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2016年7月

Skyrim・回復術・儀式の呪文⑤(○´゚ω゚`)

破壊に召喚、変性に幻惑の試練を経て。
いよいよウィンターホールド魔法大学を後にしようとするRioは絡みつくような視線を感じ振り返ります。
するとそこには回復術の講師コレット・マレンスの姿がありました。

本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

ネタバレ・妄想・創作が含まれますので、苦手な方はスルーお願いいたします。
PC&NPC間の会話にはゲーム内で実際に使用されている会話も含まれますが、創作も含まれますのでゲーム内の台詞だけ知りたいとおっしゃる方は直接ゲームをプレイした後、もう一度お越しいただけますなら幸いです。

そろそろ出発しましょうとブレリナ・マリオンに腕を引っ張られ。
ウィンターホールド魔法大学の中庭から正門に歩き出すRioはおどろおどろしい視線を感じ振り返ります。
するとそこには物陰から憂鬱そうな顔を半分ほど覗かせた回復術の講師コレット・マレンスの姿がありました。
「回復魔法は完璧で有効な魔法学の分野 それなのに皆で私を蔑ろにして アークメイジまで回復術を軽んじているのですね」
破壊、召喚、変性、幻惑と魔法学のさまざまな分野の最高位魔法の取得に努めておきながら未だ回復術の達人級魔法についての教えを乞いにも来ない。
それどころかアークメイジという立場にありながら根無し草の風来坊よろしく魔法大学を立ち去ろうとしている。
恨みがましい視線をRioに注ぎ、ぶつぶつ繰言をもらすコレットなのです。
傍らで、あらら・・・と細い指先を唇に添えるダンマーの学友と顔を見合わせて。
Rioは中庭の石柱に半身を隠す回復術の講師をなだめようと歩み寄りました。
そして回復魔法について他に学んでおくべきことはなかったかと話題を振ります。
「あります ありますとも! それでこそアークメイジ! あなたはやっぱりこの大学の代表にして模範生徒 アークメイジが回復術の分野そのものを否定するような愚か者ではないことは私にはちゃんとわかっておりました」
背を丸めどんよりとしていた先程とはうって変わり。
コレット・マレンスは突如誇らしげに胸を反らせ、したり顔で朗々と弁を振るい始めました。
そもそもウィンターホールド魔法大学の他の者達には回復術とそれを専門に扱う私に対する敬意も尊重も足りていない。
他者を癒し保護する魔法に関しての知識も関心も希薄過ぎる。
「そうは思いませんか アークメイジ?」
まくしたてるコレットに圧され、額に冷や汗を浮かべ笑顔を引きつらせるRioはひたすらコクコクうなずいてみせます。
理解を得られ満足したのか。
遂に回復術の講師の口から本題が紡ぎ出されます。


魔術師の達人クエスト『回復術・儀式の呪文⑤』

「まずは予言者と話さなければなりません」
「予言者・・・」
回復術の分野においてはコレットが最高位に位置する者なのかと思っていたとつぶやくRioに、気を良くしたコレットが高らかな笑い声を響かせました。
「アークメイジが口が上手いとの噂は本当だったようですね でも残念ながら回復術については私よりもっと優れたマスターが存在するのです」
それがミッデン・ダークを棲みかとするダンレインの予言者であり、彼は回復魔法の才能に恵まれ、唱える呪文のどれもがずば抜けていたと回復術の講師は説明を続けます。
「他の者が理解さえできない呪文すら習得してしまったというのですから その才能たるや恐るべきもので ええ こほん・・・」
咳払いをひとつするコレットはまるで自らの手柄のごとくダンレインの預言者について誇らしげに滔々と語ります。
「問題は彼が気に入った相手としか知識を共有したがらないということです でも回復術を極めたあなたならきっと大丈夫」
(ダンレインの予言者。もう一度、彼はあたしと会ってくれるのだろうか)
肉体を失くし青白い光と化してしまった予言者と初めて対話を交わしたのはマグナスの目の対処に関する助言を授かりに行った折。
あれからもう二年も経過してしまった。
Rioはほっと小さなため息をつきます。
生ある内は輝かしい功績を収め、魔法大学すべての者たちの尊敬を集め、羨望の眼差しを一身に受けていた人物であるダンレインの預言者。
魔法実験により引き起こされた事故が彼の精神を除くすべてを破壊し尽くしてしまった。
闇に頼りなげに漂う青白い光。
その哀しくも儚い姿を思い浮かべつつRioはそっと瞼を伏せました。
アークメイジの感傷などお構いなしに回復術の最高位魔法取得について語り終えたコレットは、
「あらもうこんな時間 昼食は12時きっかりと決めておりますの ではこれで失礼します」
そそくさと退出を試みます。
「コレット先生らしいわ」
回復術の講師の後姿を見送るブレリナがクスクスあどけない笑みをこぼします。
ダンマーの学友につられ、Rioもまたかすかに哀しみの残る笑みを湛えました。

※予言者ことダンレインの予言者につきましてはSkyrim⑧『善意』をご覧くださいませ。

簡単な昼食を終えたRioとブレリナは予言者を名乗る亡霊が今も留まるミッデン・ダークへと足を伸ばしました。
細く荒れ果てた通路を抜け、石の階段を下り、振り込んだ積雪を踏みしだきながら尚も二人はミッデン奥を目指します。
「予言者の魂はこんな閑散として寂しい場所に漂っていたのね」
白い息を灰青色の華奢な指先に吐きかけ少しでも暖を取ろうとするブレリナが震え声でつぶやきます。
寒くてつらいようなら出口に戻り待っているよう促すRioに、ダンマーの学友は首を横に振って見せました。
「ここは凍えそうで寒さに弱い私達ダンマーにとってはつらい場所だけど平気よ 探究心が留まろうとする背中を押してくれるわ」
この世の不思議を見聞し、そのすべてを魔術に活かすことができないか試みること。
それがテルヴァンニ家に所属する者の使命であり宿命でもある。
ブレリナは血の気を失くしつつある紫色の唇をわななかせながら微笑みます。
とはいえ底冷えのするミッデンに長居は無用。
背後でカチカチと歯を鳴らすダンマーの学友が氷漬けになってしまう前に回復術の試練を終えようと、先を急ぐRioなのです。
くもの巣を払い。
蛇行する通路を足早に通り抜け。
オブリビオンのマークが描かれた魔法陣と捧げ物箱に心を奪われ立ち止まるブレリナの手を引っ張りながらRioはミッデン深部へと足を踏み入れて行きます。
凍てつく氷と雪に覆われた石橋の先から青白くも眩い光が差し込んで来ました。
あれほど強固に訪問者を拒んでいた扉が今は開け放たれ。
部屋の中央の円井戸の上にはダンレインの化身とも言える青白い光が試練を受けるにふさわしい者の到着を今や遅しと待ちわびていました。
「また何かを求め やって来たのか」
どのような用件でRioがこの場を訪れたのか。
すっかりわかっていながら問いただすダンレインの予言者にRioは無言でうなずきます。
「なるほど 此度はお前が求めるものを私が有しているとの確信に満ちた顔だな よかろう 準備はよいか?」
どのような試練が課されるのか。
一瞬返答をためらったRioはダガーを抜き身構えると眩い光に対し大きくうなずき返しました。
「武器は必要ない 魔術師としての能力のみに頼ることになる 自身の内なる魔力を駆使し立ち向かうがよい」
(武器は要らない。魔力のみに頼る・・・)
「生き残れたならば お前の価値を認めよう」
ダンレインの予言者がそう言い放つや否や青白い光がRioを呑み込みます。
かくして風変わりな試練の幕が切って落とされました。
光から抜け出したRioは下着以外一矢纏わぬ姿となり果て、突如現れた2体の亡霊による攻撃の許に曝されます。
亡霊の魔法攻撃をかわし回復魔法を唱えるRio。
その傍らでブレリナが氷の精霊召喚の韻を結び始めました。
「いでよ氷の精霊! 来たりて我が学友を救いたまえ!」
(えっ・・・Σ(・ω・´)? スケット コミデ シレンヲウケテモ イイノカシラ?)
ほとんど全裸であることも忘れ佇むRio。
その前にブレリナと彼女の命を受けた氷の精霊が立ちはだかります。
詠唱途中の回復魔法もそのままに唖然とするRioの眼前で、氷の精霊とタッグを組むダンマーの学友と亡霊達との激しい立ち回りが繰り広げられました。
とうとう敗北を認めた2体の亡霊は時空の彼方へと還ってゆきます。
「自分の価値を証明したな」
(えっ? えええぇっΣ(・ω・´;)? アタシ ナニモシテナインデスケド)
ダンレインの予言者の褒め言葉がRioの脳裏に鳴り響き。
「過程はどうあれアークメイジ あなたに新たな知識が委ねられたことに変わりはないわ」
当然の結果だと言わんばかりにブレリナも手にした緑青色の特徴的なヘッドの杖を背に収めました。
試練を乗り越えた者の証となるアンデッドベインの呪文を習得したRioはダンレインの予言者に別れを告げ、元来た道を辿ります。
アークメイジが回復術系列の新たな魔法の入手に成功したという噂はたちどころに広まり、以降、講師コレット・マレンスがRioにまとわり付くことはなくなりました。

「召喚師の従者っていうのも悪くないものでしょう?」
ウィンドヘルムへ向かう馬車に並んで腰かけるブレリナが透き通った甘い声音で語りかけます。
「そうね ミッデン・ダークではブレリナとあなたの精霊に救われたことだし(〃▽〃) チョット ハンソクッポカッタケド」
テルヴァンニの女魔術師の功績を素直に認め、Rioは心からの称賛で学友を讃えました。
満足そうに天真爛漫な笑みをこぼすとブレリナは印象的なヘッドの緑青色の杖を取り出します。
するとその杖が何であるのかを悟ったRioが青い相貌を見開きます。
「それってジェイ・ザルゴ愛用のマグナスの杖じゃ?」
「そうよ あなたがジェイ・ザルゴ相手に幻惑術の訓練をしていた時に預かっておいたの 断続的に浴び続ける魔力の影響が杖に及んでしまっては大変だからって 訓練の後返すつもりだったのだけど すっかり忘れていたわ」
鈴を転がしたかのような涼やかな声色でそう綴るテルヴァンニの女魔術師をRioはじっと凝視します。
「ミッデン・ダークで2体の亡霊と戦っているときにもブレリナ あなたマグナスの杖を揮っていたわよね? マグナスの杖がまだ自分の手元にあるってちゃんと自覚していたんでしょ?」
「そうだったかしら 夢中でよく憶えていないの でもこのマグナスの杖はカジートよりもテルヴァンニの魔術師にこそふさわしいとは思わない?」
それからブレリナはついと視線を逸らし、唇にかすかな笑みを浮かべ垂れ込める曇天を見上げました。


以上で魔術師の達人クエスト『回復術・儀式の呪文⑤』終了となります。

ブレリナ・マリオンは愛らしい声にお嬢様の雰囲気を漂わせるダンマー女性ですが、なんせあのネロスと同じ幾多の魔術師を輩出している大家テルヴァンニの系列。
そこかしこにテルヴァンニの特徴である狂気と紙一重な研究熱心さに加え冷徹さや傲慢さ、亡霊の海より深く世界のノドより高い自尊心が見受けられてもおかしくないはず。
ということでキャラクターメイクさせていただきました。
ゲーム内の彼女の行動や台詞などから想像できる性格を創作にアレンジしてみたつもりですが、いかがだったでしょうか。

ブレリナ・マリオンを伴うRioの冒険はSkyrim⑱ソルスセイム紀行其の二(全10話前後程)に続く予定でしたが、TESO=The Elder Scrolls Onlineで冒険三昧ですのでしばらく(期間未定)ブログ自体のアップが滞る可能性大であります。
最悪の場合このままSkyrim関連の物語が終わってしまう可能性もあります(´・ω・`;A)
すみません。
TESO熱が冷めた頃にまだ書く意欲が残っておりましたらSkyrim⑱からアップしていきたいとは思っておりますが、半年くらいはダメかもしれませんね(´・ω・`;A)

もしかするともっと長く放置していたり・・・あるいは永久に((((;´・ω・`)))

次回以降は一応未定ということで。
TESO=The Elder Scrolls Onlineでのレポートを書ける時間があればアップする予定です。
ただ今、かなりゲームに夢中状態ですのでブログ更新している暇がないかもしれません。
生温かく見守っていただけますなら幸いです(〃´・ω・`)ゞ

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Skyrim・幻惑術・儀式の呪文④Σ(・ω・´)

幻惑術を極限まで鍛えたRioは幻惑学の講師ドレビス・ネロレンの許を訪れます。
ブレリナ・マリオンとジェイ・ザルゴ。
2人の学友に支えられ、4冊の“達人の幻惑術の書”を手に入れるための探索が始まります。



本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

ネタバレ・妄想・創作が含まれますので、苦手な方はスルーお願いいたします。
PC&NPC間の会話にはゲーム内で実際に使用されている会話も含まれますが、創作も含まれております。
ゲーム内の台詞だけ知りたいとおっしゃる方は直接ゲームをプレイしてご自身でお確かめくださいませ。
カラー外部分のほとんどは創作となっておりますのでご注意下さい。



破壊に召喚、変性術の最高峰ともいうべき魔法を入手した今、幻惑術に回復術の最高位魔法も憶える手立てはないか。
Rioは同期の友人であるブレリナ・マリオンに相談を持ち掛けます。
テルヴァンニの血統を受け継ぐブレリナは新しい魔法獲得に意欲的で。
「それなら早速 幻惑術講師ドレビス・ネロレンにご教授願いましょう」
アークメイジの手を取り幻惑術の講師の許へと誘います。
「でもドレビスの話では幻影術の最高位魔法はマスター級に達した程度の魔術の使い手には教えられないってことらしいのよ(-ω-;)」
「つまり これ以上ないというほどの幻惑術の達人にならないとダメってことでしょ? それなら大丈夫 諦めるのはまだ早いわ」
お手上げという表情も露わに肩をすくめるアークメイジの右腕に灰青色の両手を添えて。
邪気のない微笑からは想像もつかない思惑を秘めつつ。
ブレリナは扉越しに通りかかったカジートの学友を呼び止めます。
「待ってジェイ・ザルゴ!」
「どうした? 何か困りごとがあるのならジェイ・ザルゴが力を貸そう」
「そうなの実は困っているのよ 現アークメイジが是非とも未来のアークメイジの力を借りたいって」
ブレリナの返答にピクリと髭を蠢かし。
野心家のカジートはサファイア色のつぶらな双眸を見開きました。
「おお もちろんいいとも! 喜んで引き受けよう で 何をすればいいんだ?」

元素の間で棒立ちとなるジェイ・ザルゴ目がけRioは挑発の呪文を唱えました。
「ほほう 爪まで鋭くなったような気がするよ」
緑色のオーラに包まれたカジートが尻尾と肩を揺らします。
「このまま千回ほど呪文を鍛え続ければドレビスを納得させられるほどの域に達するはず」
満足そうにうなずくブレリナが事も無げに言い放ちます。
「せ・・・千回!?」
Rioとジェイ・ザルゴが同時に素っ頓狂な叫び声を上げました。
そんなに挑発呪文を浴び続けても大丈夫なのだろうか。
身体に変調をきたすようなことにならないのだろうか。
たらりと冷や汗を流すジェイ・ザルゴ。
カジートの学友と向かい合って佇むRioも不安の色は隠せない様子で。
惑う青い双眸をダンマーの女魔術師へと巡らせます。
「ジェイ・ザルゴが幻惑呪文の被弾し過ぎで気分が悪くなるような事態に直面したら その時は昨夜作った私の新薬の実験台に・・・じゃなくてテルヴァンニ家が誇る秘術を施した滋養強壮薬を用いてちゃんと完治させてみせるから心配ご無用よ」
「実験台!?」
後ずさり逃げようと試みるカジートにブレリナの雷魔法が追い撃ちをかけました。
腰を抜かしうろたえるジェイ・ザルゴにテルヴァンニの血を引く女魔術師があどけない笑みを湛え歩み寄ります。
「カジートの学友が永眠してしまう前に幻惑術をグランドマスターの域まで高めてしまいましょう ねぇアークメイジ?」
振り返るブレリナの有無を言わさぬ赤い視線が背筋を凍らせます。
引きつった笑顔でうなずき返すRioは借りてきた猫を思わせるほど打ちひしがれるジェイ・ザルゴに、気分が悪くなったらすぐ教えてと耳打ちし、再び挑発魔法を唱え始めました。

それから数日後。
なんとか生き延びたジェイ・ザルゴはアークメイジの幻惑強化完了という声に呼応して涙を流し喜びの踊りを踊ってみせました。
カジートを自身の魔法研究における実験台にできなくて残念と冗談とは思われない感想を愛らしい唇に綴るブレリナ。
悲喜こもごもな学友二人を伴うRioは翌朝早く幻惑術の講師ドレビス・ネロレンの部屋を訪れました。
「もう教えることは何もない 驚くべき成長だ」
Rioの努力を誉めそやした後、ドレビスは最終試験を授けようと、ひとつの命題を持ち出しました。
「大学には実に強力な幻惑呪文の知識がある しかし悪用を避けるため公にはされていない」
「そんな魔法が・・・!?」
ジェイ・ザルゴがゴクリと喉を鳴らします。
その通りとうなずくドレビスがコホンと咳払いをし、Rio、ブレリナ、ジェイ・ザルゴへと順に視線を巡らせました。


