてやる楽しみを味わうことができたのに。

第四紀200年星霜の月8日
また新な奴を捕らえた。
このオーク達がどれだけ大きく強くなっても、知能では劣っているというのは全くもって本当だ。
私は彼にこのロウソクの芯が溶けきるまで水中に潜っていられたら自由にしてやると言った。
バカな奴め、数分経たない内に死んだよ!

第四紀200年星霜の月13日
何日も魂1つ捕まえられていない上に、最後に捕まえた奴は衝撃のせいで死んでしまった。
もちろん彼の魂を再生することもまだできたが、息の根を止めるスリルや何らかの拷問がなければ、工程における大事な物が欠如してしまう。
定命者の命を奪うことの方がもっと・・・魅力的なのだ。

“シルドの日記”より抜粋



本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

ネタバレ・妄想・創作を含みますので苦手な方はスルーお願いいたします。
カラー外部分はほぼ創作となっております。
創作部分は避けてクエストの流れだけを知りたい方はカラー部分のみご覧くださいませ。



残る2つのバレンジアの石はモーサルの南南西にあるランヴェイグのファーストとリバーウッド西にあるサンダーストーン渓谷にあると思われる。
そう盗賊ギルドのメンバー、デルビン・マロリーとルーンから情報を得たRioは次なる目的地をランヴェイグのファーストに定めます。
「しかし盗賊ギルドの連中っていうのは こういうお宝情報は外部の者に漏らさないのが鉄則かと思っていたんだが意外だったな」
モーサルの宿屋兼酒場ムーアサイドにて。
鹿肉のチョップとリーキのグリルをつつきエールを喉に流し込みながらアシスがつぶやきます。
「それなりに付き合いもあるから ほら 吸血鬼襲来の時に助けてあげたりしたから(〃▽〃;) ケッコウ ギリニンジョウニ アツイトコロモアルノヨ」
盗賊ギルドのギルドマスターという地位にいるため情報を入手し易いなどとは口が裂けても言えないRioなのです。
名誉を重んじ常に表立った活躍を見せる同胞団の導き手が影に暗躍する盗賊ギルドを統括する任も担っている。
そんなことが同胞団メンバーたちに知れ渡れば、動揺を誘い不信感を募らせ築き上げられた結束も崩壊しかねません。
「そうか でも意外といえば意外だったな こういう裏のある奴らとの繋がりはヴィルカスが嫌うと思ってたんだがな」
そういえばヴィルカスは闇の一党の件も盗賊ギルドに身を置き続けることについても、ほとんど何も言わない。
敢えてそれらの話には触れないようにしているようにも感じられる。
本心はどうなんだろう。
ヴィルカスの気性からすれば同胞団の導き手たる者がダークサイドに所属するどころかそのトップに君臨するなど言語道断、許されざる裏切り行為だと内心憤っていても不思議ではない。
「まあいい 同胞団の名誉も大切だがこっちにとっては生活がかかってるからな 正直なところ金になるのなら少々の事は目をつぶるさ」
アシスの割り切った考え方に苦笑して。
けれどもそれ以上詮索されなかったことにRioはほっと胸をなでおろすのでした。

翌朝早くムーアサイドを出発したRioとアシスはモーサルの南南西を目指します。
途中現れた山賊一味を討伐し、目的地付近に辿り着いた二人がランヴェイグのファースト付近に到着する頃には辺りは稲妻の轟く雨模様となっていました。
どこかで雨宿りしたほうがいいんじゃないかとの盾の兄の声に耳を傾けながら山間から麓を見下ろしたRioは青白い亡霊が道標のように連なっているのを目撃します。
(ここにも亡霊?)
ユングビルドで見た亡霊そっくりの人型に近づき話しかけてみると、亡霊は近づくなとうろたえた後、仕方がないんだと口走りるや武器を振りかざし襲い掛かってきました。
「これは一体どういうことなんだ また亡霊がうろついているってことは誰かに操られでもしているのか?」
うんざりした溜息をもらすアシスが絶命し灰となった亡霊を横目に愛剣ゴールドール・ブラックブレイドを鞘に収めます。
「わからない けれどなんだかイヤな予感がする(`・ω・´;)」
とりあえずこのまま亡霊が徘徊する道なき道を辿ってみようとRioは足を踏み出しました。



盗賊ギルドサブクエスト『草の根分けても』ランヴェイグのファースト編

「ランヴェイグのファーストがどんなところなのか詳しく聞いてなかったのか?」
やや苛ついた口調で問いただすアシスにステルスを保ったままRioは無言で首を横に振ります。
小娘だからと見くびられ、盗賊ギルドの連中にとんでもないガセネタを掴まされたんじゃないかとアシスは思いつくままを口にします。
石段の途中に立つ亡霊がRioとアシスの存在に気づくや慄き武器を振りかざしました。
どの亡霊も一様に近づくな、さもないと攻撃するぞと威嚇し、生命の灯が消える瞬間にはこんなことはしたくないのにと悔恨の言葉を綴ります。
(盗賊ギルドのメンバーがギルドマスターを窮地に陥れるような罠を仕掛けるとは思われない。これはランヴェイグのファーストに何か秘密があるはず)
Rioは足早に残りの石段を駆け上がりました。
広大な石造りの遺跡の中ほどにはいくつかのテントやベッドロール、薪に鍋、火の消えた寒々しい焚き火の跡が見られ、この場所でかつてキャンプが行われていたことが伺われました。
(遺跡調査隊のキャンプ地跡?それにしてもまるで突然人員だけが消失してしまったかのような。さまざまな道具だけが置き去りにされているのはなぜ?)
キャンプ地の傍にも亡霊がうろついていました。
他の亡霊同様接近すると来ないでくれと哀願し、それから弾かれたように攻撃を開始します。
亡霊を灰に還して間もなくRioは周辺の調査に乗り出しました。
遺跡の外周をぐるり巡っていると、石造りのアーチ部分に巨大な鉄製の扉を発見しました。
Rioは後続するアシスに合図を送ると屋内への侵入を企てます。
扉を抜けるとそこは広々とした中庭を思わせるポーチでした。
石畳を割って植物が茂り、天井には明り取りの穴のような隙間が数多く見られ、思いのほか明るいポーチをRioとアシスは踏みしめて行きます。
「念のため隠密で行くわね(`・ω・´)」
「ああ わかっている」
ここ数週間いっしょに任務や冒険に携わってきた同胞団の盾の兄妹です。
アシスもすっかりRioの流儀に染まり、ダンジョン内では特に指示がない限りステルス状態を保つ癖がついていました。
チームを組んだ当初アシスは同胞団メンバーがこそこそ隠れるような戦いをするなど恰好が悪いと正論を申し立て、不意討ちなどは卑怯者のする戦法だと蔑んでいました。
けれども導き手と行動を共にするにつれて隠密からの戦闘の優位性に目覚め、ノルドにしては華奢なRioが恰幅の良い山賊やならず者集団と対等以上に渡り合える秘密を知るに至ったのです。
敵の罠を利用してのアンブッシュにステルスからのカウンターアタック。
ノルド種に比べ小柄で身体的能力も劣りがちなダンマーのアシスにとって導き手の戦い方はむしろ理想の形として投影されるようになりました。
それは他の同胞団メンバーに常にコンプレックスを抱いていたアシスに一筋の光明を与えたのです。
正面からぶち当たる腕っ節勝負ではいつも負けが込んでいた。
大柄で屈強なノルドに対し基本ダンマーは筋力も体力も劣っているからだ。
では相手がこちらの攻撃を察知する前に仕掛けられればどうだ?
フェアかアンフェアかではなく、勝利かそれこそノルドの言うソブンガルデか・・・であれば、ステルスからの不意討ちによる戦法も立派な策となる。
身を潜める戦い方なら小柄な体躯はむしろ有利。
闇を味方に暗躍するなら肌が灰青色なダンマーほどふさわしい種族はいない。
欠点を利点に、不利を有利に変える術を知ったアシスはこれまでの正面から突貫する戦いを改め、自身に合ったスタイルを身につけてゆく決心をしたのでした。

ポーチを抜けたところで円形にくりぬかれた通路が口を開けていました。
陽の差す中庭から暗闇へ足を踏み入れてゆくRioとアシスに緊張が奔ります。
蛇行し枝分かれする通路には外部で見かけた者と同じ青白い人型の亡霊の姿がありました。
弓を構え撃ち貫くRioの耳に、またしても後悔を綴る亡霊の断末魔の呻き声が木霊します。
曲がりくねる通路の先には大きく開けたホールがありました。
「こいつはすばらしい ノルドの遺跡も捨てたもんじゃないな」
遺品の備えられた埋葬壷、篝火を炊く香炉、荘厳な石造りの建造物に魚の尾を思わせるモニュメント。
階下を徘徊する亡霊すら風景の一部のようで。
はっと我に返ったRioとアシスは弓とクロスボウを手に取り、二人同時に標的に向かい矢とボルトを射掛けました。
「他愛もない 霊廟の護り手がたったひとりとは外の巡回に人手を裂き過ぎたんじゃないのか」
灰と化した亡霊の横をすり抜けざまにアシスが低い笑い声を響かせました。
両サイドに置かれた棺の前に崩れるドラウグルも動き出す気配はなく。
中央奥には大きな宝箱が置かれ、見覚えのあるワード・ウォールがRioの視界に飛び込んできました。
(シャウトだわ・・・)
けれども宝箱まであと数歩というところでRioはぴたりと立ち止まりました。
(宝箱の前の床に描かれた鉄の印は何かしら?)
直感とも言うべき災いの予兆を払拭できないRioは直進を避けて右側壁沿いから宝箱を囲むワード・ウォールへと迂回します。
するとRioの体内に青白い気流が吸い込まれ、野生の獣を沈静化するカイネの安らぎの第一段階“Kaan”が刻まれました。
「そういえば導き手はドラゴンボーンと呼ばれる声の達人でもあったな ドラゴンの力が体内に宿るというのはどんな気分だ?」
興味津々という風情で赤い瞳を見開きアシスが問いかけます。
どうなのかしらと小首をかしげ。
でも何か印象的な文字が心に焼き付けられ、忘れられない叫びが脳裏を揺さぶり、同時に不思議な活力が身体中を満たすような感覚なのだと、Rioはワード・ウォールを前にしたときの感想を綴ります。
「ほほう そりゃまるで恋人同士がベッドで睦言を交わす時のような感じか?」
「そういうのとはちょっと違う・・・と思うけど(´・ω・〃`)」
どっちも体験済みの導き手なら比較するのは容易いだろうと。
からかい口調で冷やかすアシスから赤くなりぷいと視線を逸らすRioなのです。
それにしても・・・
Rioはもう一度、宝箱とその前に横たわる鉄の印を見比べました。
宝箱はからっぽ。
巨大で仰々しい設えはまるで欲深い冒険者を誘うためのトラップに思われてならない。
無用心にも中央の鉄の印を越えてホール中央に戻ろうとするアシスを引き止めて、元来た行程でホール中央に戻り次に進みましょうとRioは注意を促します。
ワード・ウォールを正面に見て。
右手の小部屋にはわずかな宝物の他何の変哲もないことを確認し、Rioは左手通路に歩を移します。
突如飛び込んできた亡霊を倒し更に通路を辿ると、どこからともなく男の声が響いてきました。
「隠れたって無駄だ どこにいる!? お前を助けてくれる者などここには誰もいないのだぞ 観念して出て来い!」
(今までの亡霊とは違うわ。横柄で傲慢な声色(`・ω・´;))
口を揃えて来るな、もしくはこんなことはしたくないなど戦うことに消極的な亡霊達とは明らかに異なる挑発的な男の呼びかけを警戒し。
襲撃に備え隠密を保ったままRioは細い石段を駆け上がります。
上り階段の折り返し地点に不自然な鉄格子を見つけたRioは立ち止まり解除装置の有無を確かめました。
ひとしきり調査した結果解除装置に当たるものは何もないと判断し先を進む決定を下します。
通路の一角を見遣るとレバーが設置されています。
思い切って倒してみるとカラカラと壁の向こう側で何かが解除される音がしました。
(どこで何が解除された音かしら?)
慌てて辺りを見回した盾の兄妹の視界に装置に連動する何かは見当たらず。
やむなくそのまま未踏の地へ向かう決心をするRioなのです。
人ひとりやっと通れる石橋から階下を見下ろすと、ワードウォールのあったホールを一望できることに気づきました。
(脅し文句を吐いていた男はここからあたし達を見張っていたのね)
石橋を渡り終えるとそこは袋小路でした。
通路も橋も扉もなく圧迫感のある暗い閉鎖的な小部屋は戸惑う侵入者達を嘲笑っているかのようです。
(行き止まり いいえおかしいわ(`・ω・´;))
確かに亡霊とは異なる脅し口調で誘いをかけてきた男はこの人ひとり通るのがやっとの石橋を渡って行ったはずなのに。
行き止まりなら必ずあの声の主はここに追い詰められているはずよ。
Rioは思考を巡らせ唇を噛みしめました。
「おい導き手この壁を見てみろ 扉一枚分刳り貫かれたようなひびが入ってるぞ」
アシスの示す壁面に近寄り丹念な調査を終えたRioは壁の先に通路が存在する痕跡を見つけました。
しかしながら肝心のカラクリを解く方法は見当たらず。
何度も石橋を行きつ戻りつしながら通路の一角のレバーを前に途方に暮れるRioとアシスなのです。
「ダメだ導き手 そのレバーが連動しているのはこの隠し扉じゃないらしい」
仕方がない。
発想を変えてみようとRioは後退を決断し、石段を降りたところでふと立ち止まりました。
(さっきと何か違ってる)
「ここってT字路だったっけ|ω・)?」
「いや 確か鉄格子が道を阻んでいたはずだ」
突破口を見つけた!
鉄格子があった場所の先をRioが覗き込むとレバーが視界に飛び込んできました。
「もしかするとこのレバーが行き止まりの壁解除装置!?」
「ああ きっと袋小路脱却の鍵だ!」
思わず手を取り合って大喜びする盾の兄妹でした。
念のためレバーを操作してみようとRioが右に左にレバーを動かしてみると、たった今通り過ぎて来たばかりの鉄格子が上下を繰り返します。
「えっ これって単に鉄格子を上げ下げするだけの装置だったの(´;ω;`)?」
肩を落とすRioの左手から青白い影が忍び寄ります。
「来ないでくれ・・・」
「Rio 危ない!」
聞き覚えのあるフレーズとアシスの叫びが重なりました。
反射的に身を翻しグレートソードに手をかけようとするRioを壁際に押しやって。
亡霊との間にアシスが割って入ります。
剣と大剣の鈍い激突音が狭い通路に響き渡り、やがて大剣を携えていたはずの亡霊は灰となり、盾の兄は愛剣ゴールドール・ブラックブレイドに本日何度目かの勝利を刻み付けました。
「この先にも通路が続いている 先にこちらを調べてみるって策もあるぞ」
アシスの助言に従いRioも盾の兄に続きます。
「さっき初めて導き手じゃなくて名前で呼んでくれたね|ω・)」
「すまない 敵が急に現れて動揺していたんだ」
肩越しに聞こえるRioの語りかけに決まり悪そうにうつむきながらアシスはぼそぼそと言い訳を綴ります。
「別に怒ってるわけじゃなくて いつもそんな風に呼んでくれればいいのに 導き手って呼ばれるのはなんだかくすぐったい気もするし」
更に続くRioの語りかけを聞きながらアシスは彼女を導き手と呼ぶようになった頃を思い出していました。
同胞団を創設せし統率者イスグラモル。
彼の墓標において同胞団の先の導き手であるコドラクの霊から次代の導き手にRioが任命されたと他の幹部に聞かされて以来、メンバーは皆、各々の私情は抑え彼女を導き手として表向きは仰ぎ指示に従ってきた。
ある者は年若い導き手を不安に思い、またある者は新人の癖にと陰口を叩いた。
サークルメンバーの中でもコドラクの信頼篤き実力者ヴィルカスを篭絡し女の武器を用いてその地位を獲得したのだと下種な勘繰りをする輩もいた。
狩猟の女神アエラとファルカスは新しい導き手を貶める発言をする盾の兄弟姉妹を嗜め一括した。
コドラクだけでなくサークルメンバー一同がRioを次の我々の導き手と認めたのだと。
正直なところアシスも当初、表面上は新しい導き手の誕生に祝福を送りながらも実力のほどはいかほどかと疑いを抱いていた。
しかし共に戦い任務に従事するうちにアシスは知った。
戦闘能力も導き手としての器量も決して他のサークルメンバーに劣っているものではないと。
未だ年若いせいか貫禄や経験から滲み出る思慮深さには欠ける気がしないでもない。
若木が無造作に枝葉を伸ばして風雨に苛まれる様を見ているようで。
どこか放っておけない、皆で護ってやらなくてはと思わせる危うさも感じられる。
「だがそれすらも魅力といえば言えなくもない」
「何の魅力(゚ー゚*?)」
思索に耽り立ち止まるアシスの独り言を聞きつけたRioが不意に口を挟みます。
覗き込む導き手の屈託のない青い瞳に見つめられてアシスはどぎまぎしてしまい。
「そりゃ導き・・・いや違う! そう! ギルダーグリーンの魅力について考えていたんだ」
さっきまでうつむいていたかと思えば今度はダンジョン内において暢気にホワイトランの樹木について語り出す盾の兄を変なアシスとつぶやいて。
それからRioはクスクス笑い出しました。

※ギルダーグリーンはホワイトランの街の中央で桜のようなピンク色の花を咲かせる木です。Skyrim②『ホワイトラン偏其の一』で関連クエストについて触れております。当時は今のような物語形式でクエストを進めることになるなど思いもしなかった頃で、半プレイ日記風味となっておりますが気になるとおっしゃる方はそちらをご一読くださいませ。

ところどころに松明の灯る通路を進んで行くとやがて正面には扉が、右手には人影の見える三叉路に行き当たりました。
右手の暗がりに浮かび上がるローブを纏った男はこれまで見てきた亡霊とは異なる生身の人間のようで。
ローブの男の眼前に落とし穴らしきものが設置され、上方から滑落し絶命する人間を物陰から視認したRioとアシスは思わず息を呑みます。
「やれやれ がっかりだな この者も落下に耐えられなかった 一体いつになったらウォーロックのシルド様を楽しませてくれるような生贄が飛び込んで来てくれるのか」
それはまぎれもなく先刻聞いた横柄で挑発的な男の声でした。
周辺を埋め尽くす死体を嘲り次の犠牲者を待つ間、自らをシルドと名乗る残忍な男はぶらぶら周囲をうろつき始めました。
その後頭部目がけてRioは引き絞った矢を解き放ちます。
断末魔の叫びを上げて。
ウォーロックのシルドは冷たい床に突っ伏してゆきました。
中央の鉄製の巨大な籠の中にはこれまで彼が仕掛けた罠で死に追いやられてきた哀れな遺体が山積しています。
鍵のかけられたいくつもの牢獄には何体かの遺体が放置され、彼の凶行を止めようとして返り討ちにあったのか、助手らしき女性の死体も通路に無残な屍を晒していました。
「ユングビルドもひどかったがこちらも負けず劣らずってとこだな」
蒼褪め黙り込むRioの傍らでアシスが忌々しげに舌打ちを鳴らします。
テーブルの上にウォーロックのシルドの日記を見つけたRioは震える手でそれを取り上げ目を通してゆきます。
内容は想像以上に凄惨を極め、周囲の屍らの発する死臭と共に精神を蝕み始めました。
シルドの愛読書らしき“ジール城の恐怖”と銘打たれた書物を一読したアシスは導き手の目に触れる前に破り捨て。
「拾うな 読む必要はない!」
床に散らばる紙片から盾の妹を庇い遮るようにRioの前に立ちはだかりました。
「こいつは読まない方がいい」
光を失いかけた虚ろなRioの瞳に触れる盾の兄の背筋に悪寒が奔ります。
本能で危険を嗅ぎ取ったアシスはテーブル上のバレンジアの石を鷲掴むや導き手の腕を取り、引きずるようにしてその場を立ち去りました。