魔術師の達人クエスト『幻惑術・儀式の呪文④』

「誰かが隠している物を見つけ出すための呪文を幻惑術の講師に教えてもらえるなんて まったくアークメイジは恵まれている」
ローブを翻し、両腕を組み、尻尾を振るジェイ・ザルゴが虚空を見つめつぶやきます。
「もしもそのような魔法を操ることができるならタムリエルに存在するすべての秘宝は思いのままではないか!」
「ちょっと待ってジェイ・ザルゴ」
そこでダンマーの学友がカジートの尽きることのない妄想に歯止めをかけます。
「確かにドレビスは他の者が見ることのできない物を見る呪文ビジョン・オブ・テンスアイをRioに授けたわ でも効果時間は短いから注意するようにっておっしゃってたじゃない」
たとえとてつもない秘宝がウィンターホールド魔法大学構内に眠っていたとしても、それらを見つけ出すのは至難の業。
ブレリナがジェイ・ザルゴの妄想の盲点を突きます。
「大学内でさえそうなのにタムリエル全土に散らばる宝物を片っ端から手に入れるなんて 正気の沙汰とも思えないわ」
呆れ顔でため息をつくブレリナは瞬時に気持ちを切り替え、どこから手をつけましょうかとアークメイジに伺いをたてます。
「片っ端から 虱潰しに(`・ω・´)」
考えるより行動してみよう。
そう判断したRioは即座に現在自分が佇む平静の間1階でビジョン・オブ・テンスアイを詠唱し辺りを見回しました。
「どう?」
「どうだ?」
興味津々という風情でRioを取り巻く二人が話しかけます。
呪文が切れては再度かけ直すを何度も繰り返して。
平静の間1階を隈なく調査し終えたRioは遂に首を横に振りました。
「何も変わった物は見あたらなかったのね」
「ドレビスは隠されているものは原本4冊だと言ってたな せめて何か目印でもあればわかり易いのだが」
(目印・・・)
「そうね 目印があるのかもしれない 今度はもっと注意して探してみるわ」
平静の間2階へ繋がる階段を見上げ、Rioはすでに幾度となく唱えたビジョン・オブ・テンスアイの韻を両手と唇に結びました。
自室で読書に耽るサルジアス・トゥリアヌスはアークメイジの来訪に気づき立ち上がります。
「部屋を少し見せてほしいのだけど|ω・)」
「それはかまわないが」
辺りを見回すRioとブレリナ及びジェイ・ザルゴ。
訝しげな様子で首をかしげるサルジアスは、ではごきげんようという挨拶と共にそそくさと退出して行く生徒らを見送ります。
展示品の並べられた小部屋にもそれらしき書物は見当たらず。
食糧庫の隅にトルフディルの蒸留器を見咎めたRioはクスリと笑みをこぼしました。
そして後で届けてあげようと蒸留器を取り上げました。
錬金素材の調合室にもそれらしい本の類を目にすることはないまま、とうとうRioは汚染された魂石の設置された小部屋にさしかかりました。
そこはかつて一時期を共に魔法大学で過ごしたアーニエル・ゲインを時空の彼方に葬り去ったいわく付きの部屋であり。
「どうかしたの?」
物憂げな表情のまま入り口で足を止めるRioの真横からブレリナが室内を覗き込みます。
なんでもないと首を振り、もう一度ビジョン・オブ・テンスアイをかけ直して。
Rioは空気の淀む小部屋に足を踏み入れて行きます。
すると汚染された魂石の左手、樽の上に見慣れない濃赤色の書物がぼんやり浮かび上がりました。
(これが幻惑術最高位魔法を完成させるのに必要な原本!?)
引き寄せられるように樽に歩み寄ったRioはそっと濃赤色の表紙の本を取り上げました。
手に取った途端、“達人の幻惑術の書”はみるみる色彩を変え濃赤色から濃緑色へと変貌を遂げてゆきます。
書の内容は読み取ることのできない魔法文字で記されていました。
「発見したのね?」
Rioの様子から目的の書物を入手したのだと感じ取ったブレリナが背後から声をかけます。
「ええ・・・」
「見せることはできそうもないけれど」
困り顔で肩を上下させるアークメイジにうなずき返すダンマーの学友は、
「じゃあ残りの部屋も調査しちゃいましょう」
好奇心いっぱいの赤い瞳を輝かせ、残る3冊の書物の探索を促しました。

※アーニエル・ゲインを時空の彼方に葬り去った・・・の件はSkyrim⑨『アーニエルの企て』をご覧くださいませ。

「平静の間にはもう“達人の幻惑術の書”はないみたい」
そう結論付けるや捜索の手を屋上から達成の間へと広げるRio、ブレリナ、ジェイ・ザルゴなのです。
「早速 各部屋を調べてみましょう」
屋上階段から2階の部屋が円形に並ぶホールへ足を踏み出そうとするブレリナが立ち止まり振り返りました。
すると既にビジョン・オブ・テンスアイの詠唱を終えたアークメイジが踊り場端のベンチにしゃがみ込みます。
刹那、状況を把握したテルヴァンニの血を引く女魔術師は、もう見つけ出してしまったの・・・と。
物足りなさそうに腕組みし唇をすぼめました。
一通り平静の間を確認してからRioは屋上に足を運びました。
背後から付き従うジェイ・ザルゴが突如早口に話しかけます。
「アークメイジ ものは相談なのだが 以前手に入れたとかいうファイアストーム そいつを未来のアークメイジであるこのカジートにも教えてはくれないか?」
ジェイ・ザルゴの虫のいい要望を聞きとがめたブレリナが咄嗟に口を挟みます。
「何を言うのジェイ・ザルゴ!? あれは破壊術の講師ファラルダが破壊魔法の鍛錬を積んだRioになら授けてもよいと判断したものよ」
高位魔法取得さえ許されていないあなたが勝手に使用できる魔法じゃない。
しごく真っ当な説を唱えるダンマーの学友を恨めしそうに眺めつつ。
一度は諦めかけた要望をカジートはもう一度口にしました。
「わかっている ジェイ・ザルゴが高難易度の呪文を操るには未だふさわしくないということも」
それでも唱えてみたいのだ。
ジェイ・ザルゴは円らな青い瞳を見開き。
ブレリナを押し退け。
先行するアークメイジに食い下がります。
最近ではファラルダを師事するインペリアルの魔術師マーキュリオが頭角を現してきた。
現存する魔法に付呪と薬学を融合させようと試みているブレリナも夢の実現まであと一歩というところまで迫っている。
ブレイズの一員に属するオンマンドの魔法援護による活躍も耳にするようになってきた今日この頃。
ジェイ・ザルゴの焦りは日々募り、自信も撃ち砕かれんばかりなのでした。
「ジェイ・ザルゴは大成するよ それはまちがいない けれどできればそろそろ何か大きな功績を立て ウィンターホールド魔法大学にジェイ・ザルゴありと名を轟かせてみたい」
未来のアークメイジとして。
最後の言葉を呑み込むジェイ・ザルゴはその両手にマグナスの杖を固く握り締めました。
必死な形相のカジートの懇願を受け入れて。
Rioがジェイ・ザルゴにも聞き取れるようゆっくりとそしてはっきりとした詠唱でファイアストームの術を結び始めます。
しかしマジカ不足により発動されることのない禁断の炎の大魔法は虚空にわずかな火花と煙を伴っただけで瞬く間に霧散してしまいました。
「詠唱はできても発動はできない 結局あたしにとってもファイアストームは未だ幻の呪文なのよ だって800を越えるマジカなんて想像もつかないわ」
苦笑いを見せて。
Rioはひょいと肩を上下させます。
「は・・・はっぴゃくぅっ!?」
開いたノートに呪文の韻を書き記すジェイ・ザルゴは驚きのあまり手に取った羽ペンを落としてしまいました。

※ブレイズの一員に属するオンマンドの経過につきましてはSkyrim⑦『世界のノド』または『戦死者』(前編)もしくは『パーサーナックス』をご覧ください。

屋上からアルケイナエウムに向かう途中、すっかり住み着いてしまった呪縛されていないドレモラを横目にRioはクスリと笑みをこぼします。
同様にドレモラの傍らをすり抜けるブレリナが小声でオブリビオンの元住人に命令を下し魔法を投げかけ屈服させました。
「一体どうして(○´゚ω゚`)!?」
物問いたげに目を見張るRioとジェイ・ザルゴにゆっくり視線を戻して。
ブレリナがさも当然というように返答を返します。
「ドレモラが私に服従したからと言って それほど驚くこともないでしょう だってRioとヴィルカスが武力で行ったことを私は魔力で代用しただけですもの 手本を見せてくれたのは他でもないアークメイジあなたなのに」
あどけないブレリナの笑みが降り積もる白銀の雪に映えて。
魔法における天性の資質を遺憾なく発揮するダンマーの学友を前にRioとジェイ・ザルゴは我知らず羨望のため息をつきました。
ときどき忘れてしまいそうになるけれど、ブレリナ・マリオンはやはり名門テルヴァンニの血統なのだ。
眼前で微笑むダンマーの女魔術師ブレリナ・マリオンとテル・ミスリンを棲家とする高慢なマスター・ウィザードのネロス。
両者の面影を重ね。
アルケイナエウムへと続く戸口に佇むRioは怜悧な閃きを備えつつも時に冷酷なテルヴァンニの片鱗をかいま見せるダンマーの学友を不安と憧憬の入り混じる複雑な気持ちで見つめました。

アルケイナエウムの左手すぐのテーブル上に目的の書物を発見したRioは4冊目、最後の“達人の幻惑術の書”を求め大学内を徘徊します。
元素の間、中庭、アークメイジの居住区などを一通り調査し終えたRioは押し黙り考え込んでしまいました。
「屋上にも平静の間にも達成の間にもなかったわ」
「ここも調べ尽くしたのだろう?」
中庭中央の魔術師らしき彫像の前に腰かけ、ぼそぼそと小声で話し合うブレリナとジェイ・ザルゴ。
同期の学友らを前にすっくと立ち上がるRioはおもむろにすたすたと歩き出しました。
「どこへ行くつもりなの?」
「どこへ行くんだ?」
慌てて立ち上がるブレリナとジェイ・ザルゴも互いに顔を見合わせアークメイジの後を追ってゆきます。
Rioが向かった先は達成の間からミッデン地下へと続く小さな入り口で。
「おいおい やめておけ ここは入出が禁止されている場所だぞ」
「あなたの気持ちもわかるけど こんな大学の者達にすら忌み嫌われている場所に秘密の書物が眠っているとは思われないわ」
ジェイ・ザルゴとブレリナが引き留める中、Rioはミッデンへの強行突破を試みました。
「二人は上で待っていて 独りで探索してみるから」
細い空洞にするりと身体を滑り込ませるRioに追随するカジートとダンマーの学友も意を決し穴の中へと身を躍らせます。
尻餅をつくジェイ・ザルゴのしましま尻尾を後続するブレリナが踏んづけるというアクシデントに見舞われたものの、思いのほか順調に探索は進められました。
右手からスカイリムの表上層につながる通路付近までにそれらしき書物がないことを確かめて。
魔法大学の同期生3人は中央から更に階下へと続く地下に歩を移して行きます。
ミッデン・ダークへの侵入を控え、ひとまずミッデン全域の散策を済ませようと歩き回るRioはやがてオブリビオンの印の刻まれた禍々しい台座に辿り着きました。
ふと手前脇のテーブルを見ると所望した濃赤色の本が置かれているではありませんか。
駆け寄り4冊目の“達人の幻惑術の書”を手にするRioは後続する学友達に帰還を告げました。
名残惜しそうに蝋燭に囲まれた台座を振り返るブレリナの手を引き、ジェイ・ザルゴに並ぶRioは達成の間へと通じる床板を押し開けます。
その足で3者はドレビス・ネロレンの部屋を目指しました。
自室で錬金作業に勤しむドレビスはRioの左手にある4冊の見慣れない書物を目を留めるや否や、調合し終えた乳鉢を乱暴に放り遣り、諸手を挙げ歓声を響かせました。
そして原本と引き換えに心に恐怖を植え付け数秒の間戦闘離脱させる畏怖の呪文を伝授します。
更にセプティム金貨と引き換えに、一定時間周囲の者を敵味方関係なく攻撃する狂乱の魔法と荒ぶる心を沈静に導く調和の魔法の二つをアークメイジに授けてゆきます。
マジカ不足で唱えられないのはこれまで同様ではありながら、Rioはいつか唱えられる日のためにと3つの幻惑魔法を記憶の片隅に刻み付けるのでした。



以上で魔術師の達人クエスト『幻惑術・儀式の呪文④』終了となります。

幻惑術Lv91から92に上がるまでに撃ち込んだ挑発回数は70回ほどでした。
Lv92から93に到達するまでに75回で1レベル上がるごとに1ずつ余分に回数が上がる感じでしたので、Lv90からLv100のカンストレベルまでに挑発が約73+74+75+76+77+78+79+80+81+82=775回かかった計算になります。
ということで、ブレリナの「千回ほど呪文を続ければ・・・」というセリフもそれほど的外れというわけではなかったようです。
挑発浴びせかけ中に鼻歌まで歌い出しちゃうジェイ・ザルゴ君。
開き直ったにしてもかなり度胸のあるにゃんこということが証明されました。
確かに大成するのかもしれません。

ストーリーではブレリナとジェイ・ザルゴの2人を伴うRioが各部屋や各ブロックを当たったような運びとなっておりますが、Modなしのバニラの状態では原則フォロワーは1人しか連れられません。
実際にはブレリナだけがフォロワーとして随行してくださったという状態です。
せっかくのウィンターホールド魔法大学での出来事なので、こちらのクエストはブレイズ加入により随行不能なオンマンドを除く同期生全員で解決してみようかと思いたち、創作部分としてフォロワーが1人増えることとなりました。
小桜といたしましてはRio、ブレリナ、ジェイ・ザルゴの絡みを想像しつつ楽しめた展開となったのですが、
「うちのブレリナやジェイ・ザルゴは2人いっしょについてきてくれない(´・ω・`)ショボ~ン」
と思われた方。
それが正常なコンシューマータイプのゲームの仕様ですので、どうぞご安心ください。

次回SkyrimはSkyrim⑰最終話となる予定の魔術師の達人クエスト『回復術・儀式の呪文⑤』をお送りいたします。
ドラゴンプリーストの仮面関連のクエストもSkyrim⑰にいっしょに盛り込もうかと思っていたのですが⑰が思いのほか長くなってしまいましたので、後日アップ予定のSkyrim⑲辺りで焦点を当ててみようかと思っております。

ちなみにコナヒリクの仮面を入手するどころか未だ入手していない仮面が数個あるというこの状況。
2400時間をSkyrimで経過しながら未着手のクエストがあることに驚きと喜びを隠せない小桜です。
ということで。
突如、何の前触れもなく切り上げてしまう可能性もありますが、どうか御了承おきくださいませ(´・ω・`;A)
相変わらずネタバレ・妄想・創作が席巻する出来栄えとなってしまうとは思われますが、「いつものことじゃない(〃▽〃)ナレタワ」とおっしゃる皆様のお越しを心よりお待ちしております。

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Skyrim・変性術・儀式の呪文③(〃´・ω・`)

ウィンターホールド魔法大学で学友達と過ごすアークメイジにトルフディルからの依頼が舞い込みます。
エボニーフレッシュ呪文を改善し強化したい。
変性学の権威の願いを叶えるためカホヴォゼインの牙を手にドラゴンに立ち向かうRioなのです。



本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

ネタバレ・妄想・創作が混在しておりますので苦手な方はスルーお願いいたします。
PC&NPCの関係及び台詞はアレンジや創作が多々含まれております。
正確なNPCの会話を知りたい方はゲーム内にてお確かめくださいますようお願い申し上げます。



アークメイジなどという呼ばれ方にはどうにも慣れないRioが何度目かのブレリナの呼びかけにようやく反応を示し顔を上げます。
「アークメイジ ねぇ憶えてる?」
破壊魔法に続く召喚魔法の試練を無事乗り越えたRioは一足先にジョルバスクルへの帰途に就いたパートナー、ヴィルカスの勧めを素直に受け入れ。
骨休めを兼ねたウィンターホールドの観光に興じていたのでした。
その許に学友であるブレリナ・マリオンとジェイ・ザルゴが現れます。
ダンマー特有の赤い瞳をキラキラさせ、ブレリナはかつて語った夢をもう一度口にしました。
「大崩壊で荒み切ったウィンターホールドの街と住民の心を生き返らせることはできないかしら」
と。
オブリビオンの動乱以前。
レッドマウンテンの噴火が始まる前のこと。
ウィンターホールドを来訪した数多くの同胞は魔法の研究に明け暮れ、雪深いこの地を故郷と呼んでいた。
そう語ってくれたブレリナの言葉を思い出し、Rioは憶えているとうなずきます。
「Rio あなたが魔法大学を離れている間 ウィンターホールドの惨状についていろいろ考えたわ なんとか荒廃した街を魔術で復興させることはできないものかと もちろんトルフディルやドレビス・ネロレンそれにサルジアス・トゥリアヌスの助けも借りたわ」
「共同研究の甲斐あって我々は最も効果的な影響を人体に及ぼすと思われる試薬の開発に成功した とはいえ残念ながらそいつは未だ量産できるまでには至っていない なにしろ先立つものがないからな」
ジェイ・ザルゴが髭をなでつけながら愚痴をこぼします。
「もしもアークメイジ自ら新薬の有用性を示してくれれば まあ俗に言うところの宣伝活動ね そうすれば首長も民も出資に協力してくれると思うの」
薄桃色の試薬品を手に得意げに胸を張るジェイ・ザルゴの横で、テルヴァンニ特有の矜持に天真爛漫な微笑みを湛えるブレリナが同意を示します。
歴史に残る大発明。
その最初の一口を味わう栄誉が得られるとは。
なんとアークメイジとは羨ましい立場なのか。
大仰なセリフで試薬品を掲げるジェイ・ザルゴがじりじりとRioへ詰め寄って行きます。
「ああ心配しないで 品質の保証は万全よ 精製途中ジェイ・ザルゴと何度か味見ついでに嚥下してみたけれど 強い効果を有する薬の割に副作用は極めて少ないとわかったの 薬の効果が切れる頃に多少眩暈がする程度 それよりも効果は絶大 身体中に力が漲り1ヘクタールの荒地をたった1日それも独りで開墾できてしまうほどのパワーを秘めているわ」
小瓶の中で揺れる薄桃色の液体の説明を加え、ブレリナもまたRioへと身を乗り出します。
学友達の熱心な説得に根負けしたRioは一抹の不安を覚えながらも薄桃色の液体をひとくち口内に含みました。
「甘い・・・(○´゚ω゚`)」
「どうだ? 口当たりもいいだろう?」
ペロリと舌を唇に滑らせ喉を鳴らすRioの様子に満足し。
ジェイ・ザルゴも目を細め自慢の髭をなでつけました。
そして力があふれ出てくるようだと感想を口にするや、Rioは瓦礫で埋もれるウィンターホールド市街地へと駆け出して行きました。
普段なら独りでは到底運搬できない埋もれた石柱や半壊した家屋の土台と思しき残骸を軽々と持ち上げ裏山の一角への移動を開始します。
足取りも軽く。
汗ひとつかくことなく。
息ひとつ乱す様子もありません。
黙々とRioは瓦礫などの解体及び撤去作業を続けました。
そして数時間が経過した頃、突如立ち止まったRioはまるで機械仕掛けの人形が動力を失ったかのごとく手にかかえた土石を落としたかと思うとその場に崩折れました。
ウィンターホールド魔法大学の生徒が発明した筋肉増強薬の効能を一目見ようと遠巻きに見物に訪れていた人々から悲鳴とざわめきが湧き上がります。
エイリッドの泣き声を聞きつけ現れたビルナがRioの介抱をしつつ、人ごみに紛れ胡散臭そうにこちらを睨みつけている元首長の息子アッシュールに叫びます。
「早くウィンターホールド魔法大学の住人を誰でもいいから呼んで来て!」
珍しく街に貢献しているかと思えば、やはり魔法大学の連中など宛にならない。
大学への不信感を捨てきれない住民は皆一様にそうつぶやきをもらし、そそくさと帰途に就いてしまいました。

※「ウィンターホールドを生き返らせることはできないか」のセリフは創作部分ですが、Skyrim⑨『アフターショック』にて触れてあります。

(ここはあたしが魔法大学を訪れた時、最初に与えられた個室?)
丸一日眠り続け、ようやく目を覚ましたRioは薄暗がりの中、一心に議論を交わす二人の話し声に気づいたのでした。
「このような副作用が生じるなんて この実験は失敗 新薬の開発など無謀だったのだ ウィンターホールドの住民達がスポンサーになってくれることはもうないだろう やっぱり諦めた方がいいんじゃないのか?」
ジェイ・ザルゴらしき声が響いてきます。
「だいじょうぶよ アークメイジが気を失ったのは一時的なことですもの 今は顔色もいいし脈拍も落ち着いているわ」
ジェイ・ザルゴをなだめにかかっているのはブレリナのようです。
瞼を閉じて。
Rioは学友二人の会話に耳を澄まします。
「失敗なしで新たな発明発見などはできないわ 今回はちゃんと臨床実験を終えてあったんですもの 唯一の失敗は効果時間に対する副作用の大きさを予測することができなかったことよ 失神という副作用を緩和する方法さえ見つかれば実用化も決して夢ではないと思うの」
「しかし ふうむ 確かにここまで来て断念するには惜しい研究ではあるな」
ブレリナの魔術とジェイ・ザルゴが生み出した薬剤の融合。
新薬に注がれる二人の情熱は並大抵のものではなかったらしく。
口ごもるジェイ・ザルゴもまた改善策はないものかと思索に耽り始めます。
「急ぐ必要はない 君達は若い アークメイジには気の毒だったが危険性について事前に把握し製品化前に回避できてよかったじゃないか 問題に向き合い一歩一歩確実に仕上げていこう」
(この声はトルフディル・・・)
懐かしくも優しい変性学の権威の声に癒されながら、再びRioは眠りの淵に落ちてゆくのでした。


魔術師の達人クエスト『変性術・儀式の呪文③』

翌朝、容態を心配して訪れた変性学の権威であり講師でもあるトルフディルの前に立ち、Rioはすっかり回復した旨を告げました。
それならよかったとアークメイジの全快を喜びながらもトルフディルは時折考え込むような仕草を見せました。
「何か心配事でも(゚ー゚*?)」
「いや・・・」
Rioの質問に対してトルフディルはかすかな笑みで曖昧に応えます。
中央ホールからはジェイ・ザルゴの声が聞こえてきました。
「トルフディル 頼まれていたカホヴォゼインの牙なのだがビルナ・オドメントでは扱っていないようだ ウィンドヘルムの骨董品屋も後継者はいないようだし・・・おや!? Rio いやアークメイジ 身体の方は大丈夫なのか?」
見ての通り後遺症もまったくないわと。
その場でクルリと軽い身のこなしで一回転してみせるRioなのです。
「なるほど ということはブレリナの見立ては正しかったということだな 残るは副作用の問題だけか この点を改善もしくは緩和してしまえばウィンターホールド魔法大学が世に生み出した新商品“ユンゴル桃帝液”は完全なる完成品となる おお こうしてはいられない! 早速ブレリナにも知らせなければ」
ジェイ・ザルゴは回れ右をすると長い尻尾をゆらめかせ立ち去って行きました。
あたふたと中庭へと続く扉を飛び出して行く学友を見送るRioは、ところでカホヴォゼインの牙がどうかしたのかと首をかしげ、トルフディルに向き直ります。
「実はエボニーフレッシュの呪文を改善しようとしていたのだが成功一歩手前にして思わぬ障害にぶち当たってしまったのだ」
病み上がりにも等しいアークメイジに相談するのは心苦しい。
とはいえ我が身を気遣ってくれる教え子でありアークメイジに協力を仰げるのなら、これに勝る僥倖はあるまい。
トルフディルはしばし逡巡を見せた後、遂に重い口を開きました。
「つまりエボニーフレッシュの呪文改善にはドラゴンの鱗が必要で けれどもその鱗も何でもよいというわけではない」
必要なのはドラゴンの心臓の鱗であり、しかもドラゴンの心臓の鱗を刳り貫くためには古代栄えたドラゴンを崇拝する教団が使用していたというカホヴォゼインの牙というダガーが必要なのだとトルフディルは丁寧に説明を綴ります。
「目覚めたばかりのアークメイジに聞かせる話ではないのかもしれないが どうだろう ドラゴンボーンであるお前に頼むことはできないだろうか」
伏し目がちに、けれど探るような眼差しをトルフディルはRioへと注ぎ込んできました。
するとRioは任せてとばかり大きくうなずいて見せます。
「獲物さえこちらに飛び込んで来てくれれば心臓の鱗を手に入れられると思うわ」
そう言い放つや既にハイゲートの遺跡で入手済みのカホヴォゼインの牙を閃かせ。
「幸いドラゴンの鱗を剥ぐための武器は入手済みだから」
ドラゴンを想定しての剣の舞いを変性術の権威の前でアークメイジは披露して見せたのでした。

※既に入手済みのカホヴォゼインの牙。記憶が定かではなくて申し訳ありませんが、恐らくSkyrim⑰『竜教団包囲網』もしくは『アンスカの巻物』で入手したものかと思われます。

「トルフディルから聞いたわ あなたがドラゴンの心臓から鱗を調達しに行ってくれるんですってね」
しゃがみ込み、荷を整えるアークメイジの個室をテルヴァンニの血を受け継ぐ女魔術師が覗き込みます。
磨いたダガーを懐の鞘に。
張り直した弓と鈍い輝きを取り戻した盾を背中に携え。
うなずきながらRioはすっくと立ち上がりました。
「今のあなたには片腕となる優秀な従者が必要でしょう?」
あたかもそうだと応えて欲しいと言わんばかりにアークメイジの室内庭園に歩を移すダンマーの女魔術師は赤い瞳を煌かせます。
乾いた笑いを響かせるRioはふと声をひそめ。
「ヴィルカスにはやめておけと止められそうだけど」
独り言をつぶやき破天荒な魔法を生み出し続ける学友、ブレリナ・マリオンを見つめ返しました。

ローブにライトニングボルトの杖1本のみを携え後続するブレリナ。
テルヴァンニの女魔術師を先導してゆくRioは吹雪きに目を見張りました。
(伝説のドラゴン!)
先に学友の装備を整えようとホワイトランへ向かう途中で、よもやドラゴンに出くわそうとは。
裸同然のブレリナを矢面に立たせるわけにはいかない。
咄嗟にRioはドラゴンレンドシャウトを雪曇の空に轟かせます。
「ドラゴンだわ! なんて幸先のいい」
降りしきる雪など目に入らないとでも言うように。
暢気にそう綴る学友ブレリナに、岩陰に身を隠し待っているよう言い置きRioは人気の途絶えた街路脇目指し一目散に走り出しました。
「従者が従士の護衛もしないで恐れおののき隠れ震えているなんて アズラに賭けて許されないことよ」
持論をたおやかな口調で紡ぐブレリナも遅れをとるまいと追随します。
「ダメっ! ブレリナ! あなたの装備はまったく整ってないのよ」
「Gaan Lah Haas!」
余所見をするドラゴンボーンの身体に伝説のドラゴンが発した生命力低下のシャウトが浴びせかけられ。
直後、盾をかざすRioの肩を鋭い牙が襲います。
「Joor Zah Frul!」
何とか叫び返しては体勢を立て直すドラゴンボーン。
その正面から強烈な勢いのフロストブレスが吐きかけられました。
こうなれば早期に決着をつけるしかない。
鞘を滑らせるダガーでドラゴンの鱗を激しく斬り付け、間隙を縫ってはドラゴンレンドを連呼します。
「出でよ! そして我に従え氷の僕よ!」
澄んだ声音を響かせるブレリナもまた氷の精霊を召喚し、自らもまた雷魔法を繰り出してゆきます。
ドラゴンの注意がブレリナに向くのだけは阻止しなければ。
常にブレリナの対面に回り込み、フロストブレスの直撃を浴びようともRioはシャウトによる挑発を続けます。
苛烈な激闘の末、とうとう伝説のドラゴンは雪原にその巨大な屍を晒しました。
(ブレリナは・・・!?)
慌てて周りを見渡すRioの瞳に、ドラゴンの遺体を挟んだ対面でひょいと頭を上げるダンマーの学友の笑顔が飛び込んできました。
「心臓部分ではない鱗を私の研究のために除けておいてもらってもいいかしら」
激しい息遣いの下。
パワーを吸収するRioは特に重症を負った風でもないブレリナの無事を確認し、ほっと安堵のため息をつきました。
そして討伐を終えたドラゴンの心臓にカホヴォゼインの牙を突き立て、変性学の権威に依頼された鱗の回収にかかります。

装備調達のため立ち寄ったホワイトランのブリーズホームで数日を過ごしたRioとブレリナはそのままウィンターホールドにとって返しました。
ドラゴンの心臓の鱗を手に帰還を遂げた勇敢な教え子達を慈しみの表情で迎え、トルフディルは惜しみない賞賛の言葉を紡ぎます。
「すばらしい! 実にすばらしい 私が思っていたとおりだ エネルギーは結合箇所から二度三度と流れる必要があるようだ」
それから丸一日を費やしエボニーフレッシュの増強に努めたトルフディルは最初に出来上がった写本をアークメイジの手に託しました。
「ドラゴンスケイル この魔法は30秒の間あらゆる物理ダメージの80%を無効化するだろう」
説明を受けつつもドラゴンスケイルを唱えるにはやはりマジカが足りないと落胆するRioに、変性学の権威は穏やかな笑みを讃えつつ諭します。
「足りないところは補え合えばいい 教師も学友もそのためにここウィンターホールドの魔法大学にいる」
「そうよ 私がその呪文を詠唱し あなたの盾の役目を果たすことだってできるわ」
テルヴァンニ所縁の者の発言とは思われないほどのブレリナの献身的な語りかけに、Rioも思わず知らず笑みをこぼしていました。
もし必要とするなら、いつでもここにいるよ、アークメイジ。
優しいトルフディルの声が静かに広がる波紋のように脳裏に木霊し。
それはやがて子守唄となり、眠りに就くRioの心に染み渡ってゆくのでした。



以上で魔術師の達人クエスト『変性術・儀式の呪文③』終了となります。

『変性術・儀式の呪文』受諾前にカホヴォゼインの牙をRioはハイゲートの遺跡で入手していたようなのですが、未入手の場合は以下のダンジョンからランダムで選定されるようです。
また()内はこちらのブログで該当するタイトルです
ハイゲートの遺跡(Skyrim⑰『アンスカの巻物』)
フォーレルホスト(Skyrim⑰『竜教団包囲網』)
ロスト・ヴァルキグ (未踏破)
ヴァルスム(Skyrim⑮『待機する悪漢』)
ラグンヴァルド(Skyrim⑮『ラグンヴァルドで石棺を開ける』)
ヴォルスキーグ(未踏破)
尚ラビリンシアンにつきましてはSkyrim⑧『マグナスの杖』で突入したことがあるのですが、ロスト・ヴァルキグ内までは探索していなかったかと思います。
後日、機会がありましたら他のカテゴリーで触れてみたいと思います。
またヴォルスキーグにつきましては後日ドラゴン・プリーストの仮面関連で訪れる予定でおります。

ちなみにブレリナ・マリオンとジェイ・ザルゴが共同で作り出した新薬の名前“ユンゴル桃帝液”は某佐藤製薬(敬称略)から販売されているユンケル黄帝液とはなんら関係はございません|ω・)b
名前の由来はあくまでもスカイリムの書籍の一冊“ユンゴルと海の亡霊”などに登場するイスグラモルの息子ユンゴルからなのであります。
試薬の色も薄桃色だったことからのネーミングでございます。
↑やたら言い訳がましいところが怪しいという噂も・・・

ブレリナ・マリオンの装備は本当はローブを中心にあつらえたかったのですが、良いものが見当たらなかったためドラゴンの鱗製の軽装備を作成いたしました。
すべて伝説級まで強化したものに以下の付呪を施してあります。
体力回復36%&軽装スキル29PTUPのドラゴンスケールの鎧、消音&雷撃耐性54%UPのドラゴンスケールのブーツ、水中呼吸&マジカ72PTUPのドラゴンスケールのヘルム、軽装29PTUP&盾でダメージ47%軽減のドラゴンスケールの篭手、水中呼吸&魔法耐性23%UPのネックレス、水中呼吸&疾病耐性48%UPの指輪、25%確率でクリティカルヒットとなるヴァルドルの幸運のダガー、冷気耐性54%&炎耐性54%Uのドラゴンスケールの盾。
以上がブレリナ・マリオンの装備となっております。
水中呼吸が重複していたりダンマーなのに炎耐性UPが付呪されているのは、既に作り置きしてあったものを再利用したからです。
この辺りも水中呼吸や炎耐性部分を毒耐性や疾病耐性や他の魔法耐性に変更すれば更に万全となると思われますが、錬金術も付呪も鍛冶もすべて100スキルの上、作れる限り最高の付呪及び鍛冶上昇装備を着込んでの作成となりましたので、たとえ付呪がややそぐわないものであったとしても戦闘に充分対応できると判断し、上記の付呪そのままとなっております。

次回Skyrimは魔術師の達人クエスト『幻惑術・儀式の呪文④』をお送りいたします。
ネタバレ・妄想・創作など含まれると思いますが、「いつものことですね(`・ω・´)」とおっしゃってくださる剛の皆様のお越しを心よりお待ちしております。

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Skyrim・召喚術・儀式の呪文②(`・ω・´)

破壊術のマスタークラスの魔法を手に入れたRioを召喚術の講師フィニス・ゲストールが呼び止めます。
召喚術を極めた者だけに課されるという試練を受けてみないかと問うフィニス・ゲストール。
召喚術講師の誘いに応じたRioは召喚したドレモラを屈服させるべく達成の間、屋上に向かうのでした。



本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

ネタバレ・妄想・創作等が随所に含まれますので、ゲーム本来の正確なクエストの流れやPC&NPC間の会話などが知りたいとおっしゃる方はSkyrimをプレイした後、足をお運びいただけますようお願い申し上げます。


「マーキュリオと別れて今は独りなの?」
ブレリナ・マリオンの質問にRioはコクリとうなずきます。
講師ファラルダから達人級の破壊魔法ブリザードとライトニングテンペストの扱いを学び終えたところで、幾多の大魔術師を輩出してきたテルヴァンニ家の血を引くダンマーの学友に話しかけられたのでした。
「ちょうどよかったわ こちらの研究もひと段落ついたところなの 私があなたの旅の同行者になってあげられると思うわ」
「それはありがたい申し出だけど・・・(〃▽〃;)」
かつてブレリナの呪文の練習台にされた記憶が頭を過ります。
Rioは引きつった笑顔で曖昧に言葉を濁しました。
「ああ謝礼のことなら気にしないで 同期のよしみですもの もちろん無料奉仕させていただくつもりよ さあそうと決まればすぐに出立しましょう」
ローブを翻し。
たおやかな微笑と可憐な仕草で若きアークメイジの手を取り学外へと誘うテルヴァンニの女魔術師なのです。
ウィンターホールド魔法大学の中庭を抜けたところで、不意に召喚術の講師フィニス・ゲストールに呼び止められました。
「先日浜辺で行われた破壊術の大魔法 あれが失敗に終わってしまったのは非常に残念だ」
挨拶の言葉を述べると、すかさずフィニスはRioの行く手を塞ぎ、真剣な面持ちでとある召喚魔法についての説明を始めました。
アークメイジに推挙され破壊魔法においてもマスターの称号を得たお前の活躍ぶりは目を見張るものがある。
だが習得すべき呪文はまだまだある。
「生き物を自由に操る際にその永続性と密接性を向上させる強力な呪文だ しかしリスクも伴う それは常に変わらない 解放されたドレモラを召喚し服従させる必要がある」
フィニスは両手を広げ朗々と持論を綴ります。
それから言葉を切り。
フィニスは合いの手を求めるようにアークメイジの顔を見つめました。
「ドレモラを操るなんてすばらしいわ でもどうすれば解放されたドレモラを召喚し服従させることができるのかしら?」
Rioに代わりに赤い双眸を煌かせ問い返すブレリナに、
「そうなんだ そこが問題なのだよ」
と。
フィニスも大仰に頭を振ってみせます。

※かつてブレリナの呪文の練習台にされた体験の件はSkyrim⑨『呪文の練習台』をご覧くださいませ。


魔術師の達人クエスト『召喚術・儀式の呪文②』

ドレモラを召喚する呪文を教えてやろう。
フィニス・ゲストールの言葉を反芻し考え込むRioをブレリナが急きたてます。
「せっかくフィニスにドレモラを呼び出す呪文を教えていただいたのですもの 早速試してみましょう」
「ダメだ!」
「え・・・ヴィルカス!?」
絶妙のタイミングで中庭に現れたファラルダとマーキュリオ。
その前で腕組みし仁王立ちで佇むパートナーを見咎めて、Rioは歩みを止めました。
「なぜここに(○´゚ω゚`)?」
「マーキュリオから連絡を受けてやって来てみれば また厄病神のようなテルヴァンニの女とつるんでいるのか」
私的な事情で申し訳ないがRioの従者役を降りることとなった。
仕事が片付き次第ウィンターホールド大学に来られたし。
そのような内容の手紙をインペリアルの魔術師から受け取ったヴィルカスがソリチュードのプラウドスパイヤー邸を発ったのがちょうど2日前であり。
折悪しく。
フィニスの持ちかけた難題をいかにして捌こうかと思い惑うRioの前にヴィルカスは立ちはだかったのでした。
「その女の勧めになど従う必要はない テルヴァンニ家と関わるのは金輪際やめておけ!」
ブレリナ・マリオンに善い感情を持ち合わせていないヴィルカスは当然のことながら彼女の勧めとは逆の選択を相棒に迫ります。
対してフィニスから持ちかけられた此度の試練は召喚術の達人クラスの者でなければ受諾する権利すら与えられない名誉なのだと。
ブレリナも怯むことなくアークメイジの手を取り訴えました。
「ヴィルカス あなたが私を嫌うのは当然のことだと思うわ 確かに私はRioに試験段階の魔法を施して危険な目に遭わせてしまった 本当に悪かったって思ってるのよ でもこれはウィンターホールド魔法大学で魔術を学び その力を認められた者だけに課される栄誉」
本人が辞退するのならまだしも、関係者以外の者の一存で蔑ろにされてよい問題ではないのだと。
テルヴァンニの女魔術師は魔法嫌いの同胞団の幹部への説得を試みます。
両者譲らず。
緊張をはらんだ睨み合いの末、ヴィルカスは采配を相棒に委ねました。
「Rio お前が決めろ」
「アークメイジ あなたの決定に従うわ」
結局こうなってしまうのね。
深呼吸をひとつして。
Rioは自身の考えを言葉にし始めました。

フィニスの試練を諦めるつもりはない。
これだけは確かだとRioははっきり断言してみせました。
下した決断に眉をひそめるパートナーを正面に見据え、Rioは更に思いを吐露します。
「秘術を前にして退くなんてあたしにはできない」
「立場を弁えろ! 俺は・・・同胞団はこれ以上 盾の兄弟姉妹を失うわけにはいかないんだ!」
采配を委ねておきながら、どうしても苦言を呈せずにはいられないヴィルカスでした。
そして今度はブレリナがRioとヴィルカス二人の問答を見守ります。
「あたしはクリスタのようにはならない あなたを遺して逝ったりなんかしない」
Rioの言葉が引き金となり、かつて共に戦場を駆け抜けた盾の姉、黎明の戦乙女クリスタの面影が重装戦士の脳裏に鮮やかに甦りました。
ヴィルカスは今、目の前にあるかけがえのない生命の輝きを失うまいと身を乗り出します。
死にはしないなどと。
その自信はどこから来るのか。
どれほど希おうとも、それがたとえ命に替えて守りたいものであっても、別離は突然訪れるというのに。
父ジャーゲンも盾の姉クリスタも遠い思い出の中に揺れる残像。
ならばいっそ失いたくないものはがんじがらめにして幾重にも錠を施した一室に監禁してしまえばいい。
好奇心に輝く瞳も。
しなやかに自在に躍動する肢体も。
未知に馳せる思いを紡ぐ唇も。
何もかもを封じ込めてしまえばいいのだ。
だがそれは・・・
「それはもう俺を魅了して止まないイスミールではない」
身じろぎもせず。
凛と佇むRioを見据え。
長いため息の後、ヴィルカスはつぶやきをもらしました。
「ドレモラを召喚する場所に案内しろ 護衛を引き受けよう」