明後日向かう予定のサンダーストーン渓谷とのちょうど中間地点にあるロリクステッドを目指す間もほとんどしゃべらないRioを気遣いアシスは先頭を歩き誘導を続けました。
明け方近くになってようやく村に辿り着いたアシスは宿屋フロストフルーツの戸を叩きます。
そろそろ息子エリクを起こしてカウンターを交代してもらおうかと掃除を始めていたムラルキが驚いて二人を招き入れます。
「おや一月ぶりくらいじゃないか どうした顔色が悪いようだが」
心配そうにRioを見つめるムラルキにアシスは事情を説明し、温かい消化の良い食べ物と飲み物を見繕ってほしいと頼みます。
わかったと返事を返して。
ムラルキは奥の部屋で仮眠を取るエリクに声をかけると、鶏で出汁をとったじゃがいもとタマネギのクリームスープとガーリック風味のパン、そしてホットミルクにスノーベリージャムを寄せてRioの前に並べました。
寝ぼけ眼で着替えもそこそこに現れたエリクは生気のないRioの様子に愕然とし、思わずアシスに掴みかかります。
「おい これはどういうことだ? Rioに一体なにがあった!?」
温められたハチミツ酒を口に運ぼうとしていたアシスは胸倉を掴まれ、ゲホゲホとむせ返りながら落ち着けとエリクを諭します。
つい先刻ムラルキに説明したよりも更に詳しくランヴェイグのファーストでの出来事を説明するアシスでした。
「つまり狂人の凶行を目撃してから様子がおかしいと?」
未だ心配そうにRioを見つめるエリクにアシスは溜息をつきうなずいてみせます。
こんな導き手の姿を見るのは初めてだと告げるアシスにエリクは俺は二度目だとつぶやきます。
ドーンスター近くのナイトコーラー聖堂を通った直後からこんな風にRioは豹変した。
生気に満ち溢れた笑顔が突如消え失せ。
あの時は帝国に要請されるまま強行軍が続いた所為で疲労が溜まっていたからだろうと思っていた。
あれから何度も考えた。
そして今は確信している。
彼女から笑顔と生気を奪った原因はナイトコーラー聖堂にあったと。
「ランヴェイグのファーストを訪れたのは何度目だ?」
するとアシスは自分の知る限り1度きりだ、おそらくRioにとっても初めてだったはずだと返答します。
「じゃあ俺の思い過ごしか」
肩を落とし、それでも気になると後ろで背もたれのあるイスに寄りかかっているはずのRioを振り返った途端、エリクは想い人の双眸に深い闇が宿っていることに気づきました。
たまらず席を立ちRioの許に駆け寄ったエリクは左脇に鋭い痛みを感じて顔を歪めます。
「どうした!?」
小さな呻き声と共にエリクの左脇下に小さな血溜まりが形勢されてゆきました。
状況を把握できないアシスがようやく何が起こっているのか理解できたのは、Rioの血に濡れたダガーがエリクに向かって振り下ろされるまさにその瞬間でした。
しかし第二の攻撃は傷により息の乱れるエリクがダガーを持つRioの右腕を捕らえることで辛くも回避されました。
「Rio!」
「導き手!?」
エリクとアシスの呼びかけにわずかに反応を示したRioの瞳にかすかな光が灯りました。
尚も名を連呼する二人の声にRioはまるで霧から抜け出したようなぼんやりした表情で、
「な・・・に?」
と応えます。
そして押さえつけられた右手首、指先に粘りつくような血液の感覚、エリクの流す血が視界に入るや否やRioは蒼褪め震え始めました。
「あたし・・・何をしたの?」
いつものRioに戻ったかと安堵のため息を吐いて。
「危うく惚れた女の手にかかってソブンガルデに旅立つところだったよ」
エリクは想い人を拘束する手を緩め、痛みをこらえつつ大丈夫だと笑って見せました。
我に返ったRioは自らの起こした凶行を目の当たりにし、ぽろぽろと涙をこぼしながらエリクの左脇腹に治癒の呪文を唱えます。
脳裏には哀しげにこちらを見遣るヴェルラス修道士とエランドゥル司祭の姿が交錯しました。
エリクやアシスの心配そうに見つめる眼差しとダークライト・タワーで意識が戻るまで自分を揺さぶり続けたヴィルカスの声が木霊し。
「あの時もきっとこんな風にあたしには狂気が宿っていたんだ」
ドラゴンは支配する存在として生まれた。
力を求める心がドラゴンの血には流れている。
残虐な欲求と常に戦う宿命にあるとパーサーナックスもRioに告げていた。
不意をついてこみ上げるこの殺戮の感情をどうして抑えればいいのか。
「わからない わからないのよ・・・」
しゃくり上げとめどなく涙をこぼすRioにどのような慰めの言葉を与えればいいのか、どうすれば悲しみに暮れる心を救うことができるのか。
わからないままエリクとアシスもまた唇を噛みしめうなだれるのでした。

※エリクの回想シーンはSkyrim⑩内戦の『カスタブ砦からの救出』に創作パートとして、Rioの 回想シーンはヴェルラス修道士につきましてはSkyrim②『死の体験』、エランドゥル司祭についてはSkyrim⑨『目覚めの悪夢』、ダークライト・タ ワーにつきましてはSkyrim⑪『後悔』を、パーサーナックスにつきましてはSkyrim⑦『パーサーナックス』をご覧くださいませ。


以上で盗賊ギルドサブクエスト『草の根分けても④』ランヴェイグのファースト編終了となります。

ランヴェイグのファーストはRioキャラで一度クリアしているはずなのですが、すっかり忘れてしまっていて初ダンジョン攻略という感じでどきどきわくわくしました。

上記のストーリー内で、ワードウォールのあるホールにて、Rioは落とし穴を避けて迂回しているのですが、フォロワーは罠にかからないよう待機などを命じない限り段差のない最短距離を通り罠を踏み抜いてしまいます。
よってプレイヤーは罠に落ちなくても後ろからついてくるフォロワーの動向を見守るだけで鉄の印が落とし穴であるとバレてしまうのです。←フォロワーでネタバレ!?
けれども数秒後には何事もなかったかのように戻り素知らぬ顔でドヴァーキンの背後に付き従います。
「これおかしいよね(○´゚ω゚`)!?」
と、後々の展開がわかってしまえば首を捻らざるを得ないのですが。
だって下にはウォーロックのシルドが待ち構えているわけですし。
他の犠牲者は皆即死またはたとえ生き残っていたとしてもシルドの快楽殺人の手にかかってしまうわけですし。
Rioが落とし穴に引っかかれば違った展開があっておもしろいことになったのにと後悔しきりなのですが、今回はRioの辿ったルートを忠実に再現してみました。

バロス=クル著の“ジール城の恐怖”は戯曲風味の書物です。
分類といたしましてはミステリーホラーという感じです。
途中辺りから最後に至るまでドラマチックでどんでん返しもあり展開もスピーディですばらしいのですが、凄惨な部分もありますので読書には注意が必要です。

次回Skyrimは盗賊ギルドサブクエスト『草の根分けても⑤』サンダーストーン渓谷編をお送りいたします。
ネタバレ・妄想・創作は例によって例のごとく含まれると思いますので、その辺りはすでに諦めの境地にある皆様のお越しを心よりお待ちしております。

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Skyrim・草の根分けても③ユングビルド編&アロンディルの日記を回収する((((;´・ω・`)))

1日目
スカイリムの北岸から離れた洞窟を見つけた。
ユングビルドの遺跡には、死体を蘇らせて使役する事について、さらに学ばなくてはならない材料があるはずだ。
ドーンスターの乙女が恋しくなるだろう。
あのような美しさは中毒になるところだった。
8日目
冷たい洞穴に多数の埋葬室を作っている。
女性の“被験者”を2~3体掘り起こした。
心が再びドーンスターの女性へ吸い寄せられているのに気づいて驚いた。
9日目
最初の実験は見事に成功した。
どの被験者も完全に服従する状態で蘇生した。
私が与えた仕事と思いつきにすべて従っている。
21日目
興味深い進歩だ。
衛兵たちが洞穴のそばで見つけた侵入者を私のもとに連れて来た。
最初は当然ながら憤慨した。
その侵入者がドーンスターからの乳搾りの女だと気づいたからだ。
彼女は町で1番目立つ娘達の足元にも及ばなかった。
私は彼女を二度とドーンスターに戻さないと決めた。
召使達はすぐに私の判決を執行した。
彼女の遺体は今私の隣にある。
おそらく今夜新鮮な材料を使って新しい実験に挑むだろう。
28日目
新しい実験は成功だ!
乳搾りの女は蘇り、私の命令に従うが、彼女は霊体となって甦り、生き返った死者というより亡霊のようだ。
指が彼女をかすめると他にはない感覚を感じた。
生身の女ではできない水準で私と繋がり、彼女の本質が私の魂に生気を与えているかのようだ。
35日目
ユングビルドの奥深く、最奥聖域を発見すれば、被験者を協力的な奴隷に変えるまでたくさんの新しい被験者を保管しておく部屋があるはずだ。
ドーンスターで暮らしていた時の空想を思い出す。
あれは将来の前兆だったのではないだろうか・・・

“アロンディルの日記・第1部~第4部”より抜粋



本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

ネタバレ・妄想・創作を含みますので苦手な方はスルーお願いいたします。
カラー外部分はほぼ創作となっておりますので、クエストの流れだけを知りたい方はカラー部分のみご覧くださいませ。



盗賊ギルドサブクエスト『草の根分けても③』ユングビルド編

24個すべて揃えば高値で売れるはずのバレンジアの石。
バレンジア女王の儀式用王冠をかつては彩っていたという珍しい宝石を求めて東へ西へ。
Rioの旅は続くのです。
「ところで今日はどこに探索に行く予定なんだ?」
ドーンスターのウィンドピークで一晩ゆっくり休んだRioとアシス。
焼きたてのチーズパンにミートパイ、ミネストローネにじゃがいもサラダ、スイートロールにスノーベリーティーなどをお腹と昼食用に分け手際よく荷に詰め込むと、その足で消費した薬や錬金素材の買い足しに錬金術店乳鉢と乳棒へと足を運びます。
もう4ヶ月以上も前になるだろうか。
乳鉢と乳棒の主フリダの亡くなった夫の形見である指輪を探しにヒルグランドの墓を訪れたのは。
その時の恩をフリダは今も忘れてはおらず、Rioが店の扉をくぐる度に、にこやかな笑顔で迎え入れてくれるのでした。
「ちょっと錬金のために器具を使わせてもらってもいいかしら|ω・)?」
遠慮がちに錬金器具の使用許可を求めるRioに、店主の老夫人はもちろん好きなだけ使っておいきとうなずきます。
ジェニパーベリー入りの香油を作ってみたからサンプルをお前さんにもあげようだとか、宮廷魔術師のマデナは最近錬金術にも凝っていて特に回復薬の研究に余念がないだとか。
最近のドーンスター事情を語り終えると、どれハーブティでもご馳走しようかねと朗らかな独り言を残し、フリダはいそいそと店の奥に姿を消してしまいました。
旅のお仲間と相談事でもあるようだから少し席を外しておこうという老婦人の心配りのようです。
フリダが店の奥に姿を消すと同時に今後の予定についてRioとアシスは相談を詰め始めました。
「次の目的地はドーンスター東の離れ小島にあるユングビルドよ(*・ω・)つ カイフクヤク モスコシ ツクッテオコウカナ」
店内に設置された錬金器具を使いこなすRioは冒険の途中で仕入れた小麦やブリスターワート、山の青い花や焼け焦げたスキーヴァーの皮などから体力回復薬を作ってはアシスに手渡してゆきます。
「こうやって薬も手作りすれば必要経費が随分浮くのよ 余剰を売ればかなりの儲けにもなるわ(〃▽〃)」
「ほう では俺も錬金術を学んでみるか」
余剰を売れば儲けになるという導き手の説明に興味をそそられ。
ぼんやり錬金作業を眺めていたアシスは俄然赤い瞳を輝かせて身を乗り出し始めました。
モロウウィンドからの避難民であるアシスにはスカイリムにおいて頼れる親戚も後ろ盾もなく。
すべて己の力で一から築き上げるしか生きる術はなかったのです。
商才もなく魔術を学んだわけでもなく。
唯一の取り得と言えば片手武器に秀でていることくらいで。
その取り得すら他の同胞団員の前にあっては霞んでしまうという情けない状況に、最近はアシス自身悩み、溜息をつくことも多くなっていたのでした。
名誉と栄光を重んじる同胞団にあって利益ばかりに目がいくのも考え物だ。
どこからかヴィルカスの怒号が聞こえたような気もしますが。
「きっと空耳ね(〃▽〃;)」
自らの妄想を振り払おうとRioはフルフルと頭を振りました。
(お金儲けのために戦うのだって立派な理由だもの)
怪訝な顔でこちらを凝視する現在の盾の兄であるアシスに回復薬のレシピを差し出し、アシスも作ってみたらと促します。
真面目な顔で乳鉢と乳棒を握り締め、錬金器具に向かうアシスは慣れない手つきでゴリゴリと素材を擂りつぶし始めました。
「しかしバレンジアの石についての情報はリフテンの盗賊ギルド連中から聞き出したんだろう? 導き手もけっこう顔が広いんだな」
「その代わり今回向かうユングビルドについては情報提供者から交換条件を持ち出されているの」
話のはずむ盾の兄妹をいれたてのハーブティを手に物陰から覗き込んでは微笑むフリダなのです。


盗賊ギルドサブクエスト『アロンディルの日記を回収する』

ユングビルドというドーンスター北の洞窟にバレンジアの石があるかもしれない。
この情報を教えてくれたのはラグド・フラゴンでバーテンダーを勤めるヴェケルで、彼は情報を教える代わりにひとつ頼まれごとをしてくれないかとRioに持ちかけました。
「変わった本を探している客がいてな」
「変わった本(゚ー゚*?)」
「何と言うか文学的にかなり妙な嗜好を持った依頼主でな」
ヴェケルの言葉にRioは首をかしげます。
「具体的にはアロンディルっていう死霊術師が記したとされる日記を欲しがっている 非常に手に入れにくいものらしい 客は結構な報酬を出すと言っているから山分けにするが どうだ?」
「ふぅん おもしろそうね いいわ情報ももらったことだしバレンジアの石を探すついでにその日記とやらも探してみる(〃▽〃)」
そうこなくちゃなとヴェケルもニヤリと笑みを返しました。
アロンディルが消息を絶った場所はドーンスターの東の小島辺りということで。
それなら潜伏場所はユングビルドが怪しいのではないかと推測されたわけです。
Rioの回想を交えての説明に相槌をうつアシスは、海岸線沿いに行った方が早そうだと忌憚ない意見を述べます。

ユングビルドの洞窟は小島の遺跡と積雪に埋もれるようにしてありました。
慎重に行くぞと呼びかけるアシスにうなずくRioなのです。
すでに導き手の流儀に慣れたアシスは洞窟に入る以前から隠密体勢を取り、手に馴染んできたゴールドール・ブラックブレイドの柄に右手を添えます。
ドラウグル・スカージを倒し一面雪に覆われた広い空洞を進んで行くと左に折れた突き当たりに下降するスロープを発見です。
スロープから氷柱だらけの通路を更に行くと三叉路に到着しました。
「左から調べてみましょうか(*・ω・)つ」
確認の言葉を受けるアシスから任せると短い返事が返ります。
ドラウグル・スカージに青く漂う霊体との激しい戦いの後、Rioはテーブルの上にある一冊の本に気づきました。
本かと思ったそれはヴェケルから指示のあったアロンディルの日記のようで。
「第1部なら他にも日記があるのかしら(゚ー゚*?)」
そうつぶやきつつRioは内容に目を通してゆきます。
その日記にはアロンディルがドーンスターのとある美しい女性を想いを抱きつつ、ユングビルドの洞窟で死霊術に明け暮れるまでの経緯が記されていました。
「生きた女を想いながら死体を漁るなんて気味の悪い奴だなアロンディルってのは さっきの霊体もこの死霊術師の仕業か? さっさと他の日記を探してこんな場所とはおさらばしちまおう」
率直な感想を綴り身震いするとアシスは先を促しました。
三叉路まで戻り今度は右の道を選びます。
道中のドラウグルらを倒し奥を目指すと再び三叉路に辿り着きました。
今度もまずは左から調べてみようとRioが足を踏み出した途端、後方に続くアシスが引き止めました。
「ちょっと待ってくれ導き手 右の通路に青い霊体が見えたような気がする 罠かもしれないが」
先に右奥を調査してみないかとのアシスの提案に応じ、Rioもくるりと進路を変更します。
通路に一定の間隔を置いて灯される松明と雪明りで道を見失うことはないものの、氷室に閉じ込められているような冷気が常に二人を取り巻き、寒さにさほど強くもないダンマーのアシスは時に咳込んだり鼻をすすったり、遂には柄から手を離し、かじかんだ指先に息を吹きかけます。
下へと続く雪のスロープの途中にドラウグルを発見したRioは隠密からの不意撃ちを成功させ辺りを覗いました。
(下が本道っぽいけど上も気になるわね|ω・))
凍死しちまいそうだと泣き言をもらす盾の兄をスロープ入り口で待機させ、“旋風の疾走”にて途切れた石橋を渡るRioは手際良く上層部の確認を行います。
宝箱の中にバレンジアの石らしき宝石がないことを確かめると、途切れた石橋の端から下へ跳躍を試み。
それから白い息を吐きつつ合流を図るアシスにバレンジアの石は見つからなかったとRioは首を横に振りました。
雪を踏みしだき進んだ先でまたも青白い霊体からの攻撃を受けます。
霊体にも物理的な攻撃が可能という摩訶不思議な現象に驚きながらも盾の兄妹は連携技で霊を下してゆきました。
霊体が守護していた粗末なテーブルの上にアロンディルの日記第2部を発見し、一通り目を通すとRioは更に奥を目指します。
すぐ後ろから追従するアシスのカチカチと鳴る歯の音から察しても探索に許された猶予はさほどないものと思われました。
行く手を阻むドラウグルらを一掃するアシスが、戦っている方が暖かいなどと感想をもらします。
「少なくとも身体を動かしている間だけは一時でもこのひどい寒さを忘れられる」
だがせめて暖を取れる囲炉裏や焚き火でもないものかと。
紫色になりかけた唇で愚痴をこぼす盾の兄をRioも灯火魔法で明かりを灯しつつ励まします。
アシスの体調を気遣い分岐ごとに振り返るRioにアシスが短い警鐘を鳴らします。
「導き手 前だ!」
アシスが叫ぶと同時にRioの身体に氷魔法が炸裂し、まるで雪つぶてが身体を貫通したかのような錯覚に陥ります。
Rioに攻撃を仕掛けてきたのは生身の肉体を持たない青白い霊体でした。
アロンディルの日記の第2部には死霊術を研究していた彼がユングビルドで遺体を掘り起こし、蘇生し、彼の意のままに服従させることに成功したと記されていた。
(もしやこの青白い霊体達がその成れの果て?)
不吉な予感に苛まれつつもRioはアシスの助けを借りて何とか霊体を撃ち砕き、傍らのテーブルから3冊目となるアロンディルの日記を入手しました。
第3部と銘打たれた日記にはドーンスターから迷い込んだ乳搾りの女性に手にかけたアロンディルの心理が綴られていました。
最早遺体では飽き足らなくなったアロンディルが生きた女性を殺め従属させることに快感を覚えている様がありありと描写されています。
「正真正銘のキチガイだな」
Rioの背後から日記を垣間見るアシスが吐き捨てるように感想を唱え。
怒りからなのかそれとも単に寒さからなのか。
震える肩をそびやかせ、つかつかと先行し始めました。

3冊目のアロンディルの日記のあったテーブルからほどなく右手通路の先に扉が待ち構えていました。
アシスに続き扉を通過するRioの背筋に得体の知れない冷たい感覚が過ります。
新しい獲物。
新しい遺体。
おいで、もうすぐだ!
ユングビルドの玉座の間では何やらぶつぶつと独り言をつぶやく男の姿がありました。
弓を引き絞りかけたRioの傍らで、戦いに備え中腰で待機していたアシスがくしゃみを発してしまいました。
「誰だ!?」
不審者の位置を特定したアロンディルがアイスストームを連呼し応戦してきます。
氷の魔法を操りながら挑みかかってくるアロンディルに弓を大剣に替えRioも接近戦へと移行してゆきます。
ヘルムの狭間からもれる吐息や甲冑から漂う気配からRioが女であることを察してアロンディルはほくそ笑みました。
「ほお・・・女戦士か 勇ましいな 氷漬けにして私のコレクションに加えてやろう その肌も唇も煌く瞳も生きている頃のまま氷室に保存してやろう そして魂の抜けた亡骸をずっとかわいがってやろう」
「ほざけ! この狂人ウィザードが!」
アロンディルの下卑た笑いを撃ち砕くべくアシスも渾身の力を込めて横合いから斬りかかります。
勝負は長くは続かず。
盾の兄妹の猛攻撃を浴びて窮地に追い詰められたアロンディルはやがて踵を返し逃げ惑い始めました。
助けてくれと台座に据えられた魂石に手を伸ばすも死霊術師の願い虚しく、狂気に輝く瞳は目覚めることのない深い闇に堕ちてゆきました。
死霊術師の敗因は殊更女に執着し過ぎたことでした。
冷気に対して高い抵抗力を持つノルド種のRioにアイスストームを連射することなく、寒さに弱いダークエルフのアシスを先に氷漬けにしようと試みさえしていれば、わずかなりとも勝機を得られたのかもしれません。
憐憫の感情すら湧かない死霊術師の死体に一瞥をくれて。
Rioとアシスは早々にこの場を立ち去ろうと目的の品の物色に取り掛かりました。
「このホールにはアロンディルの日記もバレンジアの石もないみたい」
ため息をつくRioに一足先に奥のフロアの調査に乗り出したアシスが呼びかけます。
「おい導き手 こっちだ!」
アシスの声に惹かれてRioが奥へと足を運んで行くと、そこにはバレンジアの石、アロンディルの最後の日記、そして未だ主の死を知らぬ霊体がベッドに横たわっていました。
山の花が散らされたベッドの様子から意外にもアロンディルがロマンチストであることが伺えました。
脱出路の途中にある東の小部屋にはブレトン、レッドガード、ノルド女性の遺体が横たわり、躯は死霊術師によって大切に保管されていたようです。
生身の身体と心を持つ女性によって愛されることのなかったアロンディル。
彼は生命と心を奪い去り、死体や霊体など隷属状態にしてようやく女性と触れ合えたということなのでしょう。
「それにしてもアロンディルっていう死霊術師はとんでもない奴だったな こっちも早く嫁さんをもらわないとまずいって焦らされたよ キチガイ死霊術師のように心が病んで捻じ曲がっちまう前にさ」
「その前にまずは恋人を見つけなくちゃね(〃▽〃)b」
耳に痛い導き手の忠告を受けながらアシスも違いないと頭をかいて、それから朗らかな笑い声を響かせました。



以上で盗賊ギルドサブクエスト『草の根分けても③』ユングビルド編&『アロンディルの日記を回収する』終幕となります。

今回の『アロンディルの日記を回収する』で向かった先ユングビルドは一度日記を回収してしまうとアロンディル共々二度とリポップの叶わない場所だったようです。
RioもRe○mもすでになんらかのクエストでユングビルドをクリアしてしまっていたようで、あたかも始めて足を踏み入れたようにストーリーでは描かれておりますが、実はすべて何も残っていない洞窟内を眺めながら小桜が乏しい想像力を駆使して何とかお話に仕立て上げたいう代物であります。
本来のクエストで体験する流れとは異なる部分や端折られた部分が多々あるかと思われますが、どうかご容赦くださいませ。

ちなみにこのユングビルドは同胞団クエストの『スカイリムを襲う苦難』もしくはウィンターホールド大学クエスト『オンマンドの要求』もしくはウィンターホールドクエストの『ウィンターホールドの兜をユングビルドの中で見つける』他、今回の盗賊ギルドサブクエスト『アロンディルの日記を回収する』及び同じく盗賊ギルドサブクエスト『草の根分けても』など多岐に渡り関わりを持つ可能性のある場所なのです。
ブログ内のクエスト関連箇所における探索指定はSkyrim⑤盗賊ギルド復興クエスト他でアップした同胞団クエスト『スカイリムを襲う苦難』ではヴァルトヘイム・タワーが舞台となり、Skyrim⑨ウィンターホールド大学クエスト『オンマンドの要求』ではブリトルシン峠でした。
上記の結果、
今回訪れるまでRioは足を踏み入れていないという設定で正しかったようで、物語的には矛盾はなくセーフといったところでしょうか。
ウィンターホールドクエストの『ウィンターホールドの兜を○○で見つける』はいずれ別のダンジョンを舞台にして書いてみたいと思っております。