※ヴィルカスの父親ジャーゲンにつきましてはジョルバスクルにおけるヴィルカスの思い出語りをゲーム内でお聞きください。また黎明の戦乙女クリスタにつきましてはすべて創作パートとなりますが、気になるとおっしゃる方はSkyrim⑭『黒の書④変化の風』、Skyrim⑮『忘れられた名前』をご覧ください。

フィニス・ゲストールが指定した達成の間の屋上にはマグナスの目を連想させる抽象柄が彫られ。
その中央に移動するやRioは教えられた呪文の詠唱を開始しました。
天を振り仰ぎ両の腕を振り下ろすRio。
冷気と風雪に深みを帯びた青い煙がたなびき。
術者の呼びかけに応じオブリビオンの彼方よりドレモラが出現しました。
「貴様が私を呼び出したのか ならば罰を与えねばならぬな」
ドレモラが攻撃を仕掛けるより早くヴィルカスのかざしたグレートソードが斜め上方より振り下ろされます。
「定命の者よ 貴様の支配は受けん!」
呻き声を上げつつ尚も挑みかかるドレモラを盾で凌ぎ、身をかがめるRioは懐のダガーを前方に構え、敵の胸元深く突き立てました。
せめぎ合いは続き。
流れる血が飛散し降り積もる雪を朱に染めてゆきます。
薙ぎ払われるヴィルカスの大剣の斬撃を受け、ドレモラはオブリビオンの時空へと強制送還されました。
「まだよ それではまだドレモラを屈服させたことにはならないわ」
扉口に身を寄せ動向を覗っていたブレリナが降りしきる雪に身を乗り出し甘やかな声音を響かせます。
燭台に囲まれた中央に歩を移し、再びRioはドレモラ召喚の呪文を唱えました。
「虫けらめ 私は貴様の玩具ではない!」
時空を割って再度姿を現したドレモラは容赦なく右手に掲げる剣でRioを斬りつけました。
盾を構える隙を付かれ。
鋭い一太刀を浴びせかけられたRioは悲鳴を上げ後ずさります。
相棒とドレモラの間に滑り込み、敵を弾き飛ばすやヴィルカスが渾身の一撃をオブリビオンの住人の腹部に叩き込みます。
パートナーの作り出してくれたチャンスを活かすため、体勢を立て直したRioがドレモラの懐に飛び込みます。
軍配はRioとヴィルカスの側に上がりました。
青紫の噴煙を巻き上げ消えゆくドレモラ。
オブリビオンの住人を見送るRioは傷ついた身体を癒そうと治癒の魔法を唱えます。
「もう一度・・・」
「召喚が終わったらすぐに盾を装備しろ!」
三度目の召喚を試みるRioの傍らでヴィルカスが警告を発します。
コクリとうなずき呪文の韻を結ぶRioは大きく振り被りました。
「おのれっ! 貴様の心臓を引き裂いてくれる!」
三度、時空を破り降臨したドレモラは武器を抜き去り吼え声を上げます。
「何度でも! お前があたしに従うまで呼び出してやる!」
満身創痍の状態ながら一歩も引かず。
Rioはダガーを閃かせました。
「やめろ・・・」
圧倒されるドラゴンボーンの気迫にたじろぎを見せたドレモラは遂に意志を曲げRioの許に下りました。
悔しげに朱の意匠を施した顔を歪めつつもオブリビオンの住人は主となった定命の者の指示を待ちます。
「印石を持って来て すぐに!」
フィニスより伝え聞いていた指令を従順なる下僕となり果てたドレモラに与え。
了承したドレモラがオブリビオンの彼方に消え去るのを待ち、Rioはへなへなとその場に崩折れました。
「これで次にドレモラを召喚すれば印石を手に入れられるはずよね?」
「逆らうなら また奴の身体にグレートソードを突き立て思い知らせてやるまでだ」
パートナーの差し出す手を取り。
立ち上がるRioはノルドらしいパートナーの受け応えにクスクス笑いを響かせました。

召喚したドレモラは印石は持ち帰ったもののオブリビオンの宝物のひとつをくすねたことがメエルーンズ・デイゴンにばれ、窮地に立たされている旨をこぼします。
「オブリビオンに帰還し辛いのなら ほとぼりが冷めるまでこの場に留まってみては(゚ー゚*?)」
そんなRioの提案に乗ったのか。
それとも思いのほか魔法大学屋上の居心地がよかったのか。
とにもかくにも、その後しばらくの間、達成の間の屋上には徘徊するドレモラの姿が見られたのでした。

「フィニス あなたの印石を持ち帰って来たわ(*・ω・)つ○」
印石を差し出すRioを見つめる召喚術の講師は苦笑いを浮かべます。
そして恭し気に身を少しかがめると希少な宝物を指先でつまみ上げました。
「さて 何が見えるかな」
オブリビオンの宝物を蝋燭の炎に透かし、しばし詠唱を繰り返したフィニスは大きく息を吐いた後、アークメイジに向き直りました。
「必要な知識はそろった 石はお前に返すとしよう それから」
これも持っていけと召喚術の講師はひとつの呪文をRioに授けます。
炎の従徒と称される呪文書を手に立ち尽くすRioは小さなつぶやきをもらしました。
「またマジカが足りない(´・ω・`) マジカケツボウショウ」
「そればかりはどうしてやることもできないな」
肩を揺らすフィニスを筆頭にアークメイジを取り囲むヴィルカスとブレリナ、顛末が気になり立ち寄ったファラルダにマーキュリオも、各々高く低く笑い声を響かせました。
亡霊の海に囲まれ吹雪に視界を閉ざされるウィンターホールド魔法大学。
けれどもこの日そのひとときだけは明るい笑い声と穏やかな陽光に包まれたのでした。



以上で魔術師の達人クエスト『召喚術・儀式の呪文②』終了となります。

Modなしのバニラ状態でフォロワー2人を連れ回すことは基本的にはできません。
ということで、ヴィルカスとブレリナが2人そろって達成の間屋上までRioに付いて来てくれたという件は創作となります。
どうかその旨御了承おきくださいませ。


実は最近TESO=The Elder Scrolls Online始めました。
「オンラインはクエストなどお使い形式になって世界観はあってなきがごとしになっちゃってるかな(-ω-;)?」
などなど危惧していたのですが、プレイしてみると、
「これがまた思いのほかおもしろい+.(ノ。・ω・)ノ*.オオォォ☆゚・:*☆」
というわけで、Skyrim⑱の下書きがぜんぜんまったく進んでおりません。
ゲームに熱中しちゃうとブログがおろそかになってしまう小桜だったりします。
このままSkyrim⑰でストーリーモード未完の完となってしまう可能性もありますが、どうかご容赦を(´・ω・`;A)←続きを書く気はあるけど熱中度が高いものに没頭してしまう小桜だったりします

私信ですが、
「イスさんもプレイされているのかしら|ω・)?」
「また時間が合えばいっしょに冒険しませんか|ω・)? ちなみに小桜のプレイキャラは所属同盟はエボンハート・パクト クラスはソーサラー&ナイトブレイドです」
などと、この場をお借りしてお誘いしてみたり。
PvPにはあまり興味はないのですが、でもでもストーリーサイドが一通り終わったらシロディール観光がてら参戦してみるかもしれません。
のんび~りストーリーを楽しみながら、
「ボイチャやスカイプなしでタイピングチャットでいいよ~」
とおっしゃってくださるギルドがあれば、
「参加してみたいかなぁ(〃▽〃)」
と思う今日この頃です。
ソロプレイもとても楽しいのですが、やっぱりオンラインゲームはお友達とチャットや協力プレイを楽しみながら遊びたいです。

次回Skyrimは魔術師の達人クエスト『変性術・儀式の呪文③』をお送りいたします。
ネタバレ・妄想・創作など随所に見受けられるとは思いますが、「知ってる&わかってる|ω・)」とおっしゃる来訪者さまのお越しを心よりお待ちしております。

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Skyrim・破壊術・儀式の呪文①(*・ω・)

基本元素の魔法を使い、基本元素の思想を示した。
さも娯楽であるかのように大混乱は引き起こされ、強い印象を与えるには至らなかった。
私は刀剣だけを使うことにしよう。
文献を探し、学びたいと思う気持ちは無謀にも私の怒りを呼び起こした!
私の弟子よ、お前もか、それとももっとか?
シャリドールだと仮定するな、この貧弱で愚かな魔術師!
早急に送られて来たのは役に立たない弱虫、しかしこの研究書には感謝する。
見つけるのはダイヤモンドの原石、弱い精神からできた輝く宝石。
さあ死ね、そして私の名前を呪うのだ!

“元素の力”より抜粋


本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

ネタバレ・妄想・創作満載となっておりますので苦手な方はスルーお願いいたします。
クエストの流れは概ねゲーム通りとなっておりますが、PC&NPCの関係及び台詞などは創作が含まれておりますのでご注意くださいませ。
またカラー外部分はほぼ創作となっておりますので、「創作嫌い(´・ω・`)」とおっしゃる方は読み飛ばしていただけますなら幸です。



北方には、呪われた北の海岸線。
南には、ドゥーマーが生き生きと、熱心に働いている。
風でできた盾を持つ簡素な場所。
ここにある台で魔術師の作った道具を使えばその凄まじさに海は沸くだろう。

「ファラルダから貰い受けた“元素の力”というこの本 謎めいていて興味深いんだけど何を意味しているのかさっぱりわからないわ(-ω-;)」
肩をすくめるRioの傍らに立つインペリアルの魔術師マーキュリオは穴が開くかと思われるほどじっと本文を凝視しました。
「この書を破壊術の講師がお前に手渡した時 ファラルダはこう言っていた お前は教えられる限りのことはすべて学んだ だが外の世界にはまだまだ学ぶことがあるはずだと」
「ええ でも漠然とし過ぎていて正直よく理解できてないの 書物の内容だってそう 呪われた北の海岸線だとか風でできた盾を持つ場所だとか いかにも抽象的でしょ?」
ましてやドゥーマーが熱心に働いていた場所なんて、記憶している限りスカイリム全土に何箇所もある。
そしてドゥーマーは現在、種族すべてがタムリエルから消滅してしまったというのに、該当場所を正しく言い当てることなど誰ができるというのか。
“元素の力”をマーキュリオの手に押し付けて。
代わりに謎を解いてみないかと。
Rioはいたずらっ子の笑みを浮かべます。
「初対面の私にファラルダはさまざまなことを教えてくれた」
インペリアルの魔術師はアルトマーの破壊術講師の言葉を思い出し、その教えひとつひとつを復唱します。
長い間いろいろなことを耳にしてきた。
時の流れの中で失われた強力な魔法。
「最も高度な魔法を極めた魔術師だけが習得できる恐るべき呪文がこのタムリエルにはまだ遺されていると 自分が知っているのはそれだけであり あとは自分自身の手で追い求めるようにとも言っていた」
そしておもむろに地図を広げるとインペリアルの魔術師はドーンスターの南西、既に二人で一度訪れたことのある遺跡を指し示しました。



魔術師の達人クエスト『破壊術・儀式の呪文①』

ウィンドワード遺跡にRioとマーキュリオが辿り着いたのは翌々日の早朝でした。
ドーンスターの宿屋ウィンドピークで一夜を過ごし、その足で記憶に新しい遺跡に向かうと、そこへ崇拝されしドラゴンが舞い降りて来ました。
「Gaan Lah Haas!」
生命力低下のシャウトをドラゴンが叫び、
「Joor Zah Frul! 」
Rioがドラゴンレンドで応じます。
竜の血を受け継ぐ者同士の争いは舌戦とも言うべきシャウトによる戦い。
叫び声を交し合うドラゴンとドラゴンボーンの間に闘いの火蓋は切って落とされました。
ドラゴンが攻撃対象の体力を削げば、ドラゴンボーンは相手の翼の自由を奪います。
両者譲らず。
互いに血を流しながらも声の力と武力を誇示し。
どちらかが斃れるまで壮絶な争いは続きます。
もちろんインペリアルの魔術師も破壊術の呪文チェインライトニングを唱え従士であるドラゴンボーンの援護に就きます。
表舞台で脚光を浴び、吟遊詩人らによって勇姿が歌い継がれるのはドラゴンの血脈の者のみ。
その従者などとるに足らぬ存在。
マーキュリオの脳裏にそのような考えが過り唇を噛み締めました。
「いや私だとてそれなりの訓練と経験を積んだ魔術師 名も無き一介の傭兵で終わりはしない」
渾身の力を籠めたチェインライトニングが吹雪きを引き裂き崇拝されしドラゴンの巨躯を撃ち貫いてゆきます。
降り積もる雪の中。
斃れ込む崇拝されしドラゴンとその前で血飛沫を浴び息を乱しながら佇むドラゴンボーン。
そしてドラゴンの力を吸収するRioを見つめるインペリアルの魔術師は達成感と寂寥感という相反する気持ちに苛まれ、我知らず長いため息を吐きました。

従士の回復を待ち、マーキュリオはウィンドワード遺跡の中央へRioを誘います。
「憶えているか」
インペリアルの従者の言葉にRioはコクリとうなずきました。
「カイネの試練を受けた時 最初に指定された場所よね」
屈託なく笑うRioを横目にインペリアルの魔術師は更に質問を投げかけます。
「あの時 この台座の前で私が魔法書を掲げ祈りを捧げたことも憶えているか」
そういえば・・・
何も起こらないと落胆したかのように瞼を閉じたマーキュリオ。
彼に何か起こるはずだったのかと問いかけたことを思い出し、Rioははっと顔を上げました。
「呪われた北の海岸線がここを指しているのかどうか確信はない だが破壊術をそれなりに極めた私はこの場所に特別なものを感じた」
お前は何も感じなかったはずなのに。
そう言いかけて。
インペリアルの魔術師は再び唇を噛み締めました。
今“元素の力”と呼ばれる魔法書を手にしこの場に立っているのは私ではない。
マーキュリオの焦燥感に気づかぬまま、ドラゴンボーンは神秘の台座を凝視し続けます。
そして己のひらめきを確信に変えるため、逸る気持ちを抑えつつRioは中央台座へと歩み寄りました。
台座に“元素の力”を捧げた瞬間、Rioはかすかな揺らぎを感じ目をしばたたかせます。
「これで何か変化があったのかしら(゚ー゚*?)」
首をかしげるRioの傍らに進み出るインペリアルの魔術師が台座に雷魔法を浴びせかけます。
「だめか・・・」
悔しげに唇を噛み頭を垂れるマーキュリオの横でRioがファイアボルトの魔法を唱えると台座に置かれた魔法書はかすかな共鳴音と共に眩いばかりに輝きを増しました。
そして開かれた“元素の力”には何者かの手によって新たな文章が書き加えられていました。
それは次なる謎への道標であり。
浮き出た文字をひとしきり見つめたマーキュリオは、
「次は南方へ移動しよう ひとまず世界のノドの南に拠点を構えるべきだろう」
選ばれなかった者としての落胆をひた隠し、静かにそうつぶやきました。

※ウィンドワード遺跡につきましてはSkyrim⑰『カイネの聖なる試練』前編をご覧ください。また、マーキュリオや他の従者がウィンドワード遺跡の場所を教えてくれたり“元素の力”内のさまざまな箇所が輝きを増すなどという設定はゲームではありません。小桜劇場(゚ー゚*?)での演出ですのでゲームをプレイされる方はその辺り御了承の上クエストを進めていただけますなら幸です。

朝のグレイビアードの影に隠れ、この北方を観察すると長らく行方知れずだったニルンの古くなったノドが確かに空を擦っている。
ここで冷ややかな泣き声を解き放ちこの台を霜で覆うんだ。

新たに記された“元素の力”2ページ目を復唱するマーキュリオが立ち止まります。
「グレイビアードということはハイフロスガー 古くなったノド つまり世界のノドを北に見ると解釈すれば目的地はおのずと限定される」
インペリアルの魔術師はテーブル上に広げられた地図に目を落とし、世界のノドの南部一帯を囲むように指先でなぞり始めました。
レイクビュー邸に突然立ち寄ったかと思うと私室に籠もり、現在の従者であるマーキュリオと談義を交わし始めた従士を遠巻きに眺めるラッヤとレイクビュー邸専属吟遊詩人ルウェリン・ザ・ナイチンゲールは互いに顔を見合わせ苦笑をもらします。
ファルクリースからの調達物を手にレイクビュー邸に顔を出した御者のガンジャールも、従士が滞在中とは珍しいなと戸口で朗らかな笑い声を響かせました。
「そういえば春野菜を届けてくれたエリクからの伝言だ 今年はちょっと入邸が遅れるとのことだ」
エリクの父親が経営するロリクステッドの宿屋が人手が足りないほど繁盛するとは思えないのだがと。
おどけて見せるガンジャールに、
「エリクにもいろいろ大人の事情があるのでしょう ジェナッサといい感じだったじゃない」
ラッヤが含み笑いで返します。
「そいつはルシアの耳には入れられないな」
冗談めかした口調のガンジャールにうなずき笑うラッヤとルウェリン・ザ・ナイチンゲール。
そんな執政らを前に、ただドラゴンボーンだけが眉を曇らせ、そっと瞼を伏せるのでした。

翌朝、Rioとマーキュリオは世界のノドの南方、スカイバウンド監視所を目指すべくレイクビュー邸を後にします。
イリナルタ湖から川伝いに北上し、リバーウッド手前の街道南を迂回気味に歩いて行くと、やがて絶壁に口を開く監視所が姿を現しました。
「寂れ果てているな」
第一印象をそう述べて。
「こんな人気のない峠は山賊どもの絶好の塒になる」
インペリアルの魔術師は寝首をかかれぬよう気を引き締めようと従士へ忠告を飛ばします。
従者の警告にうなずくRioは左手に弓を携え、隠密体勢で南の監視所から北の監視所へと繋がるスカイバウンド・ウォッチ峠へと足を踏み出しました。
ジャズベイの蔦を踏み越え、垂れ苔の茂る木製の螺旋階段を下り、瓦礫と岩の転がる通路に飛び降りたRioは前方に3つの人影を捉えました。
「商人でも旅人でもいい 間違ってこの峠に迷い込んで来ないものか」
「迷い込んで来たら身包み剥いでそいつらの持ち物を俺たちが有効活用してやるんだがな」
3つの人影は口々にがなり立てています。
「どうやら奴らの信奉する神の許へ送ってやったとしても なんら後悔の念に苛まれる必要のない連中のようだ」
後方で囁くインペリアルの従者に同意を示すかのごとく。
Rioは番えた第一の矢を先頭を歩く髭面の男の眉間に突き立てました。
弾き飛ばされ息絶える仲間を驚愕の表情で見送り、山賊達はすぐさま臨戦態勢で身構えます。
それらを続けさまに討ち取ってゆくRio。
その傍らに立つマーキュリオもまた遅れは取るまいと指先の雷を解き放ちます。
トラップトリガーの施された宝箱の罠を解除しては中身の宝石や首飾りを物色するRioが、
「有効活用させてもらいましょう」
笑顔で目配せするたびに苦笑をもらすマーキュリオなのです。

通路の扉を開けるとジャイアント・フロストバイト・スパイダーが立ちはだかりました。
巨大な節足動物に鏃を叩き込み、Rioは後方へと退きます。
事前に従士の動きを予測し、前方に躍り出るインペリアルの魔術師の繰り出す破壊魔法とRioの第2の矢羽が同時に蜘蛛の身体を貫通してゆきます。
魂縛の印である薄紫色の煙をたなびかせ、ジャイアント・フロストバイト・スパイダーは絶命を遂げました。
蜘蛛の巣まみれな道程を抜けると火の焚かれた通路に到達しました。
「気をつけろ 前方からまた山賊どもがやってくるぞ」
既に引き絞ってあった弦から矢を放ちぼんやり佇む山賊の1人を撃ち抜きます。
チェインライトニングにて迫り来るもう1人の山賊への迎撃を果たしたマーキュリオ。
勢い込んで前のめりとなる敵の心臓に従士のダガーが呑み込まれるのを確認し、返り血を避け、後方へと強いステップを踏みました。
血塗れのダガーの刃を焚き火付近に捨て置かれた布で拭い、更に先へとRioは歩を移して行きます。
途中に設置された加圧式トラップを跳び越え、スロープと階段を上り詰めるとノーススカイバウンドと呼ばれる北監視所に到達しました。
上方からは山賊の歌声が聞こえてきます。
「ビールを3杯飲み干すとオークは顔をしかめてエルフに別れの挨拶をした・・・それで実際何者かが死ぬことになるとは誰も気づかず・・・」
「蜂蜜酒 蜂蜜酒 蜂蜜酒 奴らを殺してたまにビールを飲むか? 蜂と蜂蜜なんてどうでもいい・・・」
監視塔扉の向こうからは酔いの回った山賊達のろれつの回らない大声が飛び交います。
「ブーツにナイフを仕込むか 武器を取り上げられるのはもううんざりだ」
「そうかウィザードめ あの力は秘密の魔法を手に入れたからなんだな 木をゴールドに変えられる そうだ木をゴールドに変えられたらな・・・」
(2人・・・いいえ3人?)
足音を忍ばせ扉に身を寄せるRioは息をひそめ使い慣れた弓に矢を番えました。
それから扉を蹴り開け、驚き眼で呆然と立ち尽くす酔っ払いの心臓に鏃を叩き込みます。
「このおっ!」
「くそ! 見張りはどうした!?」
残るは2人。
浮き足立つ賊の1人に第2の矢を撃ち込み、Rioはサイレントロールで焚き火を避け小部屋中央へと転がり込みます。
軌道を確保したマーキュリオが溜めた雷魔法で賊の足止めを図ります。
魔法に対する耐性が低過ぎたのか。
飲酒で弱った心臓に雷撃の衝撃が堪え難かったのか。
インペリアルの魔術師の呪文の直撃を浴びた山賊はガクガクと身体を震わせ、そのまま冷たい躯と成り果てました。
「ひいいっ! た・・・助けてくれ!」
仲間2人の死に様に恐れを為して。
最後に残った山賊も踵を返し、脱兎のごとく逃げ出します。
しかし風雪をはらむ矢羽が背を穿ち、インペリアルの魔術師から繰り出される雷が頭蓋を貫いたところで賊の逃走劇に幕が引かれました。
「この部屋にも族が逃げ出した先にもウィンドワード遺跡で見かけたような台座は見当たらなかったけれど」
辺りを見渡すRioがつぶやきます。
「こっちだ」
雪深い外路に歩を移すマーキュリオは振り返り。
山岳を臨むようにして設置された細い石の露台へと顎をしゃくります。
露台の突端にはウィンドワードで見たものと同じ台座がこの場を訪れるに相応しい者の訪れを待ちわびていました。
「その台座に“元素の力”を捧げ適切な魔法を唱えれば お前の行く道が照らし出されるだろう」
「適切な魔法 冷ややかな泣き声を解き放ち台を霜で覆うのなら・・・」
台座に魔法書を置いたRioは氷雪の呪文を唱え始めました。
白い陽炎が漂い。
目に見えない何者かの指先に操られるかのごとく“元素の力”のページがめくられてゆきます。
浮かび上がる道標とも言うべき文字を瞳に映し取りながらRioとマーキュリオは冷風に佇みました。

西側の川を越えてカースに行く途中、南と北の山に乗っているのは控えめな王冠。
この台に対する空の怒りが生まれる。
これらの冠雪を振るい落すために。

カース川とくればリーチ地方。
御者ガンジャールが鞭をふるう馬車に乗り込んだRioとマーキュリオは広げた地図の左端に目を落とします。
「カースに行く途中とあるから北を流れるカース川から上流域カーススパイア辺りと見るのが妥当じゃないのか」
「もしそうなら赤鷲要塞周辺が怪しそうね(*・ω・)つ」
「ふむ では対象となるのはサンダード・タワーにブラインドクリフ洞窟 フォー・スカルの監視所 ブロークン・タワー要塞に北上してライアーの隠居所とクリフサイド隠居所 冷風ヶ淵 ブルカズリープ要塞といったところか 先日赴いたブラインドクリフ洞窟にはそれらしき台座はなかったはずだ」
そう言うとインペリアルの魔術師は選出した候補からブラインドクリフ洞窟を除外します。
サンダード・タワー、ブロークン・タワー要塞、クリフサイド隠居所、冷風ヶ淵も対象外だと。
几帳面に書き出されたインペリアルの従者のメモ帳に伸ばしたペン先で該当箇所に×印を付けてゆくRioなのです。
「残るはフォー・スカルの監視所とライアーの隠居所 まずはフォー・スカルの監視所を当たってみよう」
「じゃあそれまで仮眠を取らせてもらうわね(〃▽〃)」
マルカルスからの行程をペンでなぞるマーキュリオの傍らで凹凸のある積荷に自身の荷を立て掛け均し、マントを布団代わりに簡易の寝床を設えるRioなのでした。
「また眠るつもりなのか!?」
唖然として声を大にするインペリアルの魔術師。
けれども悪びれもせずコクリとうなずくRioは茶目っ気たっぷりの笑顔を真面目な従者に返します。
眉をひそめ、やぶ睨みの眼差しを傍らの従士に向けたマーキュリオは大きなため息をひとつ吐き、ぼそりと独り言のようなつぶやきをもらしました。
「肩を貸そう」
硬い荷が枕では休息も取りにくかろう。
だが、涎を垂らすのはやめてくれ。
そう念押しするインペリアルの従者を肩越しにちらりと見つめて。
Rioはクスクス笑いをこぼしました。

※サンダード・タワーはSkyrim⑦『小瓶の修理』&Skyrim⑪『赤鷲の剣を見つける』で、ブロークン・タワー要塞はSkyrim②『ディベラの心臓』で、クリフサイド隠居所と冷風ヶ淵はSkyrim⑯『アズラの杖』で、ブラインドクリフ洞窟はSkyrim⑰『ハグレイヴン・ペトラを殺す』でそれぞれ攻略踏破済みであり、台座らしき設置物がなかったというRioの記憶を反映してストーリーは進んでおります。マーキュリオの「涎を垂らすのはやめてくれ」というセリフは創作部分ですがSkyrim⑰『カイネの聖なる試練』後編での出来事からの台詞となっております。

マルカルス行きの予定を変更し、途中下車したRioとマーキュリオはその夜をオールドフロルダンで過ごすことにしました。
翌朝早く出立した二人はその足で山岳地帯を北上します。
「南と北の山に乗っているのは控えめな王冠 王冠って何のことかしら(゚ー゚*?)」
「さあな とにかく現地へ行ってみるしかない そこで発見できる謎もあるやもしれん」
そうねと同意を示すRioの足取りも次第に速度を増して行きます。
「ヘッヘッヘ・・・ツースリー? 何を考えているんだ あのバカ」
フォー・スカルの監視所と思しき建物付近に下品な笑い声や罵倒が響き渡り。
開け放たれた扉からはブーツに隠してあったエースのカードを抜き出す男の姿が垣間見えました。
いかさまされたことに気づいていない勝負の相手は杯を呷り苛々した様子で貧乏ゆすりを繰り返します。
「スクゥーマが欲しい 輸入物でいいから もう一度だけ浴びるほど呑みたい」
「その願いは今生で叶えてやれそうもないな」
泥酔した山賊の繰言に囁きで応え。
両手に溜めた稲光を放出するマーキュリオ。
その傍らでRioが引き絞った矢を射放ちます。
仲間を襲った凶行に愕然とする女山賊が後ずさりし裏手出口へと回り込みます。
後を追うRioは視界の端に見覚えのある台座を捉え。
はたと立ち止まりました。
「余所見をするな! まだ敵の討伐は完了していないのだぞ!」
インペリアルの魔術師が発する警鐘と時を同じくして、逃亡を企てた女山賊の反撃が開始されます。
賊の放った魔法に感電するRioは仰け反り、苦痛に顔を歪めました。
すると前方に躍り出たマーキュリオがチェインライトニングを解き放ちます。
二つの雷が交錯し青白い稲光が冷気を裂いて。
やがてひとつの影が没しました。
痺れる身体を震わせ肩を上下させるインペリアルの魔術師の傍らでRioが大治癒を唱えます。
魔法については疎いばかりだと思っていたが、そんな回復魔法も覚えていたのかと。
苦笑を交え途切れ途切れの口調でマーキュリオはつぶやきました。
傷の手当に勤しむRioの二の腕を掴み。
インペリアルの魔術師は“元素の力”を寄越すよう詰め寄ります。
逼迫したマーキュリオの表情から何事かを感じ取ったRioは無言のまま魔法書を差し出しました。
“元素の力”をひったくるとインペリアルの魔術師は台座に駆け寄ります。
台座に魔法書を置き、それから震える指先でチェインライトニングを結び始めました。
詠唱の声は祈りにも似て。
切望、渇望、希望がないまぜとなりインペリアルの魔術師の心を乱します。
魔術の熟達に心血を注いできた人生を無駄だったと思いたくはない。
ドラゴンボーンの栄光も同胞団の導き手としての栄誉も他者からもたらされる他のどんな羨望も賞賛も望みはしない。
「だが魔法だけは・・・」
アーケインを司りマグナスの恩寵の降り注がれるこの領域における優位だけは従士に譲りたくはない。
台座を撃ち抜かんばかりに雷の呪文を連呼するインペリアルの魔術師。
彼の前に姿無き者の徴が与えられることはありませんでした。

宵闇迫る夕暮れ時。
厚く垂れ込める雲居からかすかに陽光が感じられる程度の明るさの中で跪きうなだれるマーキュリオがようやくその身を起こしました。
「お前がやってみろ」
チェインライトニングだ。
それ以外の魔法ではダメだ。
半ば自暴自棄な物言いでそう指定するとインペリアルの魔術師は台座の前を退きます。
躊躇を見せ。
けれども覚悟を決めたRioが息を吸いチェインライトニングを指先に結びます。
そしてドラゴンボーンの右手から放出される眩い閃光は魔法書ごと台座を穿ち断崖を貫きました。

「暇をくれないか」
傭兵稼業を休職しもう一度魔法について学び直したいと。
ウィンターホールド魔法大学の門を前にマーキュリオは自らの決意を綴ります。
魔法嫌いなパートナー、ヴィルカスにさえその腕と志を認められた優秀な従者マーキュリオ。
彼を失うことに一抹の寂しさを感じつつも、その門出を祝い、Rioは笑顔でうなずいてみせました。
破壊術の講師であるファラルダが魔術の探求者を出迎えます。
魔法大学の門をくぐりかけ、ふと歩みを止めたインペリアルの魔術師がかすかな笑みを浮かべ振り返りました。
“元素の力”がRioに授けたという破壊魔法の最高峰ファイアストーム。
その威力をこの目に焼き付けておきたい。
元従者のたっての願いを拒むわけにはいかない。
人気のない海岸線を試行の場に選んだRioはファイアストームの韻を結びます。
しかし不意に閉じたサファイア色の瞳を見開くとアークメイジは詠唱を中断してしまいました。
どうしたのかと怪訝な顔で首をかしげるマーキュリオ。
その怜悧な眼差しを受け、Rioは困り顔で応えます。
「マジカが足りないみたい・・・」
佇むインペリアルの魔術師は開いた口が塞がらないという面持ちで絶句してしまいました。
秘せられし破壊魔法の公開披露を伝え聞き、海岸線に集ったウィンターホールド魔法大学の面々も皆一様に呆気にとられ。
けれどもその直後、アークメイジらしいと大爆笑を響かせました。

幸運を手にする者とそうでない者とは生れ落ちた瞬間から定められているのだろうか。
世に生を受けたその時から神々の祝福を受けし者とそうでない者とは選り分けられているのだろうか。
その答えが否であることを証明するために私の人生はある。
魔法術を極める過程で、幸運も祝福も己の努力と裁量で掴み取ることができるということを立証してみせよう。
インペリアルの魔術師は思いをしたためた手紙を小瓶に詰め、逆巻く波頭に投じました。


以上で魔術師の達人クエスト『破壊術・儀式の呪文①』終幕となります。

ファイアストームは達人級破壊魔法の最高位に位置する火炎呪文なのですがマジカコストが850ほどかかるためRioでは唱えることができないというストーリー通りの落ちとなりました。

最初は魔術師の達人クエストに到達するまでマーキュリオがこれほどこちらのクエストに関わってくるという設定ではなかったのですが、彼がチェインライトニングの使い手であったことが幸い・・・災いともいふ・・・し、今回のような顛末となりました。
登場人物の性格設定やエピソードを思い描くのは苦痛ではなくむしろ楽しみだったりするのですが落としどころを考えると少なからず伏線めいたものも配しておかねばならず、どこまでが創作でどこまでがクエストラインなのかの線引きが曖昧となり困惑される方も多いと思われます。
「ゲーム通りの筋書きなのか創作部分なのか戸惑ってしまった」
とおっしゃる方には、この場をお借りして深くお詫び申し上げます。
ちなみにマーキュリオの台詞も生い立ちも従者を解雇されて以降の流れも80~90%が創作です。
マーキュリオに限らず従者となってくださるNPCの性格付けやエピソードなどは小桜の妄想の産物ですので、どうかその旨ご理解ご納得の上、読み進めていただけますなら幸です。

次回Skyrimは魔術師の達人クエスト『召喚術・儀式の呪文②』をお送りする予定です。
ネタバレ・妄想・創作など含まれるかと思いますが、「ドンとこ~い(`・ω・´)!」とおっしゃる皆様のお越しを心よりお待ちしております。

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Skyrim・ハグレイヴン・ペトラを殺す((((;´・ω・`)))

マルカルスの北東、カースワステン南西のブラインドクリフ洞窟を訪れたRioとマーキュリオ。
洞窟を抜けた先の塔内で囚われのハグレイヴン、メルカに救いを求められます。



本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

ネタバレ・妄想・創作が含まれますので、苦手な方はスルーお願いいたします。
PC&NPC間の会話にはアドリブや創作部分が多分に含まれ、カラー外部分のほとんどが創作パートとなっております。
ゲーム内の正しい台詞が知りたいとおっしゃる方は直接ゲームをプレイすることをお勧めいたします。



「こちらは一向に構わないのだが」
と前置きし。
そろそろパートナーの許へ戻った方がよくはないのかと。
モーサルの宿屋ムーアサイドの炉辺で武具を磨くマーキュリオがRioに問いかけます。
「それでヴィルカスの手紙には何て書いてあったの? 戻って来いって(゚ー゚*?)」
突然の返しを受けて言葉に詰まるマーキュリオなのです。
「いや そういうわけでもないが 同胞団絡みの仕事はひと段落つきそうだからソリチュードの自宅に戻るつもりだと・・・って・・・なぜ手紙のことを知っている!?」
「だっていつもこそこそ何か書きしたためては配達人に託していたから もしかするとヴィルカス宛なのかなぁって|ω・) アタッテタンダ」
それで手紙の内容まで検めたのかと詰め寄るインペリアルの魔術師に、
「そんなことはしてないけど」
その慌てっぷりからすると検閲しておいた方がよかったのかなぁと、Rioは悪びれた様子もなく笑い返します。
嵌められただけかと小さく舌打ちをし、続いて大きなため息をひとつ吐いてマーキュリオは元の椅子に腰掛け直しました。
「それで次の目的地はどこだ?」
不機嫌そうにつぶやくインペリアルの従者にもよく見えるようテーブルに地図を広げるやRioはマルカルスの北東、カースワステンの南西を指し示します。
「ブラインドクリフ洞窟」
「以前からその辺りに洞窟があるとは聞いていたけれど なかなか訪れる機会がなかったから行ってみようかと思って(〃▽〃)」
青い瞳を輝かせる従士を見遣りながら。
この冒険好きなドラゴンボーンはソブンガルデとやらに向かうその日まで、こうやって世界各地を飛び回るつもりなのだろうななどと。
インペリアルの従者は思考を巡らせました。
家族はどこまで彼女の自由奔放ぶりを許せるのだろうか。
ヴィルカスはいつかどこかで帰らぬ身となるかもしれないパートナーの身を案じ、やりきれない想いに駆られることはないのだろうか。
「マーキュリオ(゚ー゚*?)」
Rioの呼びかけにはっと顔を上げ勢いよく立ち上がると、インペリアルの魔術師はマントを羽織り荷づくろいを始めました。
「そうだ」
何やら思いだしたという風情でRioも自身の荷を漁り始めます。
引っ張り出したのはダークグリーンの真新しいマントでした。
ソリチュードのレディアント装具店に注文してあったものが昨夜ようやく届いたのです。
従者への贈り物を手に振り返るRioはちょうど現れた配達人からマーキュリオが手紙と一抱えの荷物を受け取る姿を目撃しました。
「ええと送り主の名前はアンスカ」
「アンスカが?」
アンスカの名にピクリと反応を示したマーキュリオはおずおずと受け取った包みを開きます。
荷の中身はキャメル色のシンプルな作りのマントでした。
現在身につけているマントと色合いも風合いも似通ったもので。
けれども生地裏には熊の毛皮で暖を取れるよう手作りで補強してあり、スカイリムの気候に適した仕上がりとなっています。
恐らくはアンスカが慣れない手付きで繕ってくれたのだろうということは脱線しそうなステッチの具合からも明らかで。
マーキュリオは我知らずかすかな笑みを浮かべました。
照れくささを隠し、努めて平然とした素振りで新しいマントに袖を通すインペリアルの従者を眺めつつ、Rioは一度は取り出したダークグリーンのマントを自分の荷の中に戻してゆきます。