次回Skyrimは盗賊ギルドサブクエスト『草の根分けても④』ランヴェイグのファースト編をお送りする予定です。
ネタバレ・妄想・創作など多々混在すると思いますが、「とりあえず見てやろう(`・ω・´)」とおっしゃる皆様のお越しを心よりお待ちしております。

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Skyrim・草の根分けても②アンシルヴァンド編(´・ω・`)

鷲が伴侶を見いだすようにフョリもホルゲールを見いだし、森の諸部族に平和が訪れた。
蛇がホルゲールにかみつき、毒が傷深くに染み込んだ。
雪で覆われた山を越えた先の海岸で、鯨がフョリの前に現れて挨拶をした。
ホルゲールにはソブンガルデの風の匂いがしたが、彼女が霊薬を与えるとすぐに治った。
しかしフョリが最後の一滴をホルゲールの口に注いだ時、蛇が彼女にかみついた。
彼女は間もなく先祖のもとへと逝った。
ホルゲールの悲しみはとても深く、墓を作り上げるとともに、彼女との再会を願って自ら命を絶った。

“フョリとホルゲール”より抜粋



本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

ネタバレ・妄想・創作を含みますので、クエストの流れを知りたい方はカラー部分のみをご覧いただけますなら幸です。
NPCの台詞のほとんどが創作となっておりますので、正確な台詞が知りたい方はゲーム内にて実際のプレイでご確認くださいますようお願い申し上げます。



盗賊ギルドサブクエスト『草の根分けても②』アンシルヴァンド編

バレンジアの石を求めてRioとアシスが向かった先はリフテンの北部アンシルヴァンドでした。
アンシルヴァンドへと続く山道を登って行くと突如コンジュラーから攻撃を受けました。
チェインライトニングを多用してくるコンジュラーを追い詰めグレートソードで仕留めた後、辺りを見回してみると小テーブルの傍らに読みかけらしい“フョリとホルゲール”という冊子を見つけました。
(襲い掛かってきた女性コンジュラーの愛読書かしら|ω・)?)
それはフョリという狩人の女性とホルゲールという戦士との恋愛物語のようでした。
フョリとホルゲールはお互いに武器を交え戦う内に恋に落ちます。
お互いをかけがえのない伴侶と認め合った二人が幸せな生活を送るある日、とんでもない悲運に見舞われました。
ホルゲールが蛇にかまれその毒に冒されてしまったのです。
フョリは夫を救うためアカヴィル大陸にまで解毒剤を求めさすらいます。
やっとのことで手に入れた解毒剤がホルゲールに効き始めたところで、今度はフョリが蛇毒に噛まれ倒れてしまいます。
ホルゲールの献身虚しく最愛の妻は死出の旅路につきます。
フョリの後を追うようにホルゲールもまた生命を絶つのでした。
「何を涙ぐんでいるんだ?」
「だってフョリもホルゲールもかわいそうで(´;ω;`) ヒトゴトトハ オモエナイ」
手渡された本に目を通し、アシスは率直な感想を述べました。
「恋に堕ちる気持ちはわからなくもないが そもそも死んだ女を追って自殺するという行為が理解できないな」
そんなことをしていたらダンマーなどは子孫を残す前に絶滅の危機に瀕してしまうとアシスは冷静な見解を綴ります。
千年以上の寿命を持つエルフ族にとって100年に足らない、ましてやその半分の年月も生きていないであろう伴侶を例えどれほど愛していたとて後追い自殺することなどは考えられないと、ため息をつき、未だ涙目の寿命の短い種族である導き手をやや哀れみの籠もった眼差しで見つめます。
そしてアシスはとりあえず先に進んでみようとアンシルヴァンドの穴倉へと視線を馳せました。

穴倉に足を踏み込み少し進んだところでドラウグル・デス・ロードの巡回を発見です。
巡回経路は確認できたものの狙撃するには欄干が邪魔で。
試しにと撃ち込んだ矢羽は手すりによってことごとく跳ね返されてしまいます。
仕方なく接近戦を挑もうとグレートソードの柄に手をかけ前進して行くRioに倣い、アシスもクロスボウを手に後を追います。
年季の入った板で組まれたスロープ状の通路を上るとドラウグル・デス・ロードと鉢合わせしてしまいました。
移動と共に引き絞っておいた矢をRioはドラウグルの頭蓋に叩き込みます。
しかしほんのわずかしかダメージを負った様子のないドラウグル・デス・ロードはすぐさまRioの位置を把握すると反撃に転じました。
(硬いし痛い!)
鋭い一撃を受け思わず飛びずさるRioの背後で軌道を確保するアシスもクロスボウでの援護射撃を行います。
未だ恐れが先に立つのか。
間近に迫るドラウグルにアシスは接近戦を挑めないでいるようでした。
盾の兄妹二人とドラウグル・デス・ロードの戦いは数の有利により辛くもRioとアシスの勝利に終わりました。
けれどもアシスがこれまでの戦い同様、己の中の恐怖に打ち克てないでいる限り、窮地はいずれまた近い将来訪れることでしょう。
こればっかりはアシスが自分自身で克服するしかない試練だと。
Rioはちらりと後方で手持ち無沙汰にRioより贈られた片手剣ゴールドール・ブラックブレイドをいじるアシスを見遣り。
それから進行方向に向き直ると再び前進を開始しました。
スロープ下の脇道の突き当たりは行き止まりとなっており、うろつくドラウグル・ウォーカーに引導を渡したRioは辺りに敵がいないことを確かめ、加えて隠し通路の類もないことも確認して先にいた部屋へと引き返します。
左に下降するスロープを抜けて進んで行くと前方でかすかな金属音が聞こえてきました。
(鉱物を掘っている音にしては奇妙ね(-ω-;))
古びた木造の壁で仕切られた通路を抜けると、そこには背を向けて粗末なイスに腰掛ける死霊術師と死霊術師と徒党を組むドラウグル2体の姿が見受けられました。
カチャカチャと鳴り響いていた金属音はドラウグル・ワイトが剣の素振りをしていた音のようで。
すかさず引き絞った弓からRioは最初の一矢を仕掛けます。
死霊術師の脳天を鏃が貫通すると共に異常を察知したドラウグルが浮き足立ちました。
(ドラウグル達が倒れる気配がないってことは死霊術師に操られているわけではないのね(`・ω・´;))
術者を倒せばもしかするとドラウグルらも崩折れるかもしれないというRioの目論見は見事に外されました。
まだ完全にこちらの位置は見破られてはいない。
この利点を生かし、もう一度不意討ちを狙おうと通路に退いたRioの横合いから無謀にもアシスが躍り出ます。
そこにいたのかと殺到するドラウグル・ワイトとドラウグル・デス・ロード。
不意討ちからの攻撃を諦めてデス・ロードから発される揺ぎ無き力を流れるステップで避けながら敵の攻撃を掻い潜り、Rioはアシスの対面へと滑り込みました。
「遠隔武器では力負けしてしまうわ 剣と盾を利用して!」
相変わらず腰が引けた様子で接近されて尚クロスボウに執着する盾の兄アシスに、Rioは警鐘を鳴らします。
手際良くワイトを討ち倒したRioがドラウグル・デス・ロードの注意を惹いたところで、ようやく冷静さを取り戻したアシスがゴールドール・ブラックブレイドと盾に持ち替えました。
揺ぎ無き力をまともに浴びぬよう攻撃しては離れるを繰り返すRio。
敵を前後に挟むようにして戦うアシスにドラウグル・デス・ロードの注意が向かうや、Rioは溜めたグレートソードの一撃をドラウグルに放ち麻痺を発動させました。
斬りかかっては盾で身を隠していたアシスはこの時とばかりにラッシュを仕掛けます。
盾の兄妹、二人同時の猛攻撃を受けては極めて強靭なドラウグル・デス・ロードの生命ももたず、遂には地に伏し永久の眠りに就きました。
とはいえ残党がまだ残っていたようで。
デス・ロードから受けた傷を癒す間もなく、大冷術師に彼の弟子らしき魔術師、ドラウグル・スカージらが間断なく押し寄せます。
アシスが標的に選んだ敵に集中攻撃を加え何とか勝利をもぎとるも、静寂が訪れる頃には返り血だけではない自らの血に塗れる盾の兄妹の姿がありました。
荒く肩で息をつき石壁にもたれる二人に到底余裕というものは感じられませんでした。
治癒魔法で傷口は塞げても貧血による衰弱と体力の消耗は防げず。
Rioとアシスは小休止を挟みます。
それでも腰が引けていた先刻のデス・ロードとの戦いに比べ、今回の乱戦においてのアシスの動きは格段に良く。
考える暇も与えられないほどの怒涛の追撃が返って盾の兄に戦う姿勢と覚悟を決めさせたようでした。
悪くない戦いだったよと回復魔法の狭間で声をかけるRioを見つめるアシスの赤い瞳が見開かれます。
思いもかけない賞賛を得たと。
いつしかアシスは疲労の滲む顔に笑みを浮かべていました。

蛇行する通路向こうの加圧式トラップを踏み抜かないよう狭い部屋の端を通り抜け、辿り着いた先は上層部に跳ね橋のある比較的広い吹き抜けのホールでした。
ホールに人影はなく、バレンジアの石らしき宝石も見当たりません。
奥からはカシャンカシャンという金属音が響いてきます。
このまま先に進みましょうと。
アシスに合図を送るとRioはステルス状態を保ったまま前進を開始しました。
設置されたトゲ付の鉄球を注意深く避けて次なる部屋に入り込んだ途端、どこからか侵入者をたしなめる女の声が聞こえてきました。
「私はルア・アル・スカベン 私の邪魔をするとは何者ですか? 立ち去りなさい さもなくば死者の列に加わっていただきます!」
辺りを見回してみたところで人影もなく。
幻聴かと思いアシスを振り返ると、冷や汗の滲む盾の兄は幻聴などではないと首を横に振りました。
大きな篝火の焚かれた小部屋を急ぎ足で抜け探索を続けていると、錬金台の見え隠れする部屋から魔術師らしき2人の女性と1人の男性の声がもれ聞こえてきました。
「死んだ兵士の事をあんなに心配して ルアって優しいのね」
(ルア・・・? さっきの姿の見えない声の女主の名前がルア・アル・スカベン。ルアだったわよね(`・ω・´;))
「ああ しかしドラウグルを育てて帝国軍やストームクロークと戦わせる? それはまたとんでもないな」
「そうだけど彼女に面と向かって反対する気はないわ」
どうやらルア・アル・スカベンはここでドラウグルを手懐け帝国とストームクローク双方に殴りこみをかける計画を企てているようです。
必要な情報の入手を終えるとRioは十分に引き絞っておいた矢羽をわずかな隙間から手前に座す女魔術師の頭部目がけて射放ちました。
仲間が殺され色めき立つ2人の魔術師。
視界を過る男の心臓へ第二の矢を撃ち込んだRioは迫り来る最後の1人に向かって第三の矢を叩き込みます。
至近距離から発射された鏃は魔法詠唱に入った魔術師の眉間を的確に捉え。
煌く青白い軌跡と共に静寂へと葬り去りました。
「出番なしか」
複雑な表情を浮かべるアシスに力は温存しておいてと告げ、Rioは更に奥へと足を運びます。
「墓より蘇り この虫けらどもを叩き潰せ!」
先ほど篝火の焚かれた部屋で聞いた声音が辺りに響き渡り、立ちこめる青紫色の霧の中から4体のドラウグルが現れました。
絶句するアシスの眼前で次々に番えた矢を解き放つRio。
そして見る間に4体のドラウグルは殲滅され、何事もなかったかのように辺りは再び静けさを取り戻しました。
もしかすると同胞団は今、歴代のどの使い手よりも弓術に優れた導き手に率いられているのではないだろうか。
アシスはほぅっと感嘆のため息をついてみせます。
後日、同胞団に戻ったアシスがギャロウズ・ロックとアンシルヴァンドでの導き手の弓術が狩猟の神ハーシーンもかくやというほどの腕前であったと熱弁するのを、ヴィルカスをはじめ同胞団メンバーが一笑に付すのはまた別のお話。

次なる小部屋にも人気はなく、ただ不気味な薄紫色の煙が立ちこめているだけでした。
部屋を横切り左手に設置されたスロープから階上に上がろうとしたRioは突如床が天井に向かって動き出すのに気づき、慌てて飛び降りました。
見上げた天井にはどす黒く錆付いた幾本もの鋭いトゲの切っ先が並び、せり上がって来た生贄を串刺しにしてやろうと待ち構えています。
背筋が寒くなるのを感じて。
Rioは中央を迂回し左端から木製のスロープへと移動を遂げます。
途中、炎をまとった程度ではびくともしないドラウグル・デス・ロードとの斬り合いを経て、炎の精霊が階上で揺れるホールに辿り着きました。
手前のロープトラップを解除し階下を見渡すと、左奥にはドラウグル・デス・ロードの姿も見られます。
精霊よりもデス・ロードの方が御し難いと判断したRioは不意討ちをまずはデス・ロードに仕掛けることにしました。
クリティカルヒットした矢の威力によりデス・ロードの生命は風前の灯となり、続く矢羽が硬い頭蓋を貫通すると四肢もまた砕け散りました。
続く炎の精霊も一矢にて仕留め、チェインライトニングを唱える魔術師にはアシス共々遠隔攻撃を用いて反撃に出ます。
敵を殲滅し調査を試みたところRioは幾つかの不審な点に気づきました。
後方に伸びる細い石橋の先の鉄格子を解く方法は見当たらず。
途中の加圧式トラップを踏み抜けば火炎放射の的となる。
左から上がる小さなスロープの先には4つの絵合わせを促す装置が設置され。
中央にはレバー。
壁に面した位置に据えられた小さなテーブルには“フョリとホルゲール”及び“ル・アハの日記”が放り出され。
日記には25年もの間、夫の死を悲しみ夫を死に追いやった帝国に復讐する機会を伺っていたと記されていました。
ル・アハは恐らくルア・アル・スカベンのことではないかとRioは想像を巡らします。
夫を殺されたという理由から帝国への恨みは激しく。
同様にハンマーフェルに援軍を差し向けてくれなかったストームクロークに対する憎しみも吐露されています。
帝国もストームクロークもどちらも滅びてしまえばいい。
ル・アハはそう願っていたようです。
自らをフョリになぞり、夫をホルゲールになぞってしたためられた日記に希望はなく。
憎悪と悲哀だけが綴られていました。
「上の絵合わせの答えはわかったのか?」
“ル・アハの日記”を穴が開くほど見つめるアシスはどの辺りが絵合わせのヒントなのかと首を捻ります。
「日記にヒントはないわ たぶん鍵になるのは“フョリとホルゲールよ」
そう告げるとRioは悲しい恋物語をアシスの手に委ね、上の階に続くスロープへと歩を移します。
「鷲が伴侶を見い出すように つまり一つ目は鷲よ(*・ω・)つ」
次に出て来た生物はなんだったかしらと階上から微笑む導き手にアシスは、
「蛇だ! 蛇にホルゲールが噛まれたんだ!」
と返します。
「解毒剤を求めてさすらうフョリに鯨が挨拶し」
「最後にはまた蛇の毒によってフョリはこの世を去った」
Rioが3番目の絵を鯨に合わせると同時に4番目の絵をアシスが蛇に切り替え、絵合わせは完了しました。
絵の組み合わせが失敗すれば道が開かれないばかりか壁に仕込まれた罠が発動するはずよと。
テーブル向こうの壁に穿たれた幾つもの穴にRioは視線を奔らせます。
けれどもRioの顔に不安の色はなく、レバーの取っ手を掴むと力強く手前に引き寄せました。

解除された鉄格子を抜け一面に敷き詰められた加圧式の罠を慎重に避けて進んで行った先に宝箱が封印された扉を発見です。
すでにマスタークラスの開錠能力を有するRioは器用に指先を動かし鍵を外すと、しなやかな所作で中に入り込みました。
宝箱の上にぶら下がる鎖を引いてみても何かが変わるということもなく。
とりあえずは中身を洗いざらいいただいて順路に戻るRioなのです。
細心の注意を払い後方に続くアシスにトラップ設置箇所についての警告を発します。
とはいえ羽根の歩みを持たないアシス。
ついうっかり踏み出した一歩が災いし、斧の刃を持つ振り子が一斉に稼動し始めました。
身体を切り裂かれ呻き声を上げるRioにアシスがすまないと焦燥の入り混じった謝罪を口にします。
呻き声に反応したのか、はたまたアシスの声を聞きつけたか。
血の滲む二の腕を押さえ前方を見遣ると細い通路の先に3体のドラウグルが蠢いていました。
「アシス 動かないで」
そう警鐘を鳴らし、Rioは引き絞った矢を一番手前のドラウグル目がけて射放ちました。
すると残るドラウグル2体が振り子の斧が行き交う細い通路目がけて殺到します。
アンシルヴァンドの主が仕掛けた罠を逆利用し、突進をやめないドラウグルらに引導を渡した後、Rioはサイレントロールを駆使して振り子の罠を通過します。
隠密のスキルを持たないアシスが負傷を負いながらも何とか通路を抜けた地点で、Rioは治癒の魔法を唱え盾の兄の傷を癒しにかかりました。
「お礼は期待するなよ」
照れくさそうにつぶやくアシスに、期待しちゃうなぁとRioは茶目っ気たっぷりに返します。
左の台座に置かれた本を手に取ればトラップが発動しそう。
そんな嫌な予感に襲われたとしても試さないわけにはいかない。
Rioは台座の上へと手を伸ばします。
カラカラという音と共に案の定、毒矢がRioに向かって解き放たれました。
危険を承知で敢えて罠に手を出すのは導き手が常にスリルを求めている所為なのかと真面目な顔つきで問うアシスに、性分なのと。
でも毒には耐性あるから大丈夫などとRioは胸を張って応えます。
毒には耐性があるという部分に反応を示したアシスは、
「ああ それで自分自身で作った料理で中毒を起こしたことがなかったのか」
ひらめいたと手を打ち、正論ながらも勇気ある一言をRioに投げかけました。
以降、アシスがRioの手料理に対する専属毒見役・・・もとい味見役に抜擢されたとかされないとか。
ファルメルの次に毒による人災に見舞われるのはダンマーかもしれない。
いや後世ダンマーは毒への耐性まで高まった優秀なエルフ種となってタムリエルに君臨するかもしれない。
アシスがこのような手記をしたためるほど長生きできたことは確かなようです。

トラップ満載の通路を抜け、台座の本を入手したRioはその先に安置された4つの棺を凝視しました。
そして左手スロープから隠密で上層部の構造を確かめると、至るところに達人級の施錠がなされていることに気づきました。
幾つかの宝箱からポーションや金貨の回収を図りつつ敵がいないことを確認すると、Rioは階下に飛び降り棺の安置場所へと赴きました。
中央祭壇にアンシルヴァンドの鍵なるものを見つけたRioは後続するアシスに敵出現の可能性を告げ、右手はグレートソードの柄に手をかけ、左手で素早く鍵を掴み取ります。
予想は裏切られることはなく。
4つの棺は鈍い音を立てて開き、中から4体のドラウグル、そして周囲の棺からも複数のドラウグル・ワイト、スカージが出現しました。
「死んだ夫の恨みをはらしてやろう! さあドラウグルどもよ 愚かな侵入者を粉砕せしめよ!」
またもやアンシルヴァンドの女主の声が響き渡ります。
しかしここに至るまでに受けたドラウグルや魔術師らの強襲に慣らされたRioとアシスは怯むことなくルア・アル・スカベンの眷属に立ち向かいました。
盾の兄たるアシスは両手武器を持つ導き手を護るべく背中合わせとなるポジションを選び敵前に立ちはだかります。
ギャロウズ・ロックで恐れ慄き立ちすくむだけだった弱々しい戦士の面影はすっかり消え失せ。
ノルドのように強靭で逞しい身体は持ち得なくとも、日々鍛え上げてきた片手剣を自在に操るまごうことなき同胞団の戦士に成長した灰青色の肌を持つ男の姿がそこにありました。
「後ろの敵は任せるわ」
「ああ 今度は大丈夫だ 安心して背中を預けてくれ」
そう返事を返すと同時にアシスは地を蹴り、ドラウグルの攻撃を最大限利用したカウンター技をゴールドール・ブラックブレイドから繰り出しました。
敵のシャウトを他のドラウグルを壁にして防ぎ、一体また一体と斬り捨てる内に気づけば屹立するドラウグルの姿はすべて消え失せていました。
「こいつらを俺が・・・いや俺達が倒したのか?」
荒く息をつき周囲を見回すアシスに、サークルメンバーの誰にも劣らぬ勇猛果敢な戦いぶりだったとRioも手放しで褒め称えます。
導き手から発される癒しの魔法を受けながらアシスはギャロウズ・ロックで流したものとは異なる性質の涙を双眸に浮かべていました。