※アンスカの名前は来訪者さまには記憶に新しいことかと思いますが、マーキュリオに届いた手紙と小包はちょうど前回のSkyrim⑰『アンスカの巻物』に登場したアンスカ嬢からのものです。

アイネサックの好意でカースワステンで一晩を過ごしたRioとマーキュリオは翌朝早く南西にあるというブラインドクリフ洞窟を目指しました。
大したものはないがパンと蜂蜜酒くらいなら振る舞える、持っていけとアイネサックに手渡された食事を頬張りながら山道を行くRio。
そんな従士の背に使い込まれたグレートソードがいつものように括り付けられているのを見て。
インペリアルの魔術師は至極真っ当な質問を口にしました。
「お前が両手剣を扱っているところを見たことがない それなのになぜそんなグレートソードを持ち歩いているんだ?」
するとパンに齧りついたまま振り返るRioは一口分のそれを噛み切り、もぐもぐと咀嚼した後、
「大切なお守りだから(〃▽〃)♪」
歌うように返答します。
使いもしない荷物になるだけの武器を持ち歩くなど物好きなことだ。
インペリアルの魔術師はふんと小さく鼻を鳴らしました。

Rioとマーキュリオがブラインドクリフ洞窟に到着したのは正午を過ぎた頃でした。
洞窟に足を踏み入れた途端、フォースウォーンらしき盗掘者が襲い掛かってきました。
咄嗟に機転を利かせ、ぶら下がる火炎壷をRioが射落とします。
そしてその直後、既に詠唱を完了していたマーキュリオのチェインライトニングが盗掘者の身体を貫きました。
一矢報いる暇さえ与えられず。
フォースウォーンは断末魔の叫びを撒き散らし地に崩折れてゆきました。
そのまま地下水の湧き出る通路を進んで行くと高い崖より白滝の落ちる絶景ポイントに差し掛かります。
景色に見惚れるRioを突如矢羽が襲いました。
「左手上方に敵だ!」
マーキュリオの警鐘にすぐさま反応を示し、矢を番える
Rioは左上方を見上げました。
崖の合間に設えられた木製の階段途中で出くわしたフォースウォーンの強奪者を仕留め、更に上方へと移動するRioの前に2人の強奪者が立ちはだかります。
敵の攻撃をかわし1人をダガーで沈めたところで振り返ると、残る強奪者をインペリアルの魔術師が雷魔法で葬り去る光景が飛び込んできます。
その後、Rioとマーキュリオはまるで最初から打ち合わせていたかのごとく岩場に身を潜めました。
「どこなの!? 出てきなさい!」
侵入者を見失ったフォースウォーンの女らしき声が辺りに響き渡ります。
九十九折となって上方へと伸びる階段を隠密で駆け上がるや、Rioは弓による不意討ちを仕掛けました。
しかし石造りのアーチ部分が邪魔をし、解き放った矢羽は思い描いた軌道を逸れてしまいます。
(しまった!)
矢羽はフォースウォーンの女強奪者の肩先を掠め、敵にこちらの位置を教える結果となってしまいました。
気配を察知し振り返る女強奪者。
反撃に移る敵の魔法攻撃が矢面に立つインペリアルの魔術師を直撃します。
呻き声をもらしつつも怯むことなく。
右手にメエルーンズのカミソリを握り、左手にはチェインライトニングの韻を結ぶマーキュリオ。
果敢に立ち向かう従者を援護する形でRioも第二の矢を番えます。
各々が放つ稲光に撃たれマーキュリオと女強奪者はよろめき仰け反りました。
しかし、2VS1の撃ち合いでは女強奪者に勝機はなく。
ぐらりと傾いだフォースウォーンの女強奪者は絹を引くような叫び声を上げ断崖を転げ落ちてゆきました。
砦と思しき屋根付きの石段を上り詰めると、ブラインドクリフの塔と呼ばれる入り口に到着です。
後方を振り返るRioに準備は万全だとマーキュリオもうなずき返しました。
韻を結ばぬ左手で無意識の内に新しいマントの合わせを握り締めるインペリアルの魔術師。
(緊張を解きほぐすためのマーキュリオの癖なのね)
戦闘の折々に見せるインペリアルの従者の仕草に目を細め、沈黙のままステルス体勢を保持するRioは塔内部に続く扉を押し開きました。

上階に足を運んだRioは鉄格子の扉越しに1人のフォースウォーンを発見しました。
(まだこちらには気づいていないみたい)
正面のレバーを引き鉄格子を解除すると、ようやく侵入者を認めたフォースウォーンの見張りが挑みかかってきました。
魔法攻撃で対峙するマーキュリオは従者の対面に身を滑らせます。
弓からダガーへ武器を持ち替えたRioはしなやかなバネを生かし刺突攻撃に転じます。
二方面からの猛ラッシュを受け。
見張りを務めていたフォースウォーンの強奪者は間もなく息を引き取りました。
待ち伏せるフォースウォーンの暴君を仕留め、石橋の見張りをも撃ち倒して。
Rioとマーキュリオはひたすら前進を続けました。
(この先には何があるのかしら)
冒険という甘美な麻薬に冒され一種トランス状態に陥りつつあるRioをマーキュリオがたしなめます。
「気を引き締めて行け 足を踏み外せば命はない 
フォースウォーンの溜まり場で観光気分のドラゴンボーンと心中した無能者などと陰口を叩かれたくはないからな
辛辣な従者の言葉に振り返っては頬をふくらませるRioなのです。
従士の百面相を前にインペリアルの魔術師は緊張した面持ちを緩め、苦笑いを浮かべました。
「まあ私もこの先何が待ち構えているのか まったく興味がないというわけでもないが」
石橋を渡り終えたRioは勢いよく扉を開け放ちました。
するとどこからか助けを求める声が聞こえてきます。
(誰?)
二重の扉で封じられた部屋には牢があり。
その牢の中にはやせこけた老女ならぬハグレイヴンが閉じ込められていました。
「そこのかわいいおバカさん ここから出しておくれよ!」
「助けてもらう分際で人をバカ呼ばわりとは大したハグレイヴンだ」
早速破壊呪文を唱え、殺気を漲らせるマーキュリオなのです。
攻撃は少し待つよう目配せして。
Rioはメルカと名乗る囚われのハグレイヴンの傍に歩み寄りました。
それから鉄格子越しに尋ねます。
「ここで一体何をしているの(゚ー゚*?)」
興味津々の呈で身を乗り出すRioにクックック・・・と低い嗤い声を響かせると、メルカは身振り手振りで今の嘆かわしい状況について説明を始めました。
「ペトラだよ! ペトラに塔を乗っ取られたんだ こんな暗く狭い籠に閉じ込められて まったく骨を噛んでやりたいよ!」
どうやらメルカは同族のペトラの騙し撃ちを受け、このような牢獄に身を置く境遇となったようです。
「ここから出しておくれ ねえそこの親切なおバカさん」
猫撫で声で懇願を続けるメルカから目を逸らし。
Rioは
虚空を見上げました。
「どうしようかな」
「どうするもこうするもない 耳を貸すだけ無駄だ 礼儀知らずのハグレイヴンなど とっとと始末して先を急ごう」
溜めたチェインライトニングを放出する機会を覗うインペリアルの魔術師。
その鋭い眼光に射すくめられたメルカは必死の説得に当たります。
「ま・・・待て! 待っておくれよ! いい杖を持ってるんだ ペトラの首を捻じ切って目を抉り出すのを手伝ってくれるだけでいい ほらこの杖をやるからさ わたしゃ乗っ取られたあの塔を返してほしいだけなのさ」
しばし逡巡した後、とうとうRioは牢を開放するレバーに手を添えました。



『ハグレイヴン・ペトラを殺す』

お前をバカだの獲物だのと虚仮にするハグレイヴンなどとよくも交渉できたものだと呆れるマーキュリオをなだめつつ、Rioは先行するメルカの後を追って行きます。
閉ざされた鉄格子の扉を開錠するには真ん中のボタンを押すのだとメルカは爪の伸びきった長い指先で命令を下します。
「真ん中のボタンだよ いい考えだろ? 誰も真ん中なんて思わないしね」
「三分の一の確率で正解に到達できるカラクリのどこに難解さがあると言うのだ」
「ああ うるさい! 真ん中だ 真ん中だよ!」
ふんと鼻を鳴らしそっぽを向くインペリアルの魔術師を睨めつけるメルカが地団太を踏み、早くボタンを押すよう急きたてます。
メルカの指示通り真ん中のボタンに触れるRio。
その眼前で鉄格子の扉が開きます。
「真ん中なんだよ」
捨て台詞と共にハグレイヴンはそそくさ歩き出しました。
次の小部屋にはフォースウォーンの強奪者が詰めていたようで。
メルカはなんの躊躇もなく、かつての仲間に爪を突き立てます。
けたたましい叫び声を上げる強奪者を斬り伏せるRioへ。
メルカはおいでおいでと人差し指を揺らしました。
「ここは気をつけるんだ コツがあるんだよ 死ぬほどの血を流さなきゃいいんだ ああ そこにレバーもある」
床に設置されたボタンを押すRioをレバーの元へ。
メルカは誘導を開始しました。
ハグレイヴンに導かれレバーを倒し通路に繋がる扉を開放させたRioはその足でなお先行するメルカを追いかけます。
「どうなっても知らないぞ」
従士の後に続くインペリアルの従者が眉をひそめ愚痴をこぼしました。
メルカに導かれるまま上階まで上り詰めたまではよかったものの、突如ハグレイヴンは金切り声を上げました。
「私の部屋が! 目を茹でるのにピッタリだっ大釜が! ああ・・・」
メルカが自分の部屋と称する小さな一室から大釜は取り除かれ。
錬金素材の草花や蝶そして錬金器具が幅を利かせる小奇麗な空間へと変貌を遂げていました。
「上に行くんだろ いつも上さ!」
ひとしきりしわがれ声で泣き言を綴るとメルカは右手にある鉄の扉を指し示しました。

水銀を掘るフォースウォーンの強奪者の息の根を止め、曲がりくねった坑道を進むと大ホールに辿り着きました。
「ペトラ ペトラ 忌々しい目 この裏切り鳥め! 軽蔑するよ姉妹としてね 死ね!」
ふらふらと大ホールに侵入するメルカが怨念の籠もる叫び声を上げます。
大ホールの崩れた階段にRioとマーキュリオが歩を移すや、ハグレイヴン・ペトラと彼女の取り巻きらが一斉に牙を剥きました。
ダガーを抜きペトラの懐に飛び込むRioを援護するマーキュリオがチェインライトニングを唱えます。
白い稲光が炸裂し。
ダガーの閃きと共に緋線が描かれ。
メルカの鋭い爪先がペトラの心臓を貫きました。
ペトラの遺体を前にメルカは勝利の雄叫びを上げます。
「どうだいこの塔は クックック・・・すばらしいだろう?」
これからどうするのかと問うRioに向き直るメルカは再び低い嗤い声をもらしました。
「クックック・・・またこの塔に住んで寝て 毒を調合してピカピカの目玉を集めてとかさ うん ああそうだ ほら杖だ 持っていきな それでお前の好きな獲物を殺すといいよ」
約束は守るとも。
嘯くメルカは長い爪先を柄を絡め、一振りの杖を差し出しました。
半径5メートルに火炎の爆裂を巻き起こす“メルカの目”と名付けられた杖を携えRioとマーキュリオはメルカの塔を後にします。
次に遭う時は敵同士かもしれない。
そびえるブラインドクリフの塔が長く黒い影を落とし。
闇間にハグレイヴン・メルカの嗤い声だけがいつまでも木霊し渡ったのでした。



以上で『ハグレイヴン・ペトラを殺す』終了となります。

いつメルカが裏切るのかとはらはらしておりましたが、結局最後まで裏切られることもなく無事ブラインドクリフ洞窟とブラインドクリフの塔攻略完了となりました。
実はこちらのクエストはRe○m&Rio共に初ということで、どのような展開になるのか最後までわからなくて楽しみという状態でした。
請求しなければ報酬の杖を手渡してはくれない当たり、
「メルカ 狡賢いというかハグレイヴンらしい(○´゚ω゚`)」
などと思ってしまったり。
ともあれRioにとっては初のハグレイヴン友達と言えるのではないでしょうか。
そういえばこちらのシリーズの初期の頃、泥酔していたとはいえ結婚の約束を交わしてしまったモイラというハグレイヴンもいましたねぇ・・・遠い目。←その後酷い仕打ちをしてしまったことは記憶の彼方に封印です
※Skyrim②ホワイトラン偏其の三『思い出の夜』での出来事参照です。

次回Skyrimは『破壊術・儀式の呪文』をお送りいたします。
ネタバレ・妄想・創作などが含まれるかと思いますが、「それでもいいよ(*・ω・)つ」とおっしゃる皆様のお越しを心よりお待ちしております。

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Skyrim・アンスカの巻物|ω・)

ソリチュードとドーンスターを結ぶちょうど中心に所在為すハイゲートの遺跡。
積雪に埋もれた入り口を抜けるとそこには一人のノルド女性が佇んでいました。
イスグラモルの血を引くという女魔術師アンスカと従者マーキュリオを伴う冒険が始まります。



本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

ネタバレ・妄想・創作が含まれますので、苦手な方はスルーお願いいたします。
PC&NPC間の会話にはアドリブや創作が多々含まれます。
またカラー外部分のほとんどが創作パートとなっております。
ゲーム内の正しい台詞が知りたいとおっしゃる方は直接ゲームをプレイした後、再び足をお運びいただけますなら幸です。



ウィンドスタッド邸で骨休めを兼ねた休暇を過ごしたRioとマーキュリオはドーンスターに向けて出立します。
「ドーンスターの薬屋にわざわざ錬金素材を届けようっていうのか?」
ドラゴン退治の後の仕事にしては随分肩透かしな内容だと言いかけ、マーキュリオは咄嗟に口を閉ざしました。
思いのままを言葉にすることがいかに容易く他者を傷つけてしまうか。
そして自己の評価を著しく下げてしまうかを慮っての英断でした。
「ジェニパーベリーを届けようと思って 錬金術店の女主人フリダならきっとこの素材を喜んでくれるはずだから」
そんな比較的どこにでも生えているような薬草をドーンスターの薬屋は所望いるのかと。
一旦は閉じかけた口を開き、訝しげに首をかしげるインペリアルの魔術師なのです。
するとRioは少し寂しげに微笑み。
フリダと彼女の亡くなった夫にまつわる逸話を語り始めました。
「なるほど 麗しのジェニパー・・・ドーンスターの薬屋の女主を彼女の亡き夫はそんな風に呼んでいたのか」
そして感慨深く眼前に広がる雪野原をみはるかしました。

※ドーンスターの薬屋を営むフリダと彼女の夫について知りたいとおっしゃる方ははSkyrim⑪『純合金の指輪をヒルグランドの墓で見つける』をご覧くださいませ。

ウィンドスタッド邸の北東、断崖絶壁の下に遺跡を見つけたRioは即座に降下を試みます。
ぴょんぴょんと雪で滑り易くなった岩場に着地してはまた蹴り出して行く従士。
それを上から見下ろすインペリアルの従者は呆れ顔を隠そうともせず。
一部始終を見守った後、自身は少々大回りとなっても安全でなだらかなスロープ状の傾斜道を選び追随を果たしました。
「マーキュリオは慎重なのね|ω・)」
遺跡入り口で従者の合流を待っていたRioはクスクス笑みをこぼします。
「滑落死した挙句スカイリムの最果てで氷漬けとなって見世物になるなど考えただけでもぞっとする 私にはまだやりたいことも見ておきたいものもある」
己の主張を述べるとインペリアルの魔術師は、
「遺跡を発見したからには大人しく看過するつもりはないのだろう」
と。
Rioの心中を言い当てました。
それから長いため息を吐き、麗しのジェニパー未亡人に無事土産物を届けられるよう生き永らえる努力はしてくれと念を押し、無謀が重装備を着て歩いているような従士の後に付き従いました。


『アンスカの巻物』

入り口付近にはドラウグル・ウォーカーらが横たわり、刃を交えるべき相手が何者なのかを提示しているようです。
最初の部屋を抜け進んで行くと正面に人影が浮かび上がりました。
白い肌に細身ながら大柄な体躯。
佇むその姿はノルド女性のようで。
「忘れられた古代遺跡へようこそ 私はアンスカ」
振り返るノルドには珍しい魔術師らしきいでたちの女性が微笑を湛えRioとマーキュリオを迎え入れます。
こんなところで何をしているのかと問うRioに。
「ついにヴォクンの墓を見つけた ヴォクンはこの遺跡で遥か昔に没した司祭なの 彼の墓をもう何年も探していたわ 巻物もきっとここにあるはず」
アンスカは鳶色の瞳を輝かせます。
ノルドの女魔術師の目的は遺跡に眠る巻物のようで。
とはいえ未だ巻物は見つからないと途方に暮れた様子で肩を上下させました。
「巻物(゚ー゚*?)」
「ええ あなたには無意味に思えるかもしれないわね けれど私にとってはとても大切な巻物なの そう我が家系とイスグラモルを結びつける証拠の代物」
ヴォクンが目覚めさえしなければ単独で探索を続行するつもりだったとアンスカは悔しがります。
「運の悪いことにヴォクンが目覚めてしまったのよ」
「ヴォクン(゚ー゚*?)」
「そう古の竜教団 その最高司祭のひとり」
お手上げという風情でアンスカが肩をすくめました。
もしもヴォクンが手に余る存在なら志半ばで自分は斃れることになる。
そしてこれまでの調査も追跡もすべて水泡に帰してしまうだろう。
気だるげにそうつぶやくとアンスカは唇を噛みうなだれました。
「巻物探しを手伝いましょうか?」
Rioの申し出に弾かれるように顔を上げたアンスカは一変、嬉々とした表情で大きくうなずいてみせます。
「そんな風に申し出てくれる勇者がこの局面で現れるなんて! これも先祖であるイスグラモルの加護のお蔭かしら ありがとう 巻物以外の戦利品はすべてあなた達のものよ ええと・・・」
「私は君と同じ魔術師マーキュリオ」
後方に控えつつも別段かしこまった様子もなく。
威風堂々胸を張り名を告げるインペリアルの魔術師なのです。
そして軽やかに前進を開始するドラゴンボーンもくるりと振り返り。
「あたしはRion○id Rioって呼んでね」
屈託なく微笑むと青く澄んだ双眸を煌かせました。