手にしたアンシルヴァンドの鍵を携えて。
上層部から更に奥へと進んで行くとコンジュラーの巡回する水場に辿り着きました。
コンジュラーを弓で仕留め、右に伸びるスロープを上り細い石橋を越え進んで行くとドラウグル・デス・ロードが行く手を阻みます。
足元を見れば加圧式トラップが細い通路を占め、逃げ場は見当たりません。
ままよと。
辛うじて不意討ち可能な間合いから一の矢を射込んで、Rioは第二の矢を番えました。
“Fus Ro Dah”
デス・ロードから揺ぎ無き力が発され、篝火がクッションの役割をしていなければ間違いなく落下死を遂げるところだったとRioは蒼褪めます。
「どいてくれ導き手 俺が先行しよう」
焦りの色を隠せないアシスに、大丈夫だからシャウトのかからない位置を保ってと即答し、Rioは第三の矢を引き絞りました。
細い石橋には足元に見える加圧式トラップの他にもう2ヶ所罠が設置されてあったようで。
トラップなどものともせず大剣を振り上げ走り込んでくるデス・ロードの身体は燃え盛る炎に包まれました。
振り被る敵の大剣がRioの脳天に振り下ろされようとしたまさにその時、Rioの足元に設置されていた3つ目のトラップをデス・ロードが踏み抜きました。
トラップ発動により左手から発射された巨大な羽目板が振り子のように勢いよく右手に振り切られ。
呆気にとられるRioの眼前からデス・ロードの姿は消失しました。
目の前から敵が消え去って間もなく、右手下層域、落下したデス・ロードよりRioは揺ぎ無き力を浴びせかけられました。
直接斬り刻まれる恐怖はなくなったものの敵の発するシャウトによって落下させられる危険性は高まり。
即座に番えた鏃をデス・ロードの眉間目がけて解き放ちます。
風前の灯であったドラウグル・デス・ロードの生命はRioの放った第三の矢が致命傷となり再び動くことのない木偶と成り果てました。
石橋の端をすり抜け、あるいは跳び越えた先の死霊術師を不意討ちで倒したところで再びルア・アル・スカベンの声が木霊し渡ります。
「彼はもう生き返らない だけど軍をあげてこの汚辱に報いてやる!」
彼女の声を合図に4体のドラウグル・ウォーカー、ワイトなどが身をもたげ襲い掛かってきました。
Rioが1体を葬ったところでアシスが前方に躍り出て盾の妹を庇います。
「下がれ! 導き手よ あんたは後方からその弓で狙い撃ってくれ!」
幸いドラウグルらにRioの隠密は完全には解かれておらず。
盾の兄がくれたチャンスを生かし、Rioは隠密を利用した不意討ちを次々と成功させてゆくのでした。
「よし 何とかなったな」
アシスの戦技は一戦ごとに研ぎ澄まされ、動きの無駄も徐々に取り除かれていくようで。
実戦の中で成長してゆく手応えを本人も感じとっているのか。
深くうなずいてはダンマーの戦士は満足そうな笑みをこぼしました。

前方の床に不審な継ぎ目を見つけたRioははっと天井を振り仰ぎました。
見上げるRioの視界一面にどす黒いトゲの罠が広がります。
(そう何度も同じ手は食わないわよ(`・ω・´;))
中央を避けて通路の端を歩き始めたRioは正面に屹立するドラウグルの気配を感じ、ビクリと肩を揺らしました。
引き絞った矢をドラウグルの心臓に突き立てると次なる矢を番え右手に蠢くもう1体のドラウグルを撃ち抜きます。
それからほっと一息つきRioは歩を緩めました。
「油断するな」
一際大きな扉に禍々しさを感じ取ったアシスが思わず短い警告を発します。
扉を開け足を踏み入れるや否や聞き覚えのある声音がホールに響き渡りました。
「彼を蘇らせる前に身体を焼かれてしまった 私の手に戻るべき身体が・・・無意味な戦争を仕掛ける者は殺してやる! 誰にも邪魔はさせない!」
(ルア・アル・スカベン・・・いいえ ル・アハね)
既に引き絞られた弓を掲げるRioの挙動を見守るアシスには浮き足立った様子も戦功を急ぐ様も見受けられず。
盾の兄妹はここにきて互いを信頼し合う戦闘の形を確立したのでした。
渾身の一撃がRioの携え持つドラゴンの骨の弓から放たれ、ルア・アル・スカベンを名乗る女の心臓を貫きました。
彼女の傍らにて魂の束縛を受けていたに違いない二つの輝きは瞬きそして人型を形成してゆきます。
「ありがとう 私達を呪文から解放してくれて」
歩み寄るRioとアシスの脳裏に響く声の主は“フョリとホルゲール”に記されていた女主人公のフョリのようです。
「これでまた安らかに眠れる 愛するフョリ おいで」
妻フョリを抱き寄せるホルゲールの声もまた喜びに満ち溢れ。
「これを 感謝のしるしよ」
フョリはRioにゴーストブレードという剣を託すと夫ホルゲールの傍に駆け寄り、抱きあった青白い男女二対の幻影はひとつになって消え去りました。
祭壇の上にはバレンジアの石が煌き、元の王冠に戻される日を待ち焦がれているようでした。

アンシルヴァンドから抜け出すと漆黒の空にセクンダがぼんやりと雲居から顔を覗かせていました。
「死んだ女を追って自殺するなんて理解できないってアシス言ってたわよね?」
エルフ族は情に乏しいと非難でもするつもりなのかと。
身構えるアシスの赤い瞳に夜空を見上げる導き手の白い横顔が映りました。
「その通りだわ もしもあたしが死んだらヴィルカスに後を追ってほしいなんて思わない 残された者は生きて生きて生き抜いて」
そうして今度は自分の夢を叶えてほしい。
しばし躊躇を見せて。
不謹慎だがと前置きしてからアシスはRioに問いかけます。
「もしもあんたが早死したら ヴィルカスは次にまたあんたとは違う女を愛しても構わないというのか?」
構わないとRioは笑ってうなずきます。
「忘れられるのは少し寂しいけれど 新しい生きがいを見つけて 人生をまた共に笑って泣いて怒って歩める・・・幸せだと感じられるパートナーを見つけてくれるならその方がいいわ」
強がりで言ってるんじゃないのかと凝視するアシスの視界を占めるRioの表情に曇りや惑いはなく。
あどけなく笑う盾の妹を月がほのかに照らし出しました。


以上で盗賊ギルドサブクエスト『草の根分けても②』アンシルヴァンド編終了となります。

同胞団で盾の兄弟姉妹として一度も組んだことのなかった最後のメンバーがアシスだったのですが、今回彼といっしょに冒険ができてよかったです。
少しだけ「同胞団の導き手っぽいことがRioもできたかな(゚ー゚*?)」と自己満足ですが思ったり思わなかったり。
アシスの戦いを見ていると片手武器のトレーナーであるのにせっかく伝説級まで強化した片手武器を進んで使用せず、ようやく片手武器を手にしても盾でガードし続けるだけで攻撃を仕掛けなかったり、拾った未強化の黒檀の両手武器を振るってはほとんどダメージを与えられず逆に敵に穿たれて膝を付いたり、敵が接近戦範囲内に近づいても執拗に遠隔武器にこだわるなどかなり首を捻る戦闘シーンが繰り広げられます。
これらの現象は前々々回のギャロウズ・ロックにおいての戦いでも見受けられました。
同胞団を最初に訪れた際にアシスとンジャダが戦っているシーンに遭遇するのですが、十中八九アシスが負けてしまうという展開も上記のような状態を鑑みますと、偶然の結果ではなかったのかもしれないと変に納得させられます。
この辺りの設定もSkyrim、もしかするとTESシリーズすべてそうなのかもしれませんが、人物の書き分けや能力が繊細でプレイヤーの想像力が触発されるよう心配りが為されているのかもしれません。
もちろん単なるバグかもしれませんが(〃´・ω・`)ゞ
とはいえあまり強すぎるとサークルメンバーとの区別がつかなくなりますし。
この辺りの少し物足りない戦闘力の方が同胞団にもさまざまな熟練度の戦士がいるという臨場感もあっていいのかもしれませんね。

ル・アハことルア・アル・スカベンの部屋には帝国から送られた弔辞が残っており、その内容は彼女の夫サイールがアルドメリから帝都を取り戻す過程で戦死したこと、その戦いぶりは偉大であり模範であったことなどが帝国の軍事長官ピウス・ブルッシウスによって記されています。
この辺りの肌理細やかな演出もTESが多くのファンの方々に愛されている所以かもしれません。

次回Skyrimは盗賊ギルドサブクエスト『草の根分けても③』ユングビルド編をお送りする予定です。
ネタバレ・妄想・創作などなど含まれることと思いますが、「もうわかってるから平気|ω・)」とおっしゃる寛容な精神力をお持ちの来訪者さまのお越しを心よりお待ちしております。

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Skyrim・草の根分けても①宿屋ブラック・ブライア編Σ(・ω・´)

ピンクダイヤモンドのように輝くバレンジアの石。
この石は24個集まってこそ価値があるのだとヴェックスは言う。
今までに入手した石は19個。
残る5個のバレンジアの石を求めてRioの新しい冒険が始まります。



本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

ネタバレ・妄想・創作を多々含みますので、クエストの流れだけが知りたいとおっしゃる方はカラー部分のみをご覧いただけますなら幸です。
NPCの台詞はゲーム内から抽出してある場合もありますが、ほとんどがアレンジまたは創作となっておりますので、正確な台詞につきましてはゲーム内にて実際のプレイでご確認くださいますようお願い申し上げます。



盗賊ギルドサブクエスト『草の根分けても①』宿屋ブラック・ブライア編

盗賊ギルドメンバーの根城であるラグド・フラゴン。
そこで仕事の後の一杯を楽しむ女盗賊ヴェックスはRioの懐から覗くピンク色の宝石に目を留めました。
「ちょいと待ちなRio あんたの懐で光ってるその宝石 それってバレンジアの石じゃないのかい?」
「バレンジアの石(゚ー゚*?)」
先日ウィンドヘルムのトールビョルン・シャッター・シールドからもらったままになっていた宝石がそのままであったことを思い出し、Rioは懐から取り出して見せました。
無造作に石をつまみ上げるRioにつかつかと歩み寄るや、その指先から掠め盗るようにピンク色の宝石をひったくると、
「やっぱりそうじゃないか!」
ヴェックスは驚きの声を上げました。
「久しぶりにお目にかかる代物だね まさかバレンジアの石のひとつを持って来るなんて」
ヴェックスの言うバレンジアの石。
それはかつてモロウウィンドに君臨したダークエルフの女王バレンジアの王冠を飾っていた宝石で、24個集まって始めて価値が出るという珍しい代物でした。
バレンジアは数奇な運命を経て故郷モーンホールドの女王に即位した。
けれどもその後モロウウィンドを追われる身となり、イードワイヤー王との婚儀を経てハイロックのウェイレストの王位継承を息子であるヘルセス王子と共にイードワイヤー王の実子らと争うことになったと伝承される。
またセプティム王朝転覆を図った王宮魔闘士ジャガル・サルンの陰謀の片棒を自覚はないながらも担ぐことになってしまった反面、魔闘士の抱いた野望を討ち砕くことにも尽力し、生涯に渡り無名有名問わず数々の男達を虜にした魔性の女性でもある。
権力欲旺盛で機知に富み魔法をよく嗜み、数多くの恋の逸話までも後世に残したドラマティック過ぎる女王。
そんなバレンジアの儀式用王冠を彩っていた石ともなれば、これは集めないわけにはいかないとRioは瞳を輝かせます。
「ほとんどはただの骨董品としてしまい込まれてるはずさ ギルドにはもう何年も散逸しちまった石の在り処を探し続けてる連中もいるが成功した奴はいない」
24個すべてを集めてくる気があるのなら悪いようにはしないとほのめかすヴェックスにRioは、
「少し時間がかかるかもしれないけど いいわ やってみる(〃▽〃)」
そう力強く応えるのでした。

旅の準備を整えるため薬にボルト、万能ナイフに防寒具、携帯寝袋などを買い揃えようとリフテンの市場や錬金術店エルグリム・エルクシルを巡っていたアシスは小休止とばかり、マライズの店で仕入れた新鮮なリンゴに齧りつきます。
「市場で合流しようと言っていたはずだが 導き手遅いな」
ナイフで芯を取り除いたリンゴの最後のひとかけらを口に放り込むと、アシスは辺りを見回しました。
すると墓地の方から遅くなってごめんねと息を切らしながら駆け寄って来るRioを発見です。
ファルカスの休暇は明けたものの入れ替わりに狩猟の女神アエラに私にも少しは休ませなさいと厭味を言われたらしく。
同胞団の幹部たるサークルメンバーの一員としてヴィルカスはまたもその身を拘束されることとなったのです。
ゆえにアシスもヴィルカスの代わりに引き続き導き手の盾の兄妹として付き添うことになったわけで。
「アシスだけおいしいもの食べてる|ω・) リンゴ イイナ」
「ん? 導き手も食うか?」
ギャロウズ・ロックの戦いから数日経った今、同胞団においては珍しいダンマーの戦士はすっかり立ち直ったかのように見受けられました。
「ここのリンゴは売り込み文句通り美味かったぞ ジェニパーベリーで作る飲み物イーアンバルスドリッカのレシピももらっておいた こういうシンプルなフレッシュジュースから導き手も挑戦してみたらどうだ?」
一昨日の夕べ、Rioが腕をふるったという食事で危うくリディア共々をキナレス聖堂送りになりかけたアシスは導き手に料理のイロハから手をつけるよう勧めます。
褒められて悪い気のしないマライズが1つおまけしておくよとひょいと投げたリンゴをアシスは片手で受け止めて。
すまないなと礼を返しつつ先刻購入したばかりのナイフで半割りにします。
そして甘酸っぱい香りの漂う果実の片割れをRioに差し出しました。
リンゴを頬張る二人は地図を広げ、次の目的地についての相談に移ります。
「狙うはバレンジアの石よ すでに手に入っている宝石は全部で19個 残り5個を探すのが今回の目的なの」
同胞団の依頼とはぜんぜん異なる類の仕事だなと感想を述べるアシスに、こういう仕事も一風変わってておもしろいでしょうと。
いたずらっぽい笑みを返してRioは計画の説明を続けます。
ルーンにデルビン・マロリーにヴェケル。
そしてブリニョルフらから得た情報をまとめたところ、
「未だ見つかっていないバレンジアの石が存在しそうな場所はこの5箇所に絞られたわ」
Rioは広げた地図に印された予想箇所それぞれをゆっくりと指差してゆきます。
「ところで今まで手に入れてきた分のバレンジアの石はどこにあったんだ?」
ふと思いついた疑問を投げかけるアシスに、人差し指を唇の前に立ててしばし考えを巡らせた後、Rioは次々と思い出せる限りの発見場所を挙げ連ねました。
「購入したソリチュードの自宅プラウドスパイヤー邸の2階の寝室や同じくソリチュードの首長エリシフの寝室に飾ってあったり・・・」
ウィンドヘルムの宮廷魔術師ウーンファースの部屋。
ウィンドヘルムのクラン・シャッター・シールド邸内。
ホワイトラン首長バルグルーフの部屋や元コドラクの部屋であり今は自分自身の部屋となったジョルバスクル内の寝室。
そういえばコドラクの寝室を覗いた時、ピンク色の変わった宝石が置いてあるのを見かけたような気もするなと、アシスも目を細めてうなずきます。
「ホワイトランの死者の間でも見つけたわ それからマルカルスのトレジャーハウスにドゥーマー博物館」
確かにドゥーマーは第1紀に台頭したモロウウィンド第一公会議世俗派の一角。
ドゥーマーについての博物館にならモロウウィンド繋がりでバレンジア女王の遺物が展示されていたとしてもおかしくはないとアシスも同意を示します。
「サルモール大使館付近の洞窟 リフテン首長の部屋にウィンターホールド大学のアークメイジの部屋 ファルクリースの聖域にもあったわね」
「ファルクリースの聖域? そいつは一体何の聖域だ?」
聞いたことがないなと首を捻るアシスに、
「ええとファルクリースの洞窟っぽい場所だったかなぁ よく憶えていないんだけど・・・」
Rioは慌てて言葉を濁します。
闇の一党の元隠れ家の別名だと明かそうものなら、なぜそのような場所に易々と出入りできるのかと訝しがられるに違いありません。
「すでに回収を終えた場所ですら20近くあるから いろいろ忘れちゃってるのよ(〃▽〃;)アハハ」
言葉巧みにファルクリースの聖域の話題から意識を逸らすRioなのです。
アシスはアシスで聖域についての追求にはさほど執着はないようで。
「なるほど まあとにかくそのファルクリースの聖域だか洞窟だかで13個は揃っているということか」
「まだあるのよ(*・ω・)つ ゴソゴソ」
適度に相槌を入れカウントを加えながらアシスは話の先を促します。
デインティ・スロード号にフェルグロウ砦、パインウォッチにストーニー・クリーク洞窟、更にボブのフォール洞窟やデッド・クローン・ロックなどは思い出深く、バレンジアの石を見つめるRioに当時の記憶がありありと浮かんできます。
「取り損ねたひとつはブラック・ブライアの農園及び宿屋のはずだから そちらは今から向かうとして 残りは4つ」
握り締めた石を布袋に仕舞い込んでRioは再び地図へと視線を戻します。

※デインティ・スロード号とパインウォッチはSkyrim⑤盗賊ギルド復興編『デインティ・スロード号』&『希望の兆し』、フェルグロウ砦はSkyrim⑧ウィンターホールド魔法大学編『猛勉強』、デッド・クローン・ロックはSkyrim⑨『過去の断片』、ストーニー・クリーク洞窟とボブのフォール洞窟はSkyrim⑬『フィンのリュートを見つける』及び『悲しみに溺れて』に探索や顛末などについて載せてありますので、よろしければそちらをご覧くださいませ。

「もう19個あるのならバレンジアの王冠が完成する日もそう遠くなさそうだな 農園付きの宿屋であれば交渉次第で石も簡単に手に入るだろう」
傾きかけた陽光を背に浴びるアシスがついでにその宿屋ブラック・ブライアで一泊してはどうかと提案します。
農園や宿屋と称しつつも実際はメイビンが配した血の気の多い傭兵らの集う要塞であることを知らないアシスは暢気に鼻歌を歌い始めました。
かつて一度この要塞のような農園付き宿屋に侵入を企てたことのあるRioにとって宿屋ブラック・ブライアがどのような場所なのか把握済みではあるものの、メイビン選りすぐりの傭兵らによる乱暴な歓待の宴の渦中にアシスを巻き込むわけにもいかず。
何より不法侵入は同胞団においては望ましい行いではない点からアシスが躊躇することは想像に難くなく。
すぐに戻るから外回りの警備をお願いしていいかなと。
口実を設けてRioはアシスを宿屋ブラック・ブライアから遠ざけておくことにしました。
「この辺りはリフテンから少し離れているせいか物騒だと聞いている オオカミやクマ 果てはならず者などの怪しい輩がうろついているらしいな どれ同胞団の戦士アシス様が不当な賊が寄り付かないよう見張っておいてやろう」
(不当な賊はこの場合あたしの方なんだけどね(〃▽〃;) アシスヲ ダマスミタイデ ココログルシイケド)
Rioの心の声は当然のことながら盾の兄を務めるアシスに届くはずもなく。
導き手は宿屋にバレンジアの石を譲ってもらえないか交渉に行くだけ。
そう勘違いし続けるアシスには宿屋へ至る山道の警備や巡回の方がやり甲斐のある任務に感じられたのでした。
二つ返事で頼みを引き受けてくれたアシスを宿屋からかなり離れた山間に残し、盾の兄の目の届かない辺りまで距離を置くとRioは隠密体勢に入ります。
(表側入り口には見張りが一人・・・いいえ二人|ω・´;))
不用意に近づけば攻撃を受けることは以前忍び込んだ時に学習済み。
そこで宿屋側面に周り込むや速やかに侵入へと移行します。
正面左側面の扉を開錠し忍び込むことに成功したRioはそのまま入ってすぐ右の扉を開け斜め前方の梯子に向かいます。
梯子を上る途中で階上から幾人かの傭兵の話し声が漏れ聞こえてきました。
傭兵達はギャンブルに興じ、酒で喉を潤しながら肉親への愚痴や昔の女の話などに夢中になっているようです。
(ブリニョルフの情報によればこの先の寝室にあるはずなんだけど|ω・´;))
このままでは不本意ではありながらも傭兵数人とやり合わなければならないとRioは唇を噛みしめました。
(1人はこの先のホールにいるみたいね)
ホールへ足を踏み出そうとした瞬間、背後より近づく気配を感じて、再びRioは扉の陰に隠れました。
部屋を行き来する巡回が1人とホールで寛ぐ傭兵が1人。
2階に何人いるのか正確な数が知りたいとRioは通過した巡回の後に付いて入り口すぐ右の梯子の下へと潜り込みます。
それからすぐに矢を番え斜めにある奥まった扉に向かって射放ちました。
カツンと取っ手に当たる物音を聞きつけ、ホールの2名と梯子の上で巡回していた傭兵1名が騒然となり階下の扉付近に集まります。
その隙に梯子を上りきったRioはステルスを保ったまま音なしの歩みで階上左の部屋へ飛び込みます。
早鐘を打つ鼓動が収まるのを待って。
辺りを見回すと他に出入り口はなく。
けれどもベッド際のサイドテーブルに目的の石が飾られていることに気づきました。
テーブルに忍び寄り、掴んだバレンジアの石を懐に滑り込ませるやRioは素早く戸口へと向かいます。
開いた扉の陰から敵の位置を把握するともう一度音なしの歩みを使用し対面の扉を目指しました。
バルコニーにもたれるようにして階下を見下ろす傭兵の背後をすり抜けるRioは汗の滲む左手を伸ばし扉を開きます。
(この先に出口がなければ、危険は覚悟の上で階下に下りるしか手はない)
そんな考えを巡らせながら滑り込んだ先には外へと続く脱出路とも言うべき扉が設置されていたようで。
(自らの勘を信じて進んでよかった)
Rioは安堵のため息をもらしました。
扉を開くと星の瞬く夜空が視界に広がり火照った頬を心地よい夜風が冷やします。
周囲に巡回する傭兵がいないことを確かめたRioは茂みの中へと身を躍らせ、それから闇を纏いつつ同胞の待つ山間へと戻って行くのでした。

※Rioが宿屋ブラック・ブライアに忍び込んだ件の詳細につきましてはSkyrim⑪『守るべき約束』の方をご覧ください。


以上で盗賊ギルドサブクエスト『草の根分けても①』宿屋ブラック・ブライア編の終了となります。

ようやく脱線からそれなりに軌道に沿ったクエストラインに戻りつつあるわけですが、相変わらず創作箇所がそれなりに混在しております。
今作品がバレンジアの石、残り5個から始まるスピーディな展開となっておりますのも事情があります。
実はこの石はラグド・フラゴンのヴェックスよりクエストを受けた瞬間から1個につき0.5の重さを持つという重量的に少々厄介な代物と化してしまうという特徴があるのです。
そこで本来は在り得ないエピソードを盛り込んで石の回収を急いでおります。
どの辺りが在り得ないかと申しますと、残る5個のバレンジアの石の在り処を盗賊ギルドメンバー達が教えてくれたという点であります(´・ω・`;A)

つまりバレンジアの石の在り処は本来であれば一切伏せられているわけです。
Wiki(敬称略)や情報サイトさんからバレンジアの石の存在箇所に関する情報を入手しなければ石の正確な位置は知り得ないはずのところを、上記のような重量的につらいという点と一度既にRioキャラで攻略済み(今回ロケーション担当で動いているのはアルトマーキャラのRe○mです)という2点から主にShyana's OBLIVION add S.(敬称略)の情報を元に最短で24個の石入手に向かっております。
「最初から石の在り処がわかってるなんてゲーム内ではありえないよ!」
という声も頂戴しそうな展開ですがどうか諸事情を汲み取った上お目こぼしいただけますようお願い申し上げます。
ちなみにRioに透視能力などはありませんので、残る4つ(宿屋ブラック・ブライアにあるという情報も含めると5つ)のバレンジアの石の所在については盗賊ギルドのマスターという地位を最大限利用してストーリー上はギルドメンバーの力を借りたということになっております。

次回Skyrimは盗賊ギルドサブクエスト『草の根分けても②』アンシルヴァンド編をお送りいたします。
ネタバレ・妄想・創作など含まれると思いますがお付き合いいただけますなら幸です(〃´・ω・`)ゞ

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Skyrim・ヒジュリム購入(*・ω・)つ

ギャロウズ・ロックでの任務完了を伝えにイーストマーチに舞い戻ったRioはブランウルフ首長よりウィンドヘルムの従士着任及び居住権買取についての話を持ち出されます。


本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

ネタバレ・妄想・創作が多々含まれると思われます。
今回は7~8割創作パートになると思われますので、「そういうのは苦手です(´・ω・`)」とおっしゃる方はオールスルーしてやってくださいませ。
また、カラー部分以外はほとんど創作となっておりますので、クエストの流れだけ知りたい方はカラー部分のみご覧いただけますなら幸です。



『ヒジュリム購入』

ウィンドヘルムの王の宮殿を訪れたRioは首長であるブランウルフに謁見を申し出ます。
形式上の手続きを執政のヨルレイフと済まし、首長の前に進み出たRioをブランウルフは柔和な表情で出迎えました。
「戦いでの活躍を称えてウィンドヘルムに土地を購入する権利を与えよう 興味があるなら執政に話してくれ」
開口一番、まだギャロウズ・ロックの顛末すら聞き終わらぬうちにブランウルフはRioにぜひウィンドヘルムに住居を持つよう勧めます。
ギャロウズ・ロックのリーダーを仕留めたかどうかもわからないのに、それほど信頼を寄せていいのかと問うRioをブランウルフはじっと見据えました。
「ひどい傷を負ったようだな 回復魔法で傷痕は隠せても激闘を制した後の気配までは隠せないぞ お前は見事任務を果たし生還できたということだ 今ここに立っているのが何よりの証拠だろう」
それからブランウルフはあの連中がいなくなってくれたお蔭で皆が平和に暮らせる、ダークエルフもノルドも同じようになと、彼らしいセリフを綴り今度は満面に笑みを湛えました。
よくやってくれたと労いの言葉と共に土地を購入する足しにしてくれとウィンドヘルムの新首長はRioに褒美のセプティム金貨を取らせます。
更にウィンドヘルムの従士としての記章と専属の私兵を遣わせました。
「ところで今日の従者は以前連れていたカジートとは違うようだが」
それから新しいウィンドヘルムの従士の背後で押し黙りうなだれるアシスを目ざとく見咎め、ブランウルフは何の気なしにRioに話を振りました。
同胞団の盾の兄妹の関係にあるアシスだと応えるRioになるほどとうなずいて。
「ほう・・・ダークエルフか 信頼を置く従者がカジートにダンマーとは これは新しい従士とはますます話も合いそうだな ええとアシスとか言ったか? ウィンドヘルムでゆっくり疲れを癒していってくれ」
大戦の英雄と人々から親しみを込めて呼ばれるブランウルフは目を細めて。
アシスに温かい言葉を投げかけました。

ギャロウズ・ロックでの戦いから数日経った今もアシスは自分の不甲斐なさに打ちひしがれているようでした。
「アシス お昼ご飯はキャンドルハース・ホールにする? それともノルド以外の種族がたむろするニューグニシス・コーナークラブにする(゚ー゚*?)」
首長から報酬もいただいたことだしたっぷりご馳走しちゃうよと殊更明るく振る舞うRioを暗い眼差しで見つめると。
アシスは、いやこのままジョルバスクルに戻るよ・・・とぼそぼそつぶやきました。
「いつまでうじうじ悩んでるの!?」
アシスの胸倉を掴むRioが活を入れます。
失敗は次に生かせばいいと言い切る導き手の迫力に圧されて。
体格も同じくらいのダンマーは思わず二歩三歩後ずさってしまいました。
他のノルドに比べて小柄ながらもそこはやはりノルド。
Rioもダークエルフ種のアシスと同程度には背丈があるようです。
しかし見た目の違いは甚だしく、ダンマーであるアシスは灰青色の肌に赤い瞳、一方ノルド種のRioは比較的白い肌に青い瞳。
対照的といえば対照的でした。
「お前はノルドだ この地スカイリムの覇者たる種族 その上伝説のドラゴンボーンとかいう存在だろう? 皆があんたにはやさしく接し何もかも思いのまま手に入れられる 導き手にモロウウィンドからの流れ者・・・移民である俺の気持ちなんてわかりっこないのさ」
拗ねたように顔を背けるアシスの両の頬に手を添え強引に正面を向かせるとRioは尚も食い下がります。
「そうやって拗ねて羨んで何もかもを諦めて生きるの?」
エルフ一族と領土を巡り死闘を繰り広げたのが同胞団の発端。
同胞団の始祖イスグラモルの愛斧ウースラドはエルフに対して一層力を増すという。
敵地にも等しい同胞団の巣窟に同士たらんと飛び込んだアシスの胸中までは知ることはできない。
出会った当初、アシスは金儲けのために同胞団所属を決意したと言っていた。
故郷を捨ててスカイリムに移住を決めたダンマーのほとんどの目的が居住地の確保と生計を立てるための資金集めだったのだろう。
「アシス あなたがジョルバスクルを終の住処と定めたのなら たった一度や二度の失敗で自分を卑下したり掲げた志から逃げないで!」
そう叫ぶやRioは懐のダガーを取り出し身構えました。

※アシスの生まれ故郷であるモロウウィンドではレッドマウンテンが噴火し火山灰がモロウウィンドの各地に今も降り続いているという状況が移民のダンマー達やソルスセイムの人々の話ぶりなどから伺えます。

盾は携えず細身のダガーのみで右に左に攻め寄せるアシスの剣戟を受けては払いを繰り返し。
その程度の攻撃で敵を倒せると思うのか。
「脇が甘く隙だらけだわ」
Rioはわざと挑発めいた言葉を浴びせます。
それはかつてヴィルカスから受けた訓練にも似て。
同胞団の絆はいつも戦いの中でこそ研ぎ澄まされ、伝え継がれていくものだと認識させられるのでした。
アシスに悟られない程度に加減してはいるものの、さすがは前線に出て戦う同胞団メンバー。
手心を加え過ぎればたちまちこちらが窮地に立たされかねません。
緊張感の漂う凌ぎ合いの末、Rioとアシスが辿り着いた場所は当然と言えば当然のことながら監獄の中。
ここでもウィンドヘルム従士の称号が功を奏し、Rioにだけ免罪が言い渡されました。
けれども仕掛けた自分に咎はなく仕掛けられたアシスにだけ罰が与えられるなど間違っていると。
どうにも意見を譲らないRioの申し出に辟易した衛兵の采配により、結局二人同時の釈放となりました。
「二度と面倒を起こすんじゃないぞ!」
衛兵の決まり文句と共に放り出された街路にはすでに夕闇が迫り。
Rioとアシスは無言のまま降りしきる雪を眺めていました。
「スカイリムは本当に雪ばかりだな」
それから暮れなずむ街並をぼんやり見つめるアシスは少し声のトーンを落として独り言のようにつぶやきました。
「だが住んでみるとここも存外悪くはない 何より灰が降ってこないのがいい」
同胞団の任務をこなしていると血の雨ばかり降り注ぐけどねと切り返すRioに。
「違いない」
アシスはいつしか笑い声を響かせていました。
こんな寒い場所に何時間もじっとしていたら凍え死んじゃいそうと、未だ笑い転げるアシスの腕を取り、Rioはキャンドルハース・ホールへ向かいます。
いつものようにいつものごとく蜂蜜酒数杯でよいつぶれ、カウンターに突っ伏したまま気持ち良さそうに寝息をたてる傍らの導き手を見遣りつつ。
スジャンマ代わりのワインを口に運ぶアシスは決意を新たにつぶやきました。
「今度はちゃんと頼りになる盾の兄をまっとうしてみせるぞ」

翌朝、住居として与えられたヒジュリムの内装設備について手配を頼もうとブランウルフの執政ヨルレイフの許を訪れたRioは、既にヒジュリムに待機しているであろう私兵ガルダーへ、ついでで悪いがウィンドヘルムの新居の合鍵を幾つか作っておいてほしいと言伝ます。
その後、御者を引き止めるとホワイトラン行きの馬車に飛び乗りました。
導き手のあまりの手際の良さに不機嫌そうにアシスは愚痴をこぼします。
「そんなに急いで帰ることはないだろう 頼りにならない盾の兄とは早々に手を切りたいって気持ちはわかるけどな」
肩を落とすアシスへ視線を送り、それからホワイトランの正門を抜けたRioはブリーズホームへと直行します。
するとちょうど戸口付近でリディアがトーバーと親しげに語らうシーンに出くわしました。
かすかにもれ聞こえてくる会話からリディアとトーバーは今日二人で釣りに出かけていたらしく、釣り上げた魚についてあれこれ意見を交わしているようです。
声をかけるのをためらうRioの傍らをファルカスが視線を伏せながら通り過ぎようとしました。
そしてすれ違いざまにアリクル戦士とぶつかり、ぼんやりするなよとたしなめられます。
ファルカスとトーバー、あの二人はリディアに気があるのではないか。
以前カルジョが今と似たシチュエーションにおいて披露してくれた推察を思い出し、Rioはトーバーとリディア、そしてその二人をチラチラと見遣るファルカスを交互に見比べました。
「なんだトーバーお安くないな リディアとデートだったのか?」
そんな微妙な三角関係とは露知らないアシスが冷やかし口調で同胞に呼びかけます。
デートと言われて、違いますとやや頬を赤らめるリディアを見るのは初めてで。
リディアの方もまんざらでもないのかな・・・などと思いを巡らせるRioはファルカスの顔色を覗いました。
するとファルカスの存在に気づいたトーバーが樽に入った魚をすくい上げる風を装い、あからさまにリディアの傍ににじり寄って見せます。
咄嗟に二人から視線を逸らすとファルカスはその場を逃げるように立ち去って行きます。
「待って ファルカス!」
慌ててファルカスを追いかけるRioは義兄を引き止めたはいいものの、何と言ってよいのか考えあぐねてしまいました。
「ええとファルカスは今回の休暇はどんな風に過ごしていたの?」
「別に 特に誰とも過ごしちゃいないさ 市街をぶらついて気がつくと郊外で鹿狩りをしていた」
結局同胞団の任務から離れてもやることはたかが知れていて、せっかくの休みなのに有意義な過ごし方すらわからないのだと。
「仕事人間ってのはおもしろみがないよな 休みをリディアが取れたと聞いて郊外にいっしょに狩りでもどうかと誘ってみたが 見ての通りさ 彼女はトーバーとの休日を選んだってわけだ」
(うぅ・・・あたしってば大バカかも・゚・(ノД`;)・゚・ ワダイヲ ソラソウトシテ ボケツヲホッチャッタ)
選んだ話題の愚かさに自己嫌悪に陥るRioなのです。
うつむく義妹を元気づけるようにポンポンと肩を軽く叩くと、ファルカスはジョルバスクル目指して歩き出しました。

ブリーズホームに戻ってみるとトーバーの姿はなく、戸口に置かれた樽の中ではねる魚を眺めるリディアの姿がありました。
アシスには寛いでもらおうと中で待ってもらっていると告げ、リディアは樽の中の鮭を起用に持ち上げると、
「今夜は鮭料理にしますね」
そう朗らかに宣言して飾り気のない笑顔を見せました。
魚釣りは楽しかったみたいねと感想を聞くRioに、リディアはちょうど休暇をもらえることになっていたタイミングでトーバーに誘われたのだと説明を加えます。
「でもトーバーはいつも直接話しかけてくるのに今回は手紙だったんですよ しかも手紙の配達人と並んでブリーズホーム前に立っていたから少し驚きました」
(手紙かぁ。確かにトーバーっぽくはないわよね。並んで立っていたなんて、そんなに手紙がちゃんと届くか心配だったのかしら(゚ー゚*?))
うなずきながらRioは扉を開き、両手の塞がったリディアを室内に誘導して行きます。
「ところでファルカスからもこの休暇中に狩りに行こうって誘われていたんでしょ?」
大皿に鮭を置き、魚を捌く準備に取り掛かったリディアは困惑した様子で顔を上げました。
「ファルカスから誘われていた? 私がですか?」
「あら 違うの(○´゚ω゚`)?」
リディアは大きく頭を横に振るとそんな誘いは受けてはいないとはっきり否定を口にしました。

(どういうことなのかしら?)
ブリーズホームで夕食を終えたRioは湯船に浸かりながら思考を巡らせます。
「リディアが休暇を取ると知ったファルカスが自分も合わせて休日を取りデートに誘った 時を同じくしてトーバーも突如休暇を取り 手紙でリディアを誘いつつ確認のためブリーズホームを訪れた」
トーバー同様ファルカスもリディアを誘ったみたいだったけど、なぜかリディアはトーバーからの誘いしか受けていないと言う。
「休暇がどうかしましたか?」
従士の独り言を聞きつけてリディアが湯船に顔を出します。
なんでもないのと両の掌を振り、ぶくぶくとRioは湯に潜り込みました。
浮かべたラベンダーを湯の中から見上げてそっと瞼を閉じます。
(柄にもなく手紙でデートの約束を取り付けたトーバー。何かが引っかかるのは気のせいなのかな?)
明日以降もう一度それとなくファルカスに確認してみようと心に決めるRioなのです。

翌日はよく晴れた鍛冶日和で。
デイドラの心臓や黒檀のインゴットに革ひもなど鍛冶に必要な材料一式を手に、Rioはアシスを伴い隣の戦乙女の炉に向かいました。
鍛冶師エイドリアンに炉を借りるわねと一声かけてRioは早速鎚を振います。
鍛冶道具や材料をRioに代わって抱え持つアシスも興味津々とばかり金床を凝視します。
「ちょっと派手だが なかなか恰好のいい装備だな」
「これデイドラの心臓から作るデイドラ装備なのよ(〃▽〃)」
「へえ そいつは禍々しくも強そうだな」
今日この時間まではジョルバスクルに追い返されはしなかったと密かに安堵のため息をつくアシスの心中など知る由もなく。
Rioは出来上がった鎧やヘルム、ブーツにアームをアシスの身体に当てがってはサイズを計ります。
「まあ俺の身体でサイズを測るのはまちがっちゃいないな 導き手とそれほど背格好は変わらないだろうから」
アシスの言葉にRioはきょとんとした顔で小首をかしげました。
「導き手は予備の装備を造っておきたいんだろう?」
「予備の装備? いいえ違うわ これはアシス用の装備なんだから あ・・・!?」
(勘違いしてる!? アシスとあたしは似たような背格好。 同じ目的、同じ場所に居合わせている)
「ちょっとごめん 席を外すわね」
突然立ち上がったRioは出来上がったデイドラ装備をすべてアシスに押し付けるとブリーズホームに駆け込んで行きました。
首長バルグルーフからもらいうけた休暇も今日が最後。
リディアにとって明日からはまた慌しくも忙しい日常が始まります。
「リディア!」
少し早めの夕食の準備に取り掛かろうかと。
立ち上がったリディアは勢いよく扉を開け放ち走り寄る従士に何かあったのかと緊張を漲らせました。
「手紙・・・」
「手紙?」
「そう トーバーからもらったという手紙を見せてもらえないかしら もちろんリディアがよければだけど」
おねだり上手な従士に頼まれては嫌とも言えず。
なによりやましいことなど何もないのだからと、リディアは自室の抽斗に仕舞ってあった手紙を取り出しRioに差し出しました。
手紙の内容を確かめた途端、やっぱり・・・とつぶやき、Rioはリディアに向き直りました。

何がやっぱりなのか、さっぱりわからないリディアはRioに促されるまま配達人から手紙を受け取ったときの様子を事細かに再現して見せました。
「はい 手紙の内容はご覧になってわかる通り休日を利用して狩りにでも行かないかという内容のものでした」
「手紙の内容を確認したのはブリーズホームを出てすぐの所だったのよね|ω・)?」
そうだとうなずきつつリディアは再現を試みます。
配達人から受け取った手紙を読み終わり顔を上げた時、目の前にトーバーがいてびっくりしたこと。
実はリディアの休暇に合わせて自分も休みを取ったんだがとトーバーが切り出すのを待って、狩りよりも釣りに行きたいわと返答したことなどを綴ります。
「リディアはこの手紙の書き手がトーバーだと思ったのね(`・ω・´;)」
「えっ?」
Rioの問いかけにリディアの顔色が変わりました。
「トーバーじゃなければ誰だとおっしゃるのですか? まさか・・・」
リディアの勘違いもわからないでもないと。
Rioはたどたどしくも懸命に綴られた手紙の文面をブリーズホームの執政にもわかるようテーブルに広げて見せました。
本来最後に記されるべき差出人の名前が空白のままだったのです。
「もしかすると手紙の差出人を勘違いしてしまっていたのでしょうか? 配達人が同胞団メンバーから受け取った手紙だと言っていたのでてっきり・・・」
トーバーも同胞団メンバーだがファルカスも同じくそうなのだとRioが言葉を添えると、
「私のミスです ちゃんと確認するべきでした ファルカスにひどいことをしてしまったのかもしれない」
唇を噛みしめリディアはがっくりとうなだれてしまいました。
うちひしがれてイスに座り込んだリディアの額にRioは自らの額を寄せて囁きました。
「ファルカスはきっと名前を書き忘れたことに気づかなかったのよ」

夕陽がホワイトランの街を赤く染める中、リディアは手紙を握り締め、ジョルバスクルの建つ風地区に向かって走り出しました。
「リディア!」
すれ違いざまベレソア雑貨店で働くシグルドがリディアを呼び止めます。
けれどもその声は彼女の耳には届かず。
Rioの傍らでリディアの後ろ姿を見送るシグルドが小さなため息をつきました。
せっかく彼女の好きそうな物を見繕って持ってきたんだけどなぁと。
落胆のため息をもらすシグルドの声が哀しげに雑踏にかき消されてゆきます。
数多くの異性の心を射止めながらも一向に自分の魅力に気づくことのない奥手でやさしく有能なリディア。
気立ても良く凛々しく美しいブリーズホームの女執政の恋路に胸を踊らせながら。
「今夜はあたしがごちそう作っちゃおうかな(〃▽〃)」
味覚センスはなくとも意欲はある。
なんの変哲もない食材から昏睡に陥るほどの劇薬を生み出す希代の錬金術師Rioは鍋をゆっくりかきまぜるのでした。


以上で『ヒジュリム購入』終了となります。

これでソルスセイムを除くすべてのハウスを手に入れたことになり、スカイリム内の主要都市のクエストの大部分は制覇したことになるかと思います。
とはいえDLCのドラゴンボーンや都市以外のクエストを含めるとまだTES5全体の1/3ほどは残っております。
ロケ&検証を兼ねて後1年ほどはバニラで遊べそうです。

覚え書きを兼ねておりますが、アシスの装備は片手剣のゴールドール・ブラックブレイド(20PTの体力吸収)とドワーフの強化型クロスボウ&デイドラの重装備一式となります。
Rioの料理はすでにカルジョが生死の境をさまよったという前例もありますが、次の犠牲者はもしやアシスΣ(・ω・´)!? アシス ニゲテェ! リディアモ!