隠密の心得はないからできれば真っ向勝負を挑んでほしい。
アンスカの要望にコクリとうなずいてみせ。
ステルスを解いたRioは慎重に歩を進めてゆきます。
天井に丸く吹き抜けのあるホールに突入するや、ドラウグル・ワイトと2体のスカージの襲撃を受けます。
ダガーを抜き手前のワイトに躍りかかるRioの両サイドよりマーキュリオとアンスカ、二人の魔術師がほぼ同時にチェインライトニングとエクスプロージョンを唱えました。
青白い閃光と炎の軌跡がドラウグルを形成する骨片を砕き、更に後方で蠢く2体のスカージを撃ち貫きます。
ダガーが振り下ろされるのを待たず。
2体のスカージは魔法により動かぬ屍と化してゆきました。
「接近戦の出る幕はないみたい(〃▽〃;)」
「後衛を護るための囮または目晦ましとしては十分頼もしい」
「あなたが敵の注意を惹いてくれることで魔法詠唱を妨害されなくて助かるわ」
苦笑いするRioの背後にて。
二人の魔術師はやはり同時に戦士の存在価値について各々の考えを述べ合います。
並ぶ埋葬壷から宝石やら薬品やらを失敬するRioを横目に、マーキュリオは聞こえるほどの大声で独り言を綴りました。
「ドラゴンボーンは廃墟にある金目の物を残らずすべて運び出す算段らしい」
すると両手に宝石を掴むRioも涼しい顔で切り替えします。
「報酬はなくても構わない ただ働きでよいと従者が納得してくれるのなら墓荒しは控えようかな」
絶句するインペリアルの魔術師の傍らでアンスカが一際朗らかに澄んだ笑い声を響かせました。

上層の突き当たり奥の通路を進むとドラウグル・ワイトとデス・ロードの待ち伏せに出くわします。
「退いて!」
「退いてろ!」
アンスカとマーキュリオの叫びに反射的に後退するRioが細い通路に身を寄せます。
デス・ロードの発する揺ぎ無き力が不発に終わるのを見定めて。
マーキュリオとアンスカのチェインライトニングが炸裂しました。
またしても出番なしかと思いきや、さすがにデス・ロードの殲滅は一筋縄ではいかなかったようで。
飛び交う魔法の間隙を縫いダガーを閃かせるRioがデス・ロードに引導を渡します。
更に伸びる通路を行くと加圧式トラップを発見です。
羽根の歩みでトラップ発動を避けるRioに倣い、アンスカとインペリアルの魔術師もまた軽い身のこなしで脇道へと逸れました。
「罠には気をつけろ この種の廃墟には多数仕掛けられているからな」
従者の警鐘が辺りに木霊し渡り。
トゲの扉を横目にRioも了解とうなずいてみせます。
「左に通り抜けできる道はなさそう」
人ひとりやっと通り抜けられそうな窪みの先が閉ざされているのを確認し、アンスカが首を横に振りました。
Rio、マーキュリオ、アンスカが次に訪れたのは絵合わせのカラクリが施された中ホールでした。
中央床面から地下に下りる螺旋階段が鉄格子によって封鎖されています。
「これはパズルね レバーを動かす順番を解明できれば行く手を阻む鉄格子が解除される仕組みに違いないわ」
アンスカの助言に同意を示すRioがホール内の調査に乗り出します。
丸太のスロープ下のレバーには狼の彫り物が、中央玉座右のレバーには蛇の彫り物があることを記憶に留め。
対面の木製スロープから二階部分へと移動して行きます。
「正面上部を見て 左から鳥・鯨・・・少し間を置いて蛇」
この順番が謎解きに関係あるはず。
再び発せられるアンスカの言葉を反芻するRioは上段にて鯨と鳥の象られたレバーを発見します。
(4つのレバーに3つの正面上部の彫刻。間違っているかもしれないけれど試してみる価値はありそう)
それからアンスカとマーキュリオを安全地帯へと退け、Rioはレバーの操作に乗り出しました。
「まずは鳥(*・ω・)つ))」
上段奥の鳥の彫られたレバーを引いたRioは後退する途中で鯨のレバーに手をかけます。
(鯨の次は蛇だけど・・・)
鯨と蛇の彫刻の間に意味有りげに空けられた空間が気になる。
直感を信じよう。
一旦は蛇のレバー前に進み寄ったRioも思わず踵を返します。
「鯨の次は狼(*・ω・)つ))」
蛇のレバーから狼のレバーに歩を移し変え操作を終えたRioは最後に蛇のレバーに向かいます。
空白部分にいたのはきっと狼。
「これでどう?」
蛇のレバーを引くRioの背後にて。
カラカラと耳に心地良い音をたて鉄格子が解放されました。
「すばらしい! さあ急ぎましょう 巻物が目覚めたヴォクンによって破り捨てられるその前に・・・」

必ず回収しなければ。
「古代ノルドの遺跡を観賞している暇はなさそうだな」
螺旋階段を先行しかけるアンスカを引き止め。
マーキュリオが護衛を兼ねた先導役をかってでます。
「後ろは任せる」
すれ違いざま己の従士にそう告げるとインペリアルの魔術師は淀みない歩調で進行を再開しました。

螺旋階段下の棺は破られ。
饐えた臭いが漂い
ドラウグルと化した亡者達の気配が感じられます。
マーキュリオはともすればざわめく気持ちを落ち着かせるべく使い古したマントの襟元をきつく握り締めました。
正面より現れたドラウグル・ワイトに雷魔法を浴びせかけつつ。
インペリアルの魔術師は進行方向へ視線を移してゆきます。
加勢に加わる敵はいない。
即座に状況を判断したマーキュリオは未踏の細道へと飛び退き、魔法のための軌道をアンスカに譲ります。
二人の魔術師の猛攻撃をその身に浴びてはひとたまりもなく。
ドラウグル・ワイトは砕け散り、物言わぬ骨片に成り果てます。
ドラウグル・デス・ロードを仕留めたところでRioとマーキュリオはアンスカの不在に気づきました。
「手分けして探そう」
マーキュリオの進言にコクリとうなずき。
Rioは元来た道を辿ります。
イスグラモルの血を継ぐノルド女性の姿を求め。
死者の間を徘徊するRioの背後で男女二人の呻き声が聞こえてきました。
「うっ・・・すまない」
「ひどいわ 罠くらいちゃんと避けてくれなきゃ」
駆けつけた先には加圧式トラップ前でよろめくインペリアルの魔術師と、毒をその身に受け苦しげに肩を上下させるアンスカの姿がありました。
次の瞬間、不愉快そうに眉を上げるマーキュリオが反論を試みます。
「確かにトラップを発動させてしまったのは私の不注意だ しかし列を乱し行方をくらましたのはアンスカ 君の方だろう」
「それはそうだけど」
大切な巻物がこの場に納められた遺体に紛れ込んではいないか。
心配になり、いてもたってもいられず。
もう一度すでに通過してきた棺の中を調べていたのだとアンスカは口ごもります。
「わずかな時間でも離脱するときは声をかけてくれ 君の身に何かあれば責めを負うのは私なんだ」
「責任の所在を問われるのが嫌だから渋々私を警護してくれていたって言うの? 冷たい男」
後衛としての立ち位置が定石なはずの魔術師。
そんなマーキュリオが率先して自分を護ってくれようとしていたのを心の底では頼もしいと感じていたのに。
アンスカの顔に落胆の色が浮かびました。
「従者として雇われた者なら当然担うべき役回りだ」
それ以上の感情などない。
そう言いかけて。
インペリアルの魔術師は次の言葉を呑み込みました。
「そう よくわかったわマーキュリオ 以降あなたの私への配慮は無用よ 行きましょうRio」
二人の魔術師の険悪なムードを固唾を呑んで見守るRio。
・・・は強引に腕を取られ、
アンスカに引っ張られながら己の従者を追い越してしまいます。
またやってしまった。
前方を歩くRioとアンスカの後姿を見つめるインペリアルの魔術師は深いため息をつきました。

蛇行する通路を抜けると加圧式トラップの前に宝箱が設置されています。
「罠にかからないようにしろ」
マーキュリオの警告にうなずくRioが箱の中身を吟味し始めたところで。
その背後を目覚めたドラウグル・デス・ロードの黒檀の戦鎚が襲います。
咄嗟に従士を庇おうと進み出たマーキュリオは正面から戦鎚の直撃を受け、身をかがめつつ呻き声をもらします。
「マーキュリオ!」
振り返るRioがダガーを抜き去り、狼狽するアンスカがその指先より雷魔法を放出しました。
苦痛に顔を歪めつつもチェインライトニングを詠唱するインペリアルの魔術師にデス・ロードの二打目が振り下ろされ。
その瞬間、そうはさせじとRioとアンスカが放つ渾身の一撃が敵の頭蓋に炸裂しました。
「すまない 助かった」
間一髪のところで九死に一生を得たマーキュリオは荒くつく息遣いの下、ぼそりと感謝の言葉を綴ります。
「仲間なら助け合うのは当然のことよ」
やや決まり悪そうにそうつぶやいた後、アンスカは傷ついたインペリアルの魔術師に治療薬を差し出しました。
続く小部屋には台座に置かれた小魂石と二つの棺がありました。
小魂石を台座から取り払ったら棺からドラウグルが飛び出して来そうと笑うRio。
が床に並べられた蝋燭立てにつまづき、よろめいた拍子に台座の小魂石を弾き飛ばしてしまいます。
すると期待を裏切らない罠が作動し、ドラウグル・ワイトとデス・ロードが二つの棺を蹴破り干からびた姿を現しました。
「わかってて罠に引っかかるなんて度胸あるのね」
起き上がりざま慌ててダガーを抜くRioの傍らで、デス・ロードにエクスプロージョンを浴びせかけるアンスカが苦笑をもらします。
「今のは狙って転んだわけじゃなさそうだ まあ身を呈して笑いを取りにいったと考えられなくもないが」
チェインライトニングで撃ち砕いたワイトからターゲットをデス・ロードに移行するマーキュリオも低い笑い声を響かせました。
(とりあえず場が和んでよかったのかな)
台座の角にぶつけた即頭部をさすりながら既に横たわる2体のドラウグルから戦利品をせしめ、アンスカの求める巻物がないことを確かめるとRioは再び未踏の通路に足を踏み入れて行きます。

次に訪れた幅広の通路の壁には物語りの間で見かけた彫刻が施されていました。
「壁に彫られている人物は古代人ね ヴォクンの埋葬場所も近くのはず」
アンスカの言葉に後押しされ、通路中央に歩を進めようとしたところでRioはギョッとした表情で固まりました。
右に左にそして中央にも加圧式トラップが点在しています。
(危ない。壁面に気を取られすっかりトラップを忘れていたわ)
すぐに軌道修正を図り、中央トラップ地帯を避け、Rioは右壁沿いを選んで進みます。
「こういう場所には大変な歴史がある ここにある壁にもきっと驚くべき物語が隠されているはずだ」
時間さえ許すのなら、これら彫刻が何を表しているのか調査しておきたい。
そうつぶやくマーキュリオは名残惜しそうに壁面をさすります。
壁面に気をとられ、足を滑らせ踏み抜いてしまった罠により毒矢を受けるマーキュリオ。
咄嗟にその腕を取り、矢の軌道から逸れた壁際へとアンスカがインペリアルの魔術師を引っ張り寄せます。
「すまない」
仲間なら助け合うのが当然だから。
もう一度同じ言葉を紡ぎかけ、アンスカはふと笑みを浮かべると芝居がかった仕草でどういたしましてと恭しくお辞儀してみせました。

幅広の通路から鉄の扉を抜け蛇行する細道を抜けるや否や、危険を察知したマーキュリオとアンスカは二人同時に身構えます。
「敵の気配がするわ」
「ああ 従士よ レバーを頼む ドラウグルらが出現すればすぐに応戦しよう」
チェインライトニングとエクスプロージョンの魔法を各々唱え、二人の魔術師が配置につきました。
待機する魔術師らの前方に立つRioが小部屋中央のレバーを動かした途端、突如前方の壁面が消失し、ドラウグル・ワイト・ロードが飛び出してきました。
しかし二人の魔術師の反応はすばらしく。
すでに唱え終えていた破壊魔法がワイト・ロードの身体に突き刺さります。
魔法による先制攻撃を受け仰け反るワイト・ロードは抜き放つドラゴンボーンのダガーの直撃にも曝され、遂にムンダスからの撤退を余儀なくされました。
ぽっかりと口を開いた右手壁面中央にはまたもやレバーが設置されています。
「今度は右手奥 壁に気をつけて!」
不穏な空気の流れを感じたアンスカが小部屋片隅を凝視し、再び炎魔法の詠唱に取り掛かります。
「無理は禁物だ 手に負えないときはすみやかに撤退してくれ」
同様に雷魔法の韻を結ぶマーキュリオがアンスカの斜め後方に待機します。
レバーを引いたRioはすぐさま右手奥の壁へと取って返しました。
「ドラゴン・プリースト!」
驚愕するアンスカの唇から敵の名が飛び出しました。
かすかに震える指先からエクスプロージョンを連射するも、じりじりと距離を詰められてゆくアンスカ。
彼女とドラゴン・プリーストの間に割って入ったインペリアルの魔術師が再び雷魔法を唱えました。
「私の魔法の軌道を塞がないで!」
「君の手に負えるような代物じゃない 大人しく下がっていろ!」
アンスカを背にチェインライトニングを連射するマーキュリオはダガーを手に挑みかかるRioを視界の端に捉え、注意を促します。
「そのままの立ち位置を維持してくれ!」
でなければ従士諸共破壊しかねない。
従者の心の叫びを聞き届けたRioは狭い壁穴に身を滑り込ませ、窮屈な体勢のまま応戦を続けます。
ひとしきり激しく斬り結ぶ接戦を繰り広げた後、ドラゴン・プリーストは灰へと還ってゆきました。
ドラゴン・プリーストが封鎖していた壁際に3つ目のレバーを認め、Rioは勢いよくその取っ手を引き下ろしました。

「さっきのドラゴン・プリーストはヴォクンではなかったと思うの」
通路に散乱する薬品を回収するRioにアンスカが語りかけます。
「そうね」
これまで対峙してきたリーダー各のドラゴン・プリーストに比べ、殺気も手ごたえも乏しかった。
もしもあのドラゴン・プリーストが本物のヴォクンであれば圧倒的な存在感と威圧を感じたことだろう。
Rioもまた奇妙な確信を持ち首肯します。
更に細い通路を進んで行くと眼前で扉が開け放たれました。
その奥には今まさに棺より身体をもたげつつあるドラゴン・プリーストの姿がありました。
「巻物の守護者ヴォクン!」
愕然と佇むアンスカの魔法詠唱の遅延を見てとるやホール中央に滑り込んだマーキュリオが雷魔法を撃ち放ちます。
「巻物を戦闘で使い果たされる前に決着をつけてしまおう」
インペリアルの魔術師の台詞に、はっとした表情を見せると、アンスカもまた広間へと身を躍らせました。
中央台座を前に激突するRioとヴォクン。
味方前衛の間隙を縫い、2つの稲妻がドラゴン・プリーストの身体を貫きます。
乱射されるアンスカのチェインライトニングがマーキュリオを直撃し、怯むインペリアルの魔術師が低い呻き声をもらしました。
「ごめんなさい」
味方への誤爆が引き金となりアンスカの集中力が途切れます。
「気にせず撃ち込め! 致命傷からはほど遠い!」
マーキュリオの激励にうなずくアンスカは再びチェインライトニングを唱えました。
右に左にひらめく青白い閃光をかわし。
鋭いダガーの切っ先をヴォクンの首に胸に突き立てては振り抜くRioが瀕死のドラゴン・プリーストを追い立てます。
エクスプロージョンを放っては逃げ惑うヴォクン。
アンスカの稲妻がその身に直撃するやドラゴン・プリーストの時間は止まり。
ローブに包まれた古の司祭の骨片は灰燼へと帰してゆきました。
しかし仮面と杖は見当たれど
、ヴォクンの遺骸にも棺にもアンスカの切望する巻物はなく。
ぼんやり佇むアンスカはやがて落胆にうちひしがれ涙ぐみ始めました。
「ヴォクンが巻物を携えていないなんて そんなこと・・・」
「諦めるのはまだ早い」
焼け焦げの目立つマントを翻し階上に上りつめたインペリアルの魔術師が2階奥を指差します。
ヴォクンの棺の置かれた広間奥には更にもうひとつのホールが設えられ。
最奥にはワードウォールがドラゴン語を解する者の訪れを待ち焦がれていました。
石壁よりストームコールの3段階目のシャウト“Qo=稲妻”の力を吸収したRioが奇妙な気配を感じて振り返ります。
(ホール中央の台座に何かある)
台座に吸い寄せられるドラゴンボーンの前で固く封印された巻物がわずかな光彩を放ち浮かび上がりました。
巻物を手に取るとRioは封印を解かぬままそれをアンスカへと差し出します。
「ありがとう」
頬を伝う涙を拭い、巻物を受け取るアンスカは一族に代々伝わる火炎使い魔の召喚魔法をRioとマーキュリオに伝授しました。
「巻物は暗号化されているようね すぐに読み解くことはできなさそう」
広げた巻物に一通り目を通したアンスカは深いため息を吐きました。
戻ってからゆっくり解読し謎が解けたら必ず連絡する。
そう約束して。
イスグラモルの血脈を継ぐノルドの女魔術師はヴォクンの墓を後にして行きます。
ほんのひとときだけの冒険の仲間。
スカイリムには数少ない魔術を嗜む同士よ。
アンスカが傍らを通り過ぎて行くのを感じながらマーキュリオは瞼を閉じました。
「イスグラモルと君の一族を繋ぐ証が見つかることを祈ろう」
そんなマーキュリオの餞の言葉もアンスカの台詞によりかき消されてゆきます。
「次に逢う時はもっとスマートにエスコートできる男になっていることを期待するわ」
口が悪くて不器用なところもあるけれど。
あなたきっと本当は一途でやさしい男ね。
「またどこかで逢いましょう マーキュリオ」
明るい笑い声を響かせて。
去り往くイスグラモルの血を受け継ぎし女魔術師。
思わず振り返るインペリアルの魔術師。
鳶色の瞳の女魔術師を見送るマーキュリオはわずかに紅潮した頬を立てたマントの襟で隠しつつ。
「帰ろう・・・」
小さくそうつぶやくのでした。



以上で『アンスカの巻物』終了となります。

アンスカは不死属性ではなく、うっかり死なせてしまうとクエストが失敗となってしまいますので道中はくれぐれも彼女の身辺にご留意くださいませ。
途中でアンスカが一時的に行方不明になったという件は創作ではなく事実そのままでした。
もちろん罠にかかったマーキュリオとアンスカのやり取りは創作ではあります。
ちょっとしたニアミスすら創作の材料にしてしまう。
すっかりそんな習慣が身についてしまった小桜です。

次回Skyrimは『ハグレイブン・ペトラを殺す』をお送りいたします。
ネタバレ・妄想・創作など含まれると思いますが、「まあ通常運行だよね(〃´・ω・`)ゞ」と生温かく見守ってくださる皆様のお越しを心よりお待ちしております。

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Skyrim・蒼白の淑女(`・ω・´;)

今朝、ハジバールの殺し屋が迫って来ていたため、私たちはホワイト川のギャングを離れた。
彼に追われている以上、ラジールと私にはどうすることもできない。
カイルのグループと手を組んだ。
彼らの宝探しは最悪だった。
私が地下で発掘の責任者となり、ラジールは地上で追いはぎの指揮をとるようになった。
シドナ鉱山で過ごした日々も、ようやく報われそうな気がする。
夜の作業員が何か大きな物が出てきたと言って、私を起こしに来た。
直接確認するためにカイルとラジールと私は下に降りた。
それは巨大で、まるで1つの森が丸ごと大地に飲み込まれたようだった。
カイルはそこにあった剣を手に取った。
ここ数日間、ラジールは悪夢にうなされている。
彼は“蒼白の淑女”・・・たしか沼に住んでいて夜に子供を盗む女のこと・・・をブツブツ言い続けている。
ラジールはほとんど寝ることができない。
彼がうとうとと眠り込んでしまったとしても、必ず叫び声を上げて起き上がる。
彼は“蒼白の淑女”が我々に近付いてきていると言っている。
彼女は森の奥にいるが、剣を戻さないと我々全員を始末するらしい。
そうはさせない・・・ボスはまるでそれを持って生まれてきたようにしがみついている。
私は身の回りの荷物を少し整理しておいた。
今晩ここを抜け出して二度と戻らないつもりだ。