予告通り脱線に継ぐ脱線に走った今回ですがいかがだったでしょうか?
「もうあきれ果ててます(`・ω・´)!」
という声があちらこちらから聞こえてきそうで心苦しいのですが、Skyrim⑬『ブロークン・ラムの野営地にいる巨人を倒す』&『ギャロウズ・ロックで敵のリーダーを倒す』で仄めかしてしまった創作部分の一応の顛末だけはつけておこうと思い、クエスト部分の少ないこの回にリディア&ファルカス&トーバー絡みのエピソードを差し挟ませていただきました。

リディアはこちらの一連の物語ではモテ女の筆頭であります。
気立てがよくてやさしくて礼儀正しく腕も立ち凛々しい。
華奢でたおやかな女性ではありませんが、強く逞しく健康的で気の強いノルドの好むタイプの女性ですのできっとこの世界ではモテモテのはず!
オルフィナやカルロッタなど気が強い女性に恋人がいたりプロポーズが殺到するスカイリム事情から鑑みてもそれほど的外れな想像ではないと個人的には思っていたりします。
ヴァイキングをイメージしたと思われるノルドは日本人などアジア圏で比較的好まれるたおやかな女性像とは好みのタイプが異なるのではないかと考えています。
北欧神話やヨーロッパの伝説などを見ても女性はヴァルキリーだったりアマゾネスだったり男性を凌ぐ逞しさや雄雄しさがあり、その力強さと逞しさが理想の女性像に反映されている気がします。
北の海を渡り略奪と戦乱の末にヨーロッパに拠点を築いたヴァイキング。
アトモーラから亡霊の海を渡りエルフらを凌駕しスカイリムに拠点を築いたノルド。
ヴァイキングらは奥ゆかしく慎ましい女性よりも男勝りでたくさんの子孫を残してくれる女性を好み、また戦で自らの生命が尽きても涙に暮れることなく子供をかかえながら逞しく生き抜いてくれるような女性を最良のパートナーとして見ていたのではないかなぁと。
あくまでも個人的にはですが推測してこちらの物語は進んでおります。

次回Skyrimは盗賊ギルドサブクエスト『草の根分けても①』をお送りする予定です。
既にRioが手に入れている石についての回想、解説を交え、まだ手に入れていない石を入手するまでの冒険譚など、全部で4~5回(予定)に分けて記していこうかと思っております。
ネタバレ・妄想・創作が相変わらず席巻することと思いますが、「そういう作風だよね(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)」と諦観の境地に至り読み進めて下さる方のお越しを心よりお待ちしております。

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Skyrim・ギャロウズ・ロックで敵のリーダーを倒す(`・ω・´;)

ウィンドヘルムの新首長ブランウルフの命を受けギャロウズ・ロックのリーダー殲滅に乗り出したRio。
ギャロウズ・ロックはかつて同胞団のサークルメンバーである狩猟の女神アエラと共に攻撃を仕掛けた場所。
因縁の対決の幕が再び切って落とされようとしているのでした。



本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

ネタバレ・妄想・創作を多々含みますので、「そういうのは苦手です(´・ω・`)」とおっしゃる方はスルーお願いいたします。
PC&NPCの会話はアレンジもしくは創作となっておりますので鵜呑みになさらないようご注意下さい。
またカラー外部分はほぼ創作となっておりますので、クエストの流れだけを知りたいとおっしゃる方はカラー部分のみご覧くださいませ。
今回はストーリー内に同胞団クエスト『シルバーハンド』について触れられています。
ネタバレを気にされる方は同胞団の該当クエスト攻略後にまたお越しいただけますなら幸です。



立ち寄ったアモル砦にはリッケ特使が巡回に訪れていました。
リッケ特使の一番の関心事はやはり元ストームクローク反乱軍の本拠地ウィンドヘルムの現状況であり、Rioは新首長ブランウルフから寄せられた意見や現状説明及び市街を巡って集めた情報等を彼女に打ち明けます。
ブランウルフはすでにウィンドヘルムに住み為すダンマーらと灰色地区の改善についての会議を行っていること。
いずれは波止場付近に追いやられ不満をもらすアルゴニアンらの生活向上も計りたいとのこと。
ダンマーやアルゴニアンが街の中で差別を受けることなく暮らせるよう街中のノルドへの啓蒙活動に励んでいる最中であることなどウィンドヘルムの新首長の意向を伝えてゆきます。
「けれどもまずは内戦で疲弊した国力を取り戻すことに専念したいとブランウルフは訴えていたわ」
「そうね 街の復興に大量の金銀及び石材・木材などの資材が必要になることはわかりきっていたことだったけれど 予想以上にウィンドヘルムへの打撃は大きかったようね」
ブランウルフからは支援物資の嘆願状がソリチュードにも届いていたらしく、東帝都社に便宜を図るようテュリウス将軍からも通達がいっているということでした。
「とはいえ彼らも商売 そうそう金にならない取引には応じられないとけんもほろろな返答なのよ」
アモル砦内を出て城壁に移動するリッケ特使も苦笑をもらします。
「問題は山積みで再建には時間がかかるだろうけれどノルドは厳しい仕事には慣れっこだってブランウルフは希望を失ってはいなかった あの首長ならきっと他種族とも手を取り合うことのできる新しいウィンドヘルムを築いてくれるんじゃないかな」
首長になるつもりなどなかったが誰かの助けになるのなら引き受け尽力しようと思う。
大戦を経験し生還を果たした英雄と慕われる新しいウィンドヘルムの首長の笑顔を思い出しつつRioは自らの報告を切り上げました。

アモル砦で一晩を過ごしたRioはその足でウィンドヘルムに向かいます。
鍛冶屋オエンガル・ウォー・アンヴィルにフレイディス女王の剣を届けた後、王の宮殿へと足を運んだRioを執政ヨルレイフが迎え入れました。
世渡りが上手かったのか、はたまた中立を貫く精神を買われたのか。
帝国側が抜擢したブランウルフがウィンドヘルムの新首長の座に就いて後も、元首長ウルフリックに仕えたヨルレイフが執政の座を降りることはありませんでした。
ブロークン・ラム野営地の巨人討伐完了をヨルレイフに告げるRioの背後からストームクローク派の元首長及び元執政らが憎々しげな視線を投げかけます。
彼らは内戦における帝国の勝利により地位を剥奪され、ウルフリックの亡骸が遺棄される王の宮殿に監禁される境遇に陥ったようです。
その憤懣たるや甚だしく。
帝国側の勝利の一翼を担ったRioを嬲り殺しにしてやりたいという殺気に満ち溢れていました。
リフテンの元執政アヌリエルはホールを往くRioに、いずれどこかで野たれ死んでしまうといいと呪いの言葉を吐きかけます。
マルカルスの元執政レブルス・クインティリアスは惨めな嫌われ者が来たとあからさまな陰口を叩き、同じくマルカルスの歌い手、ストームクローク派のイングヴァーは、反乱軍を駆逐するなど愚かなことをしでかしたRioの顔をぶっ潰してやりたいと凄みました。
何か考えがあるのなら聞いてみたいものだと怒りに身を震わせ席を立ち上がった元リフテン首長のライラ・ロー・ギバーがRioの行く手に立ちふさがります。
眉を曇らせながらも無言のまま迂回し出口に向かうRioの背にライラは罵声を浴びせかけました。
「無力さを思い知らされたわ リフテンの人々が頼ってくれたのに失望させてしまった すべてお前のせいよ お前のせいなんだわ」
ひとたび戦争が起これば必ず勝者と敗者が生まれる。
そして敗者となった者には屈辱と屈服の日々が訪れる。
それでも帝国に加担したこの決断を後悔したりはしない。
なぜなら内戦を拮抗させ悪戯に戦争を長引かせることは民を飢えさせ兵士や衛兵を消耗させ治安の乱れを招くからだ。
増殖した山賊やならず者に民の平穏は脅かされ、果ては戦火に怯え惑う生活を余儀なくされる。
戦争孤児は増え、人々は窮し、弱き者達に施されるはずの慈悲の心さえ失われてゆく。
ソフィやもしかするとルシアだってその犠牲者の一人かもしれない。
かつて帝国を統一したタイバー・セプティムは決して聖人でも善人でもなかった。
けれどもタムリエルを統一するということにおいて心血を注ぎ、それが最大多数の安寧に繋がると信じて己が道を切り開きひた走り続けた。
腹心の部下を欺き、政敵を振り払い、背く種族を一蹴し、歯向かう強大な敵を薙ぎ払おうと禁断の兵器を用いた。
それが正しい道であったのかはわからない。
ひとつ確かなことはその後数百年と人類の治める帝国は存続したということだ。
タロスは第3紀帝国の礎を築き上げ、人々は一定水準の生活と秩序を手に入れた。
それを神と崇めようが邪教と罵ろうが焦点はそこではない。
誰が頂点に君臨し誰が英雄となろうがそんなことは問題ではない。
世に束の間の平和を布き次なる脅威に備える時間を早期に作り出すこと。
それが目的であり願いだった。
「だから後悔なんてしないわ」
ライラ、アヌリエル、レブルス、イングヴァーの罵り声が脳裏に木霊しようともRioは決して振り返ることはなく。
ただひたすらに前だけを見つめ凛とした面を上げるのでした。

ジョルバスクルの扉をくぐるRioは慌しく外へと飛び出そうとしていたパートナーと鉢合わせとなりました。
あわや正面衝突という状況を回避し相棒を片腕で抱きとめると、ヴィルカスは悪いがもう1週間ほど時間をくれとだけ言い残し、ンジャダに行くぞと声をかけるとそのまま正門へと去ってしまいます。
「あら振られちゃったの? じゃあ私といっしょにいらっしゃい かわいがって・・・って ちょっとリア!?」
「狩猟の女神は他のお仕事が詰まっているはずです さあさっさと害獣退治に行きましょう!」
ヴィルカスのガードが解けたと見るやRioへ誘惑の手を伸ばそうとする狩猟の女神アエラ。
その腕を両手で押さえつけ引きずるように連れ出して行くリアをRioは呆気にとられ見送ります。
「相変わらず活気があるだろうここは?」
朗らかに笑うファルカスがその直後には決まり悪そうに頭をかきながら、
「悪いな導き手よ 兄弟が忙しくなったのは俺が原因なんだ 俺がうっかり2~3日休みが欲しいなんてことを言っちまったばかりに 本当にすまない」
と謝罪を口にします。
するとRioの脳裏にちょうど一ヶ月ほど前、ヴィルカスと過ごしたカジート・キャラバンのキャンプ地での一夜の会話が甦りました。
働き詰めの兄ファルカスの負担をできる限り軽減してやりたい。
「ヴィルカスはファルカスにゆっくり休養を取ってもらいたかったんだと思う あたしもファルカスにばかり同胞団の仕事を押し付けてしまって申し訳ないって思ってたもの」
思いの丈を綴ると、Rioはファルカスに残ってる同胞団の仕事を全部自分に教えてと詰め寄ります。
結局残っていた仕事の大半は拳で片をつける殴り合いばかりで。
安請け合いしてしまったもののしばらくは頬の腫れがひかないかもしれないと依頼書を手に肩をすくめるRioなのです。
「リバーウッドのホッドにリフテンのヴルウルフ・スノーショッドか・・・」
やるしかないわねと。
大きくうなずき踵を返すRioの背後を呼び止める声が響きます。
「いっしょに行って その任務代行してやろうか 導き手よ」
振り返るとそこにはアシスが立っていました。

「いてて! 導き手 頼む傷口に触れないでくれ」
「殴り合いなら任せておけって言うから期待してたのに アシス2回も負けちゃうんだもん|ω・)」
回復呪文を唱えながら膨れ上がった盾の兄の頬や瞼を指先でつつくRioを恨めしそうに見上げてアシスは愚痴をもらします。
まさか樵風情に後れを取るなんて思わなかった、あのホッドとかいう樵は実は名うての戦士か何かじゃないのかと訝しげにこぼすアシスに、言いにくいけどただの樵だと思うとRioはきっぱりはっきり答えます。
沈黙のままがっくりと肩を落としたアシスは一際大きなため息をつきました。
傷の手当も一通り終わったところで、そういえば人手が足りないこんな時期にアシスだけなぜ手が空いていたのかとRioは素朴な疑問をぶつけます。
すると昼食のためのパンや干し肉、リンゴにスノーベリージャムそしてベイクドポテトをスリーピング・ジャイアントで調達して来たアシスがそそくさと馬車に乗り込み、Rioにも早く乗ってくれと手招きしました。
「次の目的地はリフテンだろう? この馬車を逃すと出発が明日になっちまうんだ」
アシスは親指で御者の背中を指し示します。
てっきりはぐらかされているものと思い込み、それ以上の質問は控え、促されるままRioも馬車へと乗り込みました。
リフテンに向けて揺れる荷馬車にて。
昼食を終え、ワインによって喉も潤され舌の回りも良くなった頃、おもむろにアシスが話を切り出しました。
「さっきの導き手の質問だけどさ 実は元々手が空いていたわけではないんだ」
Rioがジョルバスクルを訪れる直前までは確かに予定があったのだとアシスは事情の説明に入ります。
「トーバーが今朝 突然休暇がほしいと言い出したのさ」
次の任務においてアシスと盾の兄弟となるはずだったトーバー。
その彼が任務当日になって突如休暇の申請をしたのだという。
お蔭ですっかり出発準備の整っていたアシスは単独でジョルバスクルに取り残されることとなった。
「突然の休暇の理由をトーバーは教えてはくれなかった それなら俺が独りでも目的地に向かうと申し出たんだが せっかくの機会だからお前も休めと言われてしまった」
我々がこなすはずだった任務の尻拭いに借り出されたヴィルカスとンジャダに悪くて。
おちおち休んでもいられなかったと、アシスは残り少ない瓶のワインを見つめながらつぶやきました。
今まで働き詰めだったファルカスが珍しく望んだ数日の休暇。
同じく前日まで任務に赴く予定だったトーバーの突然の休暇要請。
二つの奇妙な符号が何を意味するのか。
この時のRioには検討もつかなかったのでした。


『ギャロウズ・ロックで敵のリーダーを倒す』

リフテンにおいてヴルウルフ・スノーショッドとの殴り合いに辛くも勝利を得たアシスは血糊の着いた口元を左手の甲で拭いながらRioに向かって右腕を掲げ勝利のポーズを見せました。
「今回は1度しか負けなかったわね(〃▽〃) ホッドノ トキヨリ コウセイセキヨ」
「あんなノルド至上主義のタロスかぶれに負けるわけにはいかない こっちはアズラの加護がついているんだからな」
アズラの知恵と共にあらんことをというのがアシスの口癖で、他の多くのダンマーの例に漏れずアシスもまた宵闇の女王と呼ばれるデイドラ、アズラを深く敬愛信仰しているのです。
ビー・アンド・バルブで夕食を終えたRioとアシスはハニーサイドでその夜を過ごし、翌朝早くウィンドヘルム方面へと向かいました。

アモル砦を北に上った辺り、ウィンドヘルムの南西部にブランウルフより命を受けた討伐の地ギャロウズ・ロックはありました。
ギャロウズ・ロックはかつてシルバーハンド撲滅のためアエラと共に急襲を仕掛けた場所でもあります。
しかしシルバーハンドとの抗争はすさまじく、同胞団も当然無傷では済まされませんでした。
スコールにコドラクという大切なサークル二柱を失うこととなった痛手は深く、ゆえに次代を担うサークルメンバーの育成も急がねばなりません。
そして今再び、同胞団メンバーのアシスと共に奇しくも因縁の砦へ足を運ぶこととなったRio。
シルバーハンドの砦を前に容赦はしないと同胞団の若き導き手はグレートソードの刃を鳴らします。
もちろんそれはアシスにとっても憎い仇であり、彼も人知れず日々鍛錬を積みリベンジの機会を窺っていたのです。
スカイフォージの鋼鉄の剣を鞘から滑らすアシスを見遣り、Rioは侵入開始の合図を送りました。
事前に隠密侵攻すると聞かされていたアシスに準備の怠りはなく、Rioから手渡された消音付呪のブーツを履きこなしているようです。
けれども実際のところ、なぜこれほどまでにシルバーハンドが同胞団を毛嫌いするのか。
アシスはその本当の理由には気づいていませんでした。
ウェアウルフの能力を有するのは同胞団でもサークルメンバーのみ。
そしてそれは幹部だけの秘密。
人狼の血を激しく憎悪するがゆえに同胞団との徹底抗戦に出たシルバーハンド。
彼らがもしも山賊行為に及ぶ一味でなかったなら、むしろ弾圧されるべきは同胞団幹部であったことでしょう。
ウェアウルフの能力を持つ現サークルメンバーが野獣の本能をコントロールしているとはいえ吸血鬼同様人狼は民から忌み嫌われる恐ろしい存在です。
同胞団の幹部のほとんどすべてがライカンスロープ持ちだと知れ渡れば、同胞団の名誉も名声も地に堕ちるのは必至。
決して口外してはならない恐ろしい秘密。
できる限り早くこの呪われた血の浄化に努めなければならないとRioは唇を噛みしめました。
砦に至る入り口付近で2人のシルバーハンドとの戦闘になり、隠密の戦いに慣れていないアシスが剣を掲げ中央へ躍り出ます。
他に何人の敵がいるのかもわからないまま中央に身を晒せば集中砲火を受けるのは避けられないはず。
慌ててシルバーハンドの1人を矢で仕留めるやRioはステルスを解き自ら囮となるよう中庭中央に仁王立ちで佇みました。
どうやら敵は残り2名のようで。
前進する1人をすばやく斬り伏せると矢をかわしつつRioはアシスの腕を取り、入り口付近へと後退して行きました。
Rioに引っ張られるまま入り口に戻ったアシスは、
「まだ攻め込むための力は充分にあった」
導き手の風変わりな戦法への反論を口にします。
そもそも隠密で戦闘を行うなど同胞団らしくないではないかと至極真っ当な意見をぶつけるアシスに、Rioはもう誰も失いたくはないからと自らの思いを述べ、もう少しこの戦闘スタイルに付き合ってはもらえないかと宥め諭します。
導き手がそこまで言うのであればと承諾しアシスは再び身をかがめました。

砦内部に入り込んだ途端、何者かの気配を感じRioは硬直したまま息をひそめます。
手前の柱には取っ手の付いた鎖が垂れ下がり、どうやらその奥の鉄格子に連動しているようです。
「ここにも狼の首が串刺しにされているが 奴らはよほど狼嫌いらしいな」
砦入り口にも見せしめとばかりに槍で貫かれた狼の頭部が並んでいたことを思い出し、アシスが独り言のようにつぶやきます。
心臓の高鳴りを悟られないよう深く息を吸い込むとRioはステルスを保持したまま柱の鎖を作動させました。
(ステルスが見破られかけている(`・ω・´;))
すぐに前進を開始しようとするアシスを片手で制し、左手に弓を携えたままRioはトラップの確認をしようと目を凝らします。
それから一歩を踏み出すや、前方から物音と敵の気配を感知しました。
浮き足立つアシスがすかさず抜刀し前のめりとなります。
(視界に映っているだけでも2人はいる)
下手に渦中に飛び込めば敵の思う壺。
待ってほしいとの説得の代わりにRioは番えた矢を次々に右手に見えるシルバーハンドらに射かけました。
「誰だ!?」
目の前で仲間が次々と葬られ動揺の色を隠し切れない敵の唸り声が左手から響き渡ります。
振りかざす剣をアシスが振り下ろすより先にRioの第3の矢が3人目のシルバーハンドの左胸を貫きました。
「どれも一撃か・・・」
明るいホールに足を踏み入れたアシスはイスに腰掛けたまま脳天を撃ち抜かれている死体と鋭い鏃の一撃を喉笛に受け絶命させられたに違いない遺体とを視界に捉え、その鮮やかな手際に絶句します。
けれども何よりも驚いたのはホールの端に吊り下げられたウェアウルフの姿でした。
「人狼!? 死んでいるのか でもなぜこんなものがここに?」
アシスの問いかけには答えることなくRioは奥へと続く扉に手をかけました。

細く暗い通路の先に2人のシルバーハンドの姿が浮かんできました。
今度こそと勇み立つアシスを先ほどと同様に片手で押し留め、Rioは床に敷かれた加圧式トラップを指差しました。
それから壁に設置されたトゲだらけの回転扉へ顎をしゃくって見せます。
敵を視認すると同時に周囲の状況も見極めること。
それらを怠ればソブンガルデに近づく。
「アズラ信仰なら死後は月影に召されるのかしら」
Rioの囁きがアシスの耳を掠めるより早く第一の矢は放たれ。
背を向けて座るシルバーハンドの後頭部を破壊しました。
異変に気づき反転するもう1人のシルバーハンドの胸部に狙いを定め二本目を解き放つRio。
そのしなる腕がなめらかな弧を描くのを凝視するアシスは、もう一度、自身の名を呼ばれるまで魅入られたかのようにその場に立ちつくしました。
通路の先で、もう2人のシルバーハンドを屠り、右に続く壁を辿り慎重に進んで行きます。
突き当たり手前の扉から正面階段上に佇むシルバーハンドを発見するやいなやRioは番えた矢羽を撃ち込みました。
そしてまだ敵影すら見えぬ内に次なる矢を引き絞り敵が視界を過る一瞬を狙って的確に射殺して見せたのでした。
積み重なる3体の遺体を振り返り、アシスは自嘲にも似た乾いた笑いをもらしました。
それからも行く先々でRioは相手が気づくよりも早く敵の動向を捉え一矢たりとも撃ち損じることなく敵を沈めてゆきます。
やがて到着した最奥と思しき扉の前でRioはアシスに注意を促しました。
導き手がアシスに綴った戦略はたったひとつ。
「危険を感じたらこちらのことは気にせず逃げること」
それだけでした。
「逃げるだって? バカな!」
アシスは思わず脳裏に浮かんだそのままの言葉を吐き出しました。
普段の彼であれば上官に向かってそのような口答えをすることはありません。
砦内部に足を踏み入れてからは敵に己の刃が触れる機会さえ与えられなかったという屈辱感がアシスの焦燥を煽り心を苛んでいたのです。
盾の兄のいら立ちを鎮める必要を感じつつも、ここまで来てしまっては最早進むしかなく。
Rioは目の前にある扉を開け放ちました。
これまでと同様の所作で弓を引き絞り手前で皮をなめすシルバーハンドの心臓を貫きます。
続いて駆け寄って来る2人のシルバーハンドに狙いを定め右、左と撃ち抜きました。
これで終わりかと弓の弦を緩めた途端、一際大柄なシルバーハンドが中央から障害物を跳び越え躍り出るや、掲げた大斧をRioに向かって振り下ろしました。
頭部への直撃は避けたものの肩から胸部に渡って鋭い痛みが走り、Rioは仰け反りながら弓からグレートソードに持ち替えます。
防御体勢を布き。
吐く息は乱れ。
ひび割れたヘルムから血が滴り、握る大剣は流した血液によって赤く染まり始めました。
「あ・・・ああ・・・」
それまで圧倒的な勝利を誇ってきた導き手が壁に追い詰められている様を間近に見せつけられて。
凍りついたようにアシスの腕も脚も強張ります。
二度三度と大斧が空を切り裂くたびにRioの悲鳴が上がり。
導き手を助けなければと気だけは急いても無様なほど身体の震えはおさまらず。
アシスは硬直した指先一本動かせないまま悲壮感に縁取られるダンマー特有の赤い瞳を見開きました。
それでも防御から繰り出されるRioの反撃が大柄な敵の生命を削り。
アシスの眼前では双方の魂を賭けた文字通り死闘が繰り広げられていました。
死を感じ取ったRioはよろめきながらホール中央に引き下がり、身を護りつつカウンターを狙います。
(これが外れれば後はない!)
狂気に満ちた形相で振りかぶる敵を間一髪でかわし、溜めたグレートソードの切っ先を相手の腹部目がけて突き出しました。
刺し貫かれたグレートソードから大量の血がほとばしり、刃を引き抜くと同時に赤い煙かと見紛うほどの血飛沫が飛散しました。
霞む視界に愕然と佇み恐怖に震えるダンマーの姿を映しながらRioの意識は遠のいてゆきます。
血溜まりに突っ伏す大男を見下ろすアシスの双眸からはいつしか涙が溢れていました



以上でウィンドヘルムクエスト『ギャロウズ・ロックで敵のリーダーを倒す』終了となります。

ギャロウズ・ロックの対ボス戦ですが、このシーンでアシスは本当にボスに攻撃してはくれませんでした。
バニラにおいては隠密から戦闘に移った場合、従士が攻撃を受けると反射的にフォロワーが襲撃者に向かって挑みかかるというのが統一されたAI機能と思っていたのですが、狭い通路での戦いだった所為か、はたまたアシスのAIが特別だったのか。
とにかくゲーム中のボス=皮剥ぎ職人との戦いは終始タイマン勝負でした。
やらせではなく本当にストーリー通りの展開だったのです。
Rioが瀕死になるなど小桜も焦っていましたヾ(・ω・`;)ノ アシスー タスケテー
結果的に、
「単なる消化クエストにならなくてよかったかな(〃▽〃;)?」
という感想ですが、Rioからは抗議のパンチを繰り出されそうですよね。

Skyrim⑬は今回の『ギャロウズ・ロックで敵のリーダーを倒す』と次回の『ヒジュリム購入』をひとまとめにしてカテゴリーを終了する予定だったのですが、予定を変更いたしまして『ヒジュリム購入』を次回に、更にそれ以降4~5回の予定でSkyrim⑬カテゴリー内に『草の根分けても』をアップしていく予定です。
トータルSkyrim⑬は23話予定となりますが、あくまでも予定は未定ということで。
ちゃんと最後まで書けるといいなぁ。←ヒトゴトΣ(・ω・´;)!?

次回Skyrim『ヒジュリム購入』をお送りする予定です。
ネタバレ・妄想・創作がふんだんに取り入れられると思いますが、「でも来てあげるんだからね(`・ω・´)!」というツンデレな来訪者さまのお越しを心よりお待ちしております。

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Skyrim・フレイディス女王の剣をロストナイフ洞窟の隠れ家の中で見つける(*・ω・)

時は第三紀399年、メネヴィアとウェイレストに挟まれた広大な土地を見下ろす山腹に、立派で博学な裁判官がいた。
「複数の請求者に同等の所有権があるとされ、膠着状態になったときは、決闘で勝負をつけよと法はうたっております。第一の請求人、ゴルトウォグ卿は、決闘人の武器と鎧を選んでください。第二の請求人、ボウイン卿は決闘の場所を選んでください」
ブレトンとオークは互いの顔を見合わせて吟味した。
闘技場での決闘はまばらな観衆の中で行われた。
食事で満腹だったため、ボウインはとても軽やかに動けそうもないと感じていた。
驚いたことに、鎧は彼の倦怠感をくみとったかのように、よろめきに合わせて滑らかで優雅な動きを披露してみせた。
生まれて初めて、ボウインはオークの兜越しにものが見えるようになった。
もちろん、ボウインは負けた。
が、ボウインは、裁判官がためらいがちに勝者を告げるまで、三時間以上も戦いつづけてみせた。
「タナー・・・ざっくばらんに答えてくれ。ゴルトウォグ卿に勝たせようとしたな」
「ずばりでございます。だが、あなたは健闘された。二日後に戦ったとしてもこうはいかなかったでしょう。私はですね、戦わずしてオルシニウムが奪われるのは我慢ならなかったのですよ」

メニャヤ・グソスト著オルシニウム陥落“オルシニウムとオーク”より抜粋



本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

ネタバレ・妄想・創作を多々含みますので、苦手な方はスルーお願いいたします。
PC&NPCの会話は創作過多の部分もありますのでご注意下さい。
またカラー外部分はほぼ創作となっておりますので、クエストの流れだけを知りたいとおっしゃる方はカラー部分のみご覧くださいませ。



「あなたよ あなたを見るたびに頭に血が上るわ」
ウィンドヘルムの市場を通りかかったRioを仕事の手を止めたヘルミールが睨みつけます。
鍛冶屋オエンガル・ウォー・アンヴィルの弟子であるヘルミールは熱心なウルフリックと反乱軍の信奉者でした。
自分の鍛えた剣で反乱軍の兵士が帝国軍の兵士を倒したらスカイリムの解放に貢献したことになるというのが口癖で、ストームクロークを壊滅に追いやった立役者の一人であるRioを殊更憎んでいるようです。
「関わらない方がいい ウィンドヘルムが帝国の配下となり苛立っているのだろう」
ヘルミールを見つめるRioの斜め後方から、厄介事が生じる前にこの場を立ち去ろうとカルジョが忠告を与えました。
何しろここは古都ウィンドヘルム。
元反乱軍のお膝元であり、タロス信仰の禁止と帝国の政治的軍事的介入を由としない生粋のノルドが多く集う街。
彼らにとって同じノルドでありながら帝国特使の任に就くRioなどは売国奴にも等しい存在であり。
ヘルミールに限らず、ストームクローク派閥に属する者達の冷たい避難の眼差しがRioへと寄せられます。
けれどもRioは怯むことなく鍛冶屋の主オエンガルに近づいて行きました。
「怖いもの知らずがいつか命取りにならねば良いが」
カルジョは深いため息をつきながら従士につき従いました。


ウィンドヘルムクエスト『フレイディス女王の剣をロストナイフ洞窟の隠れ家の中で見つける』

オエンガルもまたストームクロークに忠誠を尽くす反乱軍の元お抱え鍛冶師であり、ヘルミール同様帝国軍の特使を務めるRioに対して良い感情を抱いてはいませんでした。
「何が欲しいんだガキめ」
親の仇を見るような目でRioを蔑み口汚く罵ってきます。
罵倒は甘んじて受け、特に腹を立てた様子もなく、Rioは内戦終結後のウィンドヘルムの様子やオエンガルの心境を彼が語るに任せ聞き入ります。
ウルフリックがいないなんて信じられない。
帝国に生活の仕方まで口出しされちゃたまらない。
街を去ろうと荷造りをしていたところにヘルミールが鍛冶の教えを乞い追いすがって来た。
「スカイリムで一番の鍛冶屋に習いたいとまで言われちゃ悪い気はしないさ エオルンド・グレイ・メーンのところにヘルミールが駆け込むのを黙って見ちゃいられなかった」
スカイフォージを操りスカイリム一の腕と称えられるエオルンド・グレイ・メーン。
そんなエオルンドにさえ決して引けは取らないとオエンガルは胸を張って見せます。
それでもヘルミールがいなければウィンドヘルムを去っていただろうと思いの丈を綴るオエンガルはふと気がかりをひとつ思い出しRioに交渉を持ちかけました。

オエンガルの交渉内容とは模造品とは異なるフレイディス上級女王時代の剣を探して来てくれというものでした。
ウィンドヘルムの首長にフレイディス女王の剣らしく見えるよう装飾を施し手渡したもののやはり納得がいかないオエンガルは日々そのことについて悩んでいたようで。
この探索が上手くいった暁には報酬をくれてやるというのです。
スカイリム随一の腕を誇る鍛冶師オエンガル・ウォー・アンヴィルに恩を売っておくいいチャンスだぞ。
ロストナイフ洞窟に向かう道中、不遜なウィンドヘルムの鍛冶屋の言葉を思い出し、カルジョは小さな唸り声を上げました。
「あの鍛冶屋 オエンガルだったか さんざん罵倒していた割には頼みごとだけはしっかり持ちかけてきていたな」
するとRioはくすくすと笑い声をもらしました。
「なんだ?」
カルジョは首をかしげます。
「だってカルジョ さっきから難しい顔をして何を考えているのかと思ったら」
それから再びRioは肩を揺らしました。
「笑い事ではないぞ従士よ どのような経緯であれ現在ウィンドヘルムを支配に置くのは帝国だ そしてあんたは帝国の特使という立場なのだろう?」
あのような傲慢な輩には二度と大層な口が利けないよう厳罰に処すべきだったのではないかと進言します。
「無礼だと斬り捨てたり戦争の勝利者に楯突くなと威圧を与えることで何が変わるの? いたずらに怨嗟をかきたてるだけよ」
「しかし懐柔では奴らを助長させるに過ぎない 何よりカジートは従士がこき下ろされているのを見るのはつらいのだ」
キャンドルハース・ホールにおいて、偉大なノルドの都が薄汚いカジートにまで占拠されてしまったと陰口を叩かれていた時ですらカルジョは聞き流していた。
それなのに自身の従士が貶されるのは我慢ならないという。
「カルジョ・・・ありがとう」
立ち止まりカジートの言い分に耳を傾けていたRioは小さくそうつぶやくのでした。

※偉大なノルドの都が薄汚いカジートにまで占領されてしまったという件は創作ですがSkyrim⑬『アーケイのアミュレットを1つトールビョルンのところに持っていく』の一場面です。気になった方はそちらをご覧くださいませ。

ロストナイフ洞窟はアモル砦西南西すぐのところにありました。
焼け爛れた2体の遺体が入り口に串刺しにされている点から鑑みてもまともな歓迎は受けられないことは明白なようです。
洞窟に踏み出そうとするRioを遮るとカルジョが注意を促しました。
「あんたがどんな任務を請け負おうとカジートはそれに従うだけだ けれど約束してくれ 危険が迫ったときには何をおいても逃亡を優先すると 生命の代わりはないのだからな」
いつの間にか少しだけ饒舌になったカジートの従者に微笑みかけながら、Rioは約束すると誓いを立てました。
しかし誓いの言葉も覚めやらぬうちにRioは窮地に追い込まれます。
入り口付近の山賊に立て続けに三矢も射損なうという大失態を演じてしまったのです。
背後から従者の影が傍らをすり抜け前方へと移動を開始するのに気づいて、Rioははたと顔を上げカルジョを凝視しました。
敵がこちらの動向に気づき挑みかかって来た場合、速やかに盾となれる位置はどこなのか。
シロディールの兵士として死線を何度もかい潜ってきたカルジョは常に護るべき者と敵との軌道を断つ位置に身を置く習慣がついていました。
身を呈してまで主君を護るカジートはこのタムリエル中探してもおそらくほとんど見つからず。
そういう意味でカルジョは極めて希少な存在でした。
ましてや同じ種族でもない人類種に義理立てするいわれはなく。
戦闘中不慮の事故などでうっかり主が命を落とそうものなら、死人に口なしとばかり、雇い主が身につけている金品を掠め盗り戦場からはおさらばするというのが定石。
名誉よりも実利、節制よりも本能、忠誠心などというものは希薄で利己的であることになんら迷いを感じない種族カジート。
けれどもカルジョはそんなカジート種族でありながら、彼らがほとんど美徳として掲げはしない忠義の心や自制心を有しているのでした。
山賊の遺体から鍵を拾い上げ前進するRioの身に危険が及ばないと判断したところで、カルジョはようやく後方へと身を引きました。
響き渡る滝の水飛沫。
流れ込む空気の清々しさなどから吹き抜けがあることを予想しつつ、Rioは前方で警戒に当たる山賊2名を欄干から射落としました。
正面の敵がいなくなるや、ステルス体勢を保ったまま今度は右手上方を振り仰ぎます。
吊り橋上で見張りを続ける1名へ鏃を叩き込むと、異変を嗅ぎ取ったもう1人の山賊が吊り橋を右往左往し始めます。
手すりが邪魔をして数回矢は逸れ、その度に新しい鋼鉄製の矢羽を番えなおしました。
なんとか視界に映る敵すべてを殲滅し終えたRioはほっと安堵のため息をつきます。
石橋を渡り左手通路を歩く山賊を背後から仕留め、鳴子の罠を避け、ロープトラップをいなし、突き進んで行くと左手に細いスロープを発見です。
右手に注意を向けると巡回中の賊の一人が見受けられ、すかさず引き絞った矢を射掛けます。
スロープを上ると更に2人、敵影が揺れ動いていました。
従士の身に危険が迫ればすぐさま飛び出そうという気概が後方より感じられ。
Rioは従者に生命を預け、しなやかにそして大胆に行く手を阻む敵を撃破してゆきます。
念の為にと、後方に伸びる通路先の小部屋を覗き込んだ途端、山賊の一人と鉢合わせしてしまいました。
思わず飛び退くRioと入れ替わるようにして盾を構え前進するカルジョ。
襲い掛かる賊の剣を最小限の動きでかわし鮮やかな剣技で相手を壁際に追い詰めると、瞬く間に驚愕し蒼褪める敵をウィンドシアの鉄錆と化してしまいました。
抜いたグレートソードをそのまま鞘に納めるRioは室内を物色し、目ぼしい物がないことを確かめて小部屋を後にしました。

一旦スロープ付近に戻ったRioは横道に逸れるかのような暗い通路の先に灯りがもれていることに気づきました。
右の部屋から3人の話し声も聞こえてきます。
「まただボスの悪い癖だな」
「どうした? ボスが何かやらかしたのか?」
「酒癖が悪くてな 今度はあの中で全員とケンカをする気らしい」
この3人の他にボスなる人物がいるようで。
どうやらボスは酒癖の悪さからどこかに隔離されている模様でした。
とりあえずこの山賊3人を始末してしまおう。
チラリと振り返るRioの言わんとすることを察してカジートも小さくうなずきます。
十分に引き絞った矢を手前の賊にヒットさせるのを合図に、ウィンドシアを鞘から滑らせるカルジョが前方に躍り出ました。
研ぎ澄まされたシミターが閃くと同時に血飛沫が上がり2人目の賊が床に突っ伏します。
3人目の山賊の横っ腹をRioの手を離れた矢羽が貫いた瞬間、袈裟懸けに振り上げられたカジートの刃によって最後の賊も絶命を遂げました。
その後もう一度通路に戻り、正面上層部に渡された足場を巡回する敵を仕留めがてら上り口がないことを確かめます。
「ここから上るのは無理みたい(´・ω・`)」
「ふむ ではもう一度山賊共がたむろしていた部屋を調べてみよう」
どうもまだ奥に敵のにおいがするとカルジョはひくひくと鼻を動かし耳をそばだてました。
部屋の突き当たり右手の宝箱には目的のフレイディス女王の剣らしき物は見当たらず、隠密を保ったまま左の通路を辿ります。
スロープを上りきった突き当たりの踊り場一角にはベッドロールが敷き詰められていました。
仮眠をとるオークの山賊を二度と目覚めることのない永遠の眠りに陥れ、踊り場の右端のサイドテーブルへ目をやると“オルシニウムとオーク”という一冊の本を見つけました。
時は第3紀399年、ハイロックのとある土地の利権を巡り一人のオーク、ゴルトウォグ・グロ・ナグロムがブレトン貴族であるボウイン卿と決闘を行うことになる。
結果、ボウイン卿が敗北し、ゴルトウォグは利権を得た土地を祖先の有していた要塞にちなんでオルシニウムと名づけた。
戦わずしてオルシニウムが奪われるのは我慢ならなかったと最後に結ぶオークの翁タナーの気持ちをRioがカルジョに語って聞かせると、カジートは小さなため息をつきました。
「このタナーという老いぼれオークは訓練師としての任もちゃんと果たしていたということか 種族としての圧倒的勝利が約束された状況で敢えて他種族が最善を尽くせる状況をお膳立てするとは愚かなことだ オークも妙なこだわりを捨てれば今頃タムリエルに帝国やアルドメリを脅かす一大要塞を築けていたかもしれないのにな」
こういう考え方をする辺り、やはりカルジョはカジートなのだとRioは声をひそめて笑います。
ひとしきり笑った後、Rioは笑みを薄暗がりに消し去ると真剣な面差しで虚空を見上げました。
「手に入れる土地以上に他種族にオークのこだわりを知ってもらう方が種族の存続と尊厳の為に必要だと感じたのかもしれないわ」
損得だけで動く者はたとえ一時の利を得ようとも、永劫なる畏怖も繁栄も手にすることはできない。
「満足に戦うこともできずにボウイン卿が負けていたら 結果は同じであれオークがどのような種族なのかわかってもらうことはできなかったでしょうね(〃´・ω・`)」
傍らで聞き入っていたカルジョはゆっくりと顔を上げ従士の横顔をまじまじと見つめました。

そのまま左壁沿い通路を進んで行くと、的の設置された訓練所めいた場所に辿り着きます。
テーブルの上には鉈と切り取られた血塗れの手が載せられていました。
辺りに飛び散る血飛沫や無残な残骸から目を逸らし、Rioは注意を前方へと集中させます。
「先ほど上がり口のなかった足場だな」
カルジョの囁き声にRioもコクリとうなずきました。
滴り落ちる流水を潜り忍び足で天然の通路を抜けると一際大きなホールに行き当たりました。
下段からは数人の山賊の声が聞こえてきます。
矢を番え遥か右手前方をうろつく賊に射放ってみたものの見事にかわされてしまい、
(まずい。余計な警戒を与えてしまった(`・ω・´;))
焦るRioは敵の反撃に備えつつ後退します。
侵入者を見極められないまま右往左往する他の山賊を次のターゲットに定めるや、中央の柱ともつかない岩場の陰から狙い撃ちします。
今度は上手く眉間を捉え一撃で標的を沈めることに成功です。
続く3の矢を左手に佇む敵に叩き込んだところで、ようやく上層から攻撃を受けていることに気づいた2人の山賊が左右両サイドのスロープを駆け上がって来ました。
左の賊に鏃が突き刺さると同時に飛び出したカルジョのウィンドシアが空を切り唸りをあげます。
地に伏す賊と入れ替わりに右から斧を振り上げる山賊がなだれ込みます。
敵の動きを予測し直撃を避けて。
Rioは後ろに跳びずさりました。
流れるような動きで倒した敵の許を離れ、盾を掲げ持つカルジョがサイドステップで従士と敵の間に割って入り。
そして速度を伴う一撃を山賊の肩から胸部にかけて振り下ろします。
一連の動作に無駄はなく、鍛えぬかれたカジートの身体がしなり、カルジョの斬戟が敵に引導を渡しました。
危なげなく戦い易い。
カルジョとの連携で常に感じる心地よさにRioも満足そうに笑みを浮かべます。
スロープを下った奥の宝箱から古代のノルドの剣らしき逸品を取り上げ、Rioは吟味を始めました。
「そいつに間違いないだろう」
後方からのカルジョの言葉に、その根拠は・・・と、Rioが小首をかしげてみせます。
先日連れて行ってもらったウィンドヘルムの王の宮殿に、そいつとそっくりな一振りが飾られていたとカジートは理由を述べました。
「あんたが新しい首長ブランなんとかと話をしている間 壁にかけられたそれによく似た剣を眺めていたからな 剣を売れば半年は遊んで暮らせそうだなどと考えていた あの時はまさか贋作だとは思いもしなかった」
金目の物を値踏みするのはカジートの得意技だ、知っておくといい。
カルジョはいつものクリンを浮かべます。
なるほどと笑ってうなずくとRioは手にした剣を荷に仕舞い込みました。
それから帰途に就きかけた背後を突如一人の賊が襲い掛かります。
物陰に隠れていた残党のようで。
従士の背に振り下ろされつつある賊の剣を反射的に蹴り飛ばすや、カルジョは抜き放つウィンドシアで迎撃に転じました。
勝負は
瞬時につき。
肉塊となった山賊の死臭に反応する檻内のサーベルキャットの唸り声がいつまでも洞窟内に木霊し渡りました。

ロストナイフ洞窟を抜け出ると外は夜の帳が下り、空には雲がかかった上弦のセクンダがぼんやりと淡い輝きを放っています。
ここから近いアモル砦で一夜を過ごそうか、それともイヴァルステッドに向かおうかとのRioの語りかけを遮って。
カルジョはここで別れようと切り出しました。
ヴィルカスが同胞団の仕事に片が付くまでの期限。
その1週間は当に過ぎていました。
そんなに急いで従者としての契約を破棄しなくても大丈夫、別れの晩餐を楽しむ時間くらいはあるからとRioが返答するのをもう一度遮りながら、カジートは山際に辛うじて姿を見せるセクンダを見はるかしました。
別れを後に延ばせば一層離れがたくなる。
思い出を重ねれば重ねるほど共に過ごす時間を失うのが怖くなる。
「報酬もまだ準備していないのに」
突然の従者の申し出にうろたえながら引き止めようとする従士を人懐っこい丸い瞳で見つめて。
カルジョは別れ際、最後のレリンジェラ・クリンを浮かべました。
「次にカジートを雇いたくなったときにまとめて支払ってくれ その時はうんとはずんでくれるんだろう?」
料理の腕も上達していてくれることを願っていると。
少しだけ耳に痛い別れの言葉を残してカルジョは南へと歩き去って行きます。
「ここの砂は冷たいが お前がいるとカジートは暖かく感じるよ」
もはや伝えるべき相手のいないカルジョの囁きを夜空に浮かぶセクンダだけがそっと聞き届けてくれたのでした。


以上でウィンドヘルムクエスト『フレイディス女王の剣をロストナイフ洞窟の隠れ家の中で見つける』終了となります。

“オルシニウムとオーク”の冒頭に記された第三紀399年は実はジャガル・サルンが滅ぼされた年でもあり、TES1・Arenaのチャンピオンなる主人公が目的を達成した年でもあります。
翌年にはハイロックのダガーフォールとハンマーフェルのセンチネルの間でベトニィ戦争が勃発するなど激動の年となっております。
その5年後にTES2・Daggerfallが始まるという急展開の中、ハイロックでオルシニウムが再建設されたということが読み取れる貴重な一冊と言えるのではないでしょうか。
主人公もまた広大なタムリエル、いえニルンに生きる小さな存在であることを他の年代、他の土地で生じた出来事を知るにつけ痛感させられます。
小さな存在、気も遠くなるほどの時間のたった一瞬を生きる者。
たとえそうであってもスカイリムのドヴァーキンとして生を為したRioと彼女を巡る人々を自分なりに描き自分なりの結末に導いていけたらと思います。
「実績のほとんどを踏破してもらう(`・ω・´)」
と決めた時からかなりRPG的にも破綻した茨の道になることは覚悟していたつもりですが、もう現実の倫理観などと照らし合わせて考えてはアウトなシーンばかりです。ハイ・・・
ポジティブに考えれば、それだからこそRioは破天荒で波乱万丈な生き方を余儀なくされてドラマティックに生きられるのかもしれません。
最初は後悔することばかりだったのですが、今となっては、
「お行儀のよい聖人や善人としてまとまるより むちゃくちゃだけどスリルと悔恨と非現実性に満ち満ちた世界で強く生きる主人公もいいのではないかな~」
と思ったり思わなかったりです。
だってせっかくRPGするのですからカオスに生きてみたい気もするじゃないですか(〃▽〃)←ヒラキナオッタ