“イーサの日記”より抜粋



本日も『Skyrim(XBOX&PS3&PC版コンシューマータイプRPG(゚ー゚*?))』をお送りいたします。

ネタバレ・妄想・創作が含まれますので苦手な方はスルーお願いいたします。
PC&NPC間の会話にはゲーム内で実際に使用されている会話も含まれますが、創作も多々あります。
ゲーム内の台詞だけ知りたいとおっしゃる方は直接ゲームをプレイすることをお勧めいたします。



モーサルの東、ドーンスターの南西にあるフロストミヤ墓地には蒼白の淑女が現れる。
そのような噂を伝え聞いたRioは早速次なる冒険の目的地をフロストミヤ墓地に定めました。
数日をモーサルで過ごす間にすっかり旅支度の整ったインペリアルの従者マーキュリオも磨いたメエルーンズのカミソリをローブの腰に縛り付けます。
それから破れや継ぎの目立つ色褪せたマントに身を包むと、
「では蒼白の絶世の美女とやらを拝みに行くか」
朝食代をテーブルに置き、通りへ続く扉に手をかけました。
「蒼白の淑女が絶世の美女だなんて誰も言ってないし|ω・) マーキュリオハ メンクイ?」
からかうような従士の語りかけを聞き流して。
インペリアルの魔術師は朝日に輝く山道を先行し足早に横切って往きます。

正午を前に到着したフロストミヤ墓地前にて。
山賊数人が一人の女を取り囲んでいる光景に出くわしました。
会話の内容から追い詰められている女も山賊の一味らしく、どうやら仲間割れを起こしているようです。
「知らないって言ってるだろ!」
「うるせえ! イーサ! ラジールとお前には賞金がかかってるんだ 大人しく捕まる気がないなら嬲りものにして辱めてからその首ぶった斬るぞ!」
「やれるもんならやってみな!」
詳しい経緯はわからない。
とはいえ多勢に無勢。
しかも口汚い脅し文句を垂れ流し、女一人に寄って集るとは卑怯千万。
すぐさま抜き払ったダガーを掲げ、イーサと呼ばれた女山賊に加勢するRioなのです。
しかしイーサの腕は取り囲む悪漢どもより数段上だったようで。
複数いた悪漢達は瞬く間に屍と化してゆきました。
「勝手にしゃしゃり出て来やがって 余計なことを」
そう吐き捨てるや踵を返し女山賊は山道を下り始めました。
イーサを見送ったRioは石段に投げ出された日記を拾います。
「さっきの女山賊の物かな(*・ω・)つ□? イーサ ダッタッケ?」
「乱闘の際 荷からこぼれ落ちたのに気づかなかったのだろう」
誘惑に負け。
Rioとマーキュリオは肩を並べイーサの日記に目を通します。
「蒼白の淑女が我々に近付いてきている・・・どういう意味かしら(゚ー゚*?)」
日記に記された一文をつぶやくとRioはフロストミヤ墓地を仰ぎ見ました。



『蒼白の淑女』

雪の積もる石段を一息に駆け上がり墓地内へ滑り込んだRioは咄嗟に身をかがめました。
(誰かの話し声が聞こえる。山賊かしら?)
従士に倣い隠密体勢へ移行するインペリアルの魔術師も耳をそばだてます。
「でもイーサは 彼女はそれほどバカじゃないわ」
仄明るい正面の簡易テーブルに座る山賊らしきレッドガードの女が隣に腰掛ける男を嗜めます。
「ラジールはいつもイーサを厄介事に巻き込んでいたよ」
濁声のノルドらしき山賊男が相槌を打ちつつ手近な蜂蜜酒を呷りました。
「でもボスの剣を盗むなんて あいつら死にたいのかしら」
「さあね イーサもどうかしていたのさ ラジールを信用し過ぎたんだ」
呆れた様子で頭を振って見せる女山賊が蜂蜜酒を喉に流し込み、酒の相手を努める男もまた空になった杯を蜂蜜酒で満たしてゆきます。
話の内容からするとイーサ及びラジールなる人物が山賊長の剣を盗み逃亡を企てたようです。
(剣というのは恐らくフロストミヤの森で発見したものよね。でもイーサの日記には彼女が剣を手に入れたなんて書かれてなかったけど)
もっとよく話の内容を聞き取ろうと身を乗り出した途端、Rioの懐からダガーが鞘ごと滑り落ちてしまいました。
石造りの床にダガーの柄が撥ねる反響音が鳴り渡ります。
「誰かいるの!?」
立ち上がるレッドガードの女山賊に遅れをとるまいと相方のノルド男も武器を鷲掴み、辺りを覗い、邪魔な椅子を蹴り倒します。
こうなっては乱戦上等。
正面から遣り合うしかない。
すばやく拾い上げたダガーを閃かせ床を蹴り。
Rioは手前の賊に躍りかかりました。
マーキュリオのチェインライトニングが二人の山賊の身体を撃ち貫き感電させ。
騒ぎを聞きつけたもうひとりのノルドらしき女山賊が右奥の小部屋から飛び出してきました。
軽快なステップで新手の賊の魔法攻撃を退けては反撃に移ろうとするRio。
ダガーの鋭い切っ先が女山賊の喉笛を捉えるより早くインペリアルの魔術師の指先より発せられる落雷が賊をソブンガルデへと誘いました。
他に追撃者がいないことを確かめて。
Rioはテーブルに置かれたメモに目を落とします。
それはカイルなる人物からの命令書で。
イーサとラジールを始末するようしたためられていました。
「イーサはさっき無事逃れられたみたいだけどラジールはどうしたのかしら?」
「残念ながらこの状況では不明としか言いようがないな」
既に死人に口なしとなってしまった3つの遺骸。
それらを検めるマーキュリオが手掛かりなしと判断し、首を横に振ってみせます。
「とにかくもう少し墓所内を調査してみよう」
インペリアルの従者の提言にコクリとうなずくRioなのです。

右に曲がった突き当たりから何やらぼそぼそ話し声が響いてきます。
けれども囁きの内容までは聞き取れず。
Rioとマーキュリオは物陰から物陰に身をひそめ左手大広間を目指します。
辿り着いた先はちょうど大広間の上部に当たるらしく。
眼下に敵の気配を感じつつも、鉄格子のアーチに覆われた細い通路をソロソロ進んで行きます。
「カイルからの命令だ ボスが戻って来るまで誰も中に入れず 外に出すな! さもなくばラジールのようにひどい目に遭うと思え!」
一際大きな男の叫び声が大広間に轟き渡りました。
ラジールは既に身柄を拘束され拷問を受けているのかもしれない。
いや、恐らくもう生きてはいまい。
発しかけた言葉を呑み込んで。
インペリアルの魔術師は指先にチェインライトニングの韻を結びました。
通路途中に置かれたラウンドテーブルから“パルラ 第1巻”を失敬し、足音を忍ばせるRioが更に前進を続けます。
山賊達からどよめきが上がるたびに立ち止まっては警戒を深めるインペリアルの魔術師。
その額にはうっすらと汗が滲んでいました。
右の通路では愚かな侵入者を呑み込もうと
空洞が口を開け、獲物が罠にかかるのを待ち構えているようです
正面にはどす黒く変色した血液と思しき血溜まりが広がり。
天井には贄を監禁しておいたに違いない檻籠がかしいでいます。
生臭いにおいが立ち込め、眩暈を覚えたRioはふらりと壁にもたれかかりました。
ともすれば乱れがちとなる息遣い。
歪む視界。
それら禍々しい光景と胸の悪くなるような臭いを一蹴するかのごとく。
大きく息を吐いたRioは左手小部屋の前で見張りを続ける山賊の眉間を狙い撃ちました。
「大丈夫か?」
インペリアルの魔術師の呼びかけにうなずいてみせるRioは血塗られた一角を足早に通り過ぎて行きます。

精鋭級の錠で閉ざされた鉄の扉のその向こうにもラジールの姿はなく。
「カイルだかラジールだかが執着を示したと思しき剣も見当たらない 他を探してみよう」
マーキュリオの言葉にうなずくRioは安堵とも落胆ともつかない複雑なため息をもらしました。
そしてその足で右手通路を辿ります。
「それでボスはそこを降りて行ったのか?」
「ああ ラジールを追ってな カイルがあんなに怒ったところは見たことがない」
吹き抜けからは山賊達の話し声がもれ聞こえてきます。
「どうも最近悪寒がしてな 嫌な気分が続く」
「ふん 臆病風に吹かれたか? ところでお前が見たという蒼白の淑女とやらについて聞かせてくれ」
(蒼白の淑女・・・!?)
Rioは耳を澄ませました。
山賊達の話がやむのを待ち。
マーキュリオが小声で耳打ちします。
「左の部屋でこんなものを見つけた」
インペリアルの魔術師が差し出す赤い表紙の冊子はカイルの名が記されています。
カイルの手によってしたためられたに違いない雑記帳にもイーサの日記同様フロストミヤの森で発見した剣のことが記されていました。
森の中央にある記念碑で見つけた剣を手にした頃からラジールの挙動がおかしくなった。
「やっぱり剣を手にしたのはこの山賊一味の首領であるカイルのようね(`・ω・´;)」
「蒼白の淑女と剣についてラジールは夢でうなされていた節がある 剣を巡りカイルとラジールの間でひと悶着あったと考えるのが妥当だろう ともあれ」
山賊団のボスであるカイルは地下に向かったらしい。
追いかけてみよう。
足音を忍ばせるインペリアルの魔術師は階下で酒を酌み交わす山賊らを見下ろし雷魔法の詠唱を始めました。

2本の矢羽で山賊二人を仕留めたRioは部屋を封鎖する跳ね橋を横目にひらりと階下に降り立ち、奥の部屋に滑り込みます。
すると眼前をうろつく山賊と鉢合わせました。
一瞬肢体を強張らせたRioは直ちに矢を番え、目の前を過る賊に引導を渡してゆきます。
駆けつけたもう一人の山賊をマーキュリオのチェインライトニングが弾き飛ばしました。
通路脇で腰掛ける女山賊の喉笛を斬り裂き。
彼女の横に設置されたレバーを作動させます。
(さっきの部屋を封鎖していた跳ね橋が下りたようね)
架け渡された橋の位置を確認するため、Rioが跳ね橋につながる通路を急ぎます。
途中現れた女山賊を仕留め、跳ね橋を越え、粗末な木製のスロープを下りて行くと、掘りかけの坑道に出くわしました。
背を向ける賊の鉱山夫に永遠の沈黙を与え、更に階下を目指そうとして、不意にRioは歩を緩めました。
「変よ 首領はあそこに長く居過ぎたんだわ!」
「ああ そうだろう だが今ここを離れるのは危険だ ラジールやイーサのように一生付け狙われることになる ん? おい!? 誰かそこにいるのか?」
勘の良い山賊の一人に気取られてしまっては応戦するより他になく。
Rioとマーキュリオは互いの武器を抜き払いました。

床に転がる山賊達の遺体を踏み越え。
尚も奥を目指すRioを突如落石が襲います。
硬直するRioを引き寄せ、無意識の内に己の従士の頭部を護るべくインペリアルの魔術師はボロのマントで従士を覆いました。
「怪我はないか?」
大丈夫だと被せられたマントから顔を出すRioはそのつぎはぎ具合を間近に認め、クスクス笑いをもらしました。
「報酬が入ったら新しいマントをプレゼントするわ」
新たに増えた従者のマントのかぎ裂きを指先でなぞりながら、そうつぶやくRioなのです。

落石の狭間を抜け、坑道を下りて行くと、やがてぶつぶつと文句を綴りながらつるはしを振るう山賊オークに出くわしました。
「墓荒しで保釈金を稼いだらぁ こんな陰気な塒は捨てぇ 街でおもしろおかしく暮らしてやるぅ♪」
調子っぱずれな歌を歌う山賊オーク。
彼の夢が叶うことはなく。
Rioとマーキュリオが放つ矢と魔法により、
山賊オークは自らの信奉するマラキャスの許へと旅立ってゆきました。
そのまま右手壁沿いを下るRioの眼前に薄緑色の靄が漂い。
靄が晴れるや突如広大な森林が姿を現しました。
青い双眸を見開くRioが絶句します。
「ここがイーサの日記に記されていた森?」
「待て 迂闊に歩き回るな!」
インペリアルの従者が無謀な従士を諫めると同時に、足元から呻き声がもれ聞こえてきました。
「誰だ・・・」
苦しげに咳き込む音とそれに続く掠れ声がドラゴンボーンと魔術師を呼び止めます。

最早立ち上がることさえできないのか。
草叢に身を横たえる甲冑姿の男はどうにか上半身をもたげ。
最期の力を振り絞りつつ途切れ途切れの言葉を紡ぎます。
「ラジールに襲われた・・・あの剣を取り戻そうとしている そ・・・そんなことを許すわけには・・・」
激しく咳き込み喀血する男は山賊らの首領カイルのようでした。
「ラジールはどこ?」
けれどもRioの問いを待たず。
カイルは事切れてしまいました。
「ラジールを探そう」
すばやく状況を判断したインペリアルの魔術師は瞳を凝らし辺りを窺います。
件の剣を持ち去ったラジールは山賊どものリーダーを死の淵へ追いやるほどの手練。
「慎重を期すべきだ」
マーキュリオの言葉にコクリとうなずくRioなのです。
身をかがめ足音をひそませ。
辺りに注意を払いながら森を前進するRioとマーキュリオの視界の先に緑の祭壇が浮かび上がりました。
祭壇下ではカジートが祈りを捧げているようです。
祝詞を唱え終わるとカジートは引き寄せられるように祭壇に上がりました。
長い尻尾が揺れ。
胸に抱く剣を鞘ごと何者かに差し出しているようです。
ところが剣が見えない何者かの手に渡ろうとした刹那、突如奇声を張り上げ、カジートは抵抗を開始しました。
「これは俺の剣 誰にも そうだ! 誰にも渡しはしない!」
見えない敵を斬り刻むかのごとく盲滅法剣を振るうカジートを見つめるインペリアルの魔術師が早口に綴ります。
「あいつがラジールだろう」
両手に魔法を結び飛び出すマーキュリオ。
従者ばかりを矢面に立たせるわけにはいかないとRioも矢を番え前進して行きます。
しかし二人の目の前でラジールらしきカジートは突っ伏し斃れ、絶命を遂げました。
カジートを死へと追いやった張本人、白い冷気をまとうこの世の者とは思われない女がゆらり空を漂い始めました。
「蒼白の淑女!?」
不意撃ちを仕掛けるRioの気配に気づいた蒼白の淑女が振り返り、何人もの己の分身を呼び出します。
ただひたすらに蒼白の淑女本体を狙い撃ちするRio。
飛び交うウィスプと淑女の分身に身を躍らせるマーキュリオがチェインライトニングを浴びせかけます。
2本の矢羽が蒼白の淑女の身体を穿ち、揺れる青白い幻影にインペリアルの魔術師が放つ雷が撃ち落とされました。
蒼白の淑女本体が地に伏したところで彼女の召喚した分身も小さな核となり消失してゆきます。
白い氷の塊となり果てた蒼白の淑女を見下ろしつつ。
肩で息をするRioは残念そうにつぶやきました。
「絶世の美女の面影すらなくなっちゃったわね」
すると鬼気迫る青白い女の顔なら脳裏に焼き付けたとマーキュリオもため息混じりに応えます。
祭壇横に伏すラジールの遺体から魔剣ペイル・ブレイドを拾い上げたRioはそれを己の従者に差し出しました。
「この剣を持ち歩けば いずれまたこの世のものとは思われないほどの美女に出会えるかもしれないから」
「そしてラジールのように付け狙われた挙句 この世ではないどこかに誘われろと言いたいのか」
傍らで躯を晒すカジートに一瞥をくれ。
「一時の快楽のためにすべての夢を諦められるほど私は厭世的ではないつもりだ」
従士の手からペイル・ブレイドを取り上げたインペリアルの魔術師は青白く輝く呪われた宝剣を緑の祭壇に納めました。



以上で『蒼白の淑女』終幕となります。

ペイル・ブレイドは25ポイントの冷気ダメージ&50ポイントのスタミナダメージを対象に与え、弱い獣や人を30秒間逃走させる能力も併せ持つようです。
なかなかの性能を持つこちらの剣、蒼白の淑女がまだ健在の間に祭壇に納めることができれば彼女との戦闘が回避され、蒼白の淑女を倒す前に再び祭壇から取り上げると現れ再度攻撃を受けることとなります。
ペイル・ブレイドを手に取れば、またいつでも蒼白の淑女の尊顔を拝することができるようです。
「蒼白の淑女を討ち倒したくない」
とおっしゃるプレイヤー様は早々にペイル・ブレードを祭壇に奉納することをお勧めいたします。

イーサの日記の最初に登場するハシバールはホワイト川監視所を塒とするハシバール・アイアン・ハンドであることは
“ハシバールの日記”(詳しくはホワイト川監視所で日記を入手するかSKYRIM LIBRARY(敬称略)で該当の日記を探し通読してみてください)から照らし合わせみても確かなようです。
つまりイーサはフロストミヤ墓地に来る前はカジートであるラジールと共にホワイト川監視所の一味に属していたということで。
そちらを抜け出しカイルらのアジトであるフロストミヤ墓地に転がり込んだようです。
更にイーサはホワイト川監視所でハシバール一味に雇われる前はマルカルスの監獄シドナ鉱山に閉じ込められていたようです。
本当の意味で有罪であったのか、どこかの無謀なドヴァーキン同様無実の罪を着せられ捕まってしまったのか。
ともあれシドナ鉱山を脱した後(そういえば某ドヴァーキンが騒ぎを起こしフォースウォーンの罪人らと集団脱走を企てたことがありましたが・・・※Skyrim②『フォースウォーンの陰謀&誰も逃げられない』参照、そのどさくさにまぎれ脱獄を図ったのかもしれませんね)、山賊一味の根城を転々としたのでしょう。
真っ当とは程遠い経歴の持ち主とはいえ、イーサもまた海千山千の女傑と言えるのかもしれません。


フロストミヤ墓地には様々な書物が置かれているのですが、“パルラ”は全編通しておもしろく秀逸でラストは、はっとさせられるオチが待っています。
“仁義ある義賊”の顛末は予想はつきましたがニヤリとするものでした。
個人的に印象的な読後感を持つ書籍が多かったように思います。

次回Skyrimは『アンスカの巻物』をお送りいたします。
ネタバレ・妄想・創作など含まれるかと思いますが、「ぜんぜんOK(`・ω・´)」とおっしゃる皆様のお越しを心よりお待ちしております。

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