次回Skyrimは『ギャロウズ・ロックで敵のリーダーを倒す』をお送りする予定です。
恒例ですがネタバレ・妄想・創作などなどが含まれると思います。
「それでもいいよ(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)」とおっしゃる来訪者さまのお越しを心よりお待ちしております。

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Skyrim・ブロークン・ラムの野営地にいる巨人を倒す&戦いの第一公会議の写しを見つける(`・ω・´)

戦いの第一公会議は、世俗的なダンマー諸家のドゥーマー、ダゴス、正統派ダンマー諸家のインドリル、レドラン、ドレス、フラール、テルヴァンニの間で起きた、第一紀の宗教衝突である。
正統派の一族は広範囲に散らばっていて、まとまりが悪く、ネレヴァルが全一族部隊の将軍になるまで敗北を喫していた。
ネレヴァルは遊牧民部族の援助を得て、ヴァーデンフェルのレッドマウンテンにある世俗派の要塞に大攻勢をかけた。
ドゥーマーとダゴスの諸家は断絶した。
正統派の中の3人、ヴィベク、アルマレクシア、ソーサ・シルが再結成された第一公会議で実権を握った。

アグリッパ・ファンダリウス著“戦いの第一公会議”より抜粋



本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

ネタバレ・妄想・創作が含まれておりますので、「そういうのは苦手です」とおっしゃる方はスルーお願いいたします。
カラー外部分はほとんどが創作パートとなっておりますので、クエスト内容のみ知りたい方はカラー部分のみご覧いただけますなら幸です。



『ブロークン・ラムの野営地にいる巨人を倒す』

ウィンドヘルムの南、アモル砦の東すぐの地点にあるブロークン・ラムの野営地。
ここ最近、野営地にたむろする巨人による市民や旅人への被害が多数報告されているということで。
討伐を要請するとの通達書がニューグニシス・コーナークラブにも届いていたのでした。
依頼主はウィンドヘルムの王の宮殿にて旧首長ウルフリックの時代より執政を務めるヨルレイフ。
彼とは他の何件かの事案についても話し合いを必要としている間柄でした。
ウラッグから頼まれていた書物がホワイトホールドとリーチの境にあるバイルガルチ鉱山に眠っているらしいとの報も受け、遠出がてら巨人の討伐を引き受けてみることにするRioなのです。
幾つかの間欠泉を越えた先にブロークン・ラムの野営地はありました。
(2体いるみたいね|ω・))
隠密体勢のまま高台より、まずは1体目の巨人に狙いを定めその脳天を射抜きます。
すぐに引き絞ったRioの第二の矢とカルジョの番えた矢が同時に2体目の巨人の心臓を捉え、戦闘はあっけないほど簡単な幕切れとなりました。
周りに吹き出す間欠泉と湯気を見つめる瞳を輝かせながらRioはカルジョに話しかけます。
「巨人も温泉に浸かっていたのかな(〃▽〃)? コウノウハ ナニカナァ?」
さあどうだろうなと応えつつ、カルジョは己の従士の様子を覗いました。
それから周囲を警戒し、熊やサーベルキャットなど害獣やならず者などの気配がないかを確かめた後、
「そんなに温泉に浸かりたいのなら浸かるといい カジートが見張っていてやるから」
と。
わずかな動揺を隠しつつ努めて冷静な口調で見張り番を申し出ます。
「いいのカルジョ? ありがとう(〃▽〃)♪」
カルジョの言葉に小躍りしつつ温泉の湯加減と透明度を確かめて周るRioなのです。
やがて背後から聞こえる甲冑を無造作に放り出して後の衣擦れの音や水音にどぎまぎし、振り返りたい気持ちを抑えつつ落ち着かない風情のカジートは突然の侵入者に備え、そわそわと辺りを見渡しました。

遅い昼食を挟んでその夜はホワイトランのブリーズホームで過ごすことに決めたRioとカルジョは夕食をヴィルカスら同胞団メンバーと共に摂ろうということで話をまとめ、ジョルバスクルへと向かいます。
夕暮れ時の戦乙女の炉の前でRioはブリーズホームを見遣るファルカスの姿に目を留めました。
導き手であり義妹にも当たるRioの存在に気づくとファルカスは軽く右手を挙げ、久しぶりだなと飾り気のない笑い声を響かせました。
「ヴィルカスならジョルバスクルだぞ」
さり気なくいつも兄弟であるヴィルカスと自分を思いやってくれる優しいファルカスに、Rioも親しみを込めた笑みを返します。
熊の肉や毛皮を背負い、咳払いをひとつしてブリーズホームの戸口を叩くトーバーの前でやがて扉が開け放たれ、リディアが姿を現すのでした。
今日の獲物の裾分けだと説明を入れ肩の熊肉を差し出すトーバーがリディア相手に狩りと戦の自慢話を始めます。
しばし聞き入っていたリディアもやがて通りに佇むRioとファルカスの姿を見とがめて。
まだまだ終わりそうにないトーバーの話っぷりに笑みを浮かべ肩をすくめて見せました。
おとなしくリディアが相槌を打ってくれるのをいいことに、いよいよ自分語りに拍車がかかるトーバーの肩を掴んだファルカスが、もういい加減にしておけと止め立てに入ります。
それからトーバーの肩を滑り落ちた熊の毛皮の砂誇りを払い、ファルカスはそれをリディアへと手渡しました。
ジョルバスクルに向かうファルカスとトーバーの後について歩き出したRioの後方にて。
カルジョがぼそりと小さな独り言をもらします。
「前を行く同胞団の二人はきっとリディアのことが気になって仕方ないのだろう」
「えっ・・・!?」
素っ頓狂な声を発する導き手を訝しげな表情で振り返るファルカスとトーバー。
二人になんでもないと首と両手を同時にぶんぶんと振り、後方に付き従うカジートに歩調を合わせるようにしてRioは忍び足で後退してゆきます。
「なぜそう思うの|ω・)?」
カジートのすぐ隣にまで距離を詰めたRioが従者のピンと立った耳元に囁きかけました。
カルジョは匂いでわかるなどと嘯き、冗談だとすぐに訂正を入れました。
「視線を追っていればおのずと誰が誰に興味があるのかわかって来るものだ 興味深い対象ほど凝視する時間が長くなる 自分へ注意を惹きたい対象ほど話も長くなる」
自然の摂理だと答えて。
カルジョは一層声をひそめます。
「戦利品を土産にかこつけて手渡すのも好きな女を落とすのに有効的だ 女を喜ばせ自分の力の誇示にも一役買う」
(そういえば初めてカルジョをブリーズホームに招待した折、食卓を彩っていたスパイスの利いたマンモスの肉もファルカスが届けてくれたものだってリディア言ってたっけ(○´゚ω゚`))
よくよく思い出してみれば思い当たる節があるとばかりRioもコクリとうなずきました。
「とはいえリディアに至っては二人の気持ちにまったく気づいていなさそうだったがな」
伊達に周囲の顔色を窺って異種族ひしめくシロディールで兵士に従事してきたわけでもなく。
また、スカイリムでさまざまな人間模様に触れる機会の多いカジート・キャラバンの護衛を勤めてきたわけでもないさと。
カルジョは目を細め、髭を撫でつけました。
種族特有の笑み、クリンを浮かべるカルジョの横顔を眺めつつ、今度それとなくリディアの気持ちに探りを入れてみようと密かに誓うRioなのです。

「カジートだなんて随分珍しい従者を雇ったものね」
「これって自前の毛皮なの? 暖かそうでいいじゃない」
狩猟の女神アエラとンジャダ・ストーンアームのしなやかな指先が耳や尻尾に触れるたび、カジートは耳を伏せ尻尾をひょいとあらぬ方に揺らしては遠回しに接触を拒んで見せます。
ジョルバスクルにて。
アエラやンジャダの視線に晒され、気恥ずかしく居心地が悪いまま片隅の壁にもたれるカルジョは目の前で己の従士がパートナーであるヴィルカスと語らっている情景をぼんやりと眺めていました。
受けた依頼の残務処理に少なくとももう1週間ほどはかかりそうだと状況を説明するヴィルカスに、カルジョがいてくれるからだいじょうぶと屈託のない笑みを返すRio。
残り1週間か・・・。
心の内でカジートは反芻しました。
それからヴィルカスはカルジョの前に立ち、世話の焼ける相棒の面倒を押し付けてすまないとエールのなみなみと注がれたジョッキを差し出しました。
「世話が焼けるだなんてひどい(`・ω・〃´)ソウカモシレナイケド」
耳ざとくヴィルカスの台詞を聞きつけ、頬をふくらませ抗議するRioをもう一度じっと見つめると。
「いや面倒だと思ったことは一度もないさ」
思わず眼差しがぶつかりそうになる己の従士から目を逸らせ、カルジョはぼそりとつぶやきました。


『戦いの第一公会議の写しを見つける』

翌朝早くブリーズホームを出たRioはロリクステッド南に位置するバイルガルチ鉱山を目指します。
アルケイナエウムの書士ウラッグによると、この鉱山に“戦いの第一公会議”なる書物が存在するらしく、アークメイジという名の便利屋兼冒険家なRioの出番というわけであります。
魔法大学のアルケイナエウムの司書とも知り合いなのか顔が広いのだなと目を細めるカルジョに、鉱山に足を踏み入れたばかりのRioが振り返り小声で返事を返します。
「呪文の研究のため魔法書と向き合うようなデスクワーク向きじゃないアークメイジにふさわしい任務を斡旋したつもりみたいよ(*・ω・) イイブンセキリョク ダケドネ」
「ふむ 確かにあんたは魔法書とにらめっこするようなガラじゃないな・・・って 誰がアークメイジだって!?」
唇に人差し指を立てシーっという素振りを見せた後、その指先でRioはゆっくりと自分自身を指し示して見せます。
その瞬間、つぶらなカジートの瞳は見開かれ一層まん丸になりました。
アークメイジとは魔法大学を率いる者、魔法に長けた理知的なリーダーというカジートの認識は誤っていたのだろうか。
それとも腕力に任せて敵を殴打したり斬撃を与えることそのものがこのスカイリムというノルドの故郷では魔法と呼ばれているのだろうか。
めくるめくカルジョの逡巡をその表情から読み取ったRioが唇を尖らせ言い訳を試みます。
「アークメイジの癖に魔法なんて使ってないだろうって言いたそうな顔つきだけど これでも一応アークメイジなのよ(`・ω・´) ナンチャッテメイジ ダケドネ」
それから悪びれもせずに胸を張り、抑えた声音ながら自己弁護に乗り出すRioなのです。
「魔法がほとんど使えない世にも奇妙なアークメイジが一人くらいタムリエルにいたっていいでしょう|ω・)? ホラ ナンダカ レアッテカンジ?」
「ふうむ・・・」
そういうものなのか。
カルジョは呆気にとられた表情のまま唸り顎に手を当て、やはり腑に落ちないと言わんばかりに何度も首をかしげました。

バイルガルチ鉱山付近の砦に辿り着く頃には太陽が傾きかけていました。
オークの山賊を一人手早く片付け、身をかがめて砦の探索を開始します。
入り口の見張り以外に敵影はなく、これ幸いと粗末な木製の階段を駆け上がったところでRioは2人の山賊に出くわしました。
この鉱山の山賊のほとんどが要塞を離れたはぐれオークでした。
オークは族長とそうでない者との待遇に雲泥の差があり、オークの掟に縛られる要塞の中では族長の有する数々の特権は最強の男にしか与えられません。
他のオークらを退け己の力を示し一族の頂点に君臨さえすれば、すべての権力も望みの品も欲しい女も思いのまま。
要塞中央の一際豪奢な建物に住まい、豊かな実りと芳醇な酒、良質の武具などが献上される。
常に多くの妻たる女オーク達に傅かれ、その強大なる血統は幾人もの子らに受け継がれる。
反面、他の男オークらは要塞に住みなす限り妻を娶ることすらままならないという。
「要塞に住みなす一族らにもスカイリムの人類種の作り出した制度にも馴染まず 流れ流れてここまで来たのだろう」
漂白の果てに山賊に身を落としたか。
「力こそが絶対というオークの社会制度はシンプルで残酷なものだとカジート・キャラバンを訪れたオークに聞いた」
カジートは横たわる山賊が晒すオーク特有の灰緑色の肌に視線を落としました。

周囲とオークの遺体を物色し目的の書物が見当たらないことを確認して。
Rioは血飛沫の飛び散る階段を上り高台の左手からバイルガルチ鉱山内部へ侵入します。
鳴子の罠に体が触れないよう慎重に道を選びながら坑道を通過して行くと、突き当たりの宝箱から埃を被った本を発見です。
「戦いの第一公会議 これに間違いなさそう|ω・)」
辺りに山賊の気配がないのを確かめるやRioは素早く文面に目を通し始めました。
何が書いてあるのかと物問いたげなカルジョにRioはかいつまんで書の内容を伝えます。
第1紀、現在はダンマーと呼ばれる種族チャイマーは世俗派であるドゥーマーとダゴス、それに正統派であるインドリルとレドランとドレスとフラール及びテルヴァンニの二派に分かれていた。
最初に勢力を伸ばしたのはノルドとオークの援助を受けた世俗派だったが、ネレヴァル将軍という人物の登場によって正統派が力を盛り返しレッドマウンテンにおいてとうとう形勢は逆転した。
世俗派の指導者は殺され、致命傷を負ったネレヴァルもドゥーマーとダゴスの諸家を断絶に追いやった後、世を去った。
「世俗派と正統派の二派の宗教衝突を戦いの第一公会議と呼ぶみたい」
「ふむ ダンマーの歴史本か カジートにはまったくちんぷんかんぷんの内容だ」
カルジョは眉間をひそめ、講義はもう結構と両手をひょいと掲げました。
「ウラッグはオークなんだけど どんな種族に関する本も蒐集しているの」
他種族の歴史を知ることは各々の人種が持つ種族の性質を知ることに繋がる。
異民族の歴史は核心であり本質であり拠り所でもある。
それらを熟知する者は同種異種の別なく彼らをよく導く。
「ほほう そのウラッグとかいうオークの格言か?」
「ふふふ・・・今思いついたあたしの名言よ だからあたしはカジートのこともよく知りたいと思うわ(〃▽〃) シッポ サワラセテネ」
自ら名言と言い切るのかと呆れつつも、カルジョはこの一介のノルド娘の中に得体の知れない風格を垣間見ていた。
彼女の周囲にまばゆい光が見える。
護り支える数多種族の気配を感じる。
いや、そんなわけがない。
ただの思い過ごし・・・幻影だ。
それらを幻だと否定してカルジョは二度三度激しく頭を振りました。

山間を横切り獣道を北に辿って行くとロリクステッドに到着です。
村で唯一の宿屋兼酒場フロストフルーツの扉をくぐったところでRioはようやく人心地つき、ヘルムを外し荷を宿の片隅に置きました。
Rioの存在に気づいたムラルキが背後で樽の中身をチェックする息子に声をかけます。
すると弾かれたように振り返るエリクが駆け寄りRioを抱きしめました。
「こんなに早く またここを訪れてくれるなんて夢にも思わなかったよ」
そのまま腕の中の想い人に唇まで重ねそうな勢いのエリクに、
「えへん うぉっほん!」
カルジョがわざとらしい咳払いを浴びせかけました。
「ええとこの猫・・・いや彼は一体誰なんだい?」
エリクの質問に今の従者で名前はカルジョだと応えるRioなのです。
「へえ獣人か 珍しい従者だね」
相槌を打ちつつも自分が望んだ地位を易々と手に入れているカジートが羨ましく妬ましく。
ハーブのサラダを取り分けるエリクはカルジョへと恨めしげな視線を送ります。
それから腹をすかせているだろうからと二人を炉辺近くへ招き入れ、寛ぐよう促しました。
温かい食事と蜂蜜酒が振る舞われ、ロリクステッドの村人達の近況に加えてエリクは先日ルシアとソフィを小旅行に連れ出した経緯を綴ります。
ルシアから手紙を見せてもらったと。
とても喜んではしゃいでいたわと応え、Rioは目を細めてバターとガーリックがたっぷりと塗られたパンを頬張りました。
「ソフィもいっしょに連れていってくれたのね(〃▽〃)」
微笑むRioをカウンター越しから見つめ返して。
俺は彼女達二人を護衛するよう姫君から仰せつかった騎士だからねなどと、湯気の立つ鶏のグリル片手にエリクはおどけて見せます。
「まあルシアは少し不服そうだったけどさ ソフィも俺にとっては大切な妹みたいなものだから ルシアばかり特別扱いする気にはなれないんだ」
そこまで語り終えて。
ふと真面目な表情に戻ったエリクはできあがった料理をテーブルに置き、Rioの座る椅子に手をかけるや跪き真剣な声音で伺いを立てます。
「できれば二人共俺の娘にしちまいたいんだけど どうかな?」
ルシアとソフィを養女に欲しいってことならお断りとそっぽを向くRioに、そうじゃなくてと脱力し苦笑いするしかないエリクなのです。
巧くはぐらかされているのか天然なのか。
「切ないなぁ」
テーブルにもたれて寝息をたてるRioの寝顔を眺めるエリクがため息をもらします。
「あんたは軽薄が過ぎる 毛なし族にも我々カジートのような“Fusozay Var Var”言わば恋に奔放で直情的な輩がいるとは驚きだ 冷静になって考えるんだ 従士は人妻だぞ」
既に蜂蜜酒の数本は平らげているカルジョの一向に乱れる様子もない理路整然とした口調にムッとしたエリクが皮肉交じりに言い返します。
「他人のものだからって諦めきれるくらいならこんなに想い悩んだりしない! 訳のわからない引用を用いて説教するなんざ あんたもたいがいカジートらしくないじゃないか」
カジートらしくないなど自己否定ともとれる非難を浴びて。
カルジョもぴくりと髭を震わせます。
己の感情に忠実に従うノルドと達観し過ぎておもしろみに欠けるカジート。
互いを牽制し合う二人の男は眠りに就く一人の女を間に飲み比べでもする勢いでジョッキを干してゆくのでした。


以上で『ブロークン・ラムの野営地にいる巨人を倒す』&『戦いの第一公会議の写しを見つける』終了となります。

“戦いの第一公会議”について少々補足を。
以降は想像及びTESシリーズのネタバレとなりますので今後、他のTESシリーズをプレイされる方はご注意くださいませ。
まずスカイリム内でもよく名前の挙がるモロウウィンドの五大家であるインドリル、レドラン、ドレス、フラール、テルヴァンニですが、レドランにつきましてはレドラン家の隠れ家という場所の名前としてTES5では登場します。
レドラン家及びフラール家につきましてはDLCドラゴンボーンの舞台となるソルスセイムにてクエストなどで関わりを持つ機会があることと思います。
また、ドレス家と言えばブラック・ブライアのハチミツ酒醸造所で勤めるロムリン・ドレスを思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが、ドレスの綴りが違うようで、ロムリンの場合のドレスはDreth(五大家のドレスはDres)で、TES4で最初に出会うダンマーの囚人ヴァレン・ドレス所縁の者という設定ではないかと思われます。
世俗派と正統派の宗教的な衝突は最初はノルドやオークの支援を受けたドゥーマー&ダゴスの世俗派が正統派を制圧していくのですが、インドリル家出身のネレヴァルというダンマーの登場で世俗派はお家断絶となるようです。
しかしレッドマウンテンの戦いで勝利を治めたネレヴァルもまた親友ダゴス・ウルと相談役の三現人神=トリビュナルであるヴィベク、アルマレクシア、ソーサ・シルの裏切りを受け、殺害されたとの疑いが残ります。
ネレヴァルの死に怒りを覚えたデイドラであるアズラはチャイマーの肌の色を青灰色に変え、いつかネレヴァルの生まれ変わりがこの世に現れると予言します。
以来ダークエルフはチャイマーではなくダンマーと呼ばれるようになり、ネレヴァルの生まれ変わりがTES3のプレイヤーである主人公ネレヴァリンへと繋がるようです。
ダゴス・ウルにつきましてはロルカーン(ノルドで言うショール)の心臓を使いヌミディウムというドゥーマーの生み出した巨人と関わりを持つ人物ですが、こちらではSkyrim⑥メインクエスト『エルダーの知識:前編』のセプティマス・シグナスの言葉「ダゴス・ウルの招いた災いだ」などからわずかながらTES3の片鱗を感じ取れます。
ロルカーンの心臓とヌミディウムと来れば思い出すのがTES5内で得た書物“アークチュリアン異教”で、こちらはタロスことタイバー・セプティムがドゥーマーの巨大な機械人形を利用し、サマーセット島のアルトマーらに決定的な敗北をもたらしたとされております。
ただし、TESシリーズ内の本はすべてが真実というわけでもなく、書き手の主観や創作も施されているのではないかと思われる節もあり、正しい歴史書として鵜呑みにしてしまうのは危険かもしれません。
書物を発掘し考察を加えることも大切ではあるのですが、真実に近しい答えを見つけるためにTES5のみならずかつてのTES世界に身を投じプレイして実際に感じ取ってみるのが一番かと思われます。
こうなってくるとTES3のモロウウィンドもぜひプレイしてみたいところなのですが、日本語訳されていないと物語への没入感が格段に悪くなってしまうのが難点ですね。

次回Skyrimは『フレイディス女王の剣をロストナイフ洞窟の隠れ家の中で見つける』をお送りいたします。
ネタバレ・妄想・創作など多々含むとは思いますが、「よーくわかってます(*・ω・)」と諦観を決めておられる皆様のお越しを心よりお待ちしております。

